追っては一つではない。
「……ここまでで大丈夫だ」
二人と一緒にS-13地区の外れまでやって来た。
境界線を越えれば迎えが来ているって話だが。
「……居ないな」
「おかしいですね……」
辺りを見回しても、誰も居ない。
「……グリフィンの奴らが何かを追ってると思って来てみれば」
女性の声。
迎えか……?
「誰だ!」
サイガとベネリが得物を構える。
物陰から出てきたのは……。
「お前……
白一色の眼帯女!
忘れる筈もない!
「久しぶりだな、パトリック。何やらオマケが居る様だが、今日は気分が良い。気にしないでおいてやる」
「そりゃどうも」
「追手なら暫く掛かるだろう。ちょうど今かち合った所だからな」
「何ですって……!?」
「さてパトリック。情報交換と行こうじゃないか」
二人がぎょっとして俺を見る。
「こいつが勝手に言ってるだけだ」
「連れないなぁ?」
「うるせぇ!」
ピースキーパーを
奴は笑う。
全く意に介してないな此奴。
「こっちは全くの進展無しだ」
「お構いなしかよ!」
「兄さん、何の話……?」
「知らん。こいつは自分を作った奴を探してるらしい」
「覚えていてくれたようだな。うれしいよ」
「うるせえっての!」
「……パトリック、アンタ」
「裏切ってるつもりは無い。現にこうして襲われてるんだ」
「……信じますよ」
ベネリが俺の隣に立って銃を構える。
サイガもそれに倣う。
「クックックっ……愛い奴め。まぁ良いこちらからから出せる情報は……そうだな『勢力圏から出ると即座に自壊する』だけだ」
……つまり、
「……イミテーションメーカーはS-13の中に居る」
「その通り」
「って、協力するなんて言ってねぇっての!」
「そこまでよ」
バン!とライトを照らされる。
そう言えば夜だった。
眩しさに目を細めると、その先には人影がかなりの数立っていた。
この声は、ジェリコ……。
「パトリック……まさか本当に鉄血と内通してたなんて」
「言われているぞ?」
「お前が馴れ馴れしいんだっての!!」
「騒ぐな。パトリック、貴方には無傷で来てもらわなきゃいけないの。……サイガ、ベネリ。貴女達は、分かってるわね」
「くっ……」
どうする?
今すぐこいつをどかして逃げるか?
それとも、ジェリコ達を撃つのか?
どうする、どうする……。
辺りが静かになる。
……すると、聞こえる音が。
これは……
(水の流れる音……?)
それも、かなり激しい流れ。
近くに増水した川でもあるのだろうか。
……いや待て、
「ベネリ、サイガ。合図したら一緒に走ってくれ」
「え?」
「何をする気?」
「逃げる」
「武器を捨てて、両手を……パトリック!!」
ギュイーン、と物凄い音を立ててトムボーイが振動する。
「うぉらぁ!!!!!」
思いっきり地面を叩いた。
爆炎が吹きあがり、続いて爆音が鳴り響く。
「今だ!!」
3人で走り出す。
「何処へ行くの!?」
「飛び込めええええええええええっ!!」
「嘘でしょおおおおおおおおおおお!?!?!?!?」
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?!?!」
二人を抱えて、跳んだ。
「パトリック!!」
背後からジェリコの声がする。
しばしの浮遊感。
そのまま、崖下の川に落ちた。
(思ったより高かったな。ていうか近く崖だったのかよ)
これ、浮き上がれるかな俺。
これが残された逃走経路。
2回だとタイトル通りにならないかなと思ってもう一回水没させました。