「いやにあいつの面倒見るじゃねーか。野郎には興味無いんじゃなかったのか?」
執務室で書類とにらめっこしていると、新たな書類を抱えたローニンがやってきた。
最近白髪が増えたと嘆いていた。
「そう言うのじゃない。アイツは……まぁ、身内みたいなもんだ」
「……お前、あの若いのどう思う?」
「まぁ、アレなら多分やってくれるだろう。義理とか、そう言う大事にするタイプだろ」
本人が否定しても何となくそんな感じはする。
「だから、ホントはタダで面倒見てやるつもりだったけどそういうタイプだから対価も要求したと?」
「思考を読むのやめてくれないか?」
めっちゃバレてんじゃねーか。
「しかし、イミテーションメーカーの件、アイツに投げて大丈夫なのかよ。お前の借金にも関わってくるのに」
そう、イミテーションメーカーは元々I.O.Pから投げてこられた依頼だ。
可能なら、捕獲……困難な場合は破壊しろとの通達だ。
「そもそも俺も見たことが無い。女の子の顔は忘れないのが特技なんだが」
「言ってろ。それで、駒を増やす目的でパトリックを使うと?」
「そんなとこ。あいつも苦労しそうな顔してるし女のほうからやって来るだろ」
「言葉の重みが段違いだな」
「実例いるしな〜ここに」
我ながら笑えない。
「……ま、それだけじゃないけどな」
「と言うと?」
「………………あー」
そう言えばまだこの件、リサにも話してないんだよな……。
「おいジョージ。何かあるならさっさと言えよ」
「まぁ、そうなんだが……まだリサにも話してないんだ、それ」
「?何か問題が?」
「拗ねる」
「……お前もすっかり尻に敷かれてんな」
うるせぇ。
全員平等に愛する、とは言ってるものの……やっぱリサは別格だ。
最も俺を理解してくれている存在。
それだけに、ちゃんと話してやりたかった。
「ま、後悔は後でするもんだ。大事なのは今だよジョージ」
「さすが、妻帯歴が違う」
「あ?お返しのつもりか?」
「さぁな?」
まぁ、関係ない事もない。
話しておくか。
「アイツな……俺の弟らしい」
「ほーん……は?」
あれ、何か間違った事言ったっけな。
「えっ、親父さんの隠し子……!?」
「あ、あー……なんて言ったら良いか……母親の方の」
「嘘だろ!?親父さん命のあの人が!?」
「オーケー、ローニン。まずはその温まったコアを落ち着けようか」
「お、おう……」
さて、どこから話そうか。
「アイツな……俺の母親のクローン体から産まれたらしいんだわ」
「は………………」
なんか生まれて初めて宇宙に行った猫みたいな顔してる。
「なんだ、それ」
「詳しい事はわからん。けど、アイツも……俺の身内ってのは確か」
びっくりだよね。