「パイロット聞こえるか」
「総士」
総士の顔から思わず笑みが溢れる。
「何故来た」
「島のコアにオーブに危機が迫ってるって言われた。お前の力になってやれって」
「遠見やカノンから反対されなかったのか」
「沢山反対された。カノンには大泣きされた。でもようやく自分の中のわだかまりが溶けた気がしたんだ」
「わだかまり…」
「俺の命の使い道。ようやく自分の納得した使い道が出来るそんな気がするんだ」
「…約2年のブランク、クロッシングによる僕のサポートが無い戦闘更にアザゼル型の未知数な戦闘力。いくらお前とザインでも厳しい戦いになるだろう。…やれるのか一騎」
「やれるさ、俺とお前なら」
「そうだな…。機体をオーブのデータベースに登録する…5秒待て」
「総士…」
「登録完了。行け一騎、僕達の力を見せつけてやれ」
「あぁ」
蒼き空を閃光の如く駆け抜けるマークザイン。
(無数のフェストゥムを一瞬で…これが一騎君の力)
(一騎のやつ…凄いじゃないか、俺も…ダメだ機体が動かない)
再びロードランナーの前に立つマークザイン。
「アスランさん。お久しぶりです」
「一騎君。助かった…大丈夫なのか」
「ようやくわかった気がしたんです。俺の命の使い道が」
「そうか…」
「こいつは俺がやります。アスランさんはオーブの防衛に回ってもらえますか」
「了解した」
傷付いたアカツキを攻撃しようとするロードランナー。そこへマークザインが立ち塞がる。
「お前の相手は俺だ。ハァーーー」
マークザインの持つルガーランスからレーザー光線が放たれ身体に穴が空くロードランナー
「あまり効いてなさそうだな」
「ヤツのコアを探し当てるんだ。ヤツの同化を試みろ」
「やってみる」
一瞬で背後に回るマークザイン。
「お前はどこにいる。…そこか」
同化現象に耐えながらすぐにルガーランスを突き刺す。
「!?」
「うおーーーーーーー」
ルガーランスから放たれた光弾がロードランナーのコアに直撃する
「やはり効いてるな…一騎離れろ」
ロードランナーの身体が急に高熱に上昇する。
「一騎」
「うおぁーーーーー」
再びルガーランスから光弾が放たれる。
「一騎」
大規模な爆発が周囲を包む
(恐らくあのアザゼル型は核エネルギーに匹敵する規模の爆発をしようとしていた。一騎の気転でコアを傷つけたことで爆発の規模が治まったが、あのままだとオーブは爆発で無くなっていただろう)
「一騎…」
「総士。大丈夫だまだ俺はここにいる」
煙の中からマークザインが姿を見せる。爆発に巻き込まれた機体は腕や脚を失っていた。
「敵は…」
「多分逃げられた」
「そうか」
「一騎君大丈夫か」
ボロボロなアカツキが駆けつける。
「アスランさん。大丈夫です」
「機体が自己再生するのか」
「どうですか、オーブは」
「住民区域まではいかなかったが、国防軍は壊滅的被害を負ってしまった。」
「そうですか…すみません。僕がいながら」
「総士君が責任を感じることはないよ。2人のおかげでオーブは護られた、ありがとう。さあ帰還しよう」
「一騎。どうだ調子は」
「言ったろ大丈夫だ。まだ俺はここにいる」
オーブに着陸するマークザイン。港は瓦礫の山、アスランから居住区への被害はないと言われたが目の前に広がる光景が戦いの激しさを物語っていた。
MSデッキに案内され機体を格納する。
「よく来てくれた」
コックピットから降りると総士が真っ先に出迎えた。
「総士。遅くなってすまない」
「いや、竜宮島に救援要請を出す前に来てくれた。もっと早期に判断して呼べなかった僕のミスだ」
「総士。実は…」
「なに。本気なのか」
「あぁ、島のコアがそう伝えてくれと」
「織姫が…」
「総士君、一騎君」
アスランが労いにやってきた。
「改めて、2人ともありがとう。凄いなこの白銀のファフナーは」
「マークザイン。僕らの所有するファフナーの中でもトップクラスの性能を誇ります。他の機体と比べてもかなり特殊な機体ですが」
「ザルバートル・モデルだったか。救世主の力成る程」
「ルナ、しっかりしろルナ」
担架に担がれる意識を失ったルナマリア。それに付き添い必死に呼びかけるシン。
「彼は戦えますか」
「どうだろうな。彼女がシンの心の支えになっている。失った場合に戦えるかはわからない」
「どの道。機体の損傷を確認したところインパルスは暫く使用不能ですね。一騎とお二人に任せることに…」
「すまないがアカツキも使用不能だ」
「何故です」
「アカツキには特殊な装甲が使われていて。修復に莫大な費用が掛かるんだ。軍の立て直しや町の復興でこちらに資金が回らないんだ恐らく」
「彼の心理状態によっては一騎一人か…」
「本当に大丈夫なのかい一騎君、君の身体はもうファフナーに耐えられないんじゃ…」
「どの道もう限られた命です。なら俺は島の、護りたい人達のために使いたいんです」
「そうか…すまない。俺達の力ではまだフェストゥムに抗えない。君の力が必要だ」
「俺の力が役に立つならば喜んで。…これが俺の祝福です」
3人が話していると少し離れた場所で人混みが出来ていた。
「彼女も大変ですね。僕らと同じ位の年齢で1国家の元首ですか」
「あぁ、なんとか支えてあげたいんだけどね」
そんな話しをしているとカガリが3人のもとにやって来た
「2人ともお疲れ様。そして真壁一騎君ありがとう。君のおかげで今回助かった」
「アスハ代表ありがとうございます。暫くこちらでの作戦に加わることになりました。よろしくお願いします」
竜宮島が誇る存在の力が目覚めた時。世界の風向きが変わろうとする静かな風がオーブに流れた。