水没から始まる前線生活   作:塊ロック

92 / 113
実家からPS3をわざわざメタルギアライジングを引っ張り出して現在遊んでいます()

発売当初は賛否両論でしたけど自分は面白いと思いましたよ。


第86話『出生』

 

「そう言えば、貴方の荷物どうしましょうか」

「ああ……」

 

あの後。

俺を迎えに来たグリズリーからそんなことを言われた。

 

「武器以外全部流されたんだよな……無一文だし」

「……何か、慣れてるわね」

「もう3回目だしな」

「よく生きてるわね貴方」

「……悪運だけ強くてもな」

 

仮の住まい事机とベッドしか無い簡素な部屋で荷物を纏めようとして何も無いのをグリズリーに言ったらそんな反応をされた。

 

「ようパトリック……なぁ、何でお前ら何も無い部屋で空っぽのスーツケース眺めてるんだ」

 

オッサンが部屋にやって来た。

何か妙に絡んでくるなこの人。

 

「あらジョージ」

「悪いなグリズリー。少し外してくれ」

「?ええ」

「……さて、パトリック。少し真面目な話だ」

 

まるで今まで真面目じゃなかったやり取りだな……。

 

「……お前の親の話」

「えっ……」

 

思わずオッサンの方を見てしまった。

 

「俺の、親?」

「ああ」

「俺は孤児だろ……生きてるのか?」

「……正確に言えば、生きていない」

「……そうか、まぁそうだろうな」

「ただ……少し複雑な話が絡んでてな」

「どういう事だ?」

「お前の母親は……見ようによっては生きていると言っても良いかもしれない」

「えっ」

 

俺の母親……?

 

「どういう事だよ」

「……聞いて、後悔しないか?

 

いやに真剣なトーンで聞いてきやがる。

 

「……今更、何があっても特段驚かんわ」

 

 

 

 

「分かった。パトリック……お前は、ある女性のクローンから生まれた文字通りの『人造人間』だ」

 

………………はい?

 

「……は?」

「昔話をしよう。アレは数十年前の話だ。この地に流れ着いた東の血統を持つ一族が居た」

 

「そいつらは自身の血を重んじ、絶やさない様にしてきたらしい」

 

「だが突然、邪魔者が現れた」

 

「当時の唯一の女性を、その邪魔者が攫った」

 

「で、絶縁かまされたもんだから一族は大混乱。苦肉の策として当時メジャーだった人体強化やらを駆使して女のクローンを製造した」

 

「そのクローンを媒体にして何人かの子供たちが生み出された」

 

「そして、子供たちにも改造を施していった」

 

「あるものは頭の中に演算装置を、あるものは頑丈な手足を」

 

俺は、震える口で何とか言葉を絞り出した。

 

「お、おい……それ、まさか」

「プロジェクト、エールシュタイアー」

「……そうか」

「……あまりショックが大きくなさそうだ」

「まさか。でも、ちょっと納得してる。面倒見てくれてた教会の人たちもグルか……」

「そうなる」

「そうか……」

 

そして、一拍置いてふと気づく。

 

「まさか、会って欲しい人って」

「察しが良いな」

「……最初からそう言えよ」

「悪いな……俺も、まだまだ未熟でな……言いあぐねていた」

「そう、か……」

 

これから、その人に会いに行くってのか?

 

「……今更どんな顔して会いに行けって言うんだよ。十何年……それこそ顔も覚えていない相手に」

「さぁな。俺も経験が無い」

「んだよ」

「……まだ、聞くか?」

 

珍しくバツの悪そうな顔している。

俺は……。

 

「……止めとく。ロクな話じゃなさそうだ」

「……そうか。ま、一か月ゆっくりしてくれ。帰ってきたら仕事を頼むからな」

「まぁ、助けて貰った恩がある。何をするんだ?」

「ん?まぁ通常業務……警備、鉄血の掃討と……あと武器のテスト」

「武器?」

「お、そこに食いつくか。IOPが正規軍の武装くすねたんだが人形にも俺にも扱えなくて困ってたんだ」

「へぇ……あん?軍からくすねた?大丈夫なのかよそれ」

「さぁ……」

「……で?どんな奴なんだ?」

「めっちゃ気になってるじゃねぇか……ブレードだよ」

「マジ?見せてくれよ」

「えぇ?今からか?」

「ああ!」

 

ブレードと聞いたら黙っちゃ居られない。

 

「仕方ねぇな……まだ時間は余裕あるし……ただ、その腕じゃ使えないかもしれん」

 

代用品だからパワーは随分落ちてるからこの腕じゃトムボーイもジェットストリームも扱えない。

 

「ついてきな。多分今なら見れるだろ」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「わぁ……」

 

思わず感嘆の声が上がる。

目の前の机に置かれていた二本の大型マチェーテ。

カタナと比べて一切の反りが無く、先端が角ばっている。

刃の裏、根本付近はサバイバルナイフの様にギザギザが付いている。

 

「二本あるのか」

「二本セットで運用する……えーっと、『試作対装甲破断用連結機構搭載実体剣:デスペラード』だ」

「えっと……何だって?無法者(デスペラード)?」

「まぁ名前に似合う武器だろうな」

 

試しに片方を握ってみる。

グリップはまぁしっかりしているが……。

 

「重っ……!」

 

持ちあがるが……これを振り回すなんて無理だろ。

 

「まぁ問題点がこれなんだよ。重すぎる」

「これ生身の人間で持てるもんじゃないだろ!」

 

1本を両手で持つのが精いっぱいだ。

 

「元々、ELIDの固い表皮をなんとかするために用意されたらしいんだが……使える奴が行方不明になってたらしくて、廃棄予定だったのを野党に襲われてこれ幸いと破棄したらしい」

「……へぇ、軍にこんな重い奴振り回せる馬鹿が居たのか」

 

……うん?軍属で行方不明になった馬鹿力の奴?

 

「……俺かぁー……」

 

なんてこった。

これまさか最初から俺用の武器だったって訳か。

 

「何か言ったか?」

「いや……で、これ……ただの二本のブレードって訳じゃないんだろ?」

「ああ」

 

オッサンが手にしたのは……何だこのパーツ。

 

「これだ」

「何だこれ……ん?ああ、そう言う事か」

 

ブレードの柄にアタッチメントがある。

という事はこの二つ、連結出来るのか。

 

「なるほど、これで両刃剣になるのか」

「いや、答えは……ハサミだ」

「えぇ……?」

 

この武器……デスペラードは要するに二刀流とハサミ形態を使い分ける武器って事か。

 

「何考えて作ったんだこれ……」

 

ただこれ、片腕に二本集中する事になるから凄まじい重量になるぞ……。

 

「ま、戻ってきてからのお楽しみってやつだ」

 

カラカラとオッサンが笑った。

 

 

 

 




新しい武器と、本人の出生について。
設定どうしたっけと時間が経ちすぎてここまで書くのに苦労してしまった……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。