一方でとある場所ではIS産みの親、篠ノ之束と謎の男が桐生戦兎、万丈龍我の存在を知るのだった!
え?俺が誰かって?へへっ、それはいずれ明かされるだろうよ、だが今じゃない、戦兎はIS開発中、万丈も追いかけ一夏は叩かれた、それに関係なく着々近付く代表戦、現れるスマッシュ!どうなる第9話ぁ!」
万丈は鈴を追いかけ、部屋の前に来た
部屋からは様々な一夏への罵倒が聴こえる
「あんまこういうのは関わりたくねぇんだけどな…」
とりあえずコンコンっとノックをすると
「誰…今気分悪いから用があるなら勝手に入って!」
全然気分悪い奴の声じゃねぇ…と思いつつ万丈はスタスタ中へ入っていく
鈴はベッドの上で抱き枕を抱えて泣いていた
ゆっくり鈴がこちらを向くと驚いて慌てて立ち上がった
「な、なんであんたここにいんのよ!」
「はぁ?!お前が勝手に入れって___」
「せめて何か言うのが普通でしょ!女の子の部屋に入るんだから!」
「なんだよ、香澄はそんなこと言わなかったぞ!?」
「香澄って誰よ!」
「知らなくて結構!」
と怒鳴った直後、2人のお腹がくぅ〜っとなった
思わず顔を見合わせ赤面する2人
「…ち、ちょっと待ってなさい」
それだけ言うと鈴はエプロンを巻いてキッチンにたった
最初は一夏に食べて欲しかったのに…という思いを堪えて酢豚を二人分作り、机に置いた
「食べなさいよ」
「…おう」
万丈は受け取った箸で酢豚を口に放り込み、口を抑えた
「なんだこれ…うめぇ!!」
「ふっふーん、そうでしょ、お父さん直伝の酢豚だもん!」
素直に美味しいと言われ鈴も悪い気はしなかった
自分も箸を持ち食べ始める
「こんな美味い酢豚初めて食ったけど、飯屋でもやってんのかー?」
「あぁ…うん、昔お父さんが中華屋やってたんだ」
「昔って事は今は?」
「…お父さんとお母さん、離婚しちゃってさ、国に帰る時にお店も辞めちゃったんだ」
「そっか…悪かったな」
「へっ?!いや、いいのよ!気にしないで…」
素直に謝られると思っていなかった鈴はキョドってしまった
何故だろう、この男といると、なんだか安心する
「か〜っ美味かった〜!」
万丈は箸を置いて手を合わせた
「じゃあ次あんたの番ね」
「ん?飯か?」
「そうそう、私あんたの作った料理食べたーい…ってな訳ないでしょ!」
「じゃあなんだよ?」
「あんたも自分の事話してって言ってんの!」
「わかった…俺は横浜の産婦人科で生まれたんだ、3200gの元気な赤ん坊で__」
「だっれが生い立ち話せって言ったのよ!」
鈴はぼやぁっと浮かび上がった船のビジョンを叩き飛ばした
「何すんだよ!?」
「普通そこはね、家族とかさっきの香澄さんとかのこと話なさいよ!」
万丈の顔が若干曇った
「わかった…俺の両親は事故で死んでる…」
「えっ…」
予想外の言葉に鈴は口を押さえた
「警備員の仕事だったらしいけど多分その時にな、んで、俺何年間か記憶がねぇんだよ、多分親を亡くしたショックだって言われた、そんときに格闘技と、香澄に出会った…けど香澄ももう…」
「わ、わかったもう良いから!…ごめんなさい、私も辛いこと聞いちゃって」
まさかこんなに暗い話になるとは思わなかった
ここまで話が噛み合わなかったりしたのもきっと、両親を亡くしたショックが大きかったのだろう
だが帰ってきたのは以外な返事だった
「気にすんな、ってかお前の方が大変じゃねーか」
「え?」
「確かに両親がいねぇのは寂しかったし、香澄と会えねぇのも悲しい…けど、生きてるのに会えねぇお前の方が辛いだろ?」
予想外だった、自分よりも多く大事なものを失っている経験を持っているこの男に、心配されるとは
自然と目頭が熱くなって零しそうになったものを拭う
「ま、まぁね…けど慣れちゃったし」
「んな悲しいこと言うなって、生きてれば必ずいつかは会える、その日まで頑張れよ、な?」
「…まーさかあんたに慰められちゃうなんてね〜…」
自然と声が震える、ダメだ、泣いたら、前に進めなくなる
必死に、今日の出来事を思い出し涙をこらえる
「そ、そう言えば桐生戦兎…だっけ?IS作ってるんでしょ?あんたのは?」
「俺はIS使わねぇんだよ、戦兎の作ったクローズチャージを使うんだ」
「クローズチャージ?」
「おう、ドラゴンの力を使うんだ、マジ最強だぜ?」
「へぇ、奇遇ね、私のIS
「甲龍?」
「中国に伝わる伝説の龍と同じ名前、願いを叶えてくれるの」
「そりゃいいな、じゃあまた親父さんに会えるようにって、願えるな!」
鈴はハッと気付いた、確かにそうだ
願掛けでしか無いし、意味も無い
けど、やってみたい
それだけの自信を、この男はくれるのだ
「考えたことなかったわ…ありがとう、龍我」
「あん?なんでいきなり名前…」
「なによ、私が呼んだら悪い?」
「いや、悪かねぇけど…」
「私も…名前で呼ぶから…あんたも名前で呼びなさいよ…」
鈴は少しもじもじしながら答えた
「わかったよ、凰」
「なんでそっちなのよ!?」
「え?お前確か?ファン、ヒーターじゃなかったっけ?」
「凰鈴音!鈴って呼びなさいよ!」
「わ、悪かったって…んじゃ鈴!」
「な、何よ!?」
「俺そろそろ戻るわ…ねみぃ」
万丈が指さした時計は既に11時を回っていた
「あ、そ、そうね…おやすみ」
「んぁ、おやすみー…」
鈴は万丈を見送り、皿を片付けベッドに入った
ベッドの中で抱き枕を抱きしめた
「まさか…ね…」
そのまま、彼女の意識はすぅーっと薄くなり、眠りについた
【IS格納庫】
「やっぱりダメだ…」
戦兎は苦難していた
やはり自分達はISをハザードレベルイニシャライザーありきで動かしていた
それを外してしまうと、つけていた時と違いてんで動かない
だがこのシステムは自分達の世界の誰かによって作られた可能性が高く、データを送受信出来る仕様であるため、いずれ戦うかもしれない敵に情報を送ってしまう
そうなると最悪…その誰かが宣戦布告などしてきた時、敵わない可能性がある
それは避けておきたい
つまり、自分にはハザードレベルイニシャライザーに変わるものが必要なのだ
「あと少し…なんだけどなぁ」
戦兎は置いてあるコーヒーを口にしラビットボトルを振った
「ボトルの神様ァ、俺にお知恵を
戦兎はボトルを置き、格納庫で眠ってしまった
後日、こっぴどく先生から怒られたのは言うまでもない
数日後、クラス代表決定戦が行われていた
現在は最初のマッチの真っ最中
織斑一夏VS凰鈴音
最初から因縁の対決だ
鈴の使う衝撃砲による攻撃に苦戦する様子もあったが一夏は優れた洞察力でそれを交わし始める
「…よく躱すじゃない」
「ふっ、俺が勝ったら、約束の意味、教えてもらうぜ!」
一夏は鈴に飛び込んだ
「上等!」
同じく鈴も一夏に向かっていく
そして…
「なんだ!?」
「何が起こったのよ!?」
その爆発は先生の目にもとまった
「山田先生、今のは」
「地中から何者かが侵入しました!」
そしていち早くその姿を観戦中の布仏本音が見つけた
「何あれ!?」
そこにはISとも、ライダーシステムとも違う生物のような物が蠢いていた
人型だがその姿はまるで獣のようで、しかし機械のようでもあり、一言ではあらわせなかった
否、ただ二人は知っている、こいつの名を
「「スマッシュ!」!?」
会場はパニックになった
スマッシュは計3体、現れると一斉に暴れ始めた
観戦中の生徒も逃げ出そうとするが、何故かロックがかかりドアが開かない
「一夏、逃げて!」
「待て!お前はどうすんだよ!」
「逃げる時間を稼ぐから早く!」
鈴はそこまで叫ぶと一体に向かっていき、その剣を叩き付けた
しっかり真を捉えたその剣は、体を切り裂くことは無かった
逆にその剣を捕まれ、鈴は投げ飛ばされアリーナのバリアに叩きつけられてしまう
「鈴!!」
【アリーナ、IS格納庫】
「やっぱりISじゃ敵わねぇ!」
万丈は駆け出してスマッシュの元へ行こうとするが、なんとそれを戦兎が止めた
「待て!俺達が行ったらダメだ!」
「はぁ!?何言ってんだよ戦兎!」
「俺達は既にビルド、クローズの姿を多くの人達に見せた、今ここで変身して戦えば、その姿を知る仲間がリークして国に追われる身になる!それにクローズチャージを使っても、ISを圧倒した存在を倒したものとして追われて、同じ結果を辿る!だから俺達は変身しちゃいけないんだよ!」
「んな事言ってる場合じゃねぇだろ!」
戦兎の言ってることも万丈は理解はしてる、彼らの出会いが既にそうだったから。
「それにそうなれば、俺達のクラスメイトも危険に晒される!」
戦兎がそこまで言った時、彼の頬に衝撃が走った、一瞬何かは分からなかったがしばらくしてジンジン痛みだし、目の前の彼が、自分を殴ったのだとわかった
そして目の前の彼は涙ながら叫ぶ
「…危険に晒される…?じゃあ今スマッシュに襲われてるのはなんだよ!お前が守ろうとしてる仲間じゃねぇのかよ!見損なったぞ、お前は自分のことなんか考えねえで、美空や!一海やげんさん!紗和さんに!...俺の為に動いてきてたじゃねぇか…!そんなお前に憧れてたってのによ!なんで今になって俺達だけの心配してんだよ!国に追われる…?上等じゃねぇか!俺達は一度国と戦ってんだからよ!お前の言ってきたラブアンドピースは…、正義のヒーロー桐生戦兎はそんなもんなのかよ!」
彼の熱い告白、戦兎はハッと気がつかされた
俺の信じたLOVE&Peace、別世界に来た事で、慎重になり過ぎたのかもしれない
そう、自分は臆病な天才物理学者なんかじゃない
【アリーナ、会場】
一夏と鈴は疲労していた、ISでも敵わない相手が三体もいるのだ
だけど、2人はお互いを逃がそうと何度も立ち上がる
「は、早く逃げなさいよ…」
「何言ってんだ、お前が逃げろよ…」
2人の元にスマッシュが迫る
もうダメかと思われたその時だった
赤いオーラを纏った右手と青い炎を纏った左手がスマッシュを吹き飛ばした
それを見てゆっくり振り向くと
そこに居たのは桐生戦兎と万丈龍我だった
「お互いを守ろうとするなんて、泣かせるじゃねーか」
「あとは任せろ!」
万丈はスクラッシュドライバーを、戦兎は
そして万丈はドラゴンスクラッシュゼリーをセットし、
戦兎は万丈が戦闘中に使ったものと似た容器を振り始める
すると数々の数式が流れ始めた、ある程度数式を流してキャップを捻り容器をベルトへ填めた
“ラビット!タンク!BESTMATCH!”
スクラッシュドライバーとは違い、小気味よい音楽が流れ出した
戦兎は突き出たレバーを回すとこれまた小気味よいテンポの音が流れチューブのようなものがボディを形成した
そして...
“
「「変身!」」
万丈はレンチを下ろし、戦兎は手を下ろした
そして、変身音が鳴り響く
“ドラゴンインクローズチャージ!ブルルルルァッ!”
“鋼のムーンサルト!ラビット!タンク!イェェェイ!!!”
フシュゥーッ!と蒸気が噴き出し、新たな戦士が姿を見せる
クローズチャージより洗練されたそのボディ、赤と青のヒロイックなカラー、そして、何より目を引くのは目の位置に相当する兎と戦車
逃げ惑っていた生徒もこれに気付き我先にと釘付けになった
「あれが戦兎君のやつ?」
「カッコイイ!」
「なんか見た事あるような…」
「なんでウサギと戦車?」
「名前なんて言うの〜!」
それが聞こえてか聞こえずか戦兎は自らを嘗て、葛城巧が伝えたように名乗った
「仮面ライダービルド、創る、形成するって意味の、ビルドだ、以後、お見知り置きを?」
そして、ポーズを変えると自らの決め台詞を発した
「勝利の法則は、決まった!」
次回!INFINITE・Be The One!
戦兎「ISとスマッシュが一つになってる…!?」
___現れる刺客!___
箒「なぜ私には何も出来ないのだ…!」
___悔やむ箒___
一夏「俺に考えがある!」
___考案される打開策___
___そして___
鈴「今の私達なら!」
万丈「負ける気がしねぇ!」
第10話___龍の名の元に___