ソードアートオンライン~グランドメモリアル~ 作:Wandarel
アインクラッド第一層フィールドにて
俺達脚蛇ブラザーズがオクトと合流してからもう一週間は経った。
色々と面倒な事もあったり、問題を引き起こしたりと大変だったが、なんとかレベル10程には到達した。
これからもう少ししたら攻略に入ろうと思っていた。
………はい、思っていましたよ。
これを想定してなかっただけだから。
脚竜
「…………嘘やん。」
ぼっち
「…………呆れて物も言えんな。」
オクトが目の前で必死になってモンスターを攻撃してるが、動きがまるで素人である。
オクト
「うおぉぉぉぉっ!!」
脚蛇ブラザーズ
(掛け声は立派なんだけどなぁ………。)
敵のフラクトメントが砕ける音がした。
オクト
「ふぅ、やった!」
脚竜
「ねぇ知ってるオクト君、それまだ一匹目だぜ。」
ぼっち
「一匹くらいささっと倒せるだろ。お前レベルだけは俺らより少し高いんだから。」
オクト
「そんな事言われてもこのゲームやってるときもう必死で何してたか覚えてないですもん。」
脚蛇ブラザーズ
((ダメだコイツ、早くなんとかしないと。))
ぼっち
「とりあえず今日は一回街へ帰るぞ。」
脚竜
「はーい。」
オクト
「了解です。」
なんだかんだ問題はあるが生きなければ話にならないので早いうちに町に帰るようにしている。
生きなくちゃさらに先には進めないからだ。
~始まりの街~
ぼっち
「…………お前そういえばステータスを割り振ってないんだったか?」
オクト
「………はい。恥ずかしながら最近まで知らなかったんです。」
脚竜
「………普通見たら気づくぜオクト。」
オクト
「……そういう脚竜だって見たらわかるようなテスト解けてなかったじゃん。」
脚竜
「うげ……そ、それは今は関係ないだろ!」
ぼっち
「いーや、大有りだ。おい、脚竜。どういうことかこの心優しいお兄様に説明しなさい。」
脚竜
「……………。」ガタガタガタガタガタ
ぼっち
「………あとでお仕置きだな。」
脚竜
「嘘やんここに来てお仕置きかよ…………。」
オクト
「…………ふ。」
脚竜
「おい!何で笑ってんだよ!」
オクト
「いや、噂通り仲が良いんだなって。」
脚蛇ブラザーズ
「「うるせぇ黙れ!」」
オクト
「なんでや。」
ぼっち
「まぁいい。とりあえずお前のステータスを割り振るぞ。」
脚竜
「あ、それだったら初心者向けのいい割り振……………ムガッ!!」
脚竜は何かを言おうとしたがそれを遮るようにぼっちが口を塞いだ。
脚竜
「むぐもがらっふぁ!!」
脚竜自体は何かを言おうとしてるのだろうが何をいってるのかが分からない。
ぼっち
「お前にいいスキルの割り振りを教えよう。とりあえず、DEFとHP、そして攻撃力の順番ですべて割り振れ。」
オクト
「あれ?AGIは?」
ぼっち
「今は必要ない。AGIに関してはあっても無くてもそこまで支障はないしな。それにHPやDEF依存で威力が上がるソードスキルがあるんだ。むしろ将来のために投資しておくのも悪くないんじゃないか?」
オクト
「………言われてみれば確かに。わかりました!それで割り振ります!」
オクトはステータスの割り振りをするためにウィンドウを広げた。そして、『……こんな感じかな?』とぼっちの言うとおりに割り振ってしまった。
その瞬間、ぼっちがいやらしい笑みを浮かべた…:気がした。
ぼっち
「よーし、いい感じだ。」
オクト
「よし!これで俺も強くなったぞ!」
脚竜
「………なーんかおかしい気がするけど………。まぁいっか。」
俺達はステータスの割り振りを終えて宿へ帰ろうと思ったが、ふと気になる事があった。
脚竜
「あれ?今更だけどなんでお前メガネついてんの?」
ぼっち
「なんだ?アクセサリーか?」
オクト
「あ、これデフォルトです。」
脚蛇ブラザーズ
「「はい?」」
脚竜
「いやいや、何で?何をしたんだお前!?」
ぼっち
「………まさかお前、メガネつけたままナーヴギアをセットしただろ。」
オクト
「………はい、その通りです。」
脚竜
「お前なぁ………。」
さすがの脚竜もこれにはあきれた。
まさかこんなタイプの初心者に出くわすとは思いもしなかった。
???
「………もしかしてオクト?」
突然、話しかけてきた女性プレイヤーがいた。そして、オクトと脚竜はそのプレイヤーの顔を知っていた。
オクト
「………!ゆ、Yunさん!!」
ぼっち
「……知り合いか?」
オクト
「もちろん!なぁ、脚竜もわかるだろ?」
脚竜
「………………誰だっけ?」
オクト
「お前覚えてないのか!?中学校の部活仲間で俺達のキャプテンだったろ!」
脚竜
「知らんなぁ、俺の知ってるキャプテンは体格がこんな貧相じゃないからねぇ。」
Yun
「よし、お前ちょっとこっち来い。」
脚竜
「うぇ…、この反応は本人だな!」
Yun
「最初からそう言ってるでしょうが!!」ベシッ
脚竜
「いったぁ!」
Yun
「あとそういうことを私の前で言うな!」ベシッ
脚竜(CV 古谷徹)
「二度もぶった!親父にもぶたれたことないのに!」
Yun(CV 鈴置 洋孝)
「ぶって何が悪い!」
ぼっち
「いや、お前親父にはぶたれまくってるだろ。」
この様な漫才を披露してくれてるが、ぼっちにとっては正直分からないことだらけである。
ぼっち
「あー、まぁ、そっちのYunって奴がお前ら二人と何かしらの面識があるのはわかった。んで、その後ろのお二人さんは?」
オクト
「………あ!時雨さんにミホさん!」
ミホ
「お?オクトじゃん?」
時雨
「あ、脚竜もいる。」
脚竜
「まるで俺がおまけみたいな言い方だな時雨さん。」
ぼっち
「…………まぁ、あれか?オクトのリアルでの友人か?」
オクト
「まあそんなところですよ。」
このときほどぼっちはこのオクトとかいう奴を八つ裂きにしたいと思ったことはなかった。
Yun
「あ、オクト。アンタどうせステータスの割り振り忘れてるでしょ?」
オクト
「いや?さっきぼっちさんに割り振り方を教えてくれてからその通りに。」
時雨
「………ぼっちさんって誰?」
オクト
「この人。」
オクトが指差す先にはぼっちがいる。
ぼっち
「どーも、ぼっちさんです。」
Yun
「あ、どうも。」
オクト
「あ、そうそう、この人が脚竜のお兄さんね。」
時雨・ミホ
「「…………マジで?」」
脚竜
「マジです。」
何故かちまちまとぼっちの話題で盛り上がっているようだが、それを遮るようにYunが言う。
Yun
「ちょっとオクト、ステータス見せて。」
オクト
「了解Yunさん。」
そう言ってオクトはステータスをYunに見せる。
すると、Yunの顔が少しずつ険しくなっていった。
Yun
「…………オクト。アンタ騙されたわね。」
オクト
「え?」
ぶっちぎりの衝撃発言だった。
Yun
「まず、初期にDEFに割り振るのは少しよくないやり方ね。いくら防御力が高くても、攻撃を当てれなければ意味がない。だから先に上げるべきだったのはAGIよ。それに、この割り振りだとアンタもう一生タンク役ね。」
オクト
「え!?なんで!?」
Yun
「…………HP高い、守備力高い、攻撃力高い、んで、動きが遅い。人から見ても敵から見ても格好の的じゃない。」
オクト
「で、でも、ATKとかDEF依存で威力が上がるソードスキルがあるってぼっちさんが………」
Yun
「それでも中途半端にしか上がらないわよ。
……まさかアンタそれを真に受けたの?」
オクト
「…………はい。」
Yun
「…………はぁ、本当にお前は………。」
オクト
「ぼ、ぼっちさん!嘘ついたんですか!?」
ぼっち
「何を言うか。俺は嘘はつかない。人を騙すのが好きなだけだ。実際にソードスキルにはステータス依存で威力が上がるやつもあるぞ?だから俺は悪くない。騙されたお前が悪いわけだ。」
Yun
「………悪いんだけどオクト、私もさすがにこれは擁護できないわ。
圧倒的に説明をよく見なかったアンタが悪い。」
オクト
「えェェェェェ!!このまま俺ずっとタンク役なのォォォォォォォ!?」
ぼっち
「始めからそのつもりだったんだが。」
脚竜
「あ、やっぱり騙してたんだ兄貴。」
どうやら、オクトはぼっちの策略(?)によってはめられたらしい。
オクト
「嘘やん、ワイはこのままタンクで過ごさなあかんのか………。」
ミホ
「急に方言っぽいの使うのやめなさいよ。」
オクト
「………あ、でもよかった!ミホさんや時雨さん、それにYunさんがいれば頼りになる!だからだから俺達とパーティーを………。」
Yun
「あ、ごめんそれは無理。」
オクトはすかさずYun達をパーティーに誘おうとしたが、即座に断られた。
オクト
「な、なんで………。」
時雨
「いや、私たちもちょっと三人で動きたいから今は無理。」
オクト
「そ、そんなぁ…………。」
脚竜
「………となると、俺のステータスがDEFが脆くてAGIが高め。兄貴がATKとAGI特化でDEFは皆無。………ということは。」
オクト
「俺が盾にならなくちゃいけないじゃん………。」
ぼっち
「そういうことだ。よろしく頼むぞ。」
時雨
「……ドンマイオクト。」
オクトは今の状況に嘆き、もはや女性陣すらも哀れんでいる。
ぼっち
「さーてと、方針は決まった。お前たちにはまたどこかで会えるといいな。」
Yun
「………えぇ、そうね。生きていたらまた会いましょう。」
そういって、Yun、ミホ、時雨は街へと入っていった。
脚竜
「………行ってしまったな。」
ぼっち
「………そうだな。」
オクト
「……………………………。」コソコソ
ぼっち
「………おい待て、どこに行くつもりだ?」
オクト
「ヒッ………い、いやー、少し買い物を………。」
ぼっち
「まぁまぁ、落ち着け。このぼっちさんが直々にお前を鍛え上げてやる。覚悟するんだな。さぁ、行くぞ。」
オクト
「い、嫌だァァァァァァァァァァァッ!!」
オクトの悲痛な叫びが響いた。
脚竜
「……………あーあ、オクトかわいそうだな。(棒読み)」
俺はリアルに置いてきた親友や家族の事を思い、兄に引きずられてる涙目のオクトを見ながら街へと入った。
???
「奨悟、今日遊びにいかない?」
ぼっち
「賛成!光里も行くだろ?」
光里
「今日も和之もいるからまた三人で遊ぼうよ!」
ぼっち
「うん!この天才に任せとけ!」
光里
「今日はなにする~?」
ぼっち
「山の秘密基地に行こうよ!」
???
「あ、奨悟!光里!お待たせ!」
ぼっち
「遅刻だぞ、和奈!今日は和之がジュースおごりね!」
和奈
「えぇ!?お金無いよ!」
ぼっち
「………ふふ、冗談冗談。ほら、いこ!」
和之・光里
「「うん!」」
ニュースキャスター
「速報です。先ほど東京都八王子市の山岳で、小学生二人を殺害したと見られるーーーーを確保したとの情報を得ました。先ほど逮捕されたーーーー容疑者は『子供が楽そうで羨ましかった』などと供述しており、容疑を認めている模様です。被害者の『
脚蛇 奨悟11歳の捜索を行っています。
………速報です!行方不明の脚蛇奨悟君が見つかった模様です!」
ぼっち
「………僕が………山に行こうなんて言わなかったら……。」
脚竜
「にーちゃん、どうして泣いてるの?」
ぼっち
「………ゴメン、光里、和之……。
本当にゴメン………。」
七瀬の母
「謝って済む問題だと思っているの!?」
ぼっち
「ごめんなさい………ごめんなさい………。」
七瀬の母
「なんでコイツじゃなくてうちの娘が殺されなくちゃいけないのよ!」
七瀬の父
「やめろ!この子が生きていることだけでも運が良かったんだ!あんな殺人鬼相手に無事でいることの方が……!」
七瀬の母
「うるさい!この疫病神さえいなければ光里は!」
七瀬の父
「いい加減にしろ!………すまない、奨悟君。君が悪い訳じゃないんだ………。」
ぼっち
「ごめんなさい………ごめんなさい………ごめんなさい………。」
ヒソヒソヒソヒソ…………
「アイツは死神だって。だって関わったやつみんな酷い目にあってるじゃん………。」
「おい、こっち来るぞ!」
「に、逃げろ。俺は死にたくない!」
「わ、私も………。」
ぼっち
(僕が、僕が、生きているのが………いけない事なのかな)
???
「ちょっと、奨悟君!なんでこの子をしっかり見てなかったの!」
ぼっち
「ご、ごめんなさい。」
???
「あなたが一番の年長者なんだからしっかりと小さい子を見ておきなさい!」
ぼっち
「………でも、その子僕のことが嫌いだって言って自分から離れてたんだよ?」
???
「言い訳を言うな!全く、親の教育がなってないわね!」
???
「お前調子乗ってんじゃねぇぞ。どうせ死神とか言うのも嘘なんだろ?」
ぼっち
「さぁね、俺には関係ないことだ。」
???
「まぁいいや、ついででお前の弟もボコしたからな。」
ぼっち
「………何だと?」
???
「お前の弟本当に弱くて泣き虫でさ、殴られる度に
『兄ちゃん助けて………』って言ってたよ。すんごく面白かったね!!ハハハハハハッ!!」
???
「奨悟君、どうしてあんなことをしたんだ?」
ぼっち
「アイツが弟に手を出したからですよ。」
???
「お前のせいで家の子の推薦が消えたのよ!どうしてくれるのよ!」
ぼっち
「ふっ、無様ですね。」
???
「何ですって!?」
ぼっち
「知ってますか?アンタの子供はうちの弟を酷くいじめていたみたいなんです。アンタの子供が言ってましたよ。『お前の弟は弱いからいじめ甲斐がある』って。
だから俺はそれをしただけです。
頭もまるで出来ていないサル以下をいたぶるのはとても楽しかったですよ?
それに、人をいじめる事を公認している親のあなたもあなたで、頭が悪いですねぇー。」
???
「この!疫病神が!!」
ぼっち
「ふん。やはり頭が悪いやつほどよく怒鳴るみたいだな。」
???
「奨悟君、いい加減にしなさい!」
ぼっち
「この際ですからはっきりと言いますよ。
一つ目、俺はアンタらの言うことは基本聞かない。聞いたって無駄だし、俺の方が賢いから。
二つ目、喧嘩ならいくらでも買うが、死ぬ覚悟があるやつだけ来るように。俺の敵になる以上、前のあのガキと同じ末路を辿ると思っておいてくれ。
最後に言うが…………。
『俺に勝てるのは俺だけだ。』 」
???
「………アイツ本当にひとりぼっちになっちゃたね。」
???
「おい、聞こえてたらどうするんだ!」
???
「ど、どうしよう!」
ぼっち
(どこにいても俺は孤独だ………。でも、人と関わって後悔するなら…………強いのを理由に責任を押し付けられるくらいなら……………。)
一生孤独のままでいい。
ぼっち
「!?……ハァ……ハァ……ハァ……………。」
ぼっち
「……チッ、見たくもない夢だな………。」
ぼっち
(俺に勝てるのは俺だけ………か。)
誰しもが一度は望む最強の称号。
しかし、それは本人にとって苦痛でしか無いこともある。
それを心に抱えながらぼっちはまたこのゲームを生きていく。
どうも皆さん、最近、小説製作時間があまりなかった者です。
今回もこの小説を読んでいただき本当にありがとうございます。
これからももっと製作には励んでいこうかと思っています。
話は変わりますが、今回はかなり控えていましたが、ここから先はネタの方もさらに加速させていく所存です。
それでは、また次のお話でお会いしましょう。
バイダレル!。 ゚( `>ω< )
追記
感想や評価など、ガンガンしていってくださいね!