FGOの世界に転生して、Aチームに所属したら異星の神に選ばれてしまった件について   作:ハセカズ

11 / 36
投稿遅れて申し訳ございません。第11話です。誤字報告してくれた方、感想と評価をくれた方、この作品を読んでくれている方、いつもありがとうございます。


なお、今回は原作主人公のメンタルがそれなりにヤバいことになるので、それが無理だという方は、ブラウザバックを推奨します。


また主人公が結構外道な手を使います。


気にしないという方は本編をお楽しみください。




前回までのあらすじ

主人公「お話ししようよ」


第11話 「消す」の意味

「そうですね……Aチームの中で私に一番親身に接してくれたのが彼でした。レイシフト適正やマスター適性が図抜けて高いという理由でカルデアにスカウトされたと聞いています。不真面目な所や臆病な所が若干ありますが…雰囲気は先輩に似ていると思います」

 

以前、俺はAチームマスターのことが気になり、マシュとダ・ヴィンチちゃんの2人に彼らの話を聞いた。8人目の彼の話を聞いたときはダ・ヴィンチちゃんに代わってマシュが話してくれたけど‥‥彼を語るマシュの表情はすごく楽しそうだった。まるで、とても親しい誰かを語るかのように。

 

マシュが言うには俺と同じ日本出身で魔術師にしては、珍しくゲームや漫画などの娯楽用品を楽しむ一面があったらしい。マシュはポケモ〇やス〇ブラなど日本のゲームについて妙に詳しいところがあったけど、その人に教えてもらったらしい。

 

同じ日本出身でしかも一般人的な感覚を持っている。だから俺は、その人と話すことを一番楽しみにしていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「何というか‥‥‥あなた達に伝えることがあります、カルデアの皆さん方。」

 

今回俺が異聞帯に来たのは俺の仮説が正しいかどうか確認するためだからな。もし俺の仮説が正しいのであれば…カルデア側が俺の異聞帯を絶対に攻略できない様にすることが出来るの。つまり負けが無くなるという事。フハハハハ。

 

『このタイミングで再登場か…うーん、どうやら今度はこちら側の味方をしてくれる…というわけではなさそうだね。』

 

いや…というかさっきは、あくまで成り行き的にカルデアを助けることになっただけであって、俺は普通にそっちの敵だから。

 

「‥‥‥‥っ!」

 

マシュが悲痛な顔をしている。なんか結構ショック受けてる感じっぽいんだけど。

まあ、マシュにゲームのことを教えてあげたわけだし、それなりの頻度でゲームプレイを一緒にしてた気もするので。あ、もちろん誘って来るのはコミュ障の俺ではなくマシュからだけど。うむ、第2部から敵同士だから、情を引くために仲良くなっておくぞ作戦は見事に成功していたという事だ。

 

『ふむ、君は、この場で我々と事を荒立てるつもりはないのだろう?もしそのつもりであればもうとっくにこちら側に攻撃を仕掛けているはずだ。君は先ほど言った。「伝えることがある」と。今回我々の前にこうして現れたのはそれが目的かな?』

 

ホームズの言う通りここでカルデアに攻撃を仕掛けるつもりはない。カルデアが他のクリプターの異聞帯を攻略するまではね。ゴルドルフさんはなんかホッとしていますね。まあ、確かにここでエフィアスと戦うことになったらカルデアが壊滅するのは、間違いなしだからね。

 

「‥‥伝えることって?」

 

藤丸君が話しかけてきた。いかんいかん目的を果たさねば。ふふふ、練習の成果今こそ見せるとき。

まずはインド異聞帯の攻略おめでとうございます。でも残念なことに!この異聞帯は、このまま行くと消滅しないのだあ!

 

「え‥‥‥?」

 

よし、みんな驚いてるね。なんか仕掛けたドッキリが成功したかのような感じだよ。うむ、中々の気持ちよさ。するとラクシュミーが俺の方に話しかけてきた。

 

「…どういうことだ?この偽りの世界を偽りの世界たらしめているのは、空想の樹があってのものだ。そして先ほど我々がその樹を伐採したのだ。この世界はもう‥‥」

 

まあ、まあ普通はそうなんだけどねえ‥‥‥。そっち側も知っての通り、本来なら空想樹が無くなると剪定事象である異聞帯は消滅する。でもそれはあくまで剪定事象の世界を異聞帯として復調させているのが空想樹なのだからであって、実は同じ役割を果たすものがあるなら空想樹の存在抜きでも異聞帯は維持できたりする。

 

「同じ役割‥‥?」

 

ラクシュミーも困惑しているぽい。

そう、同じ役割を果たすものがあれば異聞帯は維持できる。この世界は空想樹が切り取られたけど消滅はしない。

 

さて、もう一度謝っておきます。まじごめんなさい。

というわけで喰らえ、原作主人公。お前たちにとって致命的になるこの言葉を。そしてもう一度、言わせて貰う。まじ、ごめんね。

 

────この異聞帯の住民に空想樹の効果を再現した

 

とうとう言ってしまいました。

その言葉を。まじごめんなさい。

正直カルデアにこれ以上有効な手は思いつかなかったので‥‥‥

 

「────えっ?」

 

「どういうこと‥‥ですか?」

 

マシュと藤丸は俺の言ってる意味が分からずに、茫然としている。ラクシュミーさんやダヴィンチとかは、顔真っ青にしているけど。

もう一度説明すると、この異聞帯に住む住民に空想樹の【剪定事象の世界を異聞帯として復調する】部分の効果を再現した。だから、今この異聞帯は、民の皆で支えている状態にある。ああ、もちろんこの効果を再現されたからと言って住民の皆に何かしらの被害があるというわけではないからそこは安心して大丈夫だ。

というかそこがヤバかったら、カルデア側もそれを理由に民達を開放するという大義名分を得る可能性もあるわけだし‥‥まあ、大丈夫だと思うけど。

 

とにかく、みんなにも再度、説明する。

 

「っ─────」

 

うわ、みんな顔真っ青。でも、無理もない。

異聞帯を民の皆で維持している。それはつまり異聞帯に存在する民を一人残らず虐殺しない限り、この世界を消して汎人類史を取り戻すことは、出来ないことを意味しているんだから。

 

しかも、エフィアスならそれが出来てしまう。それだけの力を見せつけているから。皆それを理解してしまったようだ。

く、自分で考えていてあれだけど何て卑劣な策なんだ。本当にごめん‥‥‥で、でも仕方ないんだよ!これでカルデアに負けることは無くなったと言っても良いだろう。ワハハハハハ。

 

周囲が唖然としている中、静寂を破ったのはラクシュミーだった。

 

「お‥‥お前は、自分が何をしているのか分かって‥‥いるのか?」

 

ラクシュミーさんがこっちに向かって喋りかけてくる。まあ、予想通り。ここで向こうが納得する言葉を返さないとアレなので、あらかじめ用意しておいた言葉を返すか。

まあ、要約すると、どうせ消して無かったことにするわけだし、どれだけ住民にひどいことをしても全部嘘っぱちになるし、消すに比べたら殺しなんてずっとマシなのだぁ!という事を。

 

「ッ!それは‥‥」

 

めっちゃ、うろたえてるな‥‥。

 

ラクシュミーは先ほど「輪廻を信じる私はこの結末を否定する。人々の、民の命が‥‥こんなもので終わるはずがない。次があるのだ。きっと、きっと!正しき輪廻が、彼らを皆、救うに決まっている!‥‥私はそう信じている。せめて私一人くらいは…」的なことを言っていた。確かに死ぬなら次があるかもしれない。でも消えるということは、無かったことになるということだ。初めから居なかったことになるんだから次なんてない。まあ、ラクシュミーもそこは自覚していたと思うけど。‥‥だから殺すなんてよりも消すの方が遥かに大罪だろう。「死ぬ」とは違って「消す」だと想いも皆との絆も、今まで培ってきた苦楽も全部無かったことになる。つまり嘘になってしまう。

 

では、その「消す」という超悪行をしている人間は、「消す」に比べたらよっぽど軽い行いである「殺し」を出来るだろうか?消すに比べたら殺しなんてよっぽど楽だと思えるのだろうか?

無理だろう。少なくともカルデアには。というか俺にも誰にも無理だ。大体の人はそうなんじゃないか?人間はそう都合よく出来ていない。「「消す」なんてことをやっているし、それよりも軽い「殺し」なんて簡単にできるよ!」という風に簡単に割り切ることが出来ない。

俺達クリプタ―は汎人類史を全滅させた。だから俺以外のクリプタ―の皆さんの中には割り切れる人はいるかもしれない。でもカルデアには無理だ。というか想像できない。カルデアは、別に悪く無い。元は、俺たちクリプターが汎人類史を全滅させたから異聞帯の攻略をしてるわけだし。むしろその逆、善人だろう。

 

だからこそ、俺の考えたこの作戦は必殺になる。つまり「住民に手をかけない限り、勝つことは出来ない」という状況を作ればカルデアは詰みだ!‥‥という作戦はこの上なく有効なんだ。

カルデアの皆が善き存在だからこそ通じる作戦。藤丸達は、どんな理由があろうと一般人に手をかけることが出来ない。きっと皆そうだろう。というか、もしそれをやった場合、藤丸の味方をしなくなるサーヴァントが現れるだろう。ヘラクレスとかアタランテあたりが。

よし、伝える事は伝えたしもうこんなところでいいかな。コミュ障ながらよく頑張って喋ったよ俺。藤丸達を再現してもらって、台詞を練習しておいたかいがあったよ‥‥‥。皆の反応がシミュレーション通りで良かった...予想外の事を言われた場合、間違いなくどう言葉を返せばいいか分からずに詰まるからな。

皆からの視線が物凄く痛いから早く帰ろ‥‥‥。

いや、本当に何か偉そうなこと言ってすみませんでした。

 

「なんで‥‥こんなことを?」

 

藤丸が茫然とする中、マシュが震えながら話しかけてきた。

 

「あなたは‥‥あなたはもっと優しい人のはずです!どうしてこんなことを‥‥ッ!」

 

マシュ、涙目じゃん。罪悪感やべぇ‥‥。というかマシュの中の俺って一体どんな人物なの?そんなに優しかったっけ俺?自分が分からなくなってきたんだけど‥‥

 

どうしてこんなことをしたのか?と聞かれたんだけど。まあ、その答えは確認をする為。俺の立てた仮説が正しいかどうか。もし仮説が正しければ俺の異聞帯は、もう負けることが無くなるし。負けるわけには行かないわけだし。ただそれを答えるわけにも行かないしさっさと帰るべきか‥‥‥。

何か喋ってて自分がめっちゃ嫌な奴に見えてきたし‥‥エフィアスと一緒にもう少しマシな言葉を考えておくべきだったか?でも、これもカルデアに負けないためですし‥‥もう撤退します。

 

「あっ─────」

 

はい、さよなら。最後にもう一度だけ言っておく。

いや、ほんとすみません‥‥‥

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

‥‥‥‥‥俺は。藤丸立香はどうするべきなんだ?

 

「あっ、おねえちゃんたち!びっくり!どうしたの?随分久しぶりな気がするけど‥‥」

 

「アーシャさん‥‥」

 

「‥‥‥」

 

「どうしたの、お兄ちゃん?何だかすごく怖い顔をしている…」

 

あのクリプターは言った。この異聞帯の人間すべてに空想樹の効果を再現したと。その言葉が本当かどうかは分からないけど‥‥あの少女ならそれをやってのけてもおかしくない。もしも言われたことが本当なら‥‥アーシャを、いやそれだけじゃない。この世界に住む全ての人間を殺さなくてはならない。

 

彼は言っていた。消すのに比べたらずっとマシだと。どうせ全部嘘になるんだから問題はないと。そう言われた時‥‥‥俺は反論することが出来なかった。俺たちは今まで世界を3回消してきた。確かに世界を消すことに比べたら殺人なんてあってないような悪行だろう。

 

彼に言われて自分が「消す」という所業の本当の意味から‥‥‥目を背けていたことに気づいた。‥‥‥立ち止まるわけには行かない。パツシィに言われたんだ、戦えって‥‥!俺たちは先に進まなくちゃいけない…皆の想いを無駄にしないためにも‥‥!‥‥そうだ。今までやってきたことをやるだけだ。だから‥‥だから‥‥アーシャを‥‥アーシャ‥‥を‥‥‥‥

 

殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺ころころころころころこころろころころころころこころkろこrこrこrこrkろrこrkろrkろkろrkろkろrkrころこrこrこころころころころころころころしてころしてころしてころろろろろっろろろろろろろろろろころして

 

「―――ッッおえぇぇええ!!!!」

 

「先輩!?」

 

「お兄ちゃん!?どうしたの!?」

 

そのまま俺は意識を失った‥‥

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

シャドウボーダーにて、藤丸のことについては話し合われていた。

 

「先輩の容態は‥‥」

 

「体調そのものには問題はないよ。異聞帯の民を殺さなければならないという精神的な負荷で倒れたのだろう。」

 

「そう…ですか。」

 

「これから‥‥どうするのだ?」

 

重たい空気の中ゴルドルフ所長がダ・ヴィンチに問いかける。

 

「‥‥‥ギリシャ異聞帯に行くために物資の補給をするという目的は果たされている。空想樹も採取した。一先ずこの場はこの異聞帯から離れてノウム・カルデアに帰還するべきだと私は思うかな。」

 

「それは‥‥」

 

「分かっているよ、マシュ。それは問題の先送りにしかならない。でも、現状彼の言った通りにここの民たちが異聞帯を維持しているというのが本当かどうかは分からない。状況が曖昧なまま、君や立香君にそれをさせるわけには行かないんだ」

 

「‥‥‥」

 

「皆もそれでいいね?」

 

「う、うむ。」

 

ダ・ヴィンチの言った通りにこれは、問題の先送りにしかならない。もし何時までたってもインド異聞帯が消えなければその時は‥‥‥

 

結論を先延ばしにしたまま、カルデアはインド異聞帯を後にした‥‥‥

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

時刻は少し遡る。

 

 

現在、藤丸君たちはアーシャちゃんの所にいる。なんか、藤丸君がすごく怖い顔しているんだけど‥‥まさか…いや、原作主人公に出来るわけがない。‥‥ないですよね?だ、大丈夫なはずだ。ゲームの製作者様は藤丸君をそんな風に作っていないはず‥‥多分。

あっ、藤丸君が吐いて‥‥倒れた。

 

ですよねー。藤丸君は幼い子供を殺すなんてことしませんよね。良かった。カルデアの中では、殺す>消すということが確定しました。これで少なくとも俺の異聞帯がカルデアに消されるということは無くなったな。‥‥なんか罪悪感を感じるけど。し、仕方ないんだよぉ。これは戦い何だから!

 

まあ、後は俺の所の異聞帯の民の皆さんの了承を取ってエフィアスの力で同意した民に空想樹の効果を再現するだけだ。世界の危機だし協力してくれる人はそれなりにいるでしょ。

というわけで帰ったらよろしくねエフィアス。

 

‥‥えっ、無理?何で?この異聞帯でやったことと同じことをすれば…‥‥

 

「私の異聞帯は維持するには剪定事象外の力が必要になる‥‥だから私の力で他の異聞帯を成り立たせることは出来ても私の所ではそれをすることは出来ない‥‥ごめんなさい」

 

つまり、エフィアスの力で空想樹の力を再現したとしても、剪定事象であるエフィアスが再現した空想樹じゃあパンゲア異聞帯を維持することは出来ないと。異聞帯を維持するには、異聞帯外からの力の介入が必要?なんで、他の異聞帯もそうなのか?後で詳しく詳細を聞いておくか。

 

じゃあ、今回やったことは意味がなかったってことか。完全に無駄骨…

藤丸君のあの嘔吐は一体なんだったんだ‥‥‥?

するとエフィアスが首を横に振る。

 

「カルデア側はこの事実を知らない。だからマスターの考えた作戦は有効だと思う。」

 

まあ、確かにそうか。カルデア側はそれを知らないわけだし、ハッタリでも十分に効果あるか‥‥カルナとか嘘を見破るサーヴァントに気を付けなきゃ‥‥

 

カルデアもこの異聞帯から出たみたいだし俺たちも離脱するか。次はギリシャだな。ようやく俺の知る原作知識外の所まで来たか。本当の勝負はここからだな‥‥‥

 

 




主人公の作戦が世界を救うと信じて‥‥‥ご愛読ありがとうございました。


はい。とりあえず4章まで追いついてしまったので、本編はFGOの次の章が解禁されるまでは休みになります。なんか、とんだ鬱展開になってしまった。敗退したクリプタ―達の内心とかは本編の第12話に書くと思います。


とりあえず次回は番外編を投稿したいと思っています。番外編が続くかは未定ですが‥‥


後、原作主人公の事をそんなに警戒するなら今ここでカルデアをやった方が良いのでは?
正直もう大令呪も4つ回収したし、他のクリプタ―の事よりも藤丸くん達の事をどうにかした方が良い気がする‥‥


と思う方がいらっしゃるかもしれません。一応色んな状況に対しての理由は、付けるつもりですが、それでも納得がいかないと言う方は下をご覧ください。








みんな‥‥今までずっと助けてもらってきたこと忘れちゃったの…?カルデア側が今までなんやかんやで何とかなってきたのもゲーティアを倒すことが出来たのも…本作主人公が藤丸君を見逃しているような状況になっているのも…全部主人公補正力さんがいたからじゃないか…!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。