仮面ライダーAGITΩ-ライダーズスピリット- 作:ナハトムジーク
突然だが皆さんは異世界というものを信じているだろうか? 今いる自分の世界とは違う世界のことだ。例えば魔法使いやモンスターがいるファンタジーの世界だったり、機械が発達しているSFの世界だったり、はたまた今とは違う人生を歩んでいる自分がいる、なんて世界もあると思う。
ちなみに俺、火原一輝は異世界というものを信じる派である。まぁ、ほとんどの人はあるんじゃない?程度には信じているだろうと思う。しかし、俺はあると確信している。何故かと言うと目の前で起こっていることを俺は知っているからだ。
俺は今、船に乗っている。……船の名前はあかつき号。
そう仮面ライダーアギトに出てくるあの始まりの船だ。あかつき号自体はありふれた船の名前だと思うんだけど目の前にいる白い男。
男を見たときに俺は異世界の記憶を思い出した。仮面ライダー。この世界では未確認生命体4号と言われている者。つい一年前日本で未確認生命体という怪物が突如として出現し人間を標的としたゲームをしていた。死者は数万人。同じ未確認である未確認生命体4号により殺され絶滅したと考えられている。
俺はそれが真実でありクウガの物語を思い出した。
火のエル。仮面ライダーアギトの神的存在。人間に超能力を与えた者。そんな超常の存在が俺の目の前にいる。階段の踊り場に倒れている。男が一人、火のエルの首に指を当て、脈拍を確かめ始めた。
「……死んでいます。見たところ、どこにも外傷はないようだが……誰か、知り合いの方は?」
男が周りに問いかけるが顔を見合わせるだけだった。
「妙ですなぁ。乗船名簿と人数が一致しません。この人はどこにも記載されていません」
そう船長が言ったとき。声が聞こえた。
―私は君たちを助けるためにここに来ました―
俺の脳に直接語り掛けてくるような声だった。
まずい!
俺は逃げ出した。
「君!」
呼び止められたが俺は止まらなかった。俺には仮面ライダーの名前は重過ぎる。アンノウンたちは翔一さんに任せるべきだ。
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「はぁ……」
看板で海を見ながらため息をつく。この船に乗ってしまったということはこれから始まる殺人事件に巻き込まれることが確定してしまった。しかも逃げられない。
「どうすればいいんだ」
悩んでも答えが出ないことはわかっているがつぶやかずにはいられなかった。俺の悩みに反するように航路は雲一つもない青空が広がっていてそれがさらに俺を憂鬱にさせる。
次の瞬間あれだけ快晴だった空が急に陰り雨と風が吹き荒れ、雷が鳴りだした。
―もうすぐ―
あの声が聞こえた。俺はすぐに振り返る。そこにはさっきまで倒れていた火のエルが立っていた。
―君の命を狙うものがやってきます―
言いながら男は近づいてくる。
―その前に私の最後の力であなたの中の私の力を覚醒させます―
そう言うと火のエルが光り輝く。
「あ?……アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
熱い暑いアツイ! 燃える!体が焼ける!
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
冷やさないと!水!ミズ!海!
俺は熱くなった体を冷やすべく荒れ狂った海に身を投げた。そこで、俺の記憶は途絶えた。
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―数週間後
「おはよー」
「うーっす」
俺は学校に復学していた。あのあかつき号事件から2週間俺は行方不明となっていたらしい。そして実家がある県の浜辺に倒れていたところを発見されたらしい。俺は財布に免許証を入れていたためすぐに身元が分かり病院に搬送されたそうだ。
起きた時にはかなり騒がしかった。母親と姉は泣いていたし、叱られた。親父と弟は冷静だったけど。
学校に復帰したときは友達は笑って迎えてくれた。3週間もの休みを羨ましがっていたが、友達なりに事件を笑い話にしようとしてくれているんだろう。
楽しい毎日が戻ってこようとしていた。だが今まで通りとはいかない。いつも通りに生活していたが時折、記憶がない時があった。友達に聞くと俺が急に何かを思い出したように立ち上がり先生の制止も聞かずに教室を出ていく時があるそうだ。バイクを使ってどこかに行っているようなのだがどこに行ってるのか聞かれた。俺自身も記憶がないので友達や先生もあまり触れてはこないが三者面談をしたり、カウンセリングを受けさせられたりした。
カウンセリングの先生も事故のストレスが原因だろうと言っていたが、たぶんアギトとしてアンノウンと戦っているのだろう。
アンノウンはすでに殺人を始めている。今日も新聞の見出しに木の洞に成人の死体が入れられていた事件が書いてあった。新しい未確認ではないかと警戒されている。
警察も未確認の時とは違うらしく新しく特殊な装備で対抗しているらしい。それも新聞で載っていた『まるでアイアンマン! 警察の未確認対策アーマー』なんて見出しもついていたっけ。G-3のことだとはわかるが初期のG-3はそこまで強くない。アンノウン1体にも苦戦してしまうのだから。
俺がアギトとして戦わなければならない。そう考えただけで体が震えそうになる。実際に顔色も悪いらしく先生に保健室に行くように言われた。友達が茶化してくるが休めるのはラッキーだ。お言葉に甘えてしまおう。
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マラークの1体であるジャガーロードはいつも通りに。淡々とテオスに命じられたとおりに。獲物を殺し、洞に埋める。
獲物に背後から近寄り殺す。そして洞に詰める。
今回は人間に獲物を殺すところを見られてしまった。人間が武器を取り出すがそれを弾き飛ばす。
「きっ貴様の仕業か!」
人間が何か言っているが無視して首をつかみ持ち上げる。……覚醒していない。
放り投げ立ち去る。
背後から大きな音がする。……人間が武器を使用している。……覚醒していない者を殺すことはできない。無視して立ち去る。
背後から人間が追いかけてきた。速い。逃げられない。少し痛めつけるとする。
少し痛めつけたら動かなくなった。では帰ると……この気配は……アギト。
視線の先にアギトがいた。赤い瞳。きらめく装飾。そして赤い装甲。
「ああああああ!」
アギトが襲い掛かってくる。
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何だ?何が起こっている?
豹型の未確認らしき生物と遭遇してG-3ユニットで戦ったが武装が効かずにやられてしまった。これまでかと思ったが未確認らしき生物が急に現れた光る赤い未確認に殴り飛ばされた。
「ああああああ!」
赤い未確認。警察の資料で読んだ未確認生命体4号と似ている。だが赤い角と装甲。攻撃的な爪と拳についている棘。開いた口から確認できる牙が凶暴な肉食動物を連想させる。
「ぐるるるるる!」
赤い生物はうなり声をあげ、豹の未確認に近づく。
豹の未確認も殴られたが負けじと赤い未確認に向かっていく。豹の未確認は赤い未確認を攻撃するが荒々しくも素早い動きで赤い未確認は攻撃を避ける。そして豹の未確認は赤い未確認の爪と拳で傷つけられていく。
「ガアッ!?」
豹の未確認が殴り飛ばされたたらを踏む。
「うぉおおおおおお!」
赤い未確認が吠える。そして姿勢を低くし拳を強く握りこむ。足元に赤い紋章のようなものが光り輝き、赤い未確認に吸い込まれていく。手に炎が灯り周りが熱で歪む。
「はああああああ! ……だああああ!」
赤い未確認が一足飛びに飛び掛かり豹の未確認に拳を叩き込む。
「ギャアアアア!」
豹の未確認が炎で包まれ頭の上に光輪が出現し、消えた瞬間爆発した。
「ふぅ……」
赤い未確認はそれを確認すると何事もなかったかのように立ち去った。
「……何者なんだ」
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「ん? ふぁああ……」
勉強してたらいつの間にか眠ってたみたいだ。アギトの力を手に入れてから体の調子は悪くないはずなんだけどな。
「木の洞の中に謎の死体か……」
確かアギトの最初の敵ジャガーノート?ロードだっけ? 嫌だなぁ。できれば戦いも命の危険もない生活が送りたいのに。深い絶望もない。でも、できれば激しい喜びは欲しい。できれば楽しく生きて自分のことが自分でできるうちに死にたい。そんな普通の人生が送りたいのになぁ。
「まぁ、普通が一番難しいって言うもんね」
もう夜中だし、さっきまで寝てたけど寝ておくか。
――この時の俺は、まだこの世界の理不尽を知らない。誰かが言っていたように大いなる力には大いなる責任が伴うのだ。
――テオスの攻撃はすでに始まっている――
初めましてナハトムジークと言います。この度は私のつたない小説を読んでくれてありがとうございます。
オリジナルライダーということで色々思うところはあると思いますがまぁ、見てやるかぐらいの気持ちで生暖かい目で見てやってください。
主人公の見た目はバーニングフォームを獣っぽく、刺々しい感じにした見た目を想像していただければと思います。スペックはフレイムフォームと同等くらいです。
完結を目指して頑張ります