仮面ライダーAGITΩ-ライダーズスピリット-   作:ナハトムジーク

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第5話

「があああ!」

 

俺は馬型のアンノウンに爪を振るう。だがアンノウンに避けられてしまう。だがそのまま体当たりをして吹き飛ばす。

 

『殺せ』

 

馬型のアンノウンは力の差を感じ取ったのか逃走する。俺も追いかけようとするが速い。さすがは馬型だ。

 

「があああああ!」

 

上半身にある力を下半身へ移動させ俊敏体に変身した。馬型のオルフェノクを追いかける。走っているアンノウンにすぐに追いつき並走する。

 

「ブルル!?」

 

「きしゃあああ!」

 

足払いをかけアンノウンを転ばせる。そして……

 

『殺せ!』

 

「がああああああああ!」

 

踵から刃が飛び出る。それを倒れてしまいいまだに体勢を立て直せないアンノウンに叩き込む。

 

「ブルル…………!」

 

アンノウンが光輪とともに爆発した。

 

なるんだ。

 

 

「シャアアア!」

 

サソリ型のアンノウン。こいつは毒をもっているはずだ。しっぽを切り裂け!

 

「があああああ!」

 

俺の体が動き、背後に迫っていたアンノウンのしっぽを爪で切り捨てる。

 

「があああ!」

 

俺の体がアンノウンにとどめを刺すべく、貫き手で攻撃する。

 

「フッフッフ」

 

なに!? 盾とレイピア!? サソリっぽい武器だな。ここはいったん距離をとって様子見をする。

 

「があああ!」

 

だが俺の体はそのまま盾を引きはがしレイピアを持っている腕をつぶさんばかりに握る。

 

待て、危険だ。レイピアにも毒があるかもしれないんだz『噛み殺せ!』うああああ!

 

「ぐらああああ!」

 

「ギャアアアア!」

 

俺の体は構わずにサソリ型のアンノウンの首に食らいつく。そしてエネルギーを牙に集めた。

 

「ギャアアアアアアアアアア!」

 

過剰なまでの炎を受けアンノウンが灰となり消滅した。

 

 

ならなければ。

 

 

次の相手はクラゲのアンノウンだ。何をしてくるかわからない。ここは慎重に「があああああ!」だよな。

 

俺の思考とは反対に俺の体が駆けだす。クラゲ型のアンノウンは俺を指さす。すると俺に向かって雷が降ってくる。

 

「ふしゅるるる」

 

俺には効かない。むしろ取り込んでパワーアップする。

 

「……!?」

 

クラゲ型のアンノウンは何度も雷を放ってくるが無駄だ。もっと強く速く強靭になる。クラゲ型のアンノウンはあっけなく俺のアギトに殺された。

 

ヒーローにならなければ。

 

 

「ただいま」

 

「おかえり~」

 

家に帰るとのんきそうな声が聞こえた。リビングに入ると親父がビールを飲みつつテレビでニュースを見ていた。そこには今日もアンノウンの情報がやっていた。人が死んだ。アギトがアンノウンを倒したと報道されていた。

 

「怖いね~」

 

「ああ、そうだな」

 

俺はそう言って席に着く。テレビからは警察は何をやっているのかなんて無責任な言葉が聞こえてくる。アンノウンの情報が載ってる掲示板も警察の無能さをアギトの責任について無責任な奴らが声を上げていた。なんで俺がこんな奴らのために……いや、これがヒーローとしての責任なんだ。俺がもっと早くアンノウンの出現を予知できれば被害は未然に防げるはずだ。五代さんならどうする?

 

「一輝」

 

俺が考え込んでいると親父が話しかけてきた。

 

「なに?」

 

「お前最近どこに行ってるんだ? 学校も途中で抜け出す。それに夜遅くまで出かけてるし、母さん心配してたぞ?」

 

「なんでもねぇよ。ただ遊んでるだけだ」

 

俺はそう返すことしかできなかった。

 

「なんかあるなら相談しろ? 学校が嫌だとか。実はいじめられてるとか」

 

「だから、何でもないって」

 

めんどくさいな。いつもだったらこんなに突っ込んでくることないのに。親父はのんびりした性格で楽天家な人だ。こんなこと聞くような人じゃないんだけど。

 

「なんかあったら母さんが助けてくれるからさ」

 

「何だよそれ」

 

いつもなら何気ない一言だったが、今の俺には心底ムカつく発言だった。

 

「なんで母さんなんだよ! 親父はいつもそうだよな! 俺たちに何にもしてくれない! 昔俺がいじめられてる時だって学校に来てくれたのは母さんだけだった!」

 

そんなことは無い。親父は心配してくれていたし、仕事があって来れなかったのも知ってる。

 

「それで自分はのんきに会社の同僚とゴルフかよ! ずいぶんと楽しそうだよな! 良いよな親父は! 何にも考えなくて気楽そうで!」

 

ゴルフだって接待だし、親睦を深めるためだってのも知ってる。

 

「人任せになんてすんなよ! みんなそうだ! 俺らにばっかり文句言って自分たちは安全な場所で厚かましく居座りやがって! てめえらで戦ってみろよ!」

 

「一輝……お前……」

 

「あ……ごめん」

 

俺は逃げ出した。家を出てバイクで走りだす。戦わなきゃ。戦わなきゃ生き残れない。

 

 

 

 

この反応は、アンノウン!

 

アンノウンの予兆を感じ取った俺はすぐにバイクをその方向に走らせる。

 

「変身!」

 

俺とバイクが変身する。すぐにスロットルを開き全速力で駆けだした。

 

「フッフッフッ」

 

俺がアンノウンのいる場所にたどり着いたときはもう手遅れだった。蜂型のアンノウンが、殺されてコンクリートに生き埋めになった人の前で満足そうに笑っている。クソが!

 

「があああああああああ!」

 

「ムッ!? ギャッ!?」

 

俺はアンノウンに襲い掛かり押し倒し、馬乗りになる。

 

「がぁ! がぁっ!」

 

殴りつける。何度も、何度も。アンノウンの骨が砕け肉が裂けても。何度も、何度も!

 

『そうだ殺せ! 殺してしまえ!』

 

頭の中の声に従うように

 

『こいつは獲物だ! 俺は強い!』

 

「死ねええええええ!」

 

アンノウンが力尽き、爆散した。

 

「ああああああああああああああ!」

 

そして、静寂が訪れた。俺は被害者に近づきコンクリートから掘り起こす。傷つけないようにゆっくりと。そして出てきたのは俺とさほど歳が変わらない男だった。

 

この人にも家族がいたんだろう。もしかしたら彼女もいて結婚の予定とか将来どの会社に行きたいとか、もしかしたら歌手になりたいとかパイロットになりたいとか響二みたいに職人になりたいとか友達と一緒に夢について語り合ってたかもしれない。学校の授業がたるいとか、あしたカラオケに行こうとかそんな他愛のないことを話して青春を、今を、精いっぱい生きていたはずなのに。どうして、こんな、たかが人と変わってるからってどうして死ななければならないんだ。

 

ブブブブブ

 

羽音が聞こえる。感情が読み取れる。怒りだ。俺に対して激怒している。上等だ。

 

俺は羽音がするほうを見る。おびただしい数の蜂のアンノウンが浮遊し、その中央に嬢王蜂のアンノウンが俺を見ている。

 

何怒ってやがる。仲間を殺された? 家族が殺された? お前らだって同じことをしているだろう!

 

『「来い! お前らを絶滅させてやる! ああああああああああああ!」』

 

俺の体が輝きだす。敵を射殺さんばかりの光を放つ。白く白く。外敵を光で塗りつぶすように。

 

『「ガアアアアアアアアアアア!」』

 

 

 

 

 

 





主人公暴走回です。主人公を突き動かしているのはヒーローにならなければならないという強迫観念であると同時に戦わないとアンノウンに家族ともども殺されてしまうという知識からです。ですが主人公は自分がヒーローの器ではないと心の中ではあきらめており、それなのに他の人はまだ努力が足りないと言ってくることに対しての怒りで精神的に揺らいでいます。
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