勘弁してください…
アホほど寒い夕方、俺は刀子さんの家に向かっている。
12月中、なんやかんやで刀子さんは忙しく、勉強会の時間がとれずに、何故か大晦日に勉強会をする事になった。
チャイムを押し、ピンポーンと音がして少したってから、ガチャリと玄関のドアが開いた。「いらっしゃい」と、クリーム色のカーディガンを着た刀子さんが出迎えてくれた。
いつものように俺は居間に通され、刀子さんはお茶をいれに行った。
さっさとコタツに勉強道具を広げ、俺は刀子さんの居る台所に向かった。
鼻唄を歌いながら刀子さんはお茶をいれていた。めっちゃ可愛いな…、まだ刀子さんは俺の事に気が付いてないようだ。気配を消して、こっそり忍び寄り、耳元で囁いた。
「手伝いますか?」
「ひゃあっ!?」
驚いた拍子に、きゅうすからお茶がこぼれそうになったので、刀子さんの手に自分の手を添えた。
「あぶないですよ」
「それは、あなたの性でしょう!早く手を離しなさい!あと体も!」
顔を赤らめながら言ってるので、全然迫力がない。むしろ、可愛いだけなのにな。仕方なく、ゆっくり手を離し、一歩ほど後ろにさがった。
「イタズラはやめなさい。さぁ、勉強を始めますよ」
子供に『めっ』と言うような感じだった。その後すました顔で、お盆にお茶をのせ、刀子さんは居間の方に歩いて行った。
月一の勉強会をやり、俺の頭は比較するまでもなく良くなった。刀子さんのスパルタな教え方、予習や復習をやるよう言われた…しかもノートを見せなきゃいけないので誤魔かせない。さらに宿題まであるのだ。
だから勉強会では、刀子さんにあまり聞く事がない。
もくもくと勉強をやり続け。
もくもくと勉強をやり終えた。
あ〜、肩凝った。
勉強道具を仕舞い、俺は反対側に座ってる刀子さんに声を掛けた。
「忘年会、やりましょう」
「何故あなたと、やらないといけないのですか」
「勉強を頑張ったご褒美ですよ。鍋やりましょ、鍋」
「だからっ」
「このあと何か予定あるんですか?」
「ないですが…」
「じゃあ鍋やりましょう」
そんな感じで、忘年会もしくは鍋パーティーをやる事が決定した。鍋の材料が無かったので、刀子さんと俺は鍋の材料を買い出しに行った。しっかりと服を着込み、暖かい家の中から、いてつく真冬の夜に外へ出た。北風に吹かれ、近場のスーパーにたどり着いた。
俺はカートを押しながら刀子さんの横を歩いている。
「それで、なに鍋が食べたいのですか?」
「えっ?…う〜ん。鍋なら、なんでもいいですよ」
「はぁ。なら適当に買います」
そして刀子さんが買った物は、ネギ、エノキ、白菜、肉、の四つだ。そんだけ!?と思ったが最初になんでもいいと言ったので仕方ない。そのあと酒を買おうとしたら、首をしめられた。
俺は買い物袋を無理矢理奪い、刀子さんの家に戻った。
手を洗い、二人で台所に立ち、料理をした。
料理と言っても野菜を切って鍋にぶち込んだ…、だけだ。
肉に火が通ったので、もう食えるだろう。
コタツに入り、鍋をつついていたら、電話が鳴った
刀子さんは立ち上がり、電話を取りに行った。
〜〜〜
「はい。葛葉です」
「刀子、うちや」
「えっ…?母さん!?…なんやの?いきなり?」
一度、クガ君を見やり、私は声をひそめました。
「単刀直入に言うで。刀子、帰ってき。父さんも心配しとる。出戻りなんて気にしへんで、一人は寂しいやろ。皆で暮らそう」
「ありがとう。でも、まだ…帰れん」
「なんでや?」
「その、好きな人が…、いるんや…」
「…うまくいきそうなんか?」
「わからん…」
「元気ならまぁえぇ。うまくいったら、その男つれてき。ほな、また電話するわ」
「うん。わかった」
電話を切り、盛大にため息が出てしまい気が抜けました…
はぁ…
「好きな人って…、俺の事ですか?」
「なっ!?」
振り向くと、真後ろにクガ君が立っていました。
「教えてくださいよ」
じりじりと近づいて来るので、とっさに私は後ろにさがり壁にぶつかってしまいました。
「卒業したら…、教えてあげます」
顔をふせ、私は、なんとか、それだけを言いました。
〜〜〜
正月。
龍宮神社で、手伝いをしている。
人手不足だから、と真名の父母に頼まれた。
俺は豚汁を配る係りだ。
真名は巫女姿で、お守りを売ってる。
その他にも、巫女のバイトを雇っている。
バイト巫女に交代ですと言われ、今は休憩している。
ちょうど真名も休憩だったようで、休憩室には真名も居た。
二人で雑煮を食っている。
俺は雑煮を食い終わり、まだ真名は食べてる途中だ。
「巫女姿、可愛いな」
「ぐっふっ」
何故か真名はむせていた。
「茶、飲むか?」
俺は自分のペットボトルを差し出した。
すぐさま真名はペットボトルを奪い取り、ゴクゴク飲んだ。
そう言えば…
「関節キスだな」
「ぶふっ」
今度は茶を吹き出した。
「大丈夫か?」
その後、何故か殴られた。
〜〜〜
三が日、初詣に来た。
ココネ、美空、俺、シャティの四人だ。
しかし、めちゃくちゃ不自然だ。シャティが。
あれから俺が話し掛けるたびにシャティは挙動不審になる。目線を合わせても、すぐにそらし、あからさまに俺を避ける。
そんな感じだったので、ココネと美空に勘違いされた。
『喧嘩したなら謝りなさい』と怒られた。喧嘩なんかしてないのにな。
気を利かせたつもりか、ココネと美空の二人は人混みまぎれ消えた。
今は二人、俺とシャティだけだ。前を向いたまま俺は話し出した。
「意識してくれるのは嬉しい。…でも、もう少し普通にしてくれると助かる。別に無理矢理襲う気はないから、そんな警戒しないでくれ」
俺はシャティが何か言う前に、手を握った。
シャティは顔を赤くし驚いていた。
「これ以上、迷子が増えたら困るだろ」
そう言い、俺はシャティの手を引いて歩き出した。
あとがき
読んで頂き、ありがとうございました。
中途半端な終わりで、すいません。
ただ、くっつけるとなると原作の最初から最後まで書かないといけなくなるので、無理です。そこまで頑張れる熱量がありません。
要望か何かありましたら、閑話なんかアップします。気分次第ですが…