葛葉刀子ルート   作:眼鏡最高

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第三話 顔合わせ

入学式から一週間ほどが過ぎた。勉強会は、まだ開かれて無い。まぁ色々と忙しい時期だから仕方ない。

 

で、二週間が過ぎて初のお勉強会をやった。場所は放課後の教室だ。流石に先生だけあって教えるのが上手い、ただ問題があった。何度か生徒と遭遇し、補講だと言い訳を言ったが何度も使えば怪しまれるので次回からは刀子さんの家でする事になった。まぁ最初は渋ってたがゴリ押しで通した。

 

んで三週間目になった。

けっこうな頻度で俺達は授業をサボっている。いつものように屋上でサボタージュしていたら、ゴリラのような先生通称ごり山先生に見つかり俺達は颯爽と逃げた。

逃げて逃げて適当に逃げ回っていたら、当然のように迷子になった。

 

ぷらぷら歩き今は校舎の中だ。もちろん靴は脱いで手に持っている。

廊下を進んでいたら一際、煩い、もしくは元気なクラスがあった。通り過ぎる時に覗いて見たらクラスに居るのは女子だけだ。だだ小学生みたいな子から大人っぽい子まで居るバラエティにとんだ美少女クラスで、教室には女子中学校との表記があった。全員、中学生だと?

それと黒板の前にはタカミチが立って居た。

 

「君達、こんな所で何してるんだい?」

 

「ちょっとな…」

ベルは曖昧に言ったが。

 

「迷子だ」

レンが素直に話したので。

 

「まぁ、そうゆう事ですよ」

俺が肯定した。タカミチと話していたら突然、大きな声が聞こえた。

 

「あぁー!あなた達、黒学の三人組!」

パイナップル頭の可愛い子が席から立ち上がり、俺達を指差していた。

 

「ねぇ朝倉、この人達はなんの」

勝ち気そうなツインテールの子がパイナップル子ちゃんに聞いていた。ただ俺達を見る目が、冷たい。

 

「アスナ知らないの?すっごい有名だよ」

そんな事を前振りし、朝倉ちゃんは俺達の事を話し始めた。

 

一週間でマホラ学園の不良の頂点になった。格闘技団体同士の喧嘩を全員、打ち倒し場をおさめた。工科大の暴走ロボットを止めた。車にひかれそうになった子供を助けた。などなど、たった三週間で沢山の噂があるよ。

それに何より容姿ね。

ベル・エコー。三人の中では一番小さいけど、背は高いし、イケメン。黒髪黒目で、目付きが悪く、無愛想。神父らしくない神父。

ビャクヤ・クガ。もちろんイケメンで長身、銀髪で後髪が少し長いテイル頭、いつも糸目で笑っている。女性には優しい、と言うよりは女好きね。

レン・アカミネ。三人の中で一番背が高い。赤髪赤目、無口で無表情。よく子供達と一緒に居る。

 

三人に助けられた人達などで既にファンクラブまで出来てるよ。そう締めくくり朝倉ちゃんは話し終えた。

 

そんな時に、めずらしくレンが口を開いた。

 

「マナ」

煩い教室にポツリと呟いた声は何故か、よく通った。クラスの視線は褐色肌の黒髪長髪、ナイスボディな子に集まった。頷いていた顔を上げ、顔をが見えた。三白眼が特長的だな。

「レン…、何か用かい」

諦めた感じでレンに声を掛けた。

 

「何故、こんな所に、居る?」

レンにしては長く喋った方だ。つか見た目は全然中学生に見えないけど、それ聞いちゃ駄目だろ、レン。

 

「それは、どうゆう意味だ」

マナちゃんは立ち上がり、三白眼で睨んでいた。三白眼だからか余計に怖いし、なんか凄みがある…

きっと何度も年齢を間違えられてきたんだろうな…

 

「巫女じゃ、ないのか?」

レンの言葉を聞きマナちゃんの表情が少しやわらいだ。天然って良いよな、色々お得だと思う。

 

「…あれは実家の手伝いだよ」

ゆっくり席に座り直してマナちゃんは言った。なんとか納得したようだ。

 

「そうか」

レンは呟き頷いて黙った。

 

そして、はい、とタカミチ声を上げた。

「ベル、ビャクヤ、レン。自分達の学校に戻りなさい。あとね葛葉先生が愚痴ってたよ。特にビャクヤ、あまり葛葉先生を困らせないようにね」

 

そう言われ道を尋ねようと思ったが突然また大きな声が聞こえた。

 

「お前達!何をしてる!」

 

鬼の新田だ…。違う学校の生徒である俺達にも何度も注意してくる熱血教師だ。とりあえず俺達は一目散に逃げ出した。

 

「こら!待て!エコー!クガ!アカミネ!」

 

そんな新田の声を聞きながら、俺達はフェードアウトした。

 

 

 

数日後の放課後。

魔法生徒や先生達と警備の為に顔合わせする事になった。今までは三人でやっていたが他の生徒や先生と組む為だ。

 

で、学校が終わり辺りが夕闇が包む頃に世界樹広場に来た。

 

やっぱり刀子先生も世界樹広場に居た。気配や足運びが普通の人とは違ったからな。ただ刀子先生は俺達を見て驚いている様子で学園長に話し掛けていた。

 

 

〜〜〜

 

 

「学園長!あの子達、魔法生徒だったんですか?!」

私は思わず大きな声でクガ君達を指差していた。

 

「何を言っとるんじゃ。二三ヶ月前に話したじゃろう」

 

二三ヶ月前…、確か三人ほど入って来る、と聞いたような気がするけど、あの時期はクガ君と寝てしまったから落ち込んで上の空だったかも…

でも今まで気が付かなかったなんて不覚だわ。仕事が忙しかったけれど完璧に修業不足ね…

 

「学園長。彼等が、どの程度の腕前があるか知りたいので勝負して、よろしいですよね」

有無を言わせないように語尾を強めて言った。

 

「う、うむ。いいじゃろう」

学園長に了解を取り付け、クガ君の方に顔を向けた。

 

「クガ・ビャクヤ君!聞いたわね!前に出て来なさい!」

 

私が大声でクガ君を呼ぶと周囲から囁く声が聞こえた。

「葛葉先生、よくクガの事を愚痴ってたからな」「腕試しと言いながら絶対ボコボコにする気だろ」「いいお灸になるんじゃないか」「目が本気だぞ、クガの奴は大丈夫なのか?」

 

ふっふっふ、もちろんケチョンケチョンにしてやるわよ!

 

「お手柔らかにお願いしますね。葛葉先生」

クガ君はニコニコしながら広場の前に出て来て、先生の部分を小馬鹿にした感じで言った。ふんっ、余裕ぶっこいてるといいわ。すぐにボコボコにしてあげるから。

 

「行くわよ」

私は少し本気で抜刀し切り掛かったが、クガ君は紙一重でかわした。反応は良好で、動きも素早い、なかなかやるわね。その後、三連続と、五連続の技を放ったが全て紙一重でかわしている。そして、いつも通りの笑顔に腹が立つわ。

…少しぐらい怪我しても平気よね、だって男の子だし、腕試しだから。

 

九割ぐらいの力と、怪我ぐらいは仕方ない心持ちで、切り掛かった。

地面には大きな傷あとが残ったけれど、これもクガ君は綺麗に避けた。

 

「先生、俺の事、殺す気ですか?」

笑って言ってるので馬鹿にされてるようにしか聞こえない。

 

「さぁ、どうかしらね。あたなも攻撃して来なさい」

私は切り掛かりながらクガ君に言った。この子は、まだ一度も私に攻撃らしい攻撃をしていない。

ここ三週間でクガ君が筋金入りのフェミニスト(女好き)だと理解した。私の荷物や教材を運んでくれたり、最初は思い過ごしかと思ったが授業中に煩い生徒が居ると自然な感じで何度も治めてくれたり、噂で聞いたり、見た事があったのだ…。

まぁ女性に優しいのは良い事よ、でも勝負事で手を抜かれるのは屈辱だ。

 

「じゃあ、行きますよ」

そしてクガ君は懐からナイフ、と言うよりは暗器を二本取り出した。系統で言えば忍者…じゃなくて暗殺者かしらね。動きも素早いし。

 

斬り合っているが、暗器の方が小回りが効くので少し不利だ。だけど負けられないわ!近くでまとわりつくクガ君に横薙ぎの一閃を放ち間をあけて、上段から本気で一刀両断しようと切り掛かったが、交差した暗器に受け止められ、た…。そんな馬鹿なっ?!

 

「行きますよ」

いつもと違う静かな声でクガ君は呟き、その瞬間、体中に電気が走り一瞬だけ体が麻痺した。そして私の首筋には暗器が当てられていた。

 

「俺の勝ちですね、先生」

さわやか笑顔が、とてもムカつく!くやしい!

 

 

〜〜〜

 

 

刀子さんマジだったな…

つか、なんで、あんなに怒ってたんだろ。頭に血がノボリ過ぎたよ。

 

それにしても最後の一撃は本気で危なかった。魔法世界の遺跡で偶然に見つけた、あの謎ナイフじゃなかったら真っ二つに斬られてたな。ノリで遺跡を探検していて良かったぜ。

 

で、次にベルがシスター・シャークティと勝負する事になった。

 

シスターが「ベルとは是非、私が勝負します。キツくお灸をすえてやらないといけません」と声高に主張し対戦する事になった。

神父VS修道女…、なんか滑稽だよな。

 

なんか二人で話しているが遠くて聞こえない。

 

話が終わったのか学園長の合図と共に熱い熱い闘いが始まった。いきなりベルは神槍「パルジファル」を召喚した。ベルの奴、さっさと終わらせる気だな。シャークティの方は体の周りを円環に小さい十字架が沢山、空中をふよふよ回っている。意外に面白い勝負になりそうだ。

 

で、ベルがシャークティに突っ込んだ。

ふよふよと空中を回っていた三つの小さい十字架が三角形の位置で止まり、ベルの槍を受け止めていた。

 

分はベルにあるがイマイチ攻め切れていない。小さい十字架が防御したり、攻撃したり、シャークティの基本に忠実な攻めと守りが要因かね。面白味は無いが無難だ。

 

でも、もうすぐ終わるな。ベルは基本的に短気だから。

そしてベルは一旦シャークティと距離を置き、槍を構えて、また突っ込んだ。シャークティの小さい十字架に当たる寸前、煩い音と共に砂塵が舞い上がり二人の姿は見えなくなった。

 

一陣の風が吹き砂塵が晴れると槍を突き付けられたシャークティが居た。

 

シャークティの悔しそう表情を見て、めずらしくベルが笑っていた。

 

 

 

で、最後の勝負は。

レンVS絡繰茶々丸ちゃんだ。

 

何故に、こんな組み合わせになったかと言うと少し時間を遡る必要がある。まだベルとシャークティが戦っている時だ。

 

レンと並んで試合を見ていたら、レンは斜め前に居る金髪幼女に近付き話し掛けていた。ホント子供好きだよなぁ、いつも通りの光景に最初は気にしていなかったが、幼女の騒ぐ声が聞こえ俺は見に行った。

 

「まいう棒も、あるぞ?」

淡々とレンは喋っていた。

 

「だから!いらん!と言っておるだろうがっ!貴様、私を馬鹿にしてるのか!」

金髪幼女は、かなりご立腹の様子だ。

 

この後も夫婦漫才のような間の抜けた遣り取りが続いた。そして幼女はキレ、従者の絡繰茶々丸ちゃんとレンは闘う事になった。後で知ったが金髪幼女は、あの有名な闇の福音だった。

 

で、レンと茶々丸ちゃんの試合が始まった。

 

少し…、いや、多いに不安だ。レンは加減がド下手クソだから…

 

「茶々丸ちゃん、大丈夫かな?」

横に居るベルに話し掛けたが。

 

「それを、俺に聞くのか?」

いつも無愛想な表情も幾分か心配そうだった。

 

今の所は、普通に殴り合いをしてる。まだ、どちらの拳も決まってはいない。が、しばらくして茶々丸ちゃんの拳が綺麗に決まり、レンは軽く10m程ぶっ飛んだ。レンの体は馬鹿みたいに頑丈だから心配は微塵も無いが、何より茶々丸ちゃんが心配だ。

くれぐれも、お願いだからマジで本気になるなよ、レン。

 

で、レンは起き上がり腕をグルグル回していた。それが終わると茶々丸ちゃんに向かって走り出し、近づいた時に軽いジャブを入れ、レンは大きく拳を振り上げた。茶々丸ちゃんは受け流す大勢だ。

 

そして悲劇は起きました。

 

レンの拳を受け流そうとしていた茶々丸ちゃんの手、と言うか右腕が…、綺麗に弧を描き空を舞っていた。

 

しかもバラバラに砕けながら地に落ちた。

 

何をしてくれとんじゃ!レン!茶々丸ちゃんの右腕がっ!うぇっい!

 

その後、すぐに分かったが茶々丸ちゃんはロボ娘だった事が判明した。右腕が無いが普通にピンピンしている。大事にならなくて良かったが、俺はレンにキツく説教をした。

 

 

〜〜〜

 

 

女の右腕を折ったら、ビャクに怒られ、ベルにも怒られた。

 

今度、見舞いに行くように、約束させられた。

 

顔合わせが終わり、解散になった。

 

遠くにマナの後ろ姿が見えたので、歩いて近づいた。

 

「マナ…」

振り返りるのと同時に、長い黒髪が揺れた。

 

「レンか…、君の性で大変な目にあったぞ」

何故か、マナは渋い表情だった。

 

「今度、礼がしたい、案内してくれた…」

言葉が少ないとビャクやベルに、よく言われるで、長く喋る努力をしている。

 

「たいした事はしてないがね」

笑いながら、マナは答えた。

 

「美味しい、団子屋だ」

 

「ほぅ、餡蜜はあるのかい?」

 

「あるぞ」

 

「ならば行こう。もちろん奢りだろうね」

 

「あぁ」

 

アドレスやらを交換し、別れた。

 

 

〜〜〜

 

 

「試合前の約束、覚えてるよな」

美空とココネは二人で前の方を歩いている。俺はシャークティの隣を歩き例の約束を確認した。多分、今の俺の顔はにやけてるだろうな、情けねぇ。

 

「わかっています。どうぞ、お好きに呼んでけっこうですよ」

ヤケクソ気味にシャークティは俺に向かって話した。

 

試合前に俺は勝負に勝ったらシャークティを愛称でも何でも好きなように呼んでいいと約束をした。

 

「名前が長いから、シャティで、良いか?」

ぶっちゃけ前から愛称は考えていた。が、突然と名前の呼び方を変えるのは変かと思い呼べずにいた。

 

「…驚きました。もっとヘンテコな愛称を付けられかと思いました」

普通ですね。と微笑んでいた。

 

ちなみにヘンテコな愛称とは、どんな物か聞いてみた。オニババ、冷血女などだ。俺は小学生の悪ガキかっ!

 

完全に俺の事、眼中にねぇな…

自分で思った考えに、自分で傷付いた…

やる瀬ねぇ…

 

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