仮面ライダーAGITΩ-ライダーズスピリット- 作:ナハトムジーク
未確認らしき敵との戦いの後僕はは病院で検査を受けに来ていた。どこにも異常はなかったようだが一緒に検査を見に来てくれていた小沢さんが自分の開発していたG-3が敵に手も足も出なかったことに関して特に言ってくることもなかった。
「小沢さんショックじゃないんですか? G-3の武器が通用しなかったんですよ?」
開発した小沢さんがいつも通りのため僕は思い切って聞いてみた。
「そりゃあまぁ……でも収穫もあったってことにならない? 相手が未確認生命体ならG-3の武器で一撃で倒せたはずよ?」
確かに。G-3の武器には対未確認生命体用の神経断裂弾が使われている。スペック上なら並みの未確認とでも互角以上に戦えるはずなのにあの敵には効かなかった。ならあれは未確認生命体とは違う新しい敵? それに未確認生命体第4号に似ているあの生命体のことも気になる。あの敵に対してあれだけ一方的に攻撃して倒していたあの生命体。第4号の新しい姿? いや、第4号はあんな荒々しい戦い方をしていたという記録はない。そもそも第4号はG-3をはるかに超える戦闘能力があるはずだ。だが、あの戦いではそんな力があるようには見えなかった。だがG-3の武器は効かずにあの生命体の攻撃は効いた。あれはまるで……
「氷川君?」
小沢さんに呼ばれる。しまった少し考え込んでしまっていたようだ。これから幹部の方たちとの話し合いがあるんだった。
僕はすぐに小沢さんを追いかけた。
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僕は幹部の方々と昨夜の映像を見ていた。
「これが、君が遭遇したという未確認生命体らしき敵かね」
そこに移っている画像は明らかに鮮明とは言い難い映像だった。
「戦闘オペレーションの実行時間は21分41秒と記録されている。だが録画された時間はわずか12秒。しかもこの状態だ」
「わかりません。なぜ映っていないのか……あの時G-3に装備されたカメラで確かに敵の姿を捉えたはずなんですが」
「まさに未確認だな」
確かに映像には映らず自分の目でしかその実態を捉えることができないなんて、未確認生命体よりよほど未確認だと言える。
「それから、これ」
幹部の方が手元のパネルを操作し新しい映像を映し出した。
「最終的に未確認生命体を倒したと言う謎の生物だが……なんなのかね?」
「それは……以前未確認と戦っていた第4号に似ていました」
僕にもわからないが自分の見解を述べた。
「馬鹿な! 未確認生命体はすでに滅んでいるんだよ!それに伴って第4号も消息を絶っている」
「私が遭遇したのは、未確認生命体ではないと思います。もし未確認なら、G-3システムの武器で倒せたはずです!」
僕が見解を述べると幹部の方々は顔を見合わせた。
「未確認生命体を超える新たなる敵が現れたとでも言いたいのかね!」
「はい!」
僕が返答をすると幹部の方たちは苦虫を嚙み潰したような顔をする。
「君の言うことが本当なら、君が遭遇した生物はアンノウンとしか言いようがないな」
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僕が会議室から出ると階段に男性が立っていた。確かこの人は北條透さん。本庁きっての若手エリートだという人物だ。
「氷川誠」
いきなりフルネームを言われる。
「香川県警から対策班にスカウトされたと聞いたときは素朴な人間だろうと思いましたが……とんだ食わせ物でしたね」
「……何のことです?」
「未確認生命体らしき者と遭遇したというのは、君の作り話だ。違いますか」
いきなり現れて何の用かと思ったらこの人は僕の話がでまかせだと言った。
「作り話……私が何のためにそんな?」
唖然としそうになったが聞き返す。
「未確認が滅んで二年。このまま何も起こらなければ間違いなく対策班は解散になる。それを防ぐために君は話をでっち上げた」
どうやら聞いた僕が間違っていたようだ。あまりの言い分に笑いがこみあげてくる。
「聞きましたよ? 北條透と言えば本庁きっての若手エリートだって」
僕がそう言うと北條は満足そうな笑みを浮かべる。
「でも意外と暇なんですね」
僕が皮肉を言うと北條の表情が一変し無表情になる。
「そんなことを言うために私を待ってるなんて。……失礼します」
これ以上この人といると嫌なので僕は一礼してその場を離れた。
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「やっぱりいるんだな」
俺、火原一輝はパソコンでクウガに関する情報を見ていた。それは警察の公開情報だったり実際にクウガに助けてもらった人が撮った写真だったり様々だがクウガの画像が残されていた。
俺がテレビで見たのとは違い生物的になっているが間違いなくそこに写っているのはクウガだった。
『新たなるヒーロー。未確認生命体四号に迫る!』
なんて見出しで新聞にも取り上げられていたそうだ。
「やっぱりすごいな五代さんは」
ネットには『助けてもらって感謝してる』なんて好意的な内容から『もっと早く来てくれれば』『あいつもどうせ未確認の一体。いなくなって清々した』なんて否定的な意見まで様々だ。親しい人が実際に被害にあっている人たちがいるから否定的な意見が多いのは仕方のないことだが、五代さんはこんな中で戦っていたんだ。
「俺だったら途中で戦いを止めていたかもしれない」
俺がいきなり力を渡されて今日から命を張って他の人を守ってね。なんて言われたら絶対に断る。確かに五代さんたち仮面ライダーは好きだけど、それはヒーローってかっこいい。こんな人になりたいな。なんて言う憧れからくるものだ。『憧れは理解から最も遠い感情だよ』なんて言葉もある。
俺は外面だけ見てヒーロー達の苦しみや悲しみ、辛さを理解していなかった。いや、今も理解なんてしていない。どうして俺が、ほかにもいるだろうなんてグチや不満に似た感情が俺の心に渦巻いている。
「一輝ー! ご飯だよー!」
1階から母さんが俺に呼び掛けてくる。俺はすぐにリビングに行く。テーブルにはすでにおやじと姉の愛華、弟の響二はもう座っている。俺もテーブルのいつもの席に座る。
「今日はグラタンだよ。熱いから気を付けてね」
俺は置かれたグラタンにすぐに手を付ける。
「一輝さぁ。毎回思うんだけど熱くないの?」
弟の響二が俺に言ってる。
「俺は熱くないよ」
「熱いものを食べるとガンになりやすいらしいから気を付けなよ?」
姉の愛華も俺のことを心配して言ってくるが平気だ。昔から熱かったり冷たかったりする食べ物を食べて体調が悪くなったことはない。むしろ力が湧いてくるぐらいだ。愛華が熱い熱い言いながらご飯を冷ましていても俺は平気で食べられるし、響二が冷たいものを食べて頭が痛くなっているのをしり目にかき氷を丸呑みする勢いで食べても頭が痛くなったことはない。
「ご馳走様」
「おかわりあるわよ?」
母さんが言ってくるが遠慮しておいた。最近あまりおなかが減らない。いや、最近というかあの事件以来、夜に腹が減ることはあるが朝になるとお腹がすいているどころか力が湧いてくるような気さえする。たぶんアギトに覚醒したことで何らかの能力が目覚めたんだと思う。
光合成の能力って考えると弱い気がするがお腹が減らないのは良いことだ。
部屋に戻ろうとすると耳鳴りがしだした。頭が痛い。速くいって原因を殺さなければ。
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警邏をしていると通信で未確認生命体らしき生物と警官が遭遇したとの情報を受け小沢さんたちと連絡を取りで合流ポイントに向けて車を走らせる。
後ろからGトレーラーが近づいてくるのを確認した僕は近場に車を止め、Gトレーラーに乗り込む。
G-3を装着しガードチェイサーに乗り現場に向かう。
現場では先日遭遇したアンノウンに似た怪人が刑事を殺そうとしていた。ガードチェイサーをフルスロットルで走らせアンノウンを吹き飛ばす。
刑事を見る。どうやら北條透のようだ。同僚の刑事に呼び掛けられ体を揺すられている。気絶しているみたいだが呼吸はしていて命に別状はなさそうだ。
僕は北條を同僚らしき刑事に任せアンノウンを追いかける。……いた。ガードチェイサーを飛ばし、アンノウンを止めるべく追い越し、停止させる。
「うわ!?」
アンノウンが速度を上げ襲い掛かってくる。ガードチェイサーから放りだされ地面を転がるがすぐに体勢を立て直し攻撃しようとするがアンノウンのほうが早く体制を立て直し攻撃をしてきた。
吹き飛ばされ、ガードチェイサーにぶつかる。先日は素手で戦って負けてしまったのでガードチェイサーに装備されているGS-03デストロイヤーという超高周波振動ソードを手に取るがアンノウンもそのすきを見逃してくれるはずもなく追撃され抑え込もうとしてくる。
アンノウンの拘束から逃れけん制で殴り掛かるが受け止められてしまった。腕をはじかれ攻撃されるがアンノウンも体制が整っていなかったのでG-3の装甲で耐えられた。デストロイヤーを装備するため前蹴りでアンノウンを攻撃しつつ距離をとる。
『GS-03 アクティブ』
通信で小沢さんの冷静な声が届く。すぐにしまわれていたブレードが展開し、ブレードが凶悪なうなり声をあげる。
デストロイヤーで攻撃する。アンノウンが攻撃を避けた。やはり直接的な攻撃は通りやすいみたいだな。
そのまま戦闘を続行する。
「ウガアア!」
不意に今戦っているアンノウンの陰から別のアンノウンが僕を攻撃してきた!?
「ぐあっ!?」
『氷川君後ろ! アンノウンは2体よ!』
振り向くと似たような形で色の異なるアンノウンが出現していた。先ほどまで相手をしていたアンノウンは白の体毛に青いマフラーのような物を付けていたが、もう1体は黒い体毛に黄色のマフラーをしている。応戦するがすさまじい連携で攻撃してきて片方のアンノウンに抑え込まれてしまった!
「フン!」
「うぐっ!」
抑えている方とは別のアンノウンが攻撃してくる。体制がしっかりしているせいで先ほどより攻撃が強力だ。
『左肩ユニット損傷!』
ユニットが損傷し左肩がただの重りになる。
『メインバッテリー電圧30%低下!』
通信から小室さんの声が聞こえる。まずい!
このまま嬲り殺される! そう思ったとき、2体のアンノウンが急に振り返る。
見ると腰の部分が光り輝く人影が2つ見えた。人影は1人は冷静なように1人は荒々しくこちらに歩んでくる。
アンノウンが人影に向かっていった。その人影は連携の上手かったアンノウンを上回る連携でアンノウンと戦い始めた。
「小沢さん! 何者かが2人、アンノウンと戦い始めました!」
しばらくすると光が収まり2人の姿が見える。1人はこの前の赤い4号に似た個体。もう一人はさらに4号に似た金色の装甲をまとった個体だった。
「何者なんだお前たちは」
「アギト!」
僕の疑問に答えるようにアンノウンが驚いたように初めて言葉のようなものを呟いた。そして戦いが始まる。
白い体毛のアンノウンがアギトと言った金色の装甲の生物に走り寄り攻撃を仕掛け組み合った。その間にもう黒い体毛のアンノウンの頭に光輪が現れ槍をどこからか取り出した。アンノウンは武器も使うのか。
金色のアギトは白いアンノウンを蹴り飛ばすがすかさずそこに黒いアンノウンがカバーに入るように金のアギトに槍で攻撃を仕掛ける。
「ぐらあああああ!」
赤いアギトが吹き飛ばされた白いアンノウンに向かうが子の個体は素早いのか、赤のアギトの攻撃が空振り逆に攻撃されてしまう。
「ふしゃあ!」
赤のアギトも攻撃をよけるがこれではらちがあかない。こちらのアンノウンも光輪から弓を取り出し赤いアギトに向け矢を射出する。赤いアギトはそれを避けるが距離が離れてしまった。
逆に金のアギトはいつの間にか取り出した杖のような武器で黒いアンノウンに優位に立ちまわっていた。アンノウンの攻撃を捌き足を払い、片膝をついたアンノウンを足で踏みつけ動きを封じた。まるで武道の達人のような無駄のない動きで赤のアギトとは真反対の戦い方をしていた。
金のアギトは杖を正面に構えると空間がゆがみ一瞬のうちに装甲の色が金から青に変わった。装甲が青に変わると持っていた杖の両端から刃が出現し槍のような形状に変化した。
はっ! 見惚れている場合じゃない。この人? 達をサポートしなければ!
僕は持っていたGM-01スコーピオンを発砲し白いアンノウンに攻撃するがやはり効果がない。ならばとガードチェイサーに向かいGG-02サラマンダーを取り出した。サラマンダーをスコーピオンに取り付け白いアンノウンにグレネードランチャーを発砲する。
……効いた!?
初めてG-3の武器でアンノウンにダメージが通った。
アンノウンがひるんだ時赤いアギトが後ろに飛び青いアギトの近くに着地した。青いアギトは何の反応もせず槍を演舞のように回しだす。風が吹き荒れ、黒いアンノウンがひるむ。次の瞬間。
「ぐぅ! があああああ!」
赤いアギトが苦しそうに吠える。赤いアギトの周りには青いアギトが起こした風がまるで吸い寄せられるかのように逆巻き、赤いアギトに吸収されていく。
赤いアギトにも変化が起こった。装甲の色が変わるなどの劇的な変化はないが上半身が少しスマートになり、下半身がミチミチと音を立て刺々しくなった。膝にはニードルが生え、足の爪が長くなり、かかとから刃が飛び出した。
2人のアギトが同時にアンノウンに襲い掛かった。
青いアギトは流麗な槍捌きでアンノウンを攻撃し、赤いアギトは先ほどとは段違いのスピードで白いアンノウンに矢を躱しつつ近づき攻撃的になった足で攻撃した。
「はぁっ!」
「ぐらあああ!」
まったくの同時に青いアギトは槍でアンノウンを切り裂き、赤いアギトは膝の棘をアンノウンに刺しこんだ。
アンノウンは吹き飛ばされ、光輪が現れると爆発した。
戦闘が終わり、僕はアギトたちに近づく。
「お前たちはいったい」
僕はそう聞いてみたがアギト達が向かい合った。
「ぐああああああ!」
「ふん!」
そしてそのまま、アギト達の戦闘が始まった。