水没から始まる前線生活   作:塊ロック

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奴らはやって来る。


第45話『世話焼き三連星』

「兄さん!いつまで寝てるんですか!?朝ですよ!!」

 

カーテンが開かれ、すっかり高くなった日の光が俺の顔に当てられる。

 

「ん……あぁ?誰だ……良いだろ、休みなんだから……」

「休みだからといって普段の生活からリズムを崩すと、体に、良く、ありませんよ……!!!!」

「ちょ、分かった!分かったから布団引っ張るな……!!」

 

誰だか知らんが朝から(現在時AM1000)余計なお世話だ……。

頭を振ってやってきた人形に目線で抗議を送る。

当然の様に無視された。

 

カーテンを開け布団を剥ぎ取った犯人は……長い髪を惜しげも無く振りまく人形、ベネリだった。

結局、俺の事を兄と呼ぶ事に落ち着いたらしく……周りに誰も居なければそう呼んでくる。

 

孤児院の時も結構多く下の子の面倒を見たりしてたので、今更妹が増えても気にしないで可愛がっている。

 

「おはよう、ベネリ……」

「おはようございます。食堂はとっくに閉じてますよ。はいどうぞ」

 

ベネリから差し出されたバスケット。

中にはサンドイッチが詰められていた。

 

「ああ、その、なんだ……わざわざ」

「どうせ寝過ごして食べて無いのは分かってます。ホントはちゃんと起きて行ってほしかったんですけど」

「……そう、か?」

 

……こいつの性格からして朝起こしに来る気がしてたんだが。

何かあったのだろうか……おや?

 

部屋のドアが開いている。

誰かが中を覗いて………………………ひえっ。

 

「「………………………………」」

 

ステアと88式が感情の無い瞳でずっとこちらを見ている。

えっ、何これは何事。

 

「わたくしが……起こしに行きたかったのに……!」

「パトリックさんのお世話は……私が……ブツブツ」

 

俺は何も聞かなかった。

ああ聞いてないとも。

 

「それで、兄さん。今日の予定は?」

「今日?うーん、素振りとか訓練適当にやって昼から街に出ようかなって」

 

前にスパスから聞いたファストフード店が気になっていた。

 

「分かりました。私も同行します」

「何でさ!」

「兄さんは絶対外食をファストフードで済ませる気でしょう!」

 

何故バレたし。

 

「お待ちなさいベネリさん!?そこまでは許してなくってよ!!」

「パトリック、さん、わ、わた、私も行きます……!!」

 

半開きのドアが勢い良く開いて二人が流れ込んできた。

壊すなよ?頼むから。

 

「なっ!?二人共居たんですか!?にいさ……パトリックさんのお世話は!今日は私が勝ったので!」

 

なんか勝負してたの!?

 

「今日一日ではありません!」

「言っていませんでしたよ!?」

「言ってませんので!!」

「ひどい!横暴です!」

「わたくしが先輩です!」

 

ひどいやり取りを見た。

その横を通り抜けて、おずおずと88式がやってきた。

 

「おはようございます、パトリックさん……本当は起こしに行きたかったんですけど」

「ああ、いや。来なくて良かったのに」

「そうしたら、ステアさんとベネリさんと鉢合わせして……じゃんけんに」

「そっかー、そのまま帰ってくれたら良かったのに」

「そうしたら4時間も掛かってしまって」

「人の部屋の前で何してんの!?」

「でも大丈夫です!次からはもっと早く来ますので!」

「来るなよ!!」

 

駄目だこれ。

 

結局昼近くまで部屋で騒いでたらしい。

その前に抜け出して裏で素振りしてたけど。

 

 

 

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