ソードアートオンライン~グランドメモリアル~ 作:Wandarel
「どうも皆様、パンドラでございます。ずいぶんと投稿がお久しぶりですね~。さすがにこれだけの期間を空けると死んだのではと思われても仕方ありませんな。……おほん、さて、前回のあらすじに参りましょう。
ナツ、アリアの二人はタドルウォーリアーズ最強のNPC、『呂布』に打ち勝ち、見事伝説の武器を手に入れました。そして、次のステージは古志城へと変わり、二人は土足で踏み込んで来たのでした……。
さて、ここから面白くなりそうです。
それでは皆様、ごきげんよう………。」
どーも皆さんとてつもなくお久しぶりです。
wandarelでございます。
今回、諸事情により製作が全然進まずで、仕上がるまでにかなり時間がかかりました。
今後の励みや技術の向上に繋がるので、評価や感想のほうもどんどんお願いします!
ちなみに今回は割と真面目回です。
二週間前に呂布を撃破したアリア達は、その次のステージ、古志城へと向かうことになり、それの準備が終わったところだった。
夏輝
「……おっしゃ、行くか。」
柚子と合流する約束をして、夏輝はタドルウォーリアーズを起動し、ゲームの世界へと入っていった。
ナツ
「………ふぅ、改めて思うけどグラフィック最高じゃね?」
アリア
「わかるわかる。」
ナツ
「………いつからいたんだお前。」
アリア
「二秒前。」
ナツ
「納得。」
アリアとナツの二人は、古志城の中心へと向かっていったがその間にも敵がわらわらいた。
が、何か様子がおかしい。
アリア
「……ねぇ、タドルウォーリアーズのモブ兵士あんな感じだったっけ?」
ナツ
「いや、絶対に違う。」
何か変な被り物をしたりしている奴もいるが、明らかに人間ではない。このゲームのモブ兵士は普通の人間に似た背格好をしているはずだ。
ナツ
(だけど、従来の無双ゲームであるように一人一人は弱い……弱いんだけど……。)
アリアはナツが思い詰めたような顔をしているのに気づき、声をかけた。
アリア
「どうしたのナツ?」
ナツ
「………出せないのよ。」
アリア
「何が?」
ナツ
「アリア、アンタはニュービーに近いからわからないだろうけど、このゲームは私達プレイヤー一人一人が武将として戦うんだけど、前の呂布を含めて、プレイヤーはNPCを配下として戦わせることができるの。」
アリア
「………私使える兵士二百人しかいない。武将も呂布だけだし。」
ナツ
「ちなみに私は五千人の兵士が使えるんだけど、そのコマンドが使えなくて出せないのよ。」
アリア
「五千人?!すっご……え?出せないの?」
ナツ
「どういう理屈かは知らないけどね。」
そこだけがおかしいのだ。システム的にも本来出来るはずの事が出来ないことなんてあり得ない。
しかし、その事はあまり気にせず、城の中央部分に向かって敵をなぎ払いながら進み続けた。
おおよそ合計三千人くらい斬り倒し、ようやく城の前の砦に入れた。そして、そこには大量の回復アイテムがあった。
アリア
「ずいぶん太っ腹だけどこのパターンって……。」
ナツ
「ボス前に決まってるでしょ。」
ありったけの回復アイテムを取得して、体力及びキメワザゲージを全回復させ、城へと入った。
そしてナツの予想通り、城の門は閉まり、出れなくなった。
アリア
「………行こう。」
ナツ
「おう。」
しかし、ナツにとっては大きな違和感があった。
ここに来て急に雑魚敵が出なくなったからだ。
古志城の一番奥に二人がたどり着くと、横一列に並んでいるかがり火のようなものに火がつき始め、奥まで見えるようになった……。
アリア
「…………!!?」
アリアとナツの二人は口をぽかんと開け、色んな意味で思考を停止した。
奥にはなんと全裸で手と足をを広げ、何かを待ちわびているようなポーズの男が背中をを向いていた。
ナツ
「………全裸の変態?」
???
「待っていたぞ、君たちを。」
突然全裸の変態(?)が喋りだし、もはや状況はカオスを極めていた。
アリア&ナツ
「…………。」
???
「私は………」
ナツ
「メラゾーマ。」
アリア
「ギガデイン。」
巨大な火球と大きな雷が轟き、全裸の変態(?)を焼き尽くした。
ナツ
「イェイ。」
アリア
「イェーイ!」
???
「なるほど、その判断力、確かに強いわけだ。」
ナツ&アリア
「!?」
あれだけの火力を叩き込んだのにダメージが一切なかった。位置も微動だにしておらず、全く影響を及ぼしてなかった。
???
「しかし、品定めもここまでだ。ここからは……このゲームの神たる私がお前達用いて実験を行う!」
謎の変態(?)がそう言って、取り出したものは2016年に発生したバグスターウィルスによる事件で取り扱われていたゲーマドライバーだった。
???
「ブゥゥゥンッ!」ガシャンッ!
???
「簡単に死ぬなよ、モルモット共ォッ!!」
マイティアクションX!
???
「変身!」
ガシャット!レッツゲーム!
メッチャゲーム!
ムッチャゲーム!
What's your name?
I am Kamen Rider……。
ナツ
「全裸の変態が着ぐるみの変態になった。」
アリア
「いや失礼でしょうが。」
ナツのドストレートな悪口にアリアがツッコミをした。
ゲンム
「私はゲンム、この世界を作った……神だァァァァァッ!!」
アリア
「なんか頼んでもないのに急に名乗ったんだけど……。」
ナツ
「気にしたら負けよ。とりあえず……先手必勝かな。」
ナツはいつの間にか詠唱していたイオナズンを放った。ゲンムの目の前で大爆発を起こしたが、その直前にゲンムが大ジャンプをし、華麗に避けられた。
アリア
「えぇっ!?」
ナツ
「……着ぐるみの変態のくせに機敏だなおい。」
アリア
「ん?マイティアクションXってなんか聞いたことあるような………。まぁいいや。行くよナツ!」
ナツ
「はいはい。」
ナツとアリアは同時につるぎの舞を放った。ほぼほぼ必中のようなものである。
ゲンム
「ぶぇはははは!神にそんなものなど通じるかァァッ!!」
ナツ&アリア
(えぇ、あれを避けるのかよ。)
だが、自称神はその攻撃を全て避けきった。
ゲンム
「……さて、ある程度はデータ収集が出来た。ここからは一気に行くぞ!」
ガッチャ!レベルアップ!
マイティジャンプ!
マイティキック!
マイティーアクションX!
ナツ
「着ぐるみの変態がノーマルの変態になった。」
アリア
「だから失礼だろーが。」
ゲンムの形態が変わり、すかさず暴言のナツにツッコむアリア。
ゲンム
「神の才能はこんなものではなぁい!」
デンジャラスゾンビ!
アガッチャ!デンジャー!デンジャー!
デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!
ナツ
「紫の変態が白黒の変態になった。」
アリア
「いい加減にしなさいよナツ……って、えぇ!?なんか色々かわってる!」
ゲンム
「ぶぇはははは!さぁ、お前達の強さを証明して見せ…………」
ギガクリティカルスラッシュ!
ゲンムが大声で叫ぶと同時にナツは既にキメワザを撃っていた。きれいに一撃が入り、ゲンムのアバターを真っ二つにした。
アリア
「………何も喋ってる最中にしなくてもよかったんじゃ。」
ナツ
「先手必勝一撃必殺。これうちの家訓の一つだから。というか呑気に喋ってるアイツが悪い。」
ゲンムを討ち、後は帰るだけだったが、門は開かなかった。すなわち、ゲンムは倒していない。
ゲンム
「……中々にいい一撃だった。だが、それをもってしてもこの神には通じないのだァッ!!」
アリア
「うわ、しつこ。」
ナツ
「………さっさとぶった斬って帰りましょ。」
一撃一撃の攻撃力自体は呂布と比べれば大したこともなく、長期戦へと持ち込んだ。
ナツ
(………ゲンムのライフは残り半分か。)
アリア
「食らえェッ!!ゾンビならゾンビ特効!天衣無縫斬!」
ゲンム
「ぐっ………」
やはりゾンビ系統ではあるため、聖魔斬や天衣無縫斬はよく通じるようだ。
アリア
「やあァァァッ!!」
そして、アリアの素早い連撃の末にゲンムのライフを削りきった。
ナツ
「やるじゃん。」
アリア
「ふふーん、私はやれば出来る子なんです!」
ナツ
「………。」
アリア
「ちょっ、なんで笑いのツボの構えしてるの!?」
ナツ
「いや、なんかうざかったから。」
そう言いながらも外へ出ようとしたが、門が開かない。
ナツもアリアもここに来て悟った。
ゲンム
「くくく………この程度でこの神を倒したと思っていたのかモルモット共ォッ!」
アリア
「はぁー?!アンタさっきライフ全部消し飛ばしたじゃん!なんで生きてんのよ!!」
ゲンム
「このアバターの特性を教えていなかったな……このゾンビゲーマーレベルXの特性は……不死身だァァッ!!ぶぇははははははははははっ!!」
ナツ
「……………マジかよ。」
アリア
「不死身なんて関係あるか!」
ゲンム
「どれだけ攻撃を重ねても無駄だァッ!!私のライフがゼロになり、ゲームクリアになることは永遠にない!」
ナツ
「………行くぞ!」
ゲンムとナツ&アリアの殴りあいになっていたが、倒せど倒せど、ゲンムは蘇る。ナツが知りうる限り、あらゆる呪文も斬撃も体技をも叩き込んだのにも関わらずだ。
何度も何度も繰り返し続けた。そして、ついに私達の疲弊の方が先に来た。
アリア
「……チートにも、程があるでしょ。」
最後のエルフの飲み薬も切れ、キメワザも撃ちづらくなり、その上で倒しても倒しても無限に再生する。
ナツ
「来るっ!」
大きな金属音が響き、つばぜり合いに入った。
ナツ
「押しきられる!?」
ゲンム
「言ったはずだ。最初からお前たちに勝機などないのだァッ!!」
かなり不快な音が鳴り、二人は己の手元を見た。
手に持っていた無双方天戟と天空のつるぎが真っ二つに折れていた。
アリア
「嘘……あの天空のつるぎが………」
ナツ
「アリア!!」
ゲンム
「ギガデインッ!」
アリアの隙をゲンムが逃さず高位呪文を直撃させた。
アリア
「がっ………うぅ………。」
ゲンム
「さて、こちらの世界で我がキメワザがどの程度のものか試してやろう。」
キメワザッ!クリティカルエンドっ!
ゲンム
「ふんッ!!」
ナツにゲンムのキックが直撃し、おおきく後ろに吹き飛ばされ、体力はゼロになった。ナツは安堵した。
どんな理由があれ、ゲームオーバーになれば離脱できると。
しかし、ゲームオーバーになっても状況は何一つ変わらなかった。
ナツ
「………なんで。」
ゲンム
「言ったはずだ……このゲームを創造したのは私だ。そしてェ!お前達はこの世界で永遠に私のモルモットになるのだァァッ!!」
絶望的だった。倒せもしない、死んでもゲームから出られない。それこそ、何もかもが無意味だ。
ゲンムからの攻撃を受け、ゲームオーバーになり続け、このまま死ぬまでこのゲンムという男に殺され続ける。
アリア
「……ここまでなんて。」
アリアは絶望した。弟だけでなく、自分すらもゲームに囚われることになることがショックだった。
……どれだけ時間がたったかわからない。
もう考えることすらやめていた。ひたすらに殺され、生き返り、殺される。その繰り返しだった。
ゲンム
「まだまだデータが取れていないか………。」
ゲンムがそんなことを言っていたのを聞いた。人生がまさかゲームで終わるなんて思いもしなかった。
だが、諦めずに立ち上がったプレイヤーがいた。
ナツだ。こういう時は真っ先に諦めて次を探すナツが立ち上がったのだ。
ナツ
「……アリア、何ぼさっとしてんのよ。やるよ。」
アリア
「……でも。」
ナツ
「でもも何もあるか!やるんでしょ!それともアンタはこのままただのモルモットとして死ぬの!?」
アリア
「………。」
ナツ
「私は断固お断りよ!あの白黒の変態の思うままに殺され続けるなんて!私は一矢報いてやるわよ。このままモルモットとして死ぬなんて嫌だし、第一にやられっぱなしは気に入らないのよ!」
ナツが大声で叫んだ。今までクールだったナツはそんなことをしなかった。
ナツは一心にアリアが諦めるのが気に入らなかった。
ナツ
「……立てるわよね?アンタ私にあれだけの事言っておいていざ自分がその立場になると何も出来ませんなんて言うような奴じゃないでしょ?」
アリア
「………あったり前じゃない!」
アリアは再び立ち上がった。
このゲームは永遠に終わらない。ならば、やることはただ一つ。
ナツ
「アイツにぎゃふんと言わせるわよ!」
アリア
「オッケー!」
ゲンム
「ふん、何を考えてるかは知らんがお前たちは未来永劫この世界から出られないのだァァッ!!ぶぇははははは!!」
ナツ
「アリア、時間を稼いで!」
アリア
「アイアイサー!くらえマヌーサ!」
アリアはマヌーサを唱えたが、ゲンムには当然効かなかった。
ゲンム
「私の前では全てが無駄だと言ったはずだァッ!!」
アリア
「………残念、私囮なのよね。」
そう、ナツはゲンムの後ろに回り込んでいた。
ナツ
「くらえ、脚蛇家秘伝笑いのツボ!」
ナツの親指が突き刺さった。だが、ゲンムには大したダメージにはなっていない。
ゲンムは容赦なくナツを蹴り、ナツはぶっ飛んだ。
ゲンム
「ふん、何をしたかはわからんが、私には無意味だとわから……くく……ふふふふ……ふふははははは……ぶぇははははは!!」
そう、ナツの笑いのツボは何故かVRでも通じるのだ。
ゲンム
「き、貴様……ふふははははは……何をしたァァッ!!」
ナツ
「秘密ー。……んじゃいっちょやりますかね。」
アリア
「おーう!」
二人は笑い続けているせいで動けないゲンムの前に立ち、武器が無くても出来る大ダメージを狙えるチャージ攻撃技を構えた。
アリア&ナツ
「「正拳突き!!」」
その二つの一撃はゲンムの腹部に直撃し、会心の一発が入った。当然ながらゲンムは後ろにぶっ飛び、古志城の壁に穴を開けるほどの破壊力だった。
アリア
「ふぃー、やってやったぜ!」
ナツ
「いぇーい!」
アリアとナツはこの先、永遠に囚われることになるが、それでもゲンムの思い通りにはいかないことを証明出来た。もはやそれだけでも満足だ。
ゲンム
「なかなかに面白いことをするじゃないか……、神に刃向かった罰だ。私のキメワザで二度と立てないようにしてくれる!」
キメワザ!クリティカルデッド!
無数のゲンムが現れ、完全包囲された。だが、ナツとアリアの顔は笑っていた。もう思い残すことは少しはあるが、ほとんどない。
権限を奪われ為す術もないこの状況でゲンムに精神的な一撃を与えれたはずだからだ。
ナツ
「そんじゃ、私が寿命で死ぬまで道中よろしくね。」
アリア
「こちらこそよろしくー。」
二人は目をつむりそっと手を繋いだ。まるで昔からの親友のように。
そして………二人は気がつくと、古志城ではない場所にいた。
ナツ
「………え?」
アリア
「あ、あれ?ゲンムは?」
回りを見渡したが、そこにゲンムはいなかった。しかも、この空間はバーチャル空間ではあるが、どことなく現実っぽい部分があった。
???
「まぁいるわけないよね。だってここ異常空間だし。」
見知らぬプレイヤーに声をかけられ、二人は振り向いた。
ナツ
「………誰?」
アリア
「え?なんかすっごい見た目した装備……。」
???
「あー、これ?これは装備というよりかは……いやそういえば今は知らないんだっけ。」
どこか意味のある言い方をしたが、敵でないことだけは確かなようだ。
ナツ
「……アンタ、プレイヤーネームは?」
???
「ん?んー、ちょっと考えさせてねー……。よし決めた。」
カブトムシっぽい見た目をしたその女プレイヤーは、こう言った。
Kゼクタ
「Kゼクタと呼んでおこうか。」
アリア
「えーっと、Kゼクタさんはなんで私達を助けたんです?」
Kゼクタ
「え、いや助けれてない。殺されてリトライ画面に行ってるときに私がここに連れてきた。」
アリア
「……え?話が見えない。」
Kゼクタ
「……まぁいいや、二人には会わなきゃいけない人がいるからさっさとそっちまで連れていくわ。まぁ、個別だから一旦一人だけになるけど大丈夫?」
アリア
「まぁ私は大丈夫。けどねー……」チラッ
ナツ
「私は大丈夫。だけどね…………」チラッ
アリア
「……何よ。」
ナツ
「……アンタこそ。」
Kゼクタ
「あーはいはい喧嘩はやめやめ。とにかく私はアンタら二人をそこに連れてったらいなくなるから続きはそのあとにしなさい。」
ナツ&アリア
「はい。」
Kゼクタは自らの腰の横にある謎の物体に触れた。
その瞬間、ナツとアリアはふわっとした感覚と共に、消えた。
最後に二人にはシステム音声が聞こえた。
ハイパークロックアップ!
ナツ
「………ここは、どこ?」
アリア
「現実に……戻ってこれたの?」
???
「お、ちょっとやってみるかい?」
???
「……なるほど、お前がアイツの言っていた奴というわけか。」
アリア
「この力……すごい!」
ナツ
「………やってみるか!」
次回SAOGM・「第21話 幻想の音を響かせる鬼と天の道を行く最後のシグマ」
アリア
「行こう、ナツ。」
ナツ
「おーよ。」
アリア&ナツ
「「………変身ッ!」」