「真壁司令の命を受けこちらに支援に参りました。皆城総士です。よろしく」
左目に傷を持つ長髪の青年はザラ隊の司令部を訪れた。
「確か私達が竜宮島で戦闘に遭遇した時、戦闘指揮取られてましたよね」
「はい」
「あちらは大丈夫なんですか」
「心配には及びません。僕よりも仲間思いの優秀な人材に後を引き継ぎましたので」
「優秀な人材…」
「近藤剣司。 皆さんもお会いしていると思いますが」
「あーあの学校の医者か」
「僕らの島を心配している場合ではありません。戦力的に考察しても危機的状況なのはむしろあなた方の方だ」
「ここで情報収集をしている仲間からの事前に得た情報によると、僕らの技術で性能は大幅に上がったものの。対抗出来るのは貴方の扱う『ガンダム』タイプと呼ばれるMSだけだそうですね」
「君の言う通りだ総士君。更に僕らの機体はファフナーと違い『同化』への耐性が無い。短期決戦で今のところは済んでいるが戦闘が長期化した場合、非常に危険な状態に陥ると予想している」
「アスラン准将。その考察は適切です。しかし、よく彼等の読心能力を破ることが出来ましたね」
「その点はまだ何故上手くいくのかわかっていません」
「そうですか。その点は追々真相を突き止めるとして非常に困難な事態に陥っています」
「それはどういう」
「アスハ代表は今、どちらに」
ザラ隊は総士とともにカガリがいる国防総省へ赴いた。
「たまたま、軍の上層部と協議中ということで思ったより早く会えそうだ」
「出来ればアスハ代表と貴方ザラ隊の面々以外は外して頂きたい」
「…なぜだい」
「今の国防軍に話をしたところで時間の無駄です。この国の長であるアスハ代表と唯一対抗出来るザラ隊が把握していれば済みますので」
その後カガリとザラ隊の3人。カガリからの要望でモルゲンレーテ社の技術顧問エリカ・シモンズとオーブ国防軍大将レドニル・キサカの7人は国防総省のとある一室で総士主導で会議を行った。
「まずこちらはこの世界の情報を諜報員から事前に得ているので省略します。そちらはどれくらい我々の情報を把握してますか」
「『アザゼル型』なる強大なフェストゥムが現れたと聞いたがなんだそいつは」
「正直『アザゼル型』と呼ばれるヤツは新個体でそこまで情報がありません。ただこちらの世界に我々が来る前に迎え入れたエスペラントによると、『アザゼル型』は我々の世界で6年前破壊した『北極ミール』と呼ばれるフェストゥムの親玉から分裂して個体化した敵です。そいつ自体がミール並の力を持っており大変恐ろしい脅威として認識しています。」
「あの『エスペラント』ってなんですか」
「我々人類の中でフェストゥムと『対話』が出来る存在です。エスペラントはフェストゥムの読心能力に近い力を持っているので話す言葉を発することなくフェストゥムとコンタクト出来るようです。」
「すげー」
「竜宮島には現在来訪してアザゼル型の存在を教えてくれた少女と竜宮島で初めて自然受胎で生まれた少女の2人のエスペラントがいます」
「島のコアが目覚めたとは」
「我々の島のミールはヴァイオスフィアとなり大気として存在しています。コアはミールの代弁者であり、コアは人とフェストゥムの融合体のような存在です。」
「島の命…」
「そのような認識で構いません。コアは我々にとって絶対的な存在で『島のコア=島そのもの』と言うことです」
「なるほど…」
「そしてコア曰く『我々の世界のモノ達がこの世界に流れ込み始めている』とのことです」
「つまり。どういうことです」
「アザゼル型がその一例でしょう。我々の世界の存在がこちらの世界に混在する状況が予想されます」
「ややこしいことになりそうだな」
「1つの危機的状況は、この世界に僕ら以外の存在が混在するという、今説明したことです。恐らく地球連合も再編されるでしょう」
「どういうことだね」
「我々の世界には『新国連』とその新国連に所属する『人類軍』がありそれらがそちらの連合に力を貸すことが予想されます」
「なるほど…」
「人類軍はフェストゥム殲滅のために容赦しないのでしょうまた宇宙にあるというプラントでしたかそちらに連絡がつかない理由はどうやらフェストゥムの読心能力と関係あるそうです」
「どのような関係が」
「読心能力によるフェストゥムのコンタクトは大変複雑かつ情報量が多いと言われ、人類にはまず理解出来ないと見解されています。更にこの世界で広く浸透しているという『Nジャマー』なる戦略兵器による核動力の制限が宇宙への通信を妨害していると思われます」
「『Nジャマー』がフェストゥムの読心能力で核だけで無く。通信機器もダメにしていると」
「幸い地球間だったら通信は出来るようです」
「ということは、我が軍の宇宙艦隊は孤立状態ということか」
険しい表情になる一同
「代表。今は目の前のことに集中しましょう、宇宙艦隊にはラミアス艦長のアークエンジェルとフラガ一佐率いるMS部隊がいます。ザフトにはイザークやディアッカのような熟練の戦士が居ますし、プラントを治めるのはアイツらです。余程のことが無い限り乗り越えてくれますよ」
「アスラン…」
「随分信頼されているようですね」
「えぇ幾度となく対立し、それでもお互いを信じ共に手を取り合った仲間ですから」
「…素晴らしいと思います」
そこへ緊急の通信が入る。
「どうした」
「キサカ大将。フェストゥムが大群で出現。どうやらこれまでに見たことの無い種類の敵もいるようです」
「行きましょう。今の会議である程度情報交換は出来ました」
「うんわかった。皆城総士君、君に対フェストゥム戦の全指揮を委ねたいと思うのだけどいいかな」
「アスハ代表…よろしいんですか、外部の人間である自分に任せても」
「君程フェストゥムについて理解している人はこの国にはいない。それに今指揮をしているアスランはザラ隊の隊長として戦闘と指揮の同時平行している状態だ。アスランには今は未知の敵と戦うことに専念してもらいたい」
「カガリ…」
「わかりました代表。その役目引き受けさせてもらいます」
「ありがとう。では皆城総士をオーブ連邦首長国代表首長直轄対フェストゥム部隊『ザラ隊』の作戦指揮官に任命する。ザラ隊は直ぐに発進準備をして整い次第発進せよ」
「了解」
複雑化しようとする世界へ抗うため。1つの国家と1つの組織は更なる結束を強めこの困難を乗り越える道を探し始めた…