FGOの世界に転生して、Aチームに所属したら異星の神に選ばれてしまった件について   作:ハセカズ

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主人公の名前どうしよう…無名のままか名前をつけるか
付けるにしてもどんな名前がいいのか…



第3話 遅れた特典

今からおよそ2億5000万年前頃に存在したその大陸には意志というものが宿っていなかった。型月世界において、星は一つの生命体であり意思は存在すると言われているが、パンゲアという大陸には意志が存在しなかった。

 

転生者に特典を頼まれた外の神という強力な存在が、ある一つの意思をその大陸に宿らせるまでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥気が付くと私は、後に人々にパンゲアと呼ばれる大陸になっていた。私という存在は、今生まれたばかりではあるが、私の使命が、やるべきことが何であるかはすぐに自覚できた。

 

まだ見ぬマスターに仕えるために私は存在する。それこそが私の生まれた意味であり、存在意義でもある。そしてそのマスターは、「何でもできる万能性」を求めている。ならば私はいつの日か出会うマスターの為により強力な存在にならなくてはいけない。マスターの求めるものを全て満たすために。

 

それから私は、強くなり続けた。幾度も私は分裂の危機にさらされたが、それを許容することは出来ない。何故なら分裂するということは、私の意思も力も分断されるということに他ならないのだから。分裂の危機を避け、逆にその原因を取り込むことで強くなる。

 

時間を掛けて自身を強くする、そして大陸そのものをあらゆる環境に、あらゆる世界に対応できるようにする。マスターの望む世界にできるように。

 

そしてとうとう私はこの星の主導権を握り、この星の意思そのものになった。すでに存在していた地球の意思を取り込み、自分自身が地球になった。

 

つまりアルテミット・ワン:タイプアースに。すでにこの惑星の名は地球ではない。パンゲアという名前がこの星に名付けられた新たな名前になった。地球が私に取り込まれる前に出したSOS。それを受け取り他の星のアルテミット・ワンたちが飛来したが全て返り討ちにした。そして、そのうちのいくつかは私の世界に住み着いた。

 

それから途方もなく長い時間が流れた。今、私の身体にはいくつもの生命体が存在する。それは人間でもあり、神でもあり、虫でもあり、獣でもある。それぞれの神たちが私に与えられた私の身体の一部である領土の代表として君臨し、そこに存在している人々を統制している。

 

セファールと呼ばれる巨人があらゆる文明を破壊するために来た。私の世界に存在する神達でもそれなりの被害が出そうだったので、私自身が相手をした。

 

現代でメソポタミアと呼ばれる場所に存在するギルガメッシュが神の支配を終わらせようとしていた。それは別に構わない。多様な世界を矛盾なく作るつもりなので、人が神から独立している世界があっても別に構わない。

 

‥‥‥でも、それを世界全域で、しかも神だけでなく私のこととも決別しようとしていたのは容認できない。すぐにこの世界から排除した。

 

何億年もの間、強化を、拡張を、様々な進化を、世界は続けていった。

全てはいつか会うマスターの為に。

そして最終的には星だけでなく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

そしてとうとうその日は訪れた。私という世界を取り囲むかのように嵐の壁が出現し、空想樹と呼ばれるものが私に根を張った。それが私にも重要なものであるということは何故か理解できた。

 

そしてある一人の人間がこの世界にやってきた。

 

すぐに分かった。彼が自分の待ち焦がれていたマスターであるということが。彼の存在を認知して私は直ぐに彼の元に向かった。この星そのものである私は、この星のどこにでも好きな時に存在できる。故に彼の元までには秒と掛からなかった。

 

マスターはマナの濃度に驚いていたけど、この世界のマナがマスターに害することはない。それは当然。このマナも私の一部だから。私の身体がマスターを害するはずがない。そして私はマスターに話しかける。

 

「ずっとあなたを待っていた…マスタ―」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして月日は流れ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空想樹の発芽から90日‥‥三か月もの期間が経過した。世界の書き換えは無事、終了した。まずは第一段階の終了を祝おう。これも諸君らの尽力によるものだと」

 

「うん?そいつは大げさだ、キリシュタリア。俺たちはまだ誰も、労われるようなことはしちゃいない。異聞帯の書き換えは異星の神様の所業。本番はここからだろう?」

 

「…分かっていないのねベリル。異聞帯の安定と「樹」の成長は同義よ」

 

「‥‥‥」

 

俺が異聞帯に入ってから90日が経過した。現在俺はクリプターの会議に参加している。正直色んなことがありすぎて、寝つきが悪く、最近は寝不足だったりする。うつらうつらしていると

 

「あら。平常運転のベリルに比べて随分と元気が無さそうだけど大丈夫なの?」

 

「…え?」

 

突然ペペロンチーノに話しかけられて、意識を現実に戻す。やばい、何の話しているか全く頭に入ってこない…

 

「あなた寝不足なんじゃないの?目にクマが出来ているわよ。空想樹を育てるのは大事だけど、無理は禁物よ」

 

「へぇ?珍しくやる気を出しているじゃないか?さすがに今回ばかりは真剣だな」

 

ニヤつきながらベリルが話しかけてくる。

 

「ああ、これは、そういうんじゃないから大丈夫大丈夫。気にしないでもいいって」

 

「それは無理ね。放っておいてほしいなら、せめて笑顔でいなさいな。友人が暗い顔していたら私だって暗くなんだから。」

 

ぺぺロンチーノ…ゲームでも思ったけど、いい人だ。やっぱ漫画やゲームのおかま枠は良い人多い。

 

「‥‥‥貴方、キリシュタリア様が今後の話をされているのだからもう少し真面目に会議に参加しなさい」

 

オフェリアがこっちを睨みながら注意をしてくる。今まではヴォータイム呼びだったのにキリシュタリア様か‥‥‥どうやら原作通りにキリシュタリアが皆の為に頑張っていた所はちゃんと見ていたみたいだ。

 

「‥‥‥無駄話はそこまでにして。キリシュタリア、用件は何?

 こちらの異聞帯(ロストベルト)の報告は済ませたはず。

 私の異聞帯は領地拡大に適していない。私は貴方たちとは争わない。

 この星の覇権とやらは貴方たちで競えばいい。そう連絡したわよね、私?」

 

「‥‥‥そんな言葉が信用できるものか。最終的に僕たちは一つの異聞帯を選ばなければならない。アンタたちが異聞帯の領地拡大を放棄しても、そのうち他の異聞帯に侵略される。それでいいのか?」

 

「‥‥‥別に。私の異聞帯が消えるなら、それもいい。

 私はただ、今度こそ最後まであそこにいたいだけ。納得の問題よ。それが出来れば他のクリプターに従うわ」

 

「まあ、結果が見えてるゲームだからなあ、コイツは。オレたちが何をしたところで結果は変わらないさ。オレたちは束になってもキリシュタリアには及ばない。地球の王様決めゲームはほぼ出来レース状態だ。下手すると汎人類史より栄えてる!まったくずるいよな」

 

「ベリル!口を慎みなさい、キリシュタリア様は、ご自分の力であの都市を攻略されたのです!その証拠に、キリシュタリア様には三体もの神霊が―」

 

「黙るのは君もだ、オフェリア。ベリルの言葉も的外れではない。」

 

そしてキリシュタリアがこちらに目線をやると、俺の方に話しかけてきた。

 

「そういえば君の異聞帯はどうなっている?話を聞かせてほしい」

 

「ん?報告書に書いた通りなんだけど。」

 

「君の口から直接聞かせて欲しい。」

 

えぇ‥‥‥何でだよ。そういえばキリシュタリアは、異星の神に死者蘇生の代償を支払う時、俺の分だけは何故か支払う必要がなかったことをどう思っているのだろうか。やっぱり俺のことを怪しんでいるのか?

 

「別に異聞帯の王との関係も良好だし空想樹も順調に育っている。問題はないよ」

 

「‥‥‥そうか。ベリルの言う通り、最終的に私が勝利することは自明の理だ。

その事実だけは、どう言葉を使おうが変わることはない。だが、私はここにいる全員に可能性があると信じている。

私の異聞帯ロストベルトにはないものが、諸君の異聞帯にあるように、私以外の誰かが使命を果たす可能性があることを望んでいる。」

 

キリシュタリアは自信満々だ。

俺は報告書の内容をごまかして書いている。俺の異聞帯の真実を皆には伝えていない。異星の神やその使徒たちにも黙ってもらえるように了承を得ている。強力だがキリシュタリアには劣る日本の異聞帯。俺の異聞帯に対しては、皆それぐらいの認識だろう。

 

「さて、遠隔通信とはいえ、私が諸君を招集したのは異聞帯の成長具合を確かめるためではない。 1時間ほど前、私のサーヴァントの一騎が『霊基グラフ』と『召喚武装ラウンドサークル』の出現を預言した」

 

とうとう来た。

こちらの準備は万全。

まあ、大丈夫だと思うが‥‥‥

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

通信が終わった後でため息をつくと、

 

「どうかした?マスター」

 

一人の少女が話しかけてくる。

こちらとしても、いよいよ戦いが始まるわけだから気が気ではないという事を伝える。

 

「この異聞帯は万全‥‥この日の為の準備もしてきた。マスターは安心して気を楽にしてほしい」

 

見た目、11ぐらいなのに良い娘だな‥‥‥

俺をマスターと呼ぶこの子は、この異聞帯の王。

そして転生特典でもある。

 

この世界には、あらゆる神話が、神が、人種が存在する。ゼウスが、シヴァが、別天津神が。色々な世界があり、彼らはそれぞれの担当領土に存在する。ゼウスは元の世界でいうところのギリシャに属する土地を治めており、オーディンは北欧を治めている。

 

とにかくこの世界には数千、数万という多数の神が存在している。世界の名は、パンゲア。今より2億5000万年前頃に存在したとされる全ての元になったとされる大陸。

 

パンゲアはあらゆる大陸のあらゆる可能性を内包している。故にこの世界には様々な神話が、伝承が、全て同時に存在し続けている。聞いた話だとこの惑星の名前もパンゲアになっているという。

 

それに大陸や神話だけでなく根源における世界はほぼ例外なく、パンゲアは内包しているという。

そしてそのすべての存在がこの異聞帯の王であり、この星そのものである絶対の君臨者エフィアスに従っているらしい。

 

あ、エフィアスという名前は俺が付けてあげました。名前はないらしく、皆からはパンゲアと星の名前そのままで呼ばれているらしい。

パンゲアだとそのままだったから名前を考えてみた。‥‥‥可愛い名前だろう?

元ネタはポケモンのエーフィだったりする。何か取ってつけたような名前でごめん‥‥‥。冗談で言ったら何か喜んでいたので、冗談とは言えなくなってしまった。

 

ちなみに現在この世界の外部から来たのは俺だけではない。異星の神の使徒も2人ここにいる。

 

「ふふ、ふふ、ふふふふふゥフフフフフフゥゥははは!いや、相変わらずここは良い!良すぎる!素晴らしい!素晴らしい、素晴らしい、素晴らしいッ‼

幾万もの神々、それらを統べる異聞帯の王、その絶対的存在でさえも従えるクリプターにこの空間の心地よさ!ここに比べれば他の世界の力も空気も、綿か土粘土のようなものでしょう!」

 

「あなたと同じ意見なのは癪ですが、この異聞帯のことに関しては同感です。

さすが異星の神のお気に入りといったところでしょうか。異星の神も大変満足していらっしゃいましたし。(魂は結構いけている気もするんですけど…異質すぎてうまく読み取れませんし、もう少しイケメンなら個人的には…OKなのですが)」

 

「おやおやおやぁ?いけません、いけませんよぉ?異聞帯の王をも従えるクリプターに対して何か失礼なことを考えているのではないですか?たまたま異聞帯の王に気づかれていないからいいものの。彼女の機嫌を損ねればすぐにこの世界は我々に牙をむくでしょう。我々がこの世界を心地いいと感じることが出来るのは彼女がそれを許可しているから。彼女は全知全能の存在。我々を含めたこの世界の全てが彼女の思うがままですからねえ」

 

 

まあ、確かにな‥‥‥色々と強すぎるこの世界は。

仕事しろとか生意気言ってごめんなさい神様。

少し遅刻気味な気はしますが、想像以上にチートな特典を頂きました。本当に‥‥‥本当にありがとうございます。

 

ベリルはキリシュタリアの異聞帯を全員でかかっても勝てないとか言っていたが、俺の所は、多分皆の異聞帯を全て足してそれを100倍にしたとしても相手にならないだろう。まず神の強さが違う。マナ濃度が桁違いのここで生まれた神たちは、汎人類史における同一神よりもさらに強力になっている。

 

エフィアスに至っては何万と存在する神々全てが束になっても勝てないレベルの力がある。

しかもこの世界ではエフィアスに敵と認識されたものは、マナの濃度影響をモロに受けることになる。早い話、カルデアがこの世界に来た瞬間にシャドウボーダーごと破裂する。人もサーヴァントも主人公も。

 

ヘラクレスやカルナあたりの超一級で神性を持つサーヴァントならなんとかなるかもしれない。まあ、それでも破裂寸前の大ダメージを受けるだろうけど。

そもそも神の存在抜きにしても世界の情報量が汎人類史と違いすぎるので、

そこもヤバイ。

 

これだけの戦力が整っているんだ。如何に主人公である藤丸 立香相手でも負けることはないだろう。負けないよね?大丈夫、だよな‥‥‥?

 


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