ソードアートオンライン~グランドメモリアル~ 作:Wandarel
ようやく第13話ですよ。アニメなら第2クールに突入といったところですかね。(特に知識はないので深くはわかりませんが。)
これからもだらだらと続けていこうかなと思っておりますので、今回も評価や感想どんどんください。
(なお、今回はカオス成分は低めです。)
二層到達から約二日。
オクト
(拝啓、リアルに置いてきた姉貴、父ちゃん、母ちゃん、ばあちゃん。オレは元気です。元気に今………。)
脚竜
「オクトーはやくー!!」
ぼっち
「さっさと来いバカ者。」
オクト
(ブラック企業の買い物の荷物持ち《しかも強制》やっています。この先、生きていける自信がありません。友達の脚竜はオレの身を案じてくれますが、ぼっちさんという上司がそれを許してくれません。いつか社畜が解放される日が来るのを願っています。)
オクトは涙を流しながら返事をする。
オクト
「はい、ただいま。」
ぼっちはそんなオクトを見て、ため息をつきながら言った。
ぼっち
「なるほどなぁ、泣くほど仕事が好きなんだなお前。安心しろ、どんどん仕事出すからよ。」
オクト
(殴りてぇ……。(#^ω^)ピキピキ)
脚竜
「んなわけねぇだろバカ兄貴。」
脚竜の冷ややかなツッコミでぼっちの課す強制労働はなんとか解決した。
ぼっち
「………ちょっと酒場でも行ってくるわ。」
脚竜
「酒場?」
オクト
「何をしに?」
一応酒場はあるが、年齢とシステムの都合飲めるかどうかは分からないが、特に行く意味は無いところだ。
ぼっち
「仲間を探しに。」
脚竜&オクト
「「ドラク○かっ!!」」
ぼっち
「安心しろ、青髪のきれいなお姉さんがバーテンダーだ。」
脚竜&オクト
「「ルイ○ダかっ!!」」
さすがに二人はツッこんだ。
こんなご時世だし、酒場で仲間を手にいれるなんて不可能だと思う。しかもぼっちは今ではこのアインクラッド内での必要悪たる存在となっている《ビーター》の称号を手にしている以上仲間になろうとする人間なんてよっぽどの物好きだ。
オクト
「ぼっちさん、やめといたほうがいいんじゃないですか?」
そう言ってぼっちの方を見たが、ぼっちは既にいなくなっていた。
オクト
「………ウソだろおい。」
脚竜
「まぁ、そうなるな。」
~その頃始まりの街の一角にて~
Yunはある人物の合流地点にいた。
いつものようにだらけているとようやくその人物が来た。
Yun
「おっそーい。」
アルゴ
「これでもオイラは忙しいからナ。」
Yun
「まあいいや。とりあえず報酬プリーズ。」
アルゴ
「あいよ。」
Yunはアルゴから報酬をもらっていた。Yunの仕事というのは情報屋のアルゴのアシストである。一層でのあの演説も依頼されてやっていた。
Yun
「しっかしまぁ、ベータテスターもニュービーも両方の仲を取り持つのは厳しいねぇ。」
アルゴ
「そりゃそうだろうナ。でもおかげでオイラは助かったヨ。ま、ちょっとカッコつけすぎだけどナ、ニャハハハ。」
Yun
「………で、話って?」
Yunは今までの談笑モードをOFFにして真剣な顔になった。
アルゴはそれを見て話し出した。
アルゴ
「そろそろオイラ達もある程度単独で行動すべきだと思ってナ。で、ここからはオイラ一人でもやっていけるからそろそろYunもあの二人と一緒になったほうがいいだロ?」
Yun
「………それもそうね。」
アルゴ
「……ありがとナ、Yun。」
Yun
「……ごめん。なんか感動的な雰囲気出してるところ申し訳ないんだけど、フレンド登録してるしアンタがどこに出没するかなんて手に取るようにわかるから今生の別れじゃないんだけど。」
アルゴ
「ニャッハハハハハ、バレたカー!」
アルゴとそんな下らないやり取りを終えて、私はアルゴに背を向け始まりの街の中央部に歩いていった。
しばらくすると、そこで待ち合わせていた二人と合流した。
???
「おっそーい、いつまでかかってんのー!」
???
「まぁまぁ、あ、でもあんまり遅くなると心配するから気を付けてね。」
Yun
「ごめんねミホ、シグレ。とりまお待たせってところー。」
ミホ、シグレの二人はオクトの友人、脚竜の知り合いにして、Yunの親友である。
彼女ら三人はニュービーだが、Yunは友人のアルゴの知恵をもとにベータテスターと同じくらいの知識量はある。
ミホ
「そういえばさ、私たち行く当てないけどどうする?」
シグレ
「いやいや、前のゲームみたいに三人でやろーよ。」
Yun
「まぁそれもいいんだけど少し行ってみたい場所があるのよ。」
ミホ
「それって?」
シグレ
「どこなの?」
Yun
「それはね……………とっても面白い所。」
~第一層トールバーナーの酒場にて~
ここに限ってはいつも通りに賑やかだった。ここならばデスゲームであることを忘れられるからこそ、大切な場所になっている。
オーナーは青髪のきれいなお姉さんこと、ルイーダ。
……ではなく、本当のプレイヤーネームは『ルイ』。
最初の手鏡さえなければ男のまま、つまりネナベで活動していくつもりだったが失敗。頭ごなしにクエストをこなしていってたら何故かここの酒場の所有権をいただき、こうして酒場を経営している。
ルイとしてはもう少し静かに暮らしたかったが、なにぶん酒場の経営の方が安全で儲かりやすいのだ。
そして、生まれつき青髪だったことと、『ルイ』という名前の為か、最初は違う名前だったが、今は『ルイーダの酒場』として経営している。しかも、リアルでの仕事も任されている以上、手を抜くことは出来ない。
ルイ
(……はぁ、しかしまさかこんなことになるなんて。ゲームにはいったらデスゲームになってた挙げ句クリアまで出られないなんて………。)
きっかけは上司からの調査依頼だったが、いつの間にかこんなことになっていた。だいたい、ルイはよく周りに振り回されがちでだいたい損な役割をしている。
そんなルイも救われるものがあるとすれば……。
???
「どーも。」
ルイ
「あら、いらっしゃい。……あまりこういうところには出ないと思ってたんだけどね。ぼっち君。」
ぼっち
「ビーターにも休みは必要だってことですよルイさ……いや、ルイーダさんの方が今は定着してるんでしたっけ?」
ルイ
「まぁね。」
ルイはぼっちと脚竜のリアルを知っている人間の一人である。ルイの同級生がぼっちと脚竜の姉で、昔馴染みでもあったため、ぼっちと脚竜が小さいときのことも知っており、学科は違うものの彼らの姉と同じ大学に通って
いた。彼ら兄弟に会うことはルイにとってはある種の生きる希望となっている。
ルイ
「……それで、ルイーダの酒場よろしく仲間でも探しに来たのかしら?」
ぼっち
「まぁそんなところです。」
ルイは言われなくてもいつもぼっちが頼んでいるものを出すと、既に代金が置かれていた。
ルイ
「相変わらず早いわね。」
ぼっち
「ハハッ…ちょっと鈍りましたがね。」
ぼっちはいつものミルクティーを飲み干すと、ふらふらと酒場を歩いていった。
ルイ
(……大きくなったわね、将悟君も。)
ルイは今この状況でも強く、そして、立派に生きているぼっちの事を尊敬していた。じぶんではそんな生き方を出来ないからである。ふと、そんな事を考えていると、目の前に三人のお客様がいることに気づいた。
ルイ
「いらっしゃい、ルイーダの酒場へようこそ。」
???
「うわぁ……ホントにルイーダそっくりだ。」
???
「ね?言ったでしょ?面白いところだって。」
???
「うーんでも私達お酒飲めないからなぁ。」
ルイは三人組の内の一人は知っていた。
ルイ
「あら、Yunちゃん。いつもの相方はいないの?」
Yun
「いやぁー、今日から私達三人で活動してこうかなってね。」
ルイ
「コンビ解散かしら?」
Yun
「芸人じゃないんですから。」
Yun、ルイが同時にぷっと吹き出した。
ルイ
「そんじゃ、私も商売をはじめよっかな。お客さん、なににします?」
シグレ
「それじゃ私はコーヒー。砂糖少なめ、ミルクなしで。」
ミホ
「そんじゃ私はカフェオレで。」
Yun
「いつものミルクも砂糖も増し増しのカフェオレで。」
ルイ
「はーい。」
こんな風に常連の人との話はなかなか面白くて飽きない。接客業がこんなにも面白いとは最初は思わなかっただろうし思えなかっただろう。
カフェオレを飲み終わったYunがそうだと一言言ってルイに声をかけた。
Yun
「ねぇ、ルイさん。今ここで仲間募集してる人いない?」
ルイ
「うーん、今はいないと思うわ…………ん?仲間募集中なの?」
Yun
「まぁねー。」
ルイ
「んー………ん?仲間を募集してる…………。」
ふと先程の会話を思い出した時、ちょうどその本人がいた。
ルイ
「あ、いたわ。」
ぼっち
「ん?」
Yun
「あ。」
たまたまいたぼっちに紹介をすることにした。
ルイ
「………というわけでどう?」
ぼっち
「ふーむ、悪くないな。何事も道づ………んんッ、仲間が多いことに越したことはない。何よりオクトの知り合いならばなおのことだ。」
シグレ
(………ねぇ、ミホ。聞き間違いじゃなければさっき道連れって言わなかった?)
ミホ
(いや、言ってないような………言ったような………?)
Yun
「お誘いはありがたいんだけど道連れはやだなぁ。」
ぼっち
「いえいえ、道連れについてはちょっとしたジョークですよ。俺としても味方が多い方がいい。出来れば来ていただきたいのだが……」
シグレ&ミホ
「「………だが?」」
ぼっち
「テストを行いたい。ビーターの仲間になるなら中途半端な戦力は迷惑でしかないのでね。」
Yun
「……OK、乗ったわ。」
ぼっち
「助かります。」
Yunの肯定にぼっちはニッコリと笑い、ミホは困惑した。
ミホ
「え?いいの?」
ミホの言い分を封じるようにYunは続けた。
Yun
「でも一つだけ言うことがあるとすれば………その営業口調はやめた方がいいわね。」
その瞬間、今までニコニコしていた顔が少しずつ歪んでいき、そして、同一人物とは思えないくらいに邪悪な笑みを浮かべていた。
ぼっち
「ほほぉ、あのネズミ以外にも俺の本心を見抜ける強者がいたとはなぁ。」
Yun
「なにぶん、アンタの事はだいたい知ってるからね。」
ぼっち
「いいだろう、翌日の13時までに噴水広場まで来い。そこで面接を行う。一秒でも遅れたらその時点で失格とするつもりだからそのつもりで。」
Yunはぼっちの言葉に不敵な笑みを浮かべながら言った。
Yun
「上等よ。」
ぼっちはそれじゃと言って、立ち去っていった。
時雨はぼっちの初めて見せた気迫にビビり、ミホは立ち竦んでいた。
Yunはそんな中でも冷静でいられたのはぼっちを知っていたが故である。
ルイ
「Yunちゃん。大変ねぇ。」
Yun
「……いつものことだけどねー。」
ミホ
「……あ、お代出さなきゃ。」
ルイ
「あー、いらないわ。」
ミホ、時雨がえ?とルイの手元を見ると、既に代金は支払われていた。
ルイ
「お釣りはいらねぇ……ですって。」
Yun
(……案外優しいところもいつも通りか。)
Yun達は酒場を後にして始まりの街の中をうろつき始めた。しばらくして、ミホが不意に喋りだした。
ミホ
「ねぇねぇ、皆。さっきのぼっちさんって結構かっこよくなかった?」
シグレ
「あー、わかるわかる。典型的なイケメンって感じよね。Yunは?」
Yun
「うーん、私としては範囲外かなー。そういうミホ達は?」
ミホ
「残念だけどハズレー。」
シグレ
「同じくー。」
Yun
「じゃなんで聞いたし。」
下らないが今の状況ではこんな会話が出来ることに安心感がYunにはある。これ以上誰も死なせたくないという気持ちはぼっちにも劣らない。
だらだらとかつて同じ中学校の時の下校みたいに歩いていると、ふとYunの目に回りをキョロキョロと見回している女性プレイヤーがいた。
Yunの今までの経験上、このパターンはだいたいわかる。
Yun
「仲間とはぐれたの?」
Yunの突然の質問に女性プレイヤーは驚き振り返った。
???
「そう……ですけど。あなた達は?」
Yun
「私はYun、こっちがミホでこっちが時雨ね。」
ミホ
「どもー。」
シグレ
「よっす。」
Yun
「そういうアンタは?」
サチ
「サチです……。」
サチからの話を聞く限りだと、同じ高校の仲間と高めの装備品を購入するために節約をしながら二層でコル稼ぎをしていたが、大型の牛モンスターに驚き、バラバラになって逃げ、サチは一層まで戻ってきていたらしい。
サチ
「皆、無事だといいけど………。」
Yunは一つの疑問が浮かび、サチに聞いた。
Yun
「一応聞くけど、パーティー組んでるのよね?」
サチは頷いた。しかし、ならばこれは最低限知っていることのはずだ。
Yun
「チャットのメッセージとか見た?」
サチ
「…………あ。」
サチは慌ててチャットを開いて、ほっとため息をついた。どうやら、サチのパーティーメンバーはトールバーナーで合流しており、サチだけが見つからず、メッセージを送ったり、色んな所を探し回っていたようだった。
ミホ
「おー、よかったよかった!見つからなかったら大変だったよね。」
シグレ
「へぇ……チャットとかってやっぱり便利ね。」
事情を聴く限りでは、サチはこの手のゲームをプレイしたのは初めてらしく、知らないことがとにかく多いみたいだ。サチのようなニュービーの為にも、今の攻略チームが欠けるようなことはあってはならないと思っている。
サチ
「………もうすぐこっちに着くみたい。」
シグレ
「気を付けてね、これからはどんな敵がいるか分からないからね。」
サチ
「うん、本当にありがとう。」
サチは三人にお礼を言うと、始まりの街の門前にいる四人組のプレイヤーを見つけ、そっちに向かって走り出した。
ミホ
「いやー青春よのう。」
Yun
「私達もでしょーが。」
シグレ
「こんな風に助け合えたらいいのになぁ。」
シグレの言うとおり、未だにベータテスターを毛嫌いする人もいるし、争いが絶えないのも事実ではある。
Yun
「ま、それすらもあの『攻略し隊』っていうパーティーならやってくれそうじゃない?」
Yunは、その先にあるのは絶望か、未来かはわからないが、Yunにははっきりとビジョンを写し出した。
Yun
(私達三人とあの三人でならんで、ゲームクリアしたいなぁ。)
~ルイーダの酒場にて~
ルイ
「いらっしゃい。一人かしら?」
???
「そうだ。」
一見ぶっきらぼうに見える男が店に入ってきた。今は夜間なので、酒場のように酔っ払い達が騒いでいる。
ルイ
「……何にする?」
???
「ミルクでももらおうか。」
男がそういったとたん、周りの野次馬が騒ぎだした。
酔っ払い
「おいおい、にいちゃん、ここは酒場だ。酒を飲むところだぜぇ。」
そんなことをスルーしながらも、ルイはある紙をミルクの入ったグラスに添えて言った。
ルイ
「左端のテーブルで待ち合わせですって。」
???
「わかった。」
男は一言そういうと左端のテーブルに向かった。
そして、ルイはいつも通りに酒の準備をしていると、またしても昼時に来た三人組と同じ年ごろのような二人組のプレイヤーが現れた。一人は両手槍を、もう一人は片手細剣を持っているプレイヤー。見ただけでもわかるが、この手のゲームをやりこんでいるプレイヤーだろう。
ルイ
「いらっしゃい。何にする?」
???
「あの、ここって情報を売ってるんですよね?」
ルイ
「情報屋ほど正確じゃないけどね。一応知ってることなら……というか私は情報屋じゃないからタダでいいわよ。」
そういうと二人は少しだけ顔が明るくなったあとに、細剣使いの方が喋りだした。
???
「おしえて欲しいことがあるんです。」
ルイ
「何かな?」
二人組は顔を見合わせてお互いにうなずくと話した。
???
「ショウゴっていう名前のプレイヤー。」
Yun
「面接ってなにすんだろ?」
ミホ
「圧迫面接はやだなぁ。」
シグレ
「しかし、チームに入るのに面接なんているのだろうか?」
脚竜
「おぉ、俺の円周率カウンターの使いどころぢゃぁ!」
オクト
「採用!採用!絶対採用!!」
ぼっち
「んじゃこれから面接始めるわ。よろしく。」
第十四話~面接ほど人生で怖いものはない~