FGOの世界に転生して、Aチームに所属したら異星の神に選ばれてしまった件について   作:ハセカズ

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続きです。
誤字報告してくれた方、ありがとうございます。

次回投稿は長引くかも。











前回までのあらすじ


ゴルドルフ「ツングースカに突入!」



第30話 全界統合星域 パンゲア1

「さあ、我が権能を受けて見よ!」

 

開始早々にラーを名乗る神から、灼熱の炎が放たれる。

黄金にも似た輝きを見せるそれはは美しくも、以前アトランティスで相対した迦具土神(カグツチ)の炎を凌ぐ威力だった。

 

「────『日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)』!!」

 

それに対し、真っ先に反応したカルナが自身が身に纏う黄金の鎧を周囲に展開し、受け止めた。太陽そのものの輝きを放つ鎧と太陽さながらの炎がぶつかり合う。

 

「ぐっ────」

 

日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)は神々でさえ破壊は困難とされる程の鎧だが、それを以てしてもカルナの表情に余裕は見えない。カルナの肉体を焼き焦がし、マスターである藤丸も礼装抜きだと一瞬で蒸発してしまいかねない程の熱量が大気中に満ちる。

 

その熱量が収まるころには、カルナがかなりの火傷を負っていた。

とはいえまだ致命傷ではなく、あいさつ程度とはいえ自身の権能を凌いだ事実に黄金の神の口端が吊り上がる。

 

「ほう、小手調べとはいえ余の権能を凌ぐか。その鎧、神が作り上げた武装だな?余を差し置き太陽の光を纏うとは小癪なり。いや余が相手を務める以上、この程度は当然のこと。いくつもの世界、そして神をも滅ぼし続けてきた者達よ!神王たる我が灼熱、どこまで凌ぎ続けられるか見ものであるぞ!!」

 

眼前の神が纏う神気が更に上昇する。

その圧に、伊吹童子も思わず屈してしまいそうになる。

 

「これ‥‥全盛期の私よりも上よ。それもかなり」

 

「どうやらそのようだ、伊吹童子。俺の時代でもあそこまでの神性は見たことがない。全てを出し切らなければ、触れることすら敵わないだろう」

 

ただ相対しているだけだというのに、それだけで死んでしまいそうな勢いだ。カルデアサーヴァントの中でもトップクラスのカルナと伊吹童子だけでなく、マスターである藤丸もその他のサーヴァントも苦しそうな表情だ。

 

「っ‥‥‥これ、まずい‥‥‥!!ごめん、ボクじゃ力に、なれ‥‥‥ない‥‥‥!」

 

そう言って、霊体化し一旦、ストームボーダーの中に入るハベトロット。マスターである藤丸、ホームズも同様に、ストームボーダーの中に入っていった。

それも無理のない事で今藤丸達がいる場所は、カルナやヘラクレスといった超一級サーヴァントでも死にかねない程に魔力値が高い。しかも、そこに現れたラー神の存在により、更に上昇していた。一応、日本異聞帯突入前に準備をしていたサーヴァント支援用の礼装や魔力のバックアップなどで何とか持ちこたえようとしているが、それでもマシュやカルナといった元々耐久力が高いサーヴァントでなければ持たない。

故に現在ストームボーダーの外に居るのは、マシュ、カルナ、伊吹童子の3騎のみ。そして、その3騎でも黄金の鎧を持つカルナ以外は数時間が限界だろう。時間経過後はストームボーダーの中に入り身体を休ませなければ命に係わる。

故にあと数時間以内に眼前の神及び、その従者と思わしき神を仕留めなければならないのだが、ラー神の出力値の高さを見るに難しいと言わざるを得ない。

 

『あの出鱈目な神性を見るに少なくとも、アトランティスで相対した時の迦具土神(カグツチ)より遥かに格上。出力値の桁が違うけど第6特異点でオジマンディアス王が魔神柱にアモン・ラーの名前を上書きした際の神気と性質が似ている。ラー神というのも嘘ではなさそうだ』

 

「で、ですが何故、エジプト神話における最高神がツングースカに‥‥!?それに、この大気中のマナの濃さは‥‥!」

 

ダ・ヴィンチ、マシュが考察する中、

一歩踏み出したのはカルナだった。

 

「────『梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)』!!」

 

カルナが持つ太陽の炎が纏わり打ち出された核兵器に匹敵する宝具。

それがラー神に向かって射出されるが、ラー神もカルナに真っ向から対抗するように自身の業火を打ち出す。

 

「フハハハハハ!余に向けて太陽の炎を向けるなど笑止!本物の太陽の輝きというのもを見るが良い!!」

 

「何っ!?────ぐあぁっ!」

 

ラーの業火が宝具を易々と飲み込み、カルナに襲い掛かる。

その熱量は、日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)の防御力と回復力を以てしても、無視できない程のものだった。

だが、その隙を突くように伊吹童子が自身の宝具を開放する。

 

「禍が、来たると思え太陽の神──『神剣・草那芸之大刀(しんけん・くさなぎのたち)』!!」

 

日の本の国宝「三種の神器」の一つとされる宝具。

いつもは近所のお姉さんの如く、気さくでゆったりとした口調で話す伊吹童子だが、

今は口調も本来のものに戻っている。それだけ本気だというのだが、ラーの余裕を崩すことは出来ない。簡単に受け止められてしまった。

 

「ふむ、これも神気を感じる。神剣の類か。だが、この程度で余に歯向かうなど、身の程を知れ!!」

 

「ぬっ‥‥‥!」

 

ラーの放つ光に吹き飛ばされる、伊吹童子。

やはりと言うべきか、カルデア側が押されていた。

純粋に実力差が大きいというのもあるのだが大気中の魔力値があまりにも凄すぎて、思うように動けないというのも原因だった。

 

『みんな大丈夫!?』

 

『こ、これはまずいぞ!何なのだ、あの神は!?それにこの異常な魔力濃度は一体‥‥‥!?神代でもあり得んぞ、こんな数値は‥‥‥!』

 

『もっともな疑問だけど、今は逃げることに専念するべきだと思うよ。敵が強すぎるし、マシュ達もそろそろ限界だ』

 

ストームボーダー内からカルデアメンバーの焦りの声が聞こえて来るが、その様子を見た、ラーが更に強大な神気を放出してカルデアに迫りかかろうとする。

 

「どうした、この程度か?ならば、余興はもう終わりであるぞ。余の輝きを受けてそのまま息絶えよ」

 

『────ッ』

 

アトランティスにて迦具土神(カグツチ)が見せた権能の全力行使によって生み出された巨大な炎の球体。

それよりも更に強大な太陽と見まごうことなき、業火がラーの頭上に作り出される。

 

『そ、そうだ!カルナの神殺しの宝具ならアレを相殺できるのでは‥‥‥』

 

『無理に決まってるだろ!この意味不明な出力値を見ろよ!』

 

『それなら、何とか虚数空間に潜れないのかね!?』

 

『無理だよ!時間が足りないし、潜れたとしてもアレは凌げない‥‥‥!』

 

パニックになる職員達。ネモの言う通り、権能が込められたアレは虚数空間だろうが、宇宙空間に逃げようがそのままカルデアの全てを焼き尽くす。

つまり完全に詰みな状況であるが、それが放たれる寸前にラーが何かを察知したかのように何もない虚空の方へ振り向いた。

 

『どこを見て‥‥‥』

 

ラー神の不可解な行動を疑問に思う藤丸だが、

その直後、数千の落雷が同時に落ちたかのような轟音と雲を吹き飛ばす衝撃波が発生した。

 

『こ、今度は何なんなのだ!?』

 

連続して起こる異常事態に色々と理解が追い付かないカルデア一同であるが、カルデアの機器はラーやその後ろにいる従者とは別の神性を捉えていた。ソレはラーも同様で、その事態を引き起こした張本人に視線を向けていた。

 

「‥‥‥何故貴様がここにいる。()()()

 

そこには石膏で形作られた彫像を思わせる真っ白な大男がいた。ヘラクレスやイスカンダルを思わせるような顔立ちの男の背中には金色の光背が装着されており、その手に握られた杖の先には凄まじい電撃が迸っている。

 

その男はラーにも匹敵しかねない程の神気を纏いながら、ラーと同様に宙に佇んでいた。

 

『ゼウスだと‥‥‥!?』

 

『そ、そんな馬鹿な!大西洋異聞帯は完全に消滅した筈だ!何故、オリュンポスの主神がツングースカにいるのかね!?こ、これもコヤンスカヤの仕業なのか!?』

 

ゼウスの登場により驚くカルデア一行。

ゼウスがここに居る筈がないと、職員のだれもが考えたが、

カルデアの機器は大西洋異聞帯にて日本神と戦っていた時のゼウスと思わしき機神が放っていた神気と非常に似た種類の神気を捉えていた。ただ、一つ違うのは真体(アリスィア)が無いにもかかわらず、その出力値は大西洋異聞帯のゼウスよりもはるかに強大だという点だった。

 

『いくらコヤンスカヤがビーストの幼体といっても、あそこまで強力な神を用意できるわけがない。これは‥‥‥』

 

「ああ、大気中の魔力濃度といい、エジプト領地というワードといい我々の理解を超えた何かが起きている。‥‥‥状況を考えるに少なくともここはツングースカではないようだ」

 

『い、いやしかし‥‥。我々は突入したのは確かにツングースカの筈だよ!?』

 

カルデア陣営が、2柱の神に注目するが、

カルデアのことなど意にも介さずゼウスとラーはお互いを睨み合っていた。

ただそれだけだというのに、大地は割れ、空気が震える。カルデアの職員だけでなくサーヴァントもその圧力より思わず膝を着いてしまいそうになる。よく見るとラーの従者と思わしき神も同じような状態になっていた。

 

「忘れたか、ギリシャの最高神。『他領土および他世界への不要な干渉と侵略を禁ずる』。これは我らだけでなく()()()()も可決した事だ」

 

「貴様の方こそ忘れたか、エジプトの最高神。カルデアはパンゲアが警告を出した相手。ギリシャを治める者として対処をすることに何の問題がある」

 

「ほう、ギリシャを治める神の眼はお飾り同然だったのだな。余が手こずっている様にでも見えたのか?貴様の力など必要ない。我が領土から即刻立ち去るが良い」

 

ギリシャの最高神とエジプトの最高神の睨み合いが暫く続いたが、

ふいにゼウスの視線がカルデア側に向けられた。

 

「ひっ──────」

 

ゼウスからの視線を受けた、マシュが思わず声を上げる。

純粋に圧力が凄かったというのもあるが、それだけではない。

それは人理修復時にカルデアに滞在していた黒髭から向けられていたものにも似ていた。その強烈なオスの視線はマシュに本能的な危機を感じさせていたのだ。

 

「‥‥‥悪くない」

 

「何がですか!?」

 

下半身や胸元に向けられるあまりにも遠慮のないそれに思わず、身震いするマシュ。ストームボーダー内の女性職員も同じような反応だった。

だが、よく見るとゼウスの視線は女性だけでなく、藤丸やストームボーダー内にいる筈のゴルドルフ、ネモといった男性陣にも向けられていた。

 

「‥‥‥良い」

 

「ひぃっ!?」

 

ケツ付近に集中したその視線に、純潔の危機を感じてしまう男性陣。

その中でもゴルドルフ所長とネモにはより熱のこもった視線が向けられている。

あらゆる点でかつてない程の危機を感じる一行だが、ゼウスを静止するようにラーが神気を放出した。

 

「何度も言わせるな。こやつらは余の獲物だ。無断で我が領土に足を踏み入れた上に余に対するその不遜。万死にも値する」

 

「ラー神‥‥‥」

 

威風堂々としたその振舞いに、ラーが味方なんじゃないかと錯覚してしまう程の安心感を覚えるカルデア一行。よく見ると女性職員の中には彼に心を射抜かれたものも居た。

もっとも、ゼウスはラーの強大な神気を浴びても涼しそうな顔をしているが。

 

「この程度の些事で怒気を発するとは貴様の器が知れるな、ラーよ」

 

「‥‥‥何だと?」

 

「やはりパンゲア異聞帯を脅かすほどの者達を貴様一人には任せておけぬ。この者達の対処は私がする。そして、その功績は私がパンゲアと関係をもつための足掛かりになるのだ」

 

「貴様‥‥‥やはりそれが狙いか!余の妻だけに飽き足らず、この世界そのものであるパンゲアにまで手を伸ばすつもりかッ!というか貴様ッ、どれだけ下半身で物事を考えているのだ!」

 

この世界に住まうものなら、誰もが分かる爆弾発言をサラリと言うゼウス。

かつてゼウスに妻を寝取られかけた経験を持つラーがゼウスに向かって怒りが混ざった神気を放つが、ゼウスはそれを鼻で笑うだけだった。

 

「ふ、真に野心の小さき男よ。貴様の器の小ささに妻と子供もさぞかし嘆いている事だろう。うむ、主神として見過ごせぬ案件だ。こうなっては私が慰めにいってやらねばなるまい」

 

「‥‥‥もう良い。我が権能に焼かれながら、自身の愚かさを悔いるがいい!!」

 

その言葉と主に、ラーが太陽が墜ちてきたのではないかと思われる程の業火をゼウスに向かって放つ。

だが、大西洋異聞帯のゼウスとはもはや別人と言えるほどの性欲の塊ではあるが同じ最高神。ソレを自身の雷霆をぶつけることで難なく相殺してしまった。突如として始まったエジプト最高神とギリシャ最高神の戦い。その権能同士の衝突に、息をする度に全身が軋み、身体が崩壊していくかのような神気が大気中を飛び交う。

 

だが、それは近くに居るカルデア側からすればたまったものではない。

 

「────『いまは脆き夢想の城(モールド・キャメロット)』!!」

 

「────『日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)』!!」

 

マシュとカルナが衝撃を防ぐべく、宝具を開放する。

だが、直接ぶつけられている訳でもないのに、それだけで全ての魔力を持っていかれそうな威力だった。

 

『や、やばい!これ以上はストームボーダーの機体が持たない!一刻も早くここから離れないと!』

 

職員の一言により、直ぐにこの場から離脱を試みるカルデアだが、

周囲に舞う超魔力の影響かストームボーダーも思うように動けないでいた。

 

『こ、これはまずいぞ!?く‥‥何故、主神クラスが2柱も‥‥!!』

 

歯噛みするゴルドルフであるが、ホームズはそれよりも

先ほどゼウス神が言っていたある言葉が気になっていた。

 

「(パンゲア()()()‥‥‥確かにそう言っていた。ここは異聞帯なのか‥‥‥?それに先ほどから出てくるパンゲアというのは‥‥‥。あの2柱の言葉から察するに異聞帯の王か‥‥‥?)」

 

この世界に対する考察と解析を始めるホームズを他所に、

ぶつかり合う神気と権能。それがしばらく続いた後、

ふと、ゼウスの視線がラーの尻付近に向けられていた。

 

「‥‥‥よく見れば、1000年前と比べて随分と見事な大臀筋ではないか。‥‥‥どうだろうか。このあと妻子諸共、私の相手をするというのは」

 

「この───神の面汚しがァ!!今日という今日は貴様の腐った性根を、否!下半身を余が直々に叩き直してくれるわ!」

 

その言葉と共に、全身から今までと比較にならない程の業火が放たれる。下手をすれば星を吹き飛ばしかねないほどのそれに空は割れ、空間が裂ける程の衝撃が辺り一面に走る。当然その衝撃に巻き込まれたカルデアの面々もただでは済まない。

 

『うわぁああああ!?』

 

サーヴァントの宝具でも緩和できなかった、それは

ストームボーダー毎カルデアの面々を吹き飛ばした。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「ここは‥‥‥」

 

気が付くと藤丸達は先ほどとは別の場所に居た。

その地形や植物の種類はエジプトではなく汎人類史のアメリカ地域に似ており、

先ほどまで嫌と言うほど感じていたゼウス神とラー神の神気を感じられなくなったことからも

かなり遠くに飛ばされたという事が分かる。

 

「みんな大丈夫?」

 

「はい、マスター。負傷はしましたが、戦闘に支障は出ない範囲です。カルナさんと伊吹童子さんも同様かと」

 

「うむ、それは何よりだ。正直、今度こそ駄目かと諦めたほどだった‥‥‥。し、しかし、あの2柱は何だったのかね‥‥‥!?それにここがツングースカでないというのは‥‥‥」

 

色々な異常事態にゴルドルフが顔を青ざめながら呟くが、それはカルデアの皆が知りたいことだ。

ゼウス神とラー神が存在すること。これだけでも異常だというのに、神代でも説明が付かない程のマナ濃度だ。

しかも、藤丸達が今居る場所も先ほど同様に魔力値が高く、先ほどからストームボーダーがミシミシと軋む音が聞こえて来る。

 

「所長の言う通り謎が多いのは事実。だから、まずは何が起きてるのか調査をするべきだ。幸い近くに町か集落らしきものがある」

 

「確かにホームズさんの言う通り、少し先に多数の人の気配を感じます。ですが、この環境下では‥‥‥」

 

「ああ、マスタ―であるMr.藤丸には念入りにバックアップを入れるとして。それでもストームボーダー外の活動は一度に1時間が限界だろう。それ以上は命に関わる」

 

「活動時間のことだけでなく、先ほどの様にいきなり神が現れる可能性もある。隠密関連のバックアップもしっかりしておかないと。何にせよ、何か起きたらすぐにストームボーダーに戻れるよう準備をする必要がある」

 

これからの方針を話し合うカルデア一同。

取り敢えずはホームズとダ・ヴィンチの言う通りに、この先にいる者達に聞き込み調査を行うことになった。

なお、サーヴァントはマシュ、カルナ、伊吹童子の3騎のみを連れていく事になった。バックアップを受けているとはいえ藤丸の負担が大きいうえに、補助が藤丸に集中している以上、上記の3基以外ではカルデアからのバックアップありでも活動が出来ないからだった。

 

礼装の補助を受けている筈なのに万力で締め付けれているのではないかと思える程の圧力が藤丸にかかる。どうにかそれに耐えつつストームボーダーの外に出て、聞き込み調査を行うことになった。

 

「それにしても‥‥‥いきなり神様に襲われることになるとはなぁ。それも主神クラスの神。周囲の魔力値も異常だし、ツングースカに突入した筈なのに、全然違う場所だし。何が起きてるんだよ‥‥‥」

 

「気持ちは私も同じさ、ムニエル君。せめてここが何処なのかだけでも分かればいいんだけどね。ストームボーダーの座標データも全然機能しなくなったし。後は外に出た皆の聞き込み調査が上手くいくことを祈るしかないか‥‥‥」

 

そんなことを言い上がらも、ストームボーダーの中にいる職員達も藤丸の身体状況の確認や補助などで大忙しだ。

藤丸達の調査が上手くいくように、職員たちもサポートするつもりだ。

 

だが‥‥‥結論から言うと、調査は失敗に終わった。

それが分かったのは、藤丸達が町の人間と顔を合わせた時だった。

 

その町は、かなり発展していた。汎人類史を凌いでいるのではないかと思われるほどに。

若干SFチックな街並みに藤丸達も驚くが、一先ず聞き込みということで、町の人間に近づいていく。

町内の人間はアメリカ人と思われる顔つきをしており、街並みも汎人類史と比べて栄えているが、アメリカ要素がどことなく残っている事からもアメリカと何か関係のある場所ではないかと考えつつもまずはマシュが人当たりの良さそうな男性に声を掛けた。

 

「あの、すみません。私たちは遠方から来た者達ですが‥‥‥」

 

この時点でホームズやネモ等の察しの良いメンバーは嫌な予感を感じていた。

マシュが男性に声を掛けた瞬間に、その男性の顔つきが見る見るうちに青ざめていったからだ。

 

「カ、カルデアだぁぁぁ!!!!」

 

「えっ‥‥‥」

 

その男の叫びに周囲の人間の注目が集まる。

突然の出来事に困惑する一同だが、周りの者たちの殆どがその男と同じような反応だった。

 

「うわぁぁぁぁぁ!カルデアの悪魔だぁぁぁ!」

 

「わ、わ、わ!カルデアだ!!見てママ、本物のカルデアだ!」

 

「きゃああああああああああ!誰かぁ!助けてぇぇ!」

 

そこから先はもう調査どころではなかった。

それに「早く神様に連絡しろ!」という言葉もちらほらと聞こえており、

やはりここにも神がいるのかと思いながらも、急いでボーダーに戻る藤丸達。

この町の兵士と思われる者達が武装をしながら藤丸達を追いかけて来る。

 

幸いすぐに戻れるように、近くにストームボーダーが配置してあったので、それに乗った藤丸達が急いで走り去る。

追いかけて来る兵士達と神と思わしき神気を纏う者達からとにかく離れる。そして気が付くとまた別の場所に出ていた。

 

異常な魔力値は健在だったが、先ほどまでとは違い、

近くに在る町もそこまでは栄えてはいない。

 

カルデア側としても、今居る場所が何なのかを突き止めるための調査を止めるわけには行かないので再度、住人との接触を行うことになった。

理由は不明だが、先ほどの町の者たちには何故かカルデアのことが知られており、

更に悪魔的な存在とされていた事から今度は変装用の礼装を使って住民との接触を試みた。

だがそれでも、異様ともいえるマナ濃度の環境に適応している彼らには通じなかったようだ。

 

「カルデアだぁぁぁ!」

 

「走るよ、皆!」

 

「は、はい!」

 

やはりここでも叫ばれ、兵士を呼ばれるという結果に落ち着いた。

しかも、またしてもカルデアの機器が神気を察知していることからも急ぐ必要がある。

それだけならまだ良かったのだが、今度は前とは違い、命乞いを始める者達まで現れたのだ。その多くは女や子供だった。

 

「この世界を消さないで下さい!」

 

「お願いします、どうか子供だけは!天使のような可愛い笑顔なんですぅ!!」

 

何のことかと、困惑するしかない一同だが、

彼らの態度から何となくここが何処なのか察した藤丸は、

その命乞いをする者達から逃げつつもごめんなさいと言う事しか出来ない。

 

色々と散々な結果だったが、全く情報を得られなかったというわけでも無い。

これで、あることが判明した。

 

「住人の「この世界を消さないで欲しい」という言葉。それにゼウス神が言っていた、パンゲア異聞帯というワードからも空想樹は確認できないがここは異聞帯と見て間違いないだろう」

 

ホームズの言葉にはある種の確信を秘めているような力強さがあった。

その他の職員達もここがツングースカでないという点や住民の言葉からもその可能性は高いと考えているようだ。

 

「しかし、ここが異聞帯だとして‥‥‥パンゲア異聞帯というのは何なのだ?もしや‥‥‥ここは第7の異聞帯、南米異聞帯なのか?い、いやしかしだとしても今までの現象の説明はつかん‥‥‥」

 

「所長の言う通り南米の異聞帯なのか、別の要因で発生した異聞帯なのか。異聞帯だとして、そこにいる誰かがツングースカに突入する筈だった僕たちをここに招き寄せたのか。まずパンゲアと言うワードが何を指しているかが気になるところだね。人物名を指しているのか、別のワードを表しているのか‥‥‥」

 

「確かにキャプテンの言う通りそこは重要なところだと思います。パンゲア‥‥‥パンゲア大陸なら私も知っていますが‥‥‥たしか世界の大陸が分裂する前の元になった大陸だったはずです」

 

今居る場所について、色々と考察を始める一同だが、今は逃走中ということもあり走り出すストームボーダー。兵士達から逃げて、逃げて‥‥‥気が付くとまた別の場所に、いや()()に迷い込むことになった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「‥‥‥」

 

そのあまりの光景に固まってしまったカルデアの面々。

一番初めに口を開いたのはゴルドルフだった。

 

「‥‥‥ここ、本当に地球だよね?」

 

ゴルドルフのその言葉に誰も反応出来ない。

兵士や神から逃げていくうちに周囲の景色が変わり、気が付けば別の場所に出ていた藤丸達。

 

大気の異常な魔力値は健在だったが、今回は空に浮かぶそれに絶句するしかなかった。

3つある太陽に、幾つかの大きな衛星。それに見た事のない植物や動物。

それに緑色の光を放つ球体がフワフワと浮いており、大地には輝く結晶石らしきものがちらほらと見えた。それはとても美しく、非常に神秘的ともいえる光景だった。

 

「これって‥‥‥」

 

「何なんだよ、ここ‥‥‥」

 

カルデアの職員は先ほどまで追われていた事を忘れて、周りの異様ともいえる景色に捕らわれていた。それはカルデア内でも有数の頭脳を持つホームズやダ・ヴィンチも同様だった。

 

「まるで、異世界にでも迷い込んだようだ‥‥‥」

 

「そうだね‥‥‥正直に言うと私も唖然としている自分がいることを感じているよ」

 

暫く周りの光景に意識を奪われていた一同だが、

我に返るとすぐさま、今いる場所の解析に取り掛かる。

 

その結果、そこにある物質も、植物も、大地も地球上にある物質ではないことが分かった。

当然、そこにいる知的生命体は人間でなかった。半透明な青色の翼に、クリオネのような形をしていた彼らは、空を舞っていた。

だが、そこにいる者達もカルデアのことを認知するなり、騒ぎ出すところを見ると先ほどまでの住人同様にカルデアのことは知っているみたいだった。

 

先ほどまでと同様にすぐさま逃げ出すカルデア。

それからいくつもの世界を体験することになった。

 

普通な世界を経験することもあれば、

人類の技術力が神の域を超えたと思われる場所に出ることもあった。

 

物理法則がめちゃくちゃな世界を、人類全てが神になった世界を、幻想的な世界を、ライトノベルのような世界を、幾つもの惑星がくっついている世界を、水で構成された世界を、全てが輝いているとても美しい世界を、天使みたいな生命体が住んでる世界を、ただ念じるだけであらゆる願いが叶う世界を、一体一体が人類悪並みのモンスターが無数に溢れる世界を、仏教で言われる極楽浄土の世界を、異なる元素な世界を、汎人類史とは異なる死後の世界を、ファンタジーな世界を、とても優しい精霊が住む世界を、数多の世界を経験した。

 

そして‥‥‥この異聞帯に突入してから、かなりの月日が経過した。

 

「何なのだ、ここは‥‥‥。本当に異聞帯なのかね‥‥‥?」

 

ポツリと呟くゴルドルフ。

そう思うのは無理のない事で、異聞帯というのは何かしらの巨大な事件などを契機に、全く別の歴史を歩み、その過程で切り捨てられた世界のことを指す。

だが、カルデア達が今まで見てきた世界の中には明らかに、剪定事象としては成り立たないものもあったし、ブリテン異聞帯と同様に異聞帯の枠を明らかに超えている。

 

それに場所も、地球上とは到底思えなかった。

 

「‥‥‥領地の広さ、物質、周囲の環境。あらゆる要素が、いま我々のいる場所が地球であることを否定している」

 

「ああ、完全に異聞帯の枠を超えている。これまで機器で探知して来た、知的生命体も間違いなく100億以上だからね」

 

「100億‥‥‥!」

 

ここが地球ではないかもしれないという疑問の前に、

異聞帯であるため、それだけの人々を消さなければならないのかとマシュの顔が暗くなる。それに、100憶というのはカルデアが探知した人数の合計であり、恐らくはもっと多数の人たちがこの異聞帯にはいるのだろう。

 

この異聞帯が何なのか、その正体は一向に掴めない。むしろ、調査すればするほど謎が深まるばかりだった。

 

だが、これ以上時間を掛けて調査というわけにも行かない。

ホームズやネモの解析によると、今まで経験した世界は異聞帯外の漂白された世界とは時間の流れが違うらしく、外の世界ではまだ十数分もたっていない可能性が高いとの事だ。

 

故にコヤンスカヤのことも異星の神のこともまだ大きな動きは無いと見てもいいだろう。

だが、ストームボーダーがもう限界だった。

 

大気中の異常な魔力に耐えきれず、少しづつ壊れていくストームボーダー。

それを修理しようにも今ストームボーダーに積んでいる材料も底をつきかけてる上に、外に出られる時間に制限があることも修理の難易度を上げていた。それにストームボーダーだけでなく食料などの問題もある。

 

一旦、異聞帯の外に出られないか試しているのだが、それも出来ない。

何か強大な力に阻まれているかのように、この異聞帯から脱出することも虚数空間に潜ることも出来なくなっていたのだ。故に早急に今の状況を打開するための何かを見つける必要がある。とはいえ一応、その件に関しては当てが全くないというワケではない。

 

「パンゲア異聞帯にパンゲアという、この世界の王と思わしき人物の名前。何にせよ、この人物を調査するべきなんじゃないのかな?この異聞帯を攻略するにせよ、脱出するにせよ避けては通れないと私は思うけど」

 

「やっぱり、そうだよね‥‥‥。それじゃあ、また住民から情報を?」

 

「ああ、もうそれしかないだろう。以前使った認識を誤魔化す礼装は、何とか強化することには成功した。後はまた人がいる場所に出られることを期待して、ストームボーダーを走らせるしかないだろう。完全な運任せになってしまうがね」

 

ダ・ヴィンチ、藤丸、ホームズがそれぞれ意見を言い合う。

この日の会議では、前と同じく住民から情報を得る方向でいくという結論に落ち着いた。

今居る場所は知的生命体が人間でなく、更に言葉とは別の要素で会話しているようなので何をしゃべってるのか分からないが、これまで経験した世界の中には人間がいる世界もあった。だが、藤丸達が別世界に突入する際には何の突拍子もなく、世界が変わることが多かったため前にいた場所に戻るという事は出来ない。

 

故に天に運を任せて、カルデア側はストームボーダーで今居る場所から離れる事にしたのだ。

そして‥‥‥気が付けばまた別の世界に出ていた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「――――――――っ」

 

その世界はこれまで見てきたどの世界よりも異質なものだった。

何故なら周囲には何もなく、何も聞こえなかった。

ただただ漆黒の闇がそこにあった。

 

いや、闇というのは間違いだ。

単にその世界にある全てをカルデア一同が認識できていないだけ。

 

色も、音も、景色も、空気でさえも藤丸達には何も感じることが出来ない。

だが、何よりも異常だったのは大気中の魔力値だった。

これまでは最低でもサーヴァントが破裂するレベルの魔力が大気中に漂っていた。

しかしこの世界では魔力を何一つとして感じることが出来ない。

魔力が低いどうこうではなく、完全に何も感じられないのだ。

 

だというのに強大な圧力が掛かってるかのように、身体どころか口を動かすことも、思考すらもまともにできない。

 

藤丸達はこの現象に見覚えがあった。

日本異聞帯にてクリプタ―に身体を乗っ取られ、宇宙の最高神の力を開放した天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)

その力があまりにも別次元すぎたために藤丸達はその魔力を一切感じることが出来なかったがソレと同じかそれ以上の力がこの世界には存在する。

 

魔力を感じられない藤丸達には知る由もない事だが‥‥‥この世界には日本異聞帯で対峙した、宇宙の最高神としての力を開放した天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

指一本すら動かせず、言葉も発することが出来ない状況がどれぐらい続いただろうか。やがて、何かが近づいてくる気配を藤丸達は感じた。

 

――――――今すぐ逃げないとヤバい

 

思考すらも麻痺した状況で、マスターである藤丸もそのサーヴァント達も本能的にそう感じたが、動くことのできない状況下で、それは段々と近づいて、やがて姿を現した。

 

「――――――aa」

 

まるで子供の書いた落書きのような顔をした、

人らしきそれが無数に表れると同時に藤丸達は意識を失った。

 

それがこの世界を治める()()()()()()()()()の仕業であることを理解することも、その神の姿を認識することも藤丸達は最後までできなかった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

気が付くと、藤丸達はまた別の場所にいた。

だが、そこにいる誰もが唖然としていた。

そんな状態が、どれだけ続いただろうか。

 

「‥‥‥何なんだ、ここは」

 

やがて、藤丸の口からポツリと呟かれたのは、

この異聞帯に来てから幾度となく言われた言葉だった。

 

「‥‥‥ホームズ。君はどうみる?さっきのアレ」

 

「魔力は全く感じられなかったが、天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)以上の魔力値が大気に充満していたとみて間違いないだろう。恐らく神ですらあの地帯に踏み込めば存在を失う筈だ。にも拘らず、我々は原型を留めている。これは―――――」

 

ホームズが言えたのはそこまでだった。

超巨大な神気の接近を感じ取ったからだ。

天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)とは違い、魔力を感じることは出来るが近くに居るだけで潰れてしまいそうな程の超魔力。

 

その魔力の主はカルデア側にも見覚えがあった。

白い髪のおかっぱ頭に白装束の少年。

 

久久能智神(ククノチ)神‥‥‥!」

 

「消滅した筈の日本異聞帯の神が何故ここに‥‥‥!?」

 

顔を青ざめるマシュとゴルドルフ。

 

「ほう。別世界からの侵入を感知して来てみれば、お前達とはな。カルデアがこの異聞帯に来たという報告は受けていないが‥‥‥まあ、いい。ちょうど退屈していたところだ。こいつら同様、相手をしてやろう」

 

そう言う神の周囲にはカウンターとして召喚された汎人類史側のサーヴァントの首らしきものが宙に浮いていた。

 

その言葉と共に、久久能智神(ククノチ)神の周囲に彼の権能が張り巡らされる。

 

久久能智神(ククノチ)神との戦闘避けられません‥‥‥!応戦します、マスター!」

 

「うん‥‥‥!」

 

まだ、おぼつかない膝を何とか立たせながらも、ストームボーダーの外に出て、

対応する藤丸、カルナ、マシュ、伊吹童子。

 

「ふ、いいだろう。出し惜しみをせずに全力でこい。その全てを破壊せしめ全員、魂に至るまで全てを犯し尽くしてくれよう」

 

「ッ‥‥‥!なんて神気‥‥‥!」

 

戦闘態勢に入っただけにも関わらず、魂すら軋んでしまいそうだった。

そんな中、ホームズは眼前の神から解析した情報とアトランティスで相対した時の久久能智神(ククノチ)の情報を比較していた。

 

「(間違いなくアトランティスで相対した時の久久能智神(ククノチ)と同一だ。やはり、あの日本異聞帯は‥‥‥)」

 

そんなホームズの思考を置いて、日本領土でもトップクラスの実力を持つ神とカルデア側がぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 




おまけ 今話に登場した神の紹介


ラー

パンゲア異聞帯の中にある、エジプト領土の最高主神。
太陽神でもあり、太陽の熱と光を操る。
本気を出した場合、頭部が鷹になる。
性格は汎人類史のオジマンディアスと似た感じ。

多くの神、そして民に慕われる人格者。

なお、過去にギリシャ神との会談の際に来訪したゼウスに、
妻であるムトをNTRかけた過去を持っている。
その件もあってかゼウスとは犬猿の仲。



ゼウス

パンゲア異聞帯の中にある、ギリシャ領土の最高主神。
性欲の化身。多数の世界、領土の生命体と関係を持つ。
パンゲア異聞帯では他世界の不要な干渉は禁じられているが、他世界にわたる機会があった場合、だいたい現地の誰かに手を出している。過去にエフィアスに襲い掛かって光帯を食らった過去を持つ。
一応、侵略が禁じられてる点から他世界のものに手を出す場合は、無理やりはしないようにしてるが、同意の上なら良いよね精神であの手この手で相手を説得して手を出しまくってる。

性格は性欲以外は大西洋異聞帯とほぼ同じ。見た目も同じ。
前に何処かに書いたかもしれないが、
パンゲア世界の十二機神達は汎人類史と同じようにパンゲア異聞帯に到着したが、到着した場所の魔力濃度が神様でもヤバいレベルの場所だったので、攻撃を受けたと勘違いしたゼウス達がパンゲア異聞帯に向けて攻撃を開始。そのままエフィアスにやられるという形に。ただその後、何とかアバターを動かせる程度には無事だったゼウス達はパンゲア異聞帯に住み着いてギリシャ領土の神様になる。ゼウス達が元々済んでいた世界はパンゲアも内包していない数少ない世界の一つだったが、ゼウス達が住み着いたことで、情報を取得している。
なお、ゼウスは異聞帯の特殊な環境のせいか真体抜きでも、汎人類史のゼウスより強くなっている。性欲神になったのもそれが原因なのかもしれない。



アザトース

「クトゥルフ神話の世界」の情報はエフィアスが元々内包していたものなので、パンゲア異聞帯にもクトゥルフ神話世界の住民が存在している。
アザトースがエフィアスから受けている加護を自身の権能で昇華させた結果、アザトースの治めるクトゥルフ神話勢がいる世界には、日本異聞帯に出てきた宇宙の最高神状態の天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)の数倍というマナ濃度が標準となっている。なのでパンゲアの加護抜きだと、最高主神でも入った瞬間に存在を失うことになる。当然、住民全員がそれに準ずる力を持っている。
汎人類史とは勝手が色々と違うので、その世界に存在するあらゆる事象をカルデア側は認識できなかった。

ちなみにこの世界の者達としては外界からの侵入者を歓迎していて、
カルデアが入ってきた際にも何とか藤丸達にも認識できるように姿形を変えて、
子供の書いた落書きみたいなぐにゃぐにゃの姿で現れた。おそらく外界の人間の姿を正しく認識できていない。
ただカルデアを怖がらせるつもりは無く、ようこそ的な感じだったらしい。



久久能智神(ククノチ)

前にも書いたが、日本でもトップクラスの実力を持つ神。
生命を司る権能を持っているので、権能を無力化する手段を持たなければ、
生命はこの神の権能には抗えない。主神ではないがそこらの主神を凌ぐ力を持つ神。




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