FGOの世界に転生して、Aチームに所属したら異星の神に選ばれてしまった件について   作:ハセカズ

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第5話 神々の印象

カドックの回収にはパンゲア 日本領土の神の誰かを向かわせることにした。俺の異聞帯は日本で、神が何柱かいるってことになっているので。日本の神を向かわせた方がカドックも信用して、素直に回収されてくれるだろう。

 

「それじゃあ、後のことはお願いする。マスターは出来るだけ同意の上で回収してほしいと言っている。だから彼の了承を得てからこの異聞帯に連れてきて欲しい」

 

「承知いたしました。パンゲア様」

 

「カドックという方をこの異聞帯に連れてくればよろしいのですよね?」

 

回収係として選ばれた 月読命(ツクヨミ)石凝姥命(イシコリドメノミコト)が現在カドックが捕まっているシャドウボーダーに向かう。ロシアで確認できた限りだとシャドウボーダー内には最低でもマシュ、モードレッド、ヘラクレス(バーサーカー)、ホームズの4基のサーヴァントがいる筈。

 

まあ、神が二柱で回収に行くから問題はないだろう。

 

 

 

 

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カルデア側にて。

 

ロシアの異聞帯にあった空想樹 オロチを討伐したカルデアは、彷徨海 バルトアンデルスという新たな手掛かりの元に向かっていた。そのためにはスカンジナビア半島を横断しなければいけない。そのための準備を整えた彼らはカドックの尋問に移ろうとしていた。

 

「よし!ホームズは私と来い!独房に向かうぞ!」

 

「独房‥‥Mr.ゴルドルフ、もしや。」

 

「フッ。カドックめの尋問に決まっているではないか。ヤツもそろそろ目を覚ます頃だろう。」

 

「………自分も行きます」

 

「適材適所だ、若造。私もあまり向いていないが、おまえはもっと向いていない。まあ任せておけ、捻くれていようがヤツも育ち盛りの若造、食の誘惑には勝てやしまい!トロットロのカルボナーラであの陰気くさい顔色を「ブー!!ブー!!」

 

突如、緊急アラートがボーダー内に響き渡った。

 

「ああ、アラートだとぅ!?何事かね!?オプリチニキはもう出てこないだろう!?」

 

「そのまさかだよー!これは…!?ハッチを開けられていないのに既に何者かがボーダー内に潜入してる! 何の前触れもなく、突如だ!しかもこれは‥‥主神並みのとてつもない魔力濃度だね…っ!」

 

「なっ、なんだと!?」

 

その言葉に言葉を失う一同。複合装甲をすり抜けるかのように侵入する。おそらくは転移魔術の類か何かだろう。つまりそれは、シャドウボーダーの装甲がまったく意味を為していないことを意味する。さらに言えばシャドウボーダー内に音もなく侵入して、好きな時に敵を蹂躙できるということになる。

 

「も、もしや毒婦・コヤンスカヤ君がシャドウボーダー内に侵入してきたのでは!?こ、これは控えめに言って殺されるのでは!?」

 

「過去見つめている場合かおっさん!主神並みの敵が………って、何か音が聞こえないか?」

 

 

カツン‥‥カツン

 

 

刹那、ボーダー内にて靴で床を蹴る音が木霊する。

そしてそれは姿を現した。

 

「お前たちがあの御方が言っていたカルデアか‥‥」

 

彼らの前に現れたのはロングな紫髪に、中性的な容姿をした美少年だった。ホームズや藤丸のサーヴァント達が皆を守るかのように前に出る。すると…

 

「っ!?もう一人いる!場所は独房だ!!」

 

そこには隔離したカドック・ゼムルプスがいる。もしかして、敵の狙いは敗北したクリプターの救助なのか?ダ・ヴィンチからからの警告を受けたホームズさんが口を開く。

 

「初めまして、Mr。私は世界最高の私立探偵 シャーロック・ホームズ。いくつか質問して宜しいかな?」

 

「別に構わない。こちら側としても都合が良いからな」

 

「ではまず、君は何をしにここに来た?」

 

「そちら側でも察しが付いているのだろう?」

 

「ふむ、目的はクリプターであるカドック・ゼムルプスの回収。もう一人の侵入者がその役目を果たし、君はそれが終わるまでの時間稼ぎといったところかな?」

 

「その通りだ。分かっているのならこのまま何もしないでいてくれた方が助かる。余計な手間を掛けたくはないのでな。」

 

「‥‥(神霊…いや違う。彼はサーヴァントじゃない。真正の生きている神だ。身なりからして日本神話の神だとは思うが…)」

 

 

 

 

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‥‥呼び声が聞こえた気がして目が覚めた。冷たく、くすぐられるような声だった。

ここは…どこだろう。僕はまだ生きているらしいが…。

 

後頭部からひどい鈍痛がする。殴りつけられた痕だろう。容赦がないにも程がある。

 

「…この振動…車か?シャドウ・ボーダーの中ってコトだな…」

 

今の自分は捕虜という扱いらしいが、魔術封じの手かせが床に砕けて転がっている。僕に残留していた、彼女の最後の名残だったのだろうか。体に鞭を打ち独房からの脱出を試みようとする。

 

「…あなたがカドック・ゼムルプスですね?」

 

不意に後ろから声が掛かる。

 

「っ..誰だ!?」

 

「日本の異聞帯より参りましたものです。あなたを回収しに来ました。」

 

「日本……あいつが遣わしたのか…?それで、僕をどうするつもりなんだ?他のクリプターへの見せしめに処刑でもされるのか?」

 

「いいえ、そのようなお話は聞いていません。少なくともここに居るよりは安全でしょう。」

 

‥‥‥まあいい。どうせこのままカルデアに残っても未来はない。まずは生き延びて、その後のことは転がる石になった気分で考えよう。

 

 

 

 

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カルデア側では藤丸達と神と思わしき男との戦闘が続いていた。

 

「ガッ…ッア!?」

 

「モードレッド!」

 

「モードレッドさん‥‥っ!」

 

ドサリ、とモードレッドが倒れこむ。「捕虜の救出を黙って見過ごすわけないだろ!」と月読命に突っかかったのが切っ掛けで始まった戦闘。いや、それが戦闘と呼べるのかどうかは怪しいだろう。

 

それぐらいに敵の力は強大だった。モードレッドは消滅。ヘラクレスはその命を半数以上削られ、マシュもホームズも満身創痍な状態だった。

 

「弱すぎる‥‥本当にあの御方が言っていたような脅威なのか?」

 

カルデアに対して肩透かしを受けている所に石凝姥命からカドックを回収して、目的を果たしたとの連絡が入る。

 

「‥‥‥どうやら、無事に回収は終わったみたいだな」

 

「もも、目的は果たしたのだろう?私たちにはもう用はないのだろう!?ないですよね?」

 

確かにカドックの回収が終わった以上ここに残る意味はない。

月読自身としても後は石凝姥命の八咫鏡で異聞帯に帰還するだけだ。

 

「‥‥‥撤退する」

 

そう言うなり、目の前にいる神は、カルデア一行の眼前から姿を消した。

 

 

 

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エフィアスから連絡が入った。

 

 

回収は無事に済んだみたいだ。

 

ちなみに現時点でボーダーをどうこうするつもりはない。ボーダーには他のクリプターを倒すという役割があるから。

 

最終的には生き残る異聞帯は一つだから争うことになるけど、現在クリプター同士の抗争はしないという、ルールを取り決めてある以上カルデアがいないと、クリプターの大令呪を回収することは出来ない。

 

それにこっちは、第5章以降のクリプターの全容を完全に把握しているというわけでもない。全ての異聞帯が敵になっても楽に勝てるぐらいの戦力が揃っているが、もしかしたら思わぬ伏兵が潜んでいるかもしれない。デイビットのところなんて如何にもって感じだし。

でもカルデアによって倒されるなら、そのリスクを考える必要がなくなる。

 

あっ、カドックが異聞帯に来た。

俺の異聞帯に着いたとたんにカドックは‥‥‥

 

「――――なっッッッ!!?ッッあ!!」

 

吐きました。汚なっ…

 

この世界のマナ濃度は場所にもよるが、今存在する世界はだいたい汎人類史の神代よりもさらに上。基本的にエフィアスに敵対視されてなければマナによって肉体が傷付くことはないが、あまりのマナ量に酔って吐いたようだ。俺は歓迎されていたからか大丈夫だったが‥‥‥

 

まあ、エフィアスに敵対視さえされなければ直ぐに慣れるか。

 

エフィアスに敵対視される = マナの影響をモロに受ける。サーヴァントでも破裂する。

 

エフィアスに敵対視されていない = マナが身体に害を及ぼしたりはしない。マナからの祝福を受けるため、外の世界とは比べ物にならないほど居心地が良い。

 

だから。するともうマナの祝福を受けて慣れたのか、立ち上がり周りを見渡した。

 

「ここは日本の異聞帯‥‥なんだよな?このエーテル濃度は一体…」

 

他のクリプターの皆さんには隠しているからね、この異聞帯のこと。まあ、今カドックがいる場所はパンゲアの日本領域だけど、クリプター会議で俺の報告を聞いてる身としては、このマナ濃度に疑問に思うのは当然だろう。

 

「詳しい説明は後でするから。立ち話もなんだし、とりあえず移動しよう。」

 

というわけで移動中にこっそりカドックくんの大令呪を取ってもらった。

現在カドック君が身に着けているのはエフィアスが再現した偽物の大令呪。

 

さてと、この異聞帯のことを話すとするか‥‥カドックにこの異聞帯のことを他のクリプターに話さないように口止めしておくか。

 

 

 

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さてカドックとの話も終わったし、後でキリシュタリアにカドックを回収したこと伝えないと‥‥‥。この異聞帯の話を聞いたときのカドックの顔は少し笑えたかも。

 

「ハッ、ハハハハハ―――――、キリシュタリアのとこですら比較にならない‥‥‥ここまでの戦力を隠し持っていたとはな‥‥このままいけば間違いなく、お前の異聞帯が生き残るだろうな」

 

て言ってたな。というか、異聞帯の生き残り云々の話で思ったんだけど。あらかじめカルデアという脅威について住民に事前に知らせておいた方が勝てる可能性上がったんじゃない?

「もうすぐカルデアという人たちがこの世界を消しにやってきますよ」みたいな感じで

 

まあこれは、ロシアだけじゃなくて4章までの他の異聞帯もそうなんだけど。

 

そうしておけば少なくともそこに住む人々がカルデアに味方をするなんてこともなくなるし、そこに住む子供たちに「この世界を消さないで!」みたいな感じで情に訴えかけられて、空想樹を切り取ることに迷いが生じるかもしれないだろ。

 

それに召喚されたはぐれサーヴァントの内、カルデアに敵対する奴も何人か出たかもしれない。そうじゃないかもだけど。

 

まあ、少なくとも俺の異聞帯はそうした方が良いだろう。カルデアの脅威を伝えておかないと気まぐれな神の何柱かがカルデアに手を貸すかもしれないし。

 

今、ぱっと考え付いた策だけど結構良いかも。

さっそくエフィアスにお願いしないと。

 

「エフィアス。この世界の皆に、カルデアのことを伝えておいてくれ」

 

「この世界の皆にカルデアのことを伝えたらいいの?どこまで伝えたらいい?」

 

「とりあえずカルデアがやろうとしていることを伝えるのは確定で…今までカルデアが成してきたこととか既に世界が一つ消されたこととかも伝えた方が良いかな。あ、顔とかも。後、女の子とか子供とかには、‥‥‥的なこと頼んでおいてくれ」

 

「ん、分かった」

 

エフィアスによって、それはパンゲア全域に伝達された。

パンゲア内の神々には勿論のこと。半神や人間、獣や虫にまで…全ての生き物にカルデアのことが伝えられた。カルデアという脅威のこと、カルデアが何をしようとしているのかを。

 

よし‥‥とりあえずこれで、異聞帯内でカルデアの味方をするものは、誰一人としていないだろう。‥‥‥たぶん。おそらく道を歩いているだけでもみんなから石を投げられるレベルだろう。

 

しかも女や子供にはカルデアを見かけたらできるだけ、「消えたくないッッ!」、「私はどうなってもいいからパパとママだけは‥‥」、「お願いします!どうかこの世界を消さないでください!」、「助けてぇ!!!」

みたいな感じで、情に訴えかけるようにも頼んでおいた。

 

カルデア側にはさぞかし効果抜群だろ。なんせ第四の獣さんも認めるぐらいの善き人達ですそ。まあ、精神攻撃は基本ですよ‥‥‥。完全に敵役のやる事だけど。

まあ、敵役だしいいか。

 

それでもカルデアは空想樹を切り取ろうとするかもしれない。しかし精神的な負担が尋常じゃないのは間違いない。これまでの異聞帯に比べても比較にならないほどに。

 

これで神々が興味本位でカルデアに力を貸すなんてこともないだろう。だってカルデアに手を貸して、俺たちが負けたらこの世界ごと自分も消えちゃうわけだし。

‥‥‥いないよね?

 

ちなみに神々のカルデアに対する反応は‥‥‥

 

 

 

パンゲア 北欧領域にて

 

 

「ふむ、サーヴァントか‥‥最近は刺激が足りんからのぅ。パンゲアからの許可を貰って、新たな刺激を楽しむとするか」

 

「へえー…カルデア…面白くなりそうだ」

 

「愛する家族の為に…負けるわけにはいかない…!」

 

「藤丸立香‥‥‥」

 

上から順にオーディン、ロキ、トール、フレイヤとなる。

 

 

 

パンゲア ギリシャ領域にて

 

 

「‥‥‥フルフル…ニィィ」

 

マシュとダヴィンチちゃんの顔を見た最高神ゼウスが不敵な笑みを浮かべた…

 

「この世界を消す‥‥!?それってダーリンとの愛が育めなくなるってことじゃない!ダーリーン!!!」

 

女神アルテミスがそんな反応を起こしていた。

 

「‥‥‥」

 

アポロン神はじーと藤丸とゴルドルフの尻を見つめていた。

 

「彼らの事情は理解できた‥‥だがこの世界に住む幼子をも消そうとしている彼らのことを容認するわけにはいかないな」

 

ヘラクレスがそんなことを言っていた。

 

 

 

パンゲア インド領土にて

 

 

「負ければ消滅‥‥ですか。はぁ‥仕方ないですね。私も一肌脱ぐことにしましょう」

 

「争わずに済む方法はないのでしょうか…」

 

汎人類史と違い死んでないカーマ、それにパールヴァティーの台詞である。

 

 

 

 

パンゲア メソポタミア領土にて

 

 

「ふぅん?人理修復なんていう偉業を成し遂げた割にはチョロそうね‥‥‥いいカモになるかも。会うのが楽しみね」

 

「冥界で眠る死者の魂の安寧を脅かさせるわけにはいかない‥‥‥!この名にかけて、冥界を守って見せる!」

 

イシュタルとエレシュキガルがそんなことを言っていた。

 

 

 

 

パンゲア エジプト領土にて

 

 

「汎人類史などという劣等世界の為に我が領地を消そうとしているだと‥‥‥!?不敬者が!!」

 

ラーが怒気と太陽光を放ちながらそんな反応をしていた。

 

神々の反応はそんな感じだった。カルデアに対して怒りを抱く者もいれば、ビーストによる人理滅却を乗り越えた彼らを強敵と認める者もいる。

 

そして「やらないか?」状態の神もいれば「んほほーい!!マシュたんぺろぺろークンカクンカァァ!!!グヒッ‥グヒッヒッヒヒィー!!」な神もいる。

 

‥‥‥いる。

 




藤丸立香「やめておけ主人公。その戦術は私に効く。」


もしよろしければ感想と評価お願いします。
ちなみに、パンゲア異聞帯のオリュンポス神はとある理由から原作と性格等が若干違っています。

例えばゼウス神は喋り方や立ち振る舞い方は同じですが、性欲神だったりします。


なお

アンケの2は、主人公たちの設定です。
アンケの3は、「文字数が多い?うるさい!さっさと続き書けぇ!!!」です
アンケの4は、前回のアンケでもし、2か3が選ばれていたら?になります。ただし短いですし5話の内容と被ってるとこ結構あると思います。その分あとがきで補います。


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