INFINITE・Be The One   作:海空来

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一夏
「遂に始まった学年別トーナメント、俺はシャルと組んで箒、ラウラチームとの戦いを行っていたが…」

シャルル
「突如、ラウラのISシュヴァルツェア・レーゲンが溶解、女性の姿に変わって僕たちを襲ってきた」


「間一髪戦兎のお陰で危機を逃れた一夏だが、何故か一夏は異形となったISと戦おうとする…それだけじゃなく…」

一夏
「そいつは戦兎達のベルトみたいなのを使って、見たこと無い仮面ライダーへ変身しやがった……」

セシリア
「新しい仮面ライダーですって!?」


「それにISが溶解ってどういう事?!」


「落ち着け、私達も何が何だか分からないのだ……」

シャルル
「戦兎達はエボルトって言ってたけど…」


「でもヒーローは負けません!絶対に勝ちます!そんな14話をどうぞ!」

一夏、箒、シャルル、セシリア、鈴
「「誰…?」」


第14話 Sparkling Build シュワっと弾ける

万丈

「てめぇにだけは二度と会いたくなかったぜ…」

 

クローズチャージはゆっくりと歩を進め、ビルドの隣に立つ

 

戦兎

「この世界のスマッシュも、ISのハザードレベルイニシャライザーも…全部お前の仕業なのか…応えろよ…エボルト!!」

 

何も答えぬエボルトの姿をした黒いそれ(以下、エボルト)へと二人は向かっていく

エボルトはかつてのように腰に手を当て、側頭部を人差し指で2、3度撫でた

そんな余裕の態度のエボルトへ、2人のライダーの拳が繰り出されるが、エボルトはヒョイッと身体を仰け反らせて避けると、そのまま身体を回転し回し蹴り1発で2人を蹴飛ばした

 

「あの二人が…たった一撃で…?!」

 

ISなどものともしなかった2人が一撃でダウンをとられた

その事実は、その場にいた全員にハンマーで殴るような衝撃を与えた

 

───────

 

戦兎

「うがっ…本物より…実力はマシかもしんねぇけど…!」

 

ビルドは瓦礫の中からどうにか這い出した

自分達のハザードレベルは落ちていない為、本物と戦うよりは遥かにマシだとは感じていた

それでもラビットラビット、タンクタンク、ジーニアスになれないのは痛手だった

ハザードは使いたくない

いくら使える時間が伸びているとしても短期決戦出来なければ最悪の結末を生んでしまう

戦兎は悔やんだ

残り一つ、ビルド初のパワーアップアイテムを持ってこなかった事を

とっくに修理は完了していたが、IS同士なら必要ないと油断してしまった

あいつの前に立った今、取りに戻ることは出来ない

万丈1人に戦わせたら、また体を乗っ取られる可能性もある

どうすれば…

 

「戦兎さん!!」

 

簪の声にハッと戦兎が顔を上げると、奴はすぐ目の前まで来ていた

 

戦兎

「まずいっ…」

「避けて!」

 

直後、エボルトに何発ものミサイルが直撃した

戦兎は慌ててエボルトから距離をとる

周りを確認すれば、打鉄を一時的に纏った簪の姿があった

簪は戦兎に駆け寄る

 

「戦兎さん!大丈夫ですか!」

戦兎

「避けろって言うなら打つ前に言いなさいよ!?」

「ごめんなさいっ…」

戦兎

「ってかそこじゃねえ!お前何考えてんだ、こんな危険なとこに…」

「ヒーローが頑張ってるのに…ヒロインとして逃げる訳には行きません!」

戦兎

「お前…そんな理由で…!」

万丈

「うぉぉりゃ!!」

 

戦兎は今にも怒りそうになるが、万丈の声を聞き怒りを一旦抑えた

 

戦兎

「説教はあとだ、他の奴連れて逃げろ!」

「そのあとは!?」

戦兎

「そのまま避難しろ、これは遊びじゃないんだ…」

 

そのまま立ち上がりエボルトに向かおうとするが、簪は腕を掴む

 

「遊びのつもりなんて私にはありません!私だって皆を守る手助けを…いや、皆を守りたいんです!」

 

そう叫ぶ簪の目は真剣そのものだった

戦兎は少し悩むが、あることを託す

 

戦兎

「わかった…みんなを避難させたあと、整備室にあるビルドの顔が書かれた缶を持ってきてくれ」

「っ…!はいっ…!……って缶?!」

 

簪の目は感激に満ちるが、すぐ困惑の目になる

 

戦兎

「行けばわかる早く!」

 

戦兎はとにかく急ぐように叫ぶ

簪も箒や一夏たちのもとへ走り、避難を促した

 

「さぁ早く行きましょう…!」

「そうだな、行くぞ一夏!」

 

しかし、一夏はまだ行かないと言うように手を振り払う

 

一夏

「あれは…あれは千冬姉の太刀筋だ…あれは千冬姉だけのものなんだよ…!」

 

箒はわなわなと拳を震わせる

おまえはいつもいつも…

 

一夏

「それだけじゃない、あの訳の分からない力に振り回されてるラウラも気に入らない。

とにかくラウラもISも、正気に戻してぶん殴ってやらないと!」

「理由は分かったが今のお前に何ができる!白式のエネルギーも残っていないのだぞ!」

 

目の前では戦兎と万丈が必死に謎の仮面ライダーと交戦している

しかし、負けるのも時間の問題かもしれない

簪は二人を無視して戦兎のラボへ走り出す

一夏はそれを気にせずに答える

 

一夏

「何ができるかじゃない、俺が何かを起こさないとなんだ。ここで引いてしまったら、俺が俺でなくなる…織斑一夏じゃなくなるんだ」

 

箒は哀しそうな目で一夏を見つめる

またお前は私の気も知らずに平気で無茶をしようとする

失敗することなど恐れず、考えず、ただ前だけを見て──

だが今は状況が違う、生身でISに立ち向かうなどさせてたまるか──

何か、なにか─言い訳を─────

 

「だからどうするというのだ!お前の白式はもうエネルギーが!」

シャルロット

「無いなら他から持ってくればいい、でしょ?一夏」

 

どうして、皆は怖くないのか。

一夏をどうして駆り立てるようなことを─────

 

「余計なことを!」

シャルロット

「だめだよ篠ノ之さん、一夏にとっては自分で解決しなくちゃいけないことなんだ

自分が自分であるために、他人には譲ることができないとても大切な…だから僕は協力するよ、一夏の力の力になりたいんだ」

 

箒は俯いた

シャルロットは一夏の方に向きなおす

 

シャルロット

「けど!約束して、絶対負けないって」

一夏

「もちろん、ここまで啖呵を切ったんだ、ここで負けたら男じゃない」

 

そこへ、戦兎が走ってきた

 

戦兎

「お前らいつまで話しこんでんだ!早く!」

一夏

「戦兎!俺にもやらせてくれ!」

戦兎

「…あれは俺たちにとっては負の遺産だ。俺達の手で片づける!」

一夏

「だったら俺も条件は一緒だ!最初に出てきた女は千冬姉のデータだ!あれは俺の手で決着をつける!」

 

戦兎と一夏はお互いににらみ合った

一夏の目はまるで覚悟を決めた万丈と同じ目をしていた

しばらくにらみ合うと戦兎はフッと吹き出した

 

戦兎

「いい目してんじゃねぇか、わかった。先にお前がやれ…」

一夏

「あぁ!シャルル頼む!」

 

シャルロットは一夏の白式へ、自身のリヴァイヴに残されたエネルギーを全て移動させた

しかし、武装は右腕と武器のみだ

当たれば即死、よくて重症

だが怯む理由はない

 

戦兎

「万丈!下がれ!」

 

戦兎の声を聴き万丈は隙を見て後ろに下がった

 

万丈

「なんだよっ!作戦でもあんのか」

戦兎

「あぁ、多分そろそろ」

「戦兎さぁーん!」

 

戦兎の待ち望んだ声が響く

後ろを振り返れば、簪が走りこんできた

 

「こ、これでいいんですか?」

 

その手に握られた缶を手に取り満足そうに自分の後頭部を摩る

 

戦兎

「サイッコーだ!よし一夏、アイツのベルトを狙って斬り裂け。そんで少しでもあの泥を弾いたらすぐ離れろ。いいな?」

一夏

「分かった。そこからは任せるぜ」

 

いくぜ、偽物野郎

そう呟くと一夏は零落白夜を発動させ、姉─織斑千冬から学んだことを

幼馴染─篠ノ乃箒から学んだことを思い出しながら剣を構えた

それをみたエボルトは上等と言わんばかりに零落白夜を取り出し構える

一夏は目を閉じ集中

一瞬のその瞬間を待った

 

一夏

「思い出せ─千冬姉と箒の教えを────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今だ

 

一夏は振りかぶられた剣を防ぎ、そのまま振り切った

その刃は一直線にベルトをたたき切る

エボルトはバグったような動きをはじめ明らかに調子が悪いのが見て取れた

 

戦兎

「よし、今だ!」

 

戦兎は簪から受け取った缶をシャカシャカと振ると、プルトップを引き上げる

飲み口部分からは赤と青の泡が吹き上がった

 

戦兎

「今こそ正義のヒーローは…強くなる!」

 

缶をビルドドライバーに差し込むと缶の複眼が点滅し始める

 

\ラビットタンクスパークリング!/

 

戦兎が手際よくレバーを回すといつもと違うスナップライドビルダーが展開

そしてアナウンスが響く

 

Are you ready?(準備はできた?)

 

戦兎

「ビルドアップ!」

 

形成された新たな装甲がビルドの鎧になる

そして文字どうり…

 

\シュワっと弾ける!

ラビットタンクスパークリング!イエイッイエェェイッ!/

 

弾ける泡が爽快なビルドの強化形態、ラビットタンクスパークリング

 

普段のビルドラビットタンクフォームに白の挿し色が入り、普段のフォームチェンジとの違いを感じさせる

戦兎は再びレバーを回し、空へと飛び上がった

 

戦兎

「勝利の法則は、決まった!!」

 

そのままライダーキックのポーズをとると、ワームホールのような図形が現れ、エボルトを捕まえた

ビルドはその中へ飛び込んでいく

そしてキックの瞬間、ビルドはISの中へ消えた

 

 

【シュヴァルツェア・レーゲン内】

 

私は…あの人になりたかった

遺伝子強化試験体C‐0037、それが最初に与えられた私の名前

戦う為だけに生み出され、優秀な成績を誇っていたのに

ISが配備され、適応するために左目に“ヴォーダン・オージェ”を埋め込まれた

それが私のモノだけバグを起こし、目が金色になり、ISを扱うことが難しくなり…出来損ないの烙印を押された

そんな私を助けてくれたのが教官だった

あの人のお陰で私の強さがある

出来損ないから優秀な人材へと返り咲いた

だから、そんな教官を女の顔にさせる織斑一夏

ソイツだけは潰すと決めたのに…

 

違う、羨ましかったのか…

教官にそんな顔をさせてみせるアイツが…

 

???

「ふぅん、ヤキモチがこのシステムの起動に繋がったのね」

ラウラ

「誰だ!?」

 

そこには赤と青と白、ISとはまた違うシステムを纏い、生身でも私を捩じ伏せたあの男がいた

 

ラウラ

「貴様か…」

戦兎

「あぁ、助けに来てやった。正義のヒーローだからな」

 

反吐が出る…戦場において、正義だの悪だのは無い

ただ生きるか死ぬかだ

だが、この男の強さは一体…?

 

ラウラ

「聞かせろ、お前はどうしてそんなに強いんだ」

戦兎

「そりゃあ、天才にかかればこんな装備…って答えじゃないよな、お前が欲しいのは…」

 

奴は私の隣に来ると座り込んだ

 

戦兎

「俺、この力で誰かを助けるのが好きなんだよ…

俺の発明品は色々あっけど、その多くが人々を泣かせてしまった。

それに気付いて何とかするためにライダーシステムを創った。

そして、この力で多くの人の笑顔を創って来たんだ、綺麗事みたいに聞こえるかもしれねぇけど、その想いがあるからこそ強くあり続けられた…かな」

ラウラ

「あくまで正義のヒーロー気取りなんだな…どうせ、報酬も弾んでもらえたのだろうな」

戦兎

「正義のヒーローに報酬も何もあるかよ、自営業だよ俺は」

ラウラ

「な?!どうしてそこまで…!?」

 

ここで奴は“クシャッ”と笑った

 

戦兎

「クシャッとなるんだよ、誰かの役に立てたり、誰かをすくえた時…俺の顔。仮面で見えねぇけど。強いてあげるなら報酬はそれだ。けど、見返りを求めたら、それは正義とは言えねぇぞ」

 

何処までお人好しなのだこの男

無報酬で、ただ誰かを助けたい、それだけでここまでしてきたというのか?

その為だけに、今この場でシュヴァルツェアレーゲンの中に飛び込んで来たというのか

何故だ、何故胸が高鳴る。

まさか…これが…

あの時の教官の気持ちなのか?

分からない…

 

戦兎

「あともうひとつ…お前は誰だ?」

ラウラ

「え?…私は…」

 

ラウラ…なのか?それとも遺伝子強化試験体…?私はなんなのだ?

 

戦兎

「…お前はラウラだろ、遺伝子強化試験体だかなんだか知らねぇけど。

俺の知ってるラウラボーデヴィッヒは…IS学園2年生で、ドイツの代表候補生。無愛想で生真面目な、一人の人間だ」

 

一人の人間…

この男は私を一人の人間として受け入れてくれると言うのか?

まるで、教官のように…

 

戦兎

「過去がどうあろうと関係ない、お前はお前だ。そして、お前をラウラと呼ぶのは俺だけじゃない…」

 

彼が指差すところを見れば、外で固唾を飲み、私達を心配してくれているもの達がいた

そうか、こんなに沢山の仲間が居たんだな…

 

戦兎

「…出る気になったか?」

ラウラ

「あぁ…頼む」

 

男は私を軽々とお姫様のように抱き上げると、少し駆けて外へ飛び出した

 

 

 

【アリーナ】

 

ビルドがシュヴァルツェアレーゲンから飛び出すと、残骸は大爆発を起こした

これで一件落着、と言った所か

ビルドは胸元にいるラウラに視線を落とす

まるで眠り姫ってやつだな…そう思ったのも束の間

 

ビルド

「…っぇぇえええっ!!!?なんで全裸なんだ!?」

 

驚き過ぎてラウラを落としそうに成るが、さすがにこらえる

しかし

 

クローズチャージ

「戦兎!?」

一夏

「うわっ!?」

「お前と言うやつは!中で何をしていた!!?」

ビルド

「知らない知らない!無実無実!!冤罪勘弁!」

 

ビルドはラウラを床に下ろして変身を解除すると、自分の制服でラウラを包んであげた

だが、変身を解いたのが不味かった

 

「戦兎さんの…馬鹿ァァ!!」

戦兎

「ひでぶっ!!!!?」

 

簪のビンタの痕はしばらく取れなかったという

 

 

【放課後】

 

戦兎と万丈はトーナメントが中止となって人がいなくなったアリーナに来ていた

 

万丈

「まさかとは思ったが、アイツと出くわすとは思わなかったぜ」

 

地面に拳をたたきつける万丈をしり目に戦兎は顎に手を当てる

 

戦兎

「ヴァルキリートレースシステム、調べた限りはあんなシステムではないはず…」

 

略称VTシステム、過去のモンド・グロッソの部門受賞者、つまり戦乙女(ヴァルキリー)の動きをトレースするシステムで、アラスカ条約で現在どの国家・組織・企業においても研究、開発、使用全てが禁止されている

ラウラのシュヴァルツェアレーゲンには違法にそれが搭載されていた、それだけならまだ理解はできる。ドイツという国に対して説明責任を果たす事が求められるだろう

だが、動きをトレースするだけのシステムがなぜエボルトへと変身したのか

モンドグロッソの際にエボルトが現れたとでもいうのか?

いや、そんな事態があったなら記述こそ無くても調べれば多少なりとも引っかかるはず。

何よりそれは、モンド・グロッソ第一回大会にて優勝者、織斑千冬が仮面ライダーエボルに変身したということになってしまう

そんなことあってたまるか

そんな希望的観測をしつつも妙な違和感を感じずにはいられなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、INFINITE・Be The One

一夏
「よく晴れたなぁ」

─一夏とシャルルの行く先は─

──水着売場?!!───

戦兎
「なんでこうなるんだ!!?」
ラウラ
「いいから行くぞ」

──進展?戦兎とラウラ───

──そして───

万丈&鈴
「「海だぁぁぁーーーー!!!」」

第15話「海と恋模様(オーシャン・ラブパターン)
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