ソードアートオンライン~グランドメモリアル~ 作:Wandarel
「前回の三つの出来事!一つ、オクトがようやく休暇を取り、体を休めた!二つ、リズベットとオクトの距離がまたしても近づいた!三つ、攻略し隊はトンチンカンの三人の部下(?)を手に入れた!」
パンドラ
「………大方の前回の出来事を言われましたねぇ。あくまで補足するとすれば、オクト君にも何かしらの過去があるみたいです。それが紐解かれるのかはいつになるかはわかりませんがね。それでは皆様、今回もお楽しみください。」
という訳でどーも皆さんお久しぶりです。
作者のwandarelでございます。
今回も制作に一苦労させられてもうヤバイです。今回からしばらくはアインクラッド内ではなく、リアル目線での話メインになり、ちょこちょこ聞き覚えのある人物とかが出てきますので、今回もカオス注意です!
感想、評価の方もお願いします!
三ヶ月前、私は普通に大学から家に帰って来た。特にやることもなく、やれることは全部やったから帰ってちょっとゲームして寝るの繰り返し。バイトも面倒だからやってない。でも、突然弟二人が病院に送られ、意識が戻らないと聞かされた。
絶望することも悲観的になるわけでもなく、だからどうしたとしか思えなかった。
他人から見れば薄情なのだろうがそれすらもどうでもいい。
変わったことがあるとすればゲームに深入りするようになったくらいだ。
???
「夏輝ー、ご飯出来たから降りてきてー。」
夏輝
「はいはいわかりましたわかりました。」
自宅の二階にある部屋でやっていたゲームを中断した夏輝はだらだらと一階のリビングまで降りていった。
夏輝
(あーめんどくさ………。)
そんな事を考えてはあくびをし、自分の定位置についた。
夏輝
「いただきまーす。」
???
「こら、夏輝。しっかりしないか。もう大学生なんだから。」
夏輝
「別にいいじゃんどうでもいいし。その前にじいちゃんもそろそろ仕事辞めてもいいんじゃない?定年もう過ぎてんでしょ。」
???
「ワシは孫の為にもしっかりと仕事しなきゃいけないからな。そうだ、こずえさん。明日茶漬けだけとかどうだ?」
こずえ
「信文さん、茶漬けだけだと栄養偏るでしょ。」
夏輝
「ばあちゃんもあんまり無理しないでよ。もう歳なんだから。」
こずえ
「わかってるんだけどねぇ……。」
???
「ぐぅー。」
???
「ワンワン!」
夏輝
「おー、コツにアビー。お前らはいつも元気そうだねー。」
ご飯の匂いにつられたのか、飼い犬二匹が夏輝の足元に向かってきた。
こずえ
「こら、ことこ!胡椒入ってるんだから食べるな!」
飼い犬のことこ(まぁだいたいコツって呼ばれてる)は祖母のこずえに怒られ、あからさまに不機嫌そうにブゥ~と唸った。まぁフレンチブルドッグだからか鼻がちょっとつぶれててそう聞こえるだけなのだろうが。
夏輝
「ばあちゃん、アビーも。」
こずえ
「あ!アビーお前はホントに油断も隙もないな!」
飼い犬、ミニチュアダックスフントのアビーも怒られて尻尾を垂らしながらクーンと唸った。
こずえ
「二人共そんな声出してもダメなもんはダメです。」
きっぱりとそう言いきったのを聞いて、ご飯を食べ終わった私はさっさと病院に行くことにした。
夏輝
「そんじゃお見舞い行ってくるわ。」
信文
「気をつけてなー。」
面倒だから自転車で行こうとそそくさと準備をしていると、バタバタと二匹のワンコが追いかけてきた。
コツ
「パウ!」
アビー
「ワンワン!」
二匹は尻尾を振っている。しばらくそれを見て、ため息をついた後に二匹にリードを着け始めた。
夏輝
「はいはい、連れてきゃいいんでしょ連れてきゃ。」
この二匹は散歩に連れていって欲しかったらしく、リードをつけ始めると尻尾をさらにぶんぶん振って喜んでいた。
リードをつけ終わり、とっととお見舞いを済ませる為にだらだらと一歩ずつ前に進んでいった。
道中、おしるこがもうでていたの買って飲んだはいいもののクソ不味いタイプの奴だった。
夏輝
(………ちっ。)
最近、物事がうまくいってない気がする。弟二人は意識不明で帰ってこない。父親も出張から帰ってこない。
最近、学校でも変な噂立てられて他の連中がうざいし、どうしようもないから面倒な事が多い。
だがそんな事すらもどうでもいいと思う自分しかいない。
気がつくともう病院についていた。
夏輝
「すぐ戻るからおとなしくしててよ。」
コツ
「パウ、パウ!」
アビー
「ワン!」
夏輝はいつものところにリードを繋げて病院に入り、受付の人と話して、弟二人がいる病室に向かった。
夏輝
「…………………。」
夏輝は病室のドアを開けて、すぐに閉めた。どうせ目を覚まさないんだし、無駄な時間でしかないからだ。
帰りはいつも心配そうに私を見る看護婦の視線を感じながらも立ち去った。
そんな事の繰り返しだと考えていたら、通路の角で死角になってた部分から女性が出て来て直撃した。
夏輝
「………すみません。」
???
「いたた……あ、こちらこそごめんなさい!」
ぶつかってお互いに謝ってすぐに女性は病室の方に向かっていくのを見送って、外で待っていたワンコ二匹を連れて家に帰っていった。
~川越県立大学にて~
やはり学校は嫌いだ。まわりの噂話がうるさい。やれあのアニメ見てるとか、最近のタレントはどうとか………馬鹿馬鹿しい。いや、もしかしたら私を含めたこの学校にいる連中全員がバカなのかもしれない。
席が自由着席制でホントに助かる。まわりの奴の真ん中なんて死んでも嫌だ。そんな感じで私はいつも通り教室の後ろの窓際に座っていた。
夏輝
「…………眠い。」
くっそ眠くなってきたので、教師が来るまで昼寝でもかまそうと思って横を向くと、隣で慌てて席に座ってなにかを探している昨日ぶつかって来た女がいた。
???
「えー!な、なんで!?昨日入れてきたのに!!」
夏輝は大方の予想がつき言った。
夏輝
「……今日はその授業ないから安心しなよ。昨日担当の先生が急用で授業無くなるって言ってたから。」
???
「えっ!マジで!!?」
夏輝
「…………。」
それ以上のことを答える義理は無いから黙っておくことにした。そこからは普段となにも変わらないクソみたいな日常に戻った。なにも変わらず無駄な時間が流れるだけ。私はそれに対して為す術がない。だから今日も放課後には惰性で同じことを………。
???
「今日はホントにありがとー!助かったわぁー!」
繰り返すはずだった。
夏輝
「あっそ、それじゃ。」
???
「あー待って待って!アンタ昨日ぶつかっちゃった人でしょ?」
夏輝
「………そーですけど。」
柚子
「私は柚子!小倉柚子って言うの、よろしくぅ!」
夏輝
「は、はぁ………?まぁ、私は脚蛇夏輝だけど。」
どうにもこのテンションについていけない。だからあんまり人に関わりたくないんだけど……。
柚子
「ねぇ、今日もしかして暇?」
あ、嫌な予感がする。
夏輝
「………それがどうしたのよ。」
まぁ嘘をつく理由もないし嘘をつきたくないし正直に言ってみることにする。
柚子
「じゃあ今日一緒にお見舞い行かない?」
夏輝
「………は?」
柚子
「たまにはいいんじゃない?誰かと一緒に行くのもさ。」
夏輝
(………めんどくせぇ。)
夏輝は正直に言えばだるいから断るつもりだったが、このタイプは一度断るとしつこく理由を聞いてくるタイプだ。下手に断るとめんどくさい。というかだから話したくなかったんだけど。
夏輝
「分かった分かった。ホントは見ず知らずのアンタに付き合う道理はないけど行ってやるわよ。」
柚子
「OK!そんじゃ連絡先交換しよ!」
夏輝
「………了解。」
連絡先交換の流れまではさすがに予想外だった。
柚子
「そんじゃ、連絡よろしくね!」
夏輝
「はいはい。」
~脚蛇家~
そんな事もあって、家で今ゴロゴロしてる。
夏輝
「あーもーだるいぃー。」
人と口約束なんかしたくなかったのにしてしまって現在進行形で後悔してる。どうしようもないからスマホゲームで時間を潰して、あと少しでボスを倒せる所で通話が来た。
夏輝
「あ。」
とりあえず、電話には出ることにした。
夏輝
「はーい?」
柚子
『おーっす!そろそろ行かない?』
夏輝
「はいはい、待ち合わせはどこにする?」
柚子
『うーん、もう大学の近くにある『シャルモン』にしない?』
夏輝
「はいはい、わかりましたわかりました、それじゃね。」
一方的に切ってどうなったか確認したら、案の定やられてた。あの莫大なHPを持つボスをまた最初からである。
夏輝
「…………ちっ。」
最近何もかもうまくいってない。
夏輝
「ばあちゃん、病院行ってくるわ。」
こずえ
「ん?夏輝、ご飯はどうする?」
夏輝
「もう自分で作って食べたよ。」
こずえ
「そっか。気をつけてなー。」
夏輝
「はいよー。」
夏輝が靴を履いて準備してると、またしてもバタバタと二匹のワンコがやってきた。
コツ
「ング~」
アビー
「ワンワン!」
夏輝
「………はいはい、連れてきゃいいんでしょ連れてきゃ。」
この二匹はいつも通りで何故かホッとした。
~シャルモン前にて~
夏輝は待ち合わせ場所のシャルモンに着いて、コツとアビーを愛でていた。
夏輝
「おーよしよし、お前らは可愛いなぁ。」
コツ
「グゥー。」
アビー
「ワン!」
ちなみにかれこれ三十分くらい待ってるのだが一向に柚子が来る気配がない。
夏輝
「………あいつまさか忘れてるとかじゃないでしょうね。」
柚子
「ごめーん!遅くなった!」
夏輝
「…………わお。」
愚痴った瞬間に来やがったよコイツ。
夏輝
「んじゃ説明してもらいましょうか。三十分前にもうすぐ着くと聞いたので私はその五分後にここに来ました。あなたは何してたんですか?」
柚子
「ごめんごめん!行くならご飯喰ってからにしろってママに言われてさ。」
夏輝
「ふーん。」
柚子
「………あ、信用してないでしょ!」
夏輝
「さぁね~。」
夏輝がさっさと行こうと思ったら、あー!と声をあげてコツとアビーに目を輝かせていた。
柚子
「か~わ~い~い~♪」
コツ
「グ、グゥー?!」
アビー
「ハッハッハッ。」
柚子がコツを持ち上げたのをきっかけにコツがあからさまに嫌そうな声をあげた。
コツ
「グー……グゥー……。」
夏輝
「やめたげて柚子。そいつ高いところ苦手なのよ。」
柚子
「えっ!?うわごめん!………えーっと夏輝ちゃん、この子達の名前は?」
夏輝
「ミニチュアダックスフントの方が『アビー』で、ミニチュアフレンチブルドッグの方が『コトコ』、まぁコトコについては家族がコツって呼んでるけどね。」
柚子から降ろされて、コツは安心したようだ。
柚子
「コツかぁ……ごめんねコツ。」
コツ
「ブゥ~。」
コツはまるでいいよと言わんばかりに鼻を鳴らしてた。
しばらく柚子と話ながら(主に授業のこと)歩いていると、気がついたらもう病院についていた。そのため、あんまり雪とかが当たらないいつもの場所にコツとアビーのリードを繋げて病院へ入った。
???
「あら、今日はお友達と一緒なのね、柚子ちゃん。」
柚子
「おいっすアキ先生!」
夏輝
「………ども。」
入って早々柚子は仲良さそうに看護婦さんに話しかけていた。
アキ
「とりあえず面会でいいのね?」
柚子
「はい、お願いします!」
アキ
「えーっと、あなたは脚蛇さんの御家族の人よね?」
夏輝
「……え?あ、はいそうですけど。」
突然そんなことを聞かれたのでめちゃくちゃ驚いた。
柚子
「………ん?てことはもしかして病室隣同士なの!?」
夏輝
「………マジかよ。」
アキ
「………夏輝ちゃんだよね?」
夏輝
「どうして私の名前を……。」
アキ
「覚えてないか……まぁあのときは小学生だったものね。」
夏輝はさっきから何をと思っていたが、ここにきて思い出した。確かに小学生高学年の頃にこの人に会ってる。
夏輝
「あぁ、アキさんこの病院の看護婦やってるんだ。」
柚子
「え、知り合いなの!?」
夏輝
「出張で出掛けてるうちのお父様のお友達です。」
アキ
「……夏輝ちゃん、何かあったらちゃんと私たちを頼ってね?」
夏輝
「はいよー。んじゃ行こう、柚子。」
柚子
「お、おう。」
私は足早にその場を去った。気に入らない。大人だからと私の気持ちとかを知りもしないで……。
柚子
「……ここがうちの弟が寝てる病室。」
柚子にそう言われて病室に入って驚いた。柚子の弟はよく末っ子の弟が遊んでいる奴だったからだ。
夏輝
「友渡………。」
柚子
「……え?知ってるの?」
夏輝
「うちの末っ子のバカとよく遊んでると聞いてたのよ。」
柚子
「……そっか。」
柚子はしばらく黙りこむと深呼吸をしてから続けた。
柚子
「友渡、お前の友達のお姉さんもアンタのお見舞いに来てくれたよ。だから絶対元気に帰ってきてね。」
そんなことを言っていた。
柚子
「……よし、次は夏輝の家族の方ね!」
夏輝
「アンタなんか急に距離感近くなってない?」
柚子
「気にしない気にしない!ほらほらゴーゴー!」
夏輝
「あーもー押すな押すな。」
そして、私達は病室にたどり着いた。
柚子
「そっか、龍希君もSAOに……。」
柚子が呟いたのを見て私はいつも通りにドアを開けてすぐに閉めた。
柚子
「ちょ、ちょっと!」
夏輝
「帰るよ。」
私は柚子の制止を聞かずに歩きだした。そして病院の外にて私が病院の外に出たタイミングで腕を掴まれ、柚子に止められた。
柚子
「ちょっと待ちなさいよ!」
夏輝
「………何?」
しつこく言ってきてうるさいから聞いてみた。
柚子
「お見舞いあんなのでいいの?!」
夏輝
「……別にいいんじゃないあれで。」
柚子
「声をかけるくらいしなさいよ!」
夏輝
「かけたところで無駄でしょ。それで起きるのなんて夢か漫画の世界だけよ。アニメとかの見すぎじゃない?」
柚子
「それでも……」
柚子が続けようとしたのを見て私も久しぶりにキレた。
夏輝
「うるっさいなぁ、どいつもこいつも。私はもうなんにも期待してないのよ。起きようが起きまいが死のうが生きようが何もかもどうでもいいのよ私にとっては!」
柚子
「……何よそれ。それが家族に対する答えなの?!」
夏輝
「黙れ。お前の家庭の価値観を私に押し付けんな。」
ホントに最近は何もかもうまく行かない。
夏輝
「……ほら、帰るよコツ、アビー。」
私はリードを引っ張って帰ろうとした……だが、リードが動かない。
夏輝
「………?」
何事かと振り返ると、コツとアビーが必死に抵抗していた。まるで家に帰さんと言わんばかりに。
夏輝
「帰るよ。」
リードを強く引っ張っても、アビーとコツは低く唸って動かない。しまいにはコツが末っ子の龍希が言うような『伏せて漬物石みたいに動かない』状態に入った。
コツ
「グゥー……グゥー……。」
アビー
「ウゥゥゥ………。」
夏輝
「………。」
柚子
「ほら、何もかもを諦めてるアンタにアビーもコツも怒ってるわよ。」
夏輝
「アンタバカ?動物が人間の言葉わかるわけ………」
そこまで言ったときだった。突然、コツとアビーが吠えながら私の指に噛みついてきた。しかもめちゃくちゃ痛い。今までの甘噛みではなく、本気の噛みつきだった。だから恐る恐る聞いてみた。
夏輝
「……お前ら、言葉分かるの?」
そう言うと、二匹はその質問に答えるかのように一声吠えた。
柚子
「……よし、決めた!私明日からアンタがどうやったら笑ってくれるかやってみる!」
夏輝
「はぁっ!?」
柚子
「もちろん逃げ場は無いからね!そんじゃまた明日!」
夏輝
「ちょっ……おいっ!!」
柚子に走って逃げられ、私はとんでもなく絶望した。
夏輝
(うーわぁ、クソだるい奴だこのパターン。もう学校行きたくねぇ………。)
帰り道にそんな事をぼやきながら自販機に行ってお金を入れた。すると、急にコツが「パウッ!」と一声鳴いてアビーと一緒におしるこのボタンを飛んで押した。その運動にすげぇと思いながらもおしるこであることに絶望した。
意を決しておしるこを飲んだが………うまい。これまでの奴が泥汁のように思えるくらいにうまかった。
二匹は同時に私の顔を見てきた。
夏輝
「……ありがとね。」
私はコツとアビーの優しさに触れながらゆっくりと帰った。コツとアビーもまんざらではなさそうに尻尾を振っていた。
夏輝
(……そういや、最近全力で誰かと喧嘩したのホントに久しぶりじゃね?……まぁなんかめんどくさそうな奴だけど悪い奴じゃないのかも。)
夏輝はそう思いながらも、帰路についた。
柚子
「コラァ!やり直しィ!」
夏輝
「いったァァァァッ!何すんのよ!」
柚子
「……わかった。これで勝負しなさいよ!」
夏輝
「いちいち付き合う道理ないでしょ。」
柚子
「ふーん、逃げるんだ。いいわよ弱虫なっちゃん。」
夏輝
「……やってやろうじゃん。」(#^ω^)ピキピキ
次回、SAO・GM第十八話「決闘・幻想的な演奏と最後のシグマ」
夏輝
「後悔すんなよ?」
柚子
「一応経験の差あるから負けるわけにはいかないのよね。」