アレは嘘だ。
「兄さん、起きてください」
「んぁ……?ベネリ……?どうしたんだよ、まだ夜中だぞ……」
時計の針は未だ2時を差していた。
ベネリの赤と黃の瞳が闇夜の中で少し輝いていて綺麗だった。
「指揮官がお呼びです。完全武装出来次第集合してください」
「……!わかった」
完全武装?
穏やかじゃないな……。
……ところで、何でいっつもコイツら勝手に入って来るの?
俺の部屋鍵かかってるんじゃないのかよ。
−−−−−−−−−−−−−
「チッ……来ましたね」
リリスの元へ来た瞬間、舌打ちが飛んできた。
酷いもんである。
「G36。やめなさい」
「申し訳ありませんでした」
恭しく礼をするが頭を上げたときにはもう俺睨んでる。
顔が良いからほんと恐いよ。
「ごめんね、りっくん。寝てる所に」
「緊急の案件か?」
「うん。これを見てくれる?」
リリスに渡されたファイルを開く。
内容は、IOPのとあるハイエンドモデルが行方不明になったと言う記述。
「IOPのハイエンドモデルって……AR小隊か?」
ジェリコに聞いた話だが、グリフィンには人形自体に指揮をするためのモジュールを搭載した特別な人形が居るらしい。
尤も、そいつはどっかのプレイボーイに引っ掛かって誓約を交わしたとか。
グリフィンとIOPの上層部が頭を抱える案件らしくあまり出回ってないけど。
「ううん。別の人形。任務で動いてたんだけど消息を絶っちゃったらしくて」
「なるほど……」
と言う事はこの人形の捜索が今回の仕事か。
……しかし、俺が出る理由は?
「……S-14地区周辺。鉄血が居るかも」
なるほど。
この時間だと完全に夜戦になるが……。
「メンバーは、リーダーがDSR-50、Five-seveNとジェリコにG36c、FALとそこにりっくんが入るから」
「了解」
「よろしくね、パトリック」
そっと肩に手を置かれたので慌てて振り払った。
「あら」
「……ビビるからやめろって」
何か最近こいつ距離近いんだよな……。
「行きましょうパトリック。皆待ってるわ」
「はいはい……じゃ、行ってくる」
「気を付けてね」
二人で部屋から出る。
……DSRが、口を開いた。
「……あんまり、無茶しないでね」
「大丈夫だって。俺にはこの鋼鉄の腕がある」
「割と外れたり壊されたりしてるじゃない」
ごもっとも。
何だかんだ壊されている。
頑丈さに極振りしているとはなんだったのか。
「……何とかなるって」
「はぁ……心配してる身にもなりなさい」
「無茶しなきゃ、勝てねぇんだから」
「私も気を回すけど……次大怪我したら……食べるわよ」
「それ脅しとしてはどうなんだ」
「なんてね。でも、本当に怒るから」
いつになく真剣に案じてくれている。
……からかうほうが野暮ってもんだろうよ。
「……善処する」
「それ、絶対信用されない言葉よ」
ちくせう。
私の趣味によりあと二体追加します。
収集つかない気がしてきたけどやりたい様にやった方が楽しいので。