「おーい、二人ともー。飯だぞー」
日もすっかり高くなった頃。
父さんがバスケットを手にやってきた。
「おーおーハルカさん懐かしい格好してるねぇ」
「あら貴方。それは?」
「お昼だよ。折角だから俺が用意したんだ」
「うふふ、ありがとうございます。さぁパトリックさん、お昼にしますよ」
「お、押忍……」
うつ伏せでぶっ倒れていた俺はなけなしの力を振り絞っで立ち上がる。
膝がガタガタ笑ってやがる……ここまでボロ雑巾にされたのは初めてだ。
AK-12のシゴキよりキツい。
と、いうより一撃当てるどころか攻撃を防ぐ事すら出来なかった事実に震える。
化け物かよ。
「泥だらけじゃねーか。ほらよ」
父さんからおしぼりを渡された。
取り敢えず顔だけ拭いた。
母さんがバスケットを開くと、中にはサンドイッチが詰められていた。
「せっかく外に居ますし、ここで頂きましょうか」
「そう言うと思って、シートは持ってきた。ブルーシートだけど」
「いえいえ充分ですよ。ありがとうございます」
ブルーシートを広げ、バスケットを囲んで座る。
やべ、どっと疲れが……。
「それでは頂きましょう」
「「いただきます」」
――――――――――
「その、二人は……前は何を?」
食事中、ずっと気になっていた事をようやく聞く事ができた。
「ん?ああ、俺もハルカさんも軍人だよ」
「……なんと」
只者じゃないと思ってたけどこの二人元軍人だったのか。
「しかも、正規軍のな。だから俺達はお前の大先輩でもある」
「ジョンさんの階級、あんまり高くないですけどね」
「佐官だったハルカさんと比べりゃそうだよ……」
「階級……」
人形突撃部隊には階級なんて無いので縁のない話だった。
「……そうか、人形部隊だから階級は無かったのか」
「そんな事まで」
「ま、色々調べたからな」
あっけらかんと笑っているが、並大抵の事じゃなかっただろうに。
「さて、と……パトリック」
「は、はい」
「ちょっと寝とけ」
「え」
父さんに額を突かれた。
その瞬間、猛烈な眠気に襲われる。
「お、う……!?」
「やっぱ限界か。よく耐えたもんだな」
「ええ、この子は見込みがありますよ」
「ハルカさん、やけに張り切ってるねぇ」
「こんなに楽しいのは久方ぶりです。ジョージさんには合いませんでしたが、パトリックさんには私の技をいくつか伝授できそうですね」
「ほー」
そんな会話をしているのは聞こえているが……意識を手放す瞬間なのでまあ理解はできない。
「おやすみなさい。30分したら起こしてあげますね」