FGOの世界に転生して、Aチームに所属したら異星の神に選ばれてしまった件について   作:ハセカズ

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はい、久しぶりです。

16話です。あと番外編は別作品として投稿しました。タイトル画面にURL貼ってます。


第16話 降臨

「───イタダキマス!」

 

明らかに10~12歳ぐらいの子供のようなその神がストームボーダーに食らいつこうとした。まだ、マシュや藤丸達は船の中。従ってストームボーダーに攻撃をされた場合、カルデアはかなりの被害を被ることになるのだが、それを遮った者が居た。

 

「神サマならもっと威厳をもって、ゆっくり重厚に牙を剥くのが王道ってものじゃない?」

 

「うーん?お姉さん誰?」

 

「はっはっは!誰かと問うたわね!我こそは世界を渡る風来坊!流れ流れで死に果てて、現在は一騎のサーヴァント!───宮本武蔵、見参!‥‥なーんてね。うひゃあ、カッコよすぎか私~!」

 

「誰だか知らないけど───ボクの食事の邪魔をしないで欲しいなぁ」

 

「ッ!!」

 

子供のような見た目からは想像できないような、圧を受けて身構える武蔵。そして、同時に藤丸達もストームボーダーの外に出た。

そして、一条の弓矢が神を攻撃し、それを回避した。

 

「武蔵さん!」

 

「マシュ、立香。再会の記念に言いたいことは色々とあるけど今は眼前の敵に集中。少しでも気を抜いたらやられるわ」

 

「ッ‥‥!はい」

 

前衛にはマシュ、武蔵。そして後方にはパリス。シャルロッテは気配遮断により姿を潜めた。

そんな彼らを纏めるのはマスターである藤丸立香。その様子を見た、神が楽しげに笑う。

 

「いいね!英霊もマスターも食べるのは初めてだし、楽しみだよ!」

 

その言葉と共にその子供の背中から出ていた触手が藤丸達に振り回される。

マスターに対して向けられたものをマシュが防ぎ、それ以外の英霊は全員が躱した。

 

そしてパリスがカウンターで自身のクロスボウから弓を放つが、あろうことか、この神は弓を躱すわけでも無く、受けるわけでも無く食らいついて食べてしまった。

 

「た、食べた!?」

 

「は、はい!見てるだけでも痛そうです‥‥」

 

「言ってる場合じゃないわ!次が来る!」

 

言葉通り、再び鞭のような触手が襲い掛かる。触手の先端には大きな口と牙が備えられており、獲物を貪るのを今か今かと待ち続けている。

その猛攻に前衛を務めていたマシュと武蔵が押されていたが、ここでパリスが自身の宝具を開放した。

 

「システムアポロン、起動!トロイアスバレル、チェック!サンライトオーバー!3!2!1!───『輝かしき終天の一矢(トロイア・ヴェロス)』、発射ぁーっ!!」

 

かつてトロイア戦争の最中にアキレウスに向けて放った、太陽神アポロンの力を借りて放つ渾身の一矢。だが、その矢の一撃も神は何ともなさそうに先ほどの弓と同様に食らいついて無効化して見せた。

しかし、それは囮だったようで、気配を隠していたシャルロッテが背後からナイフを神に振るう。

 

だが、回避されてしまった。空中に飛ぶことで、シャルロッテの不意打ちを躱した神。

だが、それもカルデアの予想通り。

 

「空中なら躱せない」

 

神が隣を見ると、そこには剣を持った武蔵が自身と同様に飛び上がっていた。

パリス、シャルロッテの攻撃を囮にした2段構えの攻撃。

 

「───御免!」

 

武蔵の剣劇が神の身体に食らいつく。首と胴体を同時に狙った斬撃。

例え神であっても無防備な胴体を狙われれば即死は免れられない。

 

「──っ!?」

 

だが、神を攻撃した筈の武蔵の両手から刀が消失していた。更に何故か切りつけた筈の首と胴体から何かをかみ砕くような音が聞こえる。

そして、その子供のような神が武蔵に()()()()()

 

「なっ!!?」

 

「残念だったねーおねーさん。ボクは()()()()()()()()()食べられるんだ」

 

瞬間。武蔵の姿が消失した。藤丸は訳が分からなかった。

武蔵があの神に抱き着かれたかと思ったら、急に消えてしまった。

そして何故あの神の全身から咀嚼音のようなものが聞こえて来るのだろうか?

肉や骨をかみ砕く音が辺りに響く。

 

「‥‥凄い。凄い凄いッ!!ここまで澱んだマナを喰らったのは初めてだ!

でも───美味しい!美味しい美味しい美味しいなあ!!!汎人類史には『空腹は最高のスパイス』って言葉があるんだよね?いやぁ、まったく‥‥ボクもその通りだと思うよ!!!

───あーお腹すいたなぁ」

 

「武蔵‥‥ちゃんは?」

 

「ん?お姉さんはとっても美味しかったよ。お兄さんたちにも期待していいよね?」

 

その言葉に絶句してしまう一同。

そして、あの神がカルデアの面々に飛び掛かろうとした時だった。

空を埋め尽くすほどの光帯がゼウスと思わしき機神を貫いたのは。

 

「あ。ゼウスに勝ったってことは‥‥もう合流しないと。仕方がないね」

 

その子供は名残惜しそうにカルデアを見渡した。

 

「ボクはヒダルっていうの。じゃあね、お兄さんたち!今度はちゃんと食べてあげるから。ばいばーい」

 

そう残すと同時に神がこの場から居なくなった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

オリュンポスの最高主神であるゼウスと日本の主神クラスでもある月読命(ツクヨミ)との戦いは苛烈を極めていた。

 

夜を司る神である月読命(ツクヨミ)は、汎人類史において月が神格化された神とされる。

しかし、異聞帯におけるこの神の支配領域は月だけに限った話ではない。

夜という宇宙に包まれた星がこの神の支配領域。つまり(ソラ)に浮かぶ数多の星々がこの神の権能。

 

そして、夜を司る月読命(ツクヨミ)は夜の間、この世のありとあらゆる法則を一切受け付けなくなる。何物よりも早く動け、時間に捕らわれず、傷を付けることが出来ない。

夜の間の月読命(ツクヨミ)は無敵なのだ。

 

「馬鹿な‥‥!全能たる我を‥‥‥認めぬ!」

 

空から幾条も降り注ぐ光。かの騎士王が放つ聖剣による一撃は星によって精製され個人で放つ兵器ではあるが、現在ゼウスに降り注いでいるのは星そのものが敵を殲滅するために放つ光。人のような小さな存在からではなく星という巨大な一個体によって放たれる、無数の光帯は一条一条が星を貫く威力の対星系殲滅宝具。

かつてキリシュタリアがゼウスに見せた惑星轟の攻撃にも似ているが、その規模も威力も天地の差がある。

 

それはゼウスの幾重にも編まれている概念防御を悉く貫いて、彼の真体(アリスィア)を破壊していく。

 

勿論ゼウスも一方的にやられているという訳ではない。全力で雷を放ち空に降り注ぐ星の光を相殺していた。また、開放した超複合権能により目の前の主神に迫っていた。

 

「対概念粉砕、対権能破壊機構解除‥‥我が雷霆を受けよ」

 

「‥‥なるほど、別世界といえ流石は最高主神といったところか」

 

現在の月読命(ツクヨミ)はこの世の法則を任意でしか受けない。だから、決して傷を付けることも出来ないし、殺すことも不可能なのだ。しかし、ゼウスの概念、権能の粉砕機構は眼前の神の無敵性を貫通して確かな傷を負わせていた。

しかし月読命(ツクヨミ)はそれでもまだ余裕があった。

 

「複合権能の開放‥‥‥だが、それで足りるかな?」

 

「ぬっ‥‥!」

 

次から次へと自身の権能を開放していくが足りない。それでもまだ、月読命(ツクヨミ)からの攻撃を捌ききれない。

 

「まさか日本の神がこれほどの‥‥やむを得ぬ。()()()()()()()()()()

 

今まではオリュンポスの都市の運用や民間人に対する配慮から全力を出せなかったゼウス。

しかし、それを解放するという事は地球を諦めたという事に他ならなかった。

ゼウスの全力に地球という小さな星が耐えられるわけがない。つまり地球脱出を決意したのだ。

空想樹の霊子をすべて取り込んで自分のものとし、雷霆で地球ごと日本の神を破壊する。

そして自身の本来の役割である「もといた母星を再生させること」を目的に宇宙を旅立つつもりだった。自分たちを神と讃えた知性体への返礼として人々が生きた名残となるオリュンポスの星間都市"だけ"を持っていって。

 

「すべて、消えよ」

 

ゼウスに溢れる魔力の桁数がこれまでとは段違いなものとなる。

その様子をみた月読命(ツクヨミ)は焦るわけでもなくただ淡々とした態度だった。

 

「この星ごと我らを破壊か。その選択を否定はしないが‥‥それをやるには些か()()()()()

 

「っ‥‥!!」

 

ゼウス同様にこれまでとは桁違いの魔力が降り注ぐ。文字通り空を覆いつくすほどの光の束はゼウスを容赦なく破壊していく。月読命(ツクヨミ)の言う通り、ゼウスは行動を移すのが遅すぎた。最初から全力開放をやろうとしていたのであれば結果は違っていたのかもしれないが、傷を負いすぎた状態だったために雷霆の全力開放には多少の時間が掛かり瞬時に月読命(ツクヨミ)からの攻撃を相殺でき無かったのだ。

 

かくしてゼウスは堕とされた。

日本の神とオリュンポスの神の戦いは一方的なものになっていた。

もともと神としての質も違うのだが、数でさえも劣っているというのは致命的だった。

 

アフロディーテはカルデアと交戦していた飢餓の神ヒダルによって一方的に食い荒らされた。

飢餓を司るヒダルは感情の殆どが「食欲」によって構成されており、その他の感情などこの神からしてみれば、あってないようなもの。

その為、アフロディーテの心を支配する権能はヒダル神の権能とは相性最悪で殆ど何も出来ずに終わった。

 

デメテルは風の神である志那都比古神(シナツヒコ)と雷神である火雷大神(ホノイカヅチ)の2柱に破壊された。

 

そしてディオスクロイの相手をしていたのは、大口真神(オオグチマカミ)

その神の身体には本来一つしかない筈の口が身体中あちこちについていた。

手に腕に足に首筋、胸、そして左目。それぞれの口がそれぞれの意思を以て言葉を発する。

 

『肉団子』『ダンゴ』『ニクダンゴになぁれ』『ボキボキ』『丸まって』『お肉団子』『肉肉肉まん丸肉』『団子2兄妹よ』

 

この神がいった言葉は正しいものとなる。

だから、ポルクスの身体は文字通り()()()()()()()変形していった。

 

「────ギァアアァアア!!?」

 

大口真神(オオグチマカミ)の身体についている口が何かを話すたびにその通りの現実が襲い掛かる。「正しい神」としての在り方そのものが権能であるこの神の言葉からは逃れられない。

 

「ポルクスッ!!?貴様ァァ!!殺す殺す!殺してやるッ!!!」

 

『死ネッ』『死にたまえ』『死になさい』『死んで』

 

「ぐぁ!!?ぉ‥‥」

 

自らの心臓を自分で貫いたカストロが消滅した。同様にポルクスも。

 

オリュンポスの神はこれで全滅。そして、その様子を黙って見ていたキリシュタリアはポツリと呟いた。

 

「どうやら大神ゼウスが堕とされたようだ。君が以前私に提出した報告書が真実でない事は分かっていたが‥‥ここまでなのは私も予想外だよ」

 

キリシュタリアに提出された報告書には日本異聞帯の神は数柱だと記載されていた。

クリプタ―間ではキリシュタリアに次いで強力な異聞帯とされてたが、それでも総合力では大西洋異聞帯に劣るという印象だった。

具体的に報告書に記載された日本の神は月読命(ツクヨミ)、ヒダル、火之迦具土神(ヒノカグツチ)伊邪那美(イザナミ)そして日本の王であり最高主神でもある天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)の5柱。そして、クリプタ―自身が召喚したセイバーのサーヴァント。これが報告書にある日本の戦力。

 

 

だが、一応嘘ではない本来の日本異聞帯の世界はそれで間違いないのだ。

キリシュタリアはパンゲア異聞帯ではなく、そしてパンゲア異聞帯の()()()()でもなく()()()()()の報告を命じた。

だから本人もキリシュタリアの要望通りパンゲアがいない、本来の日本異聞帯の報告をしてあげただけの話。

 

「大方『報告書に書いてある通りの神は確かに日本に存在する。でもそれ以外の神が存在しないとは一言も言ってないよ?』という感じなのだろう。うむ、確かに君の言う通りだ。嘘はついてないね。詐欺まがいなやり方ではあるが確かにそれは有効な手段だ。」

 

「‥‥‥‥」

 

「それに、加えて何故か日本の異聞帯を覆う嵐の一部がこちらの異聞帯に接触している。日本から伸びているひも状のものがこちらの異聞に接触しているとの報告を受けたからね。初めて聞かされた時は一体何の冗談かと思ったが、これなら確かに「異聞帯同士の接触があるまでクリプタ―同士の争いを禁ずる」という条約にも反さない。考えたものじゃないか。どうやら条約の穴を突いて有利に立つことが君は得意らしい。うん、新たな側面を知れた気がするよ。君の美点は私の記憶にしかと刻んでおこう」

 

もはや皮肉を言っているかのようにしか聞こえないキリシュタリアの言葉。

しかし、キリシュタリアは皮肉を言っているのではなく、本心から褒めている。

上手いことやったじゃないかと。報告書の内容を誤魔化すのも、クリプタ―同士の条約に反さないために日本の領土の一部をひも状にして、無理やり大西洋異聞帯に接触させたことも、キリシュタリアは惜しみない賞賛を述べている。

最も本人にはそれは伝わっていないが。

 

キリシュタリアの天上全てを自身の魔術回路にするという規格外の魔術も(ソラ)の支配権がより上位の月読命(ツクヨミ)が居る以上は通じない。

キリシュタリアが降らせる隕石そのものに月読命(ツクヨミ)の意思が介入するためキリシュタリアはパンゲア異聞帯の存在に魔術を行使できない。

 

本来であればゼウスが自身の目的である「母星再生のために宇宙に飛び立つ」を果たすため、ケラウノスに時空断層を発生させ、カオスがそこから地球を認識する筈だった。

オリュンポスの神々は異なる宇宙の文明が生み出した宇宙航行艦の船団、機械生命体とも呼ぶべき存在でカオスは彼ら全ての母艦であり、オリジナルなる存在。

しかし、日本の神である久久能智神(ククノチ)によって時空断層の発生を妨害されていたために顕現出来ない。

 

そしてサーヴァントもいない現状、キリシュタリアは詰んでいた。

 

「それにしても嘘は言わず真実を話さずに相手を欺くというのは私のやり方に似てる。

やれやれ君も思いの他しょうわ‥‥失礼、鋭い性格をしている」

 

性悪っていいかけただろ、と言いたそうな顔をしている男だが、

ソレは置いといて、一先ずオリュンポスの神は全滅したため、キリシュタリアにはパンゲア異聞帯に来てもらうことを伝える。

 

「確かに異聞を巡る争いは君達の勝利の様だ。しかし、どうやら()()()()()。すまないが、ほんの数秒待ってくれるかな?」

 

その直後。空想樹内部の魔力反応が急速に上昇した。完成したオリュンポスの空想樹が虹のような輝きを放ち。そしてその上から何かが降りようとしていた。

それは‥‥‥

 

「然りッ!!!」

 

突如として現れた何処か歪な出で立ちをした男性。異星の神の使徒の一騎、リンボである。

 

「ンン!ンンンンンン!!そう!あれこそは神の玉座!」

 

リンボの言葉通りに捉えるなら、あの中に異星の神がいるということになる。

オリュンポスを攻めたその男が、リンボにそのことを尋ねた、

 

「そう!我ら使徒が呼びだされた理由にして我ら使徒が待ち続けていた神の御姿!いや、日本とオリュンポスの神がつまらぬ小競り合いを始めた時は『異星の神』との契約違反かと訝しみましたが‥‥結果良ければ全て良し、としましょう!」

 

パンゲア異聞帯のクリプタ―はその顔を緊張からか強張らせ、異星の神の使徒は興奮からかいつもよりも更にテンションが高いように見える。

しかし、ここでキリシュタリアが待ったをかける。

 

「‥‥浮かれ気分のところ悪いが、『異星の神』が降りるべき場所はここにはない。よくみるがいいリンボ。私の空想樹の中には何が捧げられているのかを」

 

「ん?何を仰る、空想樹の中にあるものは紛れもなく神の‥‥神の‥‥神のぉぉぉを!?」

 

空想樹の中には既に神が入っていた。キリシュタリアが召喚した神霊アトラス。

この神が空想樹内部に存在している。キリシュタリアが異星の神が空想樹に降りて来るよりも先に召喚したのだ。

早い話がキリシュタリアは最初から異星の神を降臨させるつもりなどなかった。この地を異星の神に渡すためではなく新しい神代の世界にする為に。

 

「私は、『異星の神』の為に人理を覆そうとしたのではない。『異星の神』の排斥の為に汎人類史から離れたのだ。悪戯に滅びを楽しもうとする君とは初めから正反対の『使徒』だったというワケだ。」

 

当然キリシュタリアの裏切りを知らされたリンボは激高してキリシュタリアに襲い掛かろうとする。

 

「おのれ!!裏切者が‥‥ぬぉ!!?」

 

キリシュタリアは現在月読命(ツクヨミ)の影響下で日本の神並びにクリプタ―には魔術を行使できない。しかし、リンボはその例外だ。

キリシュタリアからの惑星轟により瞬時に殲滅される。

 

「さて、これでようやく君と2人きりになれた。まず確認だが君は既に私の計画を知っているんだね?」

 

キリシュタリアの目的、即ち空想樹の力を使って人類を神にしようとしていることは勿論、問いかけられた本人も知っていることである。

 

「その通りだ。空想樹に蓄えた魔力を使い、巨神アトラスは新しい法則を作り上げる。理想郷はどこにもない。犠牲者を生まない世界はどこにもない。人間が種として弱いのであればこれを変革する。これより、この地球に生きる全ての人間は生まれ変わる。誰もが神に等しい存在になる事で全ての不平等は解消する。」

 

その計画自体はオリュンポスを攻めた本人にとっても何の問題も無い。

 

「アトラスのテクスチャが地球を覆うと同時に空想樹内の全ての情報が地球に出力される。ソレと同時に人の情報は書き換えられ、新たな存在となる。‥‥‥同時に空想樹に存在する大西洋異聞帯の情報もこの地球に出力されるというのは想定外だったがね。つまり世界を巡る争いも大西洋異聞帯の勝利で終わる。日本がオリュンポスに攻めてきたのはそれが理由なのだろう?」

 

その通りだと、問いかけられた男は応えた。

 

「確かに日本の神達なら完成した空想樹にも手が届くかもしれない。だが、もし私に空想樹内の魔力の全てを譲り渡す準備があるといったらどうかな?」

 

つまるところキリシュタリアの提案はこうだった。現在の空想樹の魔力の全てを日本の異聞帯の空想樹に転送する。元々空想樹同士が枝を介して繋がっている状態なので、魔力の転送自体はそこまで困難なことではない。その場合でも空想樹内のアトラスは魔力の転移に乗じて日本の空想樹に移るだろうから、キリシュタリアの目的である、「人を変革する」という目的が果たされることに違いは無い。

 

「日本の空想樹にて私の計画が果たされる。これなら、日本の異聞帯が消えることもない。世界を巡る争いは君達の勝利になるのだから。どうかな?これなら君にデメリットは何もないと思うが。この世界は敗北した。だから勝者が君の担当世界になることに文句を言うものは誰もいないだろう」

 

「‥‥‥」

 

キリシュタリアの提案が意外だったのか若干驚いているかのようにも見える。しかし、提案された本人は戸惑っていた。確かにキリシュタリアの計画は一見するとデメリットが無いかのように思える。神になるのは自分も同じなのだから。しかしキリシュタリアの提案を呑めば異星の神との対立は確実だ。

 

いくら日本が異星の神との戦いに備えているといっても、それはあくまでも最終手段。

彼自身、異星の神に真っ向から刃向かうつもりは無い。勝てるという確証がない以上は出来るだけ従っていたほうがいいというのが彼の考えだ。

 

しかし、世界を争う戦いが日本の‥‥パンゲア異聞帯の勝利で終わるのであれば、その瞬間に空想樹という縛りから解き放たれる可能性もある。デメリットもあるがメリットもある。

キリシュタリアの提案を呑むか呑まないかで困惑していると、空想樹が突然燃え始めた。

空から伸びた枝という枝から空想樹に向けて炎が伸びている。

 

「馬鹿な‥‥!?育ち切った空想樹を外部から燃やすことなど‥‥!」

 

完成した空想樹は外部からの攻撃を一切受け付けない。

だからこそキリシュタリアも信じられないといった表情を浮かべていたがその背後に近づく影があった。

 

「ああ。だから内部から燃やしたんだよ。他の空想樹を根元から燃やして、枝を通して山火をそっちにお裾分けってな」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「キリシュタリアさんがベリルさんに‥‥!?」

 

「何で‥‥仲間じゃなかったの!?」

 

ベリルに致命傷を負わされたキリシュタリアの様子を見て驚く一同。

 

ヒダルとの戦いの後で、武蔵がやられたということもあって意気消沈しかけていたが藤丸達は一度ストームボーダーに戻り、当初の予定通り遠隔から日本の神とオリュンポスの神の戦いを静観することにした。

その為、クリプタ―同士の会話やキリシュタリアの計画についても聞いている。

 

全ての人を神と言わざるを得ない存在に引き上げるというキリシュタリアの計画に驚くものもいたが、キリシュタリアの計画が果たされた場合、汎人類史も永遠に失われるという話をダヴィンチから聞いて、やはり受け入れるわけには行かなかった。

 

しかもキリシュタリアが日本にその自身の空想樹の魔力を譲り渡すという話が出たため何としても阻止をしなければならないという結論に至った。このまま放っておけば、世界を巡る戦いは日本の勝利になってしまうから。

 

そして現在2人のクリプタ―の元に向かおうとした、その時にベリルが現れ、キリシュタリアに致命傷を負わせた。最初の不意打ちは防がれたのだが、その後は「妖精を裏切って狙われている身」であることを逆手に取り、ブリテン異聞帯の王によるロンゴミニアドの槍を"再現した魔術"を自分をビーコンにしてわざとオリュンポスへ落とさせた。

そして、キリシュタリアがオリュンポスを守ろうと術式をくみ上げて魔術に手一杯で身体的に隙だらけのところを狙って致命傷を負わせたのだ。

 

現在カルデアはストームボーダーにて3人のクリプタ―が集う場所に向かっている最中だが当然、日本担当のクリプタ―もベリルの行動には困惑していた様子だった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「いやあ、スカッとした-!ようやく堅苦しいリーダーが消えてくれたぜ!なあ、お前さんもそう思うだろ?目の上のコブを排除してやったんだ。気分を聞かせてくれよ!」

 

あの‥‥‥何かキリシュタリアがベリルにやられた件について。いや、どうなってる?

キリシュタリアから突然、空想樹の魔力を渡すとか提案されたり、ロンゴミニアドが降ってきたりと色々と理解が追い付かないんだけど。

これは原作通りなのか?元々ベリルはオリュンポスを潰す気満々だったらしいが。

 

いや、キリシュタリアの後の章がベリルだということを考えるとこの展開が一番しっくりくるような気がする。なるほど最初ベリルの空想樹が切り取られたって聞いた時は第6章どうなんのさと思ったが、こうなるのか。

 

つーかグロッ。うぇぇ‥‥俺は血とかにあまり耐性ないんだからさ。

というか、キリシュタリアにここで死なれるわけにはいかないんですけど。

まだ間に合うか?一応、オリュンポスにいる俺は本体じゃない。

正直何が起こるか分からないので、エフィアスに頼んでリンボみたいな自分の式神を遠隔で操作しているという形で俺はオリュンポスに来ている。なので、本来の俺には出来ない様な回復魔術も使えるが…

とそんなことを考えているとそこにラスプーチンがやってきた。

 

「どうやら決着はついたようだ。最初に日本の神が完成した空想樹を所有するこの世界を攻めてきたのは異星の神に対する反逆かと考えたが‥‥クリプタ―のリーダー、キリシュタリアは反逆者であることが明らかになった。そのキリシュタリアの異聞を攻めた日本と、キリシュタリアを謀殺した君達は引き続き我々側の同士と見ていいのかな?」

 

おっと、ここは気を付けて答えねば。

はい、そうなんです。俺はバリバリ異星の神側だし、別に反逆するつもりはなんて欠片もございません。とそんな感じで答えた。

 

異星の神とは出来るだけ敵対したくないというのが本音な以上は敵対するような意思は見せない方が良い。というわけでここは、へりくだる。何なら靴も舐めますぜ。

 

「おう!俺も長い物には巻かれろってことで賛成‥‥と言いたいところだが、それはちょーっと早とちりなんじゃないか?よーく考えてみろ。今の異星の神が強いと言えるかは疑問だぞ?空想樹マゼランはキリシュタリアの手でこの始末。ブリテンの空想樹の中身はあの女が干しちまった。そして俺の予想じゃ、日本の空想樹も異星の神が()()()()()()()()()()じゃない」

 

いや、待て。何故バレてる。確かに俺の所の空想樹はエフィアスが外部からの侵入を全て弾いている。だから異星の神は降りられないようになっている。万が一間違ってこちらの世界の空想樹を使って降臨されるのは避けたかったし、都合よくキリシュタリアの所の空想樹が完成していたので、問題ないかと考えていたが‥‥

 

「おっ!その反応は図星だな。ははは、やっぱりなぁ。警戒心が人一倍強いお前が異星の神なんて得体のしれない存在を自分の所に下ろそうとする筈がないもんな!」

 

あ、カマをかけられただけだった。

やめろ。やめたまえ。隠していた事をバラすのをやめたまえ。

 

「つまり『異星の神』が降りて来る器はもうない。となると───なあ?今この惑星で一番強いヤツは、うちの異聞帯の王サマか日本の神サマって話にならないかい?」

 

なるほど、ベリルはここで異星の神と敵対宣言か。

 

「ふむ、どうやら君はあちらの王の使徒のようだ。いいだろう、君は自由だ。この終末の惑星で思うままに生きるがいい。───『異星の神』の敵としてね」

 

「───!転移だコヤンスカヤ!今すぐオレをブリテンに運べ!」

 

その後はベリルがどこからともなく現れたコヤンスカヤに連れていかれた。

そしてアトラスの霊基が村正に引き裂かれて‥‥その中から何かが現れようとしていた。

 

「□□言語□□□知性・□□□共有□□□」

 

何か声が聞こえる。間違いない。異星の神だ。

まあ、このまま異星の神の降臨が阻まれるとは思っていなかったけど‥‥いよいよだ。

ラスボスが降臨する。

 

その時だった。

 

「キリシュタリア────ァ!!!!」

 

キリシュタリアのサーヴァントであるカイニスがこの場に乱入してきた。

あれ‥‥?こいつカルデアにやられたんじゃなかったっけ?

あ、よく見たらキリシュタリアの手の甲から令呪が二画消えている。ああ、それでカイニスを助けたのか。

 

「しっかりしろ、寝てんじゃねぇ!神なんてクソみてぇな連中を纏めて産廃にしてやるって言ったじゃねえか!」

 

やばい、キリシュタリアのこと忘れてた。このままじゃほんとに死んでしまう。

早く治療しないと、大令呪も回収してない今ここでキリシュタリアに死なれるのは困る。

取り敢えず、治療するからちょっとどいてくれ。

 

「ッ!治せるのか!!?」

 

多分。とりあえず見ててくれ。

 

回復魔術を起動させるとキリシュタリアの傷がどんどん治っていく。

すご‥‥流石はエフィアス特性の式神。反逆者のキリシュタリアを直すのは反逆行為ととられかねないが‥‥大令呪を持っている以上は死なせない方が良いという理由なら何とかなるだろ。あ、キリシュタリアの意識が戻った。

 

「っ‥‥驚いた。君にここまでの治療能力が‥‥」

 

俺の力じゃないけどな。

空想樹から超強大な魔力が放出された。

 

そしてその中から出てきたのは‥‥ラスボスとしか言えない様な圧倒的なオーラ。

圧倒的な魔力。

 

それはオルガマリー・アニムスフィアそっくりな顔をしていた。

 

 

 

 

‥‥‥‥‥‥‥は?あれが、ラスボスですか‥‥‥?

 

 

 




次回は多分、異星の神VS日本の神になる。

なお、カイニスは原作だとキリシュタリアが令呪を使って、カイニスを延命。
それでカルデアに拾わせたみたいな展開だと多分思いますが、今回は日本の神が攻めてきたことで、キリシュタリアがカイニスを一旦カルデアに拾わせようとするのを中断。2画目の令呪使ってカイニスを治療しました。それで、目が覚めたカイニスがキリシュタリアの元に向かったという流れになります。


おまけ

神の紹介


ケイローン

前話で会話にさらっと登場したので。汎人類史同様ヒュドラの毒を受けてしまうがパンゲアにどうにかしてもらう。その時に「毒を生み出す権能」を取得しており、異聞帯では毒神となっている。



月読命(ツクヨミ)

何気に5話から登場してる、日本神の中では一番出番が多い神。
ロングの紫髪を後ろで纏めている。顔立ちは中性ぽい感じ。
天照大神もとい九尾の弟。
夜を司る権能を所有している。汎人類史では月を象徴する神だったが、異聞帯では月に限らず夜の区間の星は全てこの神の権能の範囲。もちろん宇宙に存在する全ての星を同時に支配するとかは無理だがそれでも規模や威力はキリシュタリアの上位互換。
また、自分自身が星の光を放つことが出来、この神の権能は星作りを含めた大権能でもある。
また、夜を司るということで夜の間はこの世界の法則を任意以外で一切受け付けなくなるので無敵モードになり、時間を超えたり、光速を超えたりとやりたい放題できる。
両性具有でたまに女になる。
もし仮にケツァルコアトルのように分霊サーヴァントとして呼ばれた場合は適性クラスはセイバーとキャスター。


久久能智神(ククノチ)

白髪のオカッパ頭に白装束の少年。
The・チート神。今回の派遣メンバーで一番強い。というか日本全体で見てもトップクラス。汎人類史だと樹木を司る神だったが異聞帯だと権能の質が上がっていて、実質「生命を司る権能」に等しい状態になってる。なおこの権能は宇宙造りを含めた大権能で今回の派遣メンバーで大権能持ちは月読命(ツクヨミ)久久能智神(ククノチ)の2柱のみ。
この神の権能に対抗できる類の権能持ちで無い限り生あるものではまずこの神には勝てない。ただドラゴンボールのブルーゴジータとかなら力のごり押しで何とかなるかもしれない。


大口真神(オオグチマカミ)

汎人類史では狼の神格化とされてるがこっちの世界だと普通に人の見た目をしてる。
凄いコミュ障で、誰かと話すことは愚か、目を合わせることも困難。
その事を見かねた他の神が大口真神(オオグチマカミ)の身体に沢山の口を付けてあげた。あちこちについた口はそれぞれが独立して喋り、この神に代わりに会話をする。
また口はそれぞれがこの神の権能を行使できる。
「正しいという在り方」が権能なので、この神が口にしたことは事実になってしまう。


志那都比古神(シナツヒコ)火雷大神(ホノイカヅチ)

風の神と雷の神。描写が少ないが名前の通りの神。強い。
火雷大神(ホノイカヅチ)は雷だけではなく火の神でもあり一見すると火之迦具土神の上位互換のような能力だが、出力が火之迦具土神よりも弱い為、戦闘力では劣る。



泣沢女(ナキサワメ)武美名別命(タケミナワケノミコト)

両者共に水の神。一応、今回の派遣メンバー。描写はされていないが恐らく今後登場するはないので載せた。モブ兵士やタロスを相手していた。
以上。








ヒダル

飢餓の神。日本の歴史だと神というよりは悪霊や餓鬼憑きみたいな存在だったが、異聞帯だとれっきとした神の一柱。
見た目は10~12歳ぐらいの栗毛の少年。別にホモでもない男でも問題なく抱けるレベルで可愛い。見た目は完全に男の娘。パリスやアストルフォを更に倍可愛くした見た目だといえば分かるだろうか?
ただ、抱き着いたり頭を撫でたりしたら間違いなく食われるが。

飢餓を司る権能を持っている。この権能の影響でヒダル神は常に極限の空腹状態で食べること以外殆ど何も考えていない。本当はこの権能は周りに影響を及ぼせる強力なものだが、自身の飢餓のせいで権能をあまり使いこなせていない。

またこの神は身体中どこからでもモノを食べれるという能力をもっており、その為、物理的な攻撃手段の効果が薄い。
一応、パンゲア異聞帯にいる間はパンゲアからの加護&空気中の莫大な魔力のおかげで常に幸福状態で満たされているので大人しいが、もしも汎人類史に放てば1ヶ月もあれば世界が壊滅する。大変危険。


また、以下の例を見ていただければ分かると思うが万が一にもこの神をカルデアがサーヴァントとして召喚した場合は人理修復、人理漂白解決の難易度が数千倍に跳ね上がることになる。


Case1:召喚時

「これからよろしくね!」

「うん、よろしく。ところでマスター、早速で悪いけどボクお腹がすいちゃった。何か食べる物はない?」

「それなら、食堂に来てよ。エミヤの料理はとっても美味しいから楽しみにしてて!」

「え-こんなんじゃ全然足りないよー。やっぱり自分で食べ物探すからいいや。
‥‥ところでマスター。このカルデアって施設は食べ応えがありそうだよねー。イタダキマス」

カルデア壊滅。召喚時から5分以内に特異点(それも大規模なやつ)に連れて行く以外の選択肢をとるとカルデア壊滅END。



Case2 マシュマロ

「‥‥マスター。これは何というおかしなの?」

「これは、マシュマロっていうんだ。フワフワしてとても甘いお菓子なんだよ」

「‥‥何だかマシュってお姉さんの名前に似てるね。あのお姉さんもマシュマロみたいに甘いのかな?あー気になったらお腹すいちゃった。すいたすいたすいたすいたすいたお腹がすいた‥‥イタダキマス」

「‥‥え?何を‥‥っ!!?」

マシュ死亡。
マシュマロというお菓子の存在を知られるとこうなる。後はムニエルもお察し。


他にもこの神に情熱的な視線を向けると「どうしたのー?さっきからボクのことばっかり見ていて‥‥もしかしてボクのゴハンになってくれるのかな?イタダキマス」と食われたりする。
小説だと分かりにくいがこの神は見た目はめちゃくちゃ可愛くて愛くるしいので、意識しないというのは結構困難だったりする。少なくともアストルフォきゅんパリスきゅんペロペローな人は絶対無理。


頭を撫でたり抱き着いたりしても同様の事が起こる。また2日以上連続でこの神を満足させる食事をさせなかった場合は間違いなくカルデア壊滅エンドを迎えることになる。

令呪の束縛も魔力を食われるので効果が薄く、またこの神を処分しようにも、身体中どこからでも食事できるヒダルは、カルデアという建物を喰らいつくすのに1分かからないので、1分以内に倒す必要がある(しかも物理的な攻撃手段は効果が薄い)。

ただ、この神は一応、自分のことを使い魔だと弁えている(つもり)なのでマスターの事を食べようとはしない。召喚時にわざわざ「食べるものない?」と聞いているのもマスターに気を遣ってるつもり。だから、召喚者は頭を撫でたりしても大丈夫。たぶん。

また、殲滅能力はトンデモないがこの神に「民間人を巻き込まない」などという思考はないので、敵もろとも凄い被害が生まれる事になる。というか特異点自体がとんでもないことになる。
一応、この神はサーヴァントとして呼ばれた場合、食べれば食べる程元の神性を取り戻すという能力を持っているのでどうにか終局特異点まで連れて行けばロマニの犠牲抜きでゲーティアを倒せるかも。まあ、宝くじ1等を引くよりも遥かに難しいが。

聖杯戦争で呼ばれた場合は、間違いなく全陣営から狙われることになる。


でもこの神サマを呼ぶの不可能じゃないと思うかもしれないが、ヒダル自体は誰の呼びかけにも積極的に応じるので、縁を結んだ場合は分霊として普通に召喚される可能性がある。クラスは間違いなくバーサーカー。The・地雷。

なお、派遣された神の強さ順は

久久能智神(ククノチ)月読命(ツクヨミ)(夜モード含める)>火之迦具土神(ヒノカグツチ)火雷大神(ホノイカヅチ)志那都比古神(シナツヒコ)>ヒダル神>大口真神(オオグチマカミ)泣沢女(ナキサワメ)石凝姥命(イシコリドメノミコト)武美名別命(タケミナワケノミコト)



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