JOJO's短編集   作:湯麺

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供養作品その2


エンリコ・プッチは咎めない─『白より黒く』

  

 

 僕は表彰を受けている。

 灰色の毛を被った校長と、校長の不衛生な手が持っている、僕の名が入った量産型の表彰状が見える。なんの表彰状かって言うと、僕はボクシング部に入っていて、州の大会で優勝した、その表彰状。

 

 ウチの高校じゃあ毎月教科ごとの優等生が表彰されてるから、今回初めて貰った僕は愛想笑いしかできない。

 頭が悪いクセして他人に褒めて欲しいから暴力に物言わせて強奪したんだろ、そう言われてる気分。

 

 ちなみに僕がボクシング部だってのを今日知ったクラスメートがいるらしくて、その数なんと24人。なんてこった、全員だ。

 しかも表彰式が終わると、めったやたらに話しかけてくる。クラスメートと話したのは何日ぶりかな?いや、2ヵ月と17日ぶりか。

 

「いや~スゴいッ!ねえアドレス教えてよ!」

 

「ぶったまげたぜ!俺もボクシング部なんだけどさ!今度会ったら練習しよーぜ!」

 

「私、強い人ってカッコいいと思うの!」

 

 なんだよこのノリ。つい数分前まで僕を空気扱いしてたってのに。マンモスうれぴーって返すのが正解?ま、悪くはないって思ったりして。

 

 そうだ。ボクシングってのは実践、つまり喧嘩で勝てる。サッカー部が蹴ってきたり、アメフト部がタックルかましてきても、州一位の僕の前では子猫同然。まとめると、今まで僕はカーストの頂点に潜んでいたんだ。能ある鷲は爪隠すとかいうアレだ。

 高校なんてものは特にカースト社会だから、優秀なスポーツマンがチヤホヤされるのは当たり前。陽気になる才能は与えてくれなかったけど、ボクシングの才能を与えてくれた神様に感謝しなきゃね。

 

 神様でふと思い出した。最近、近くの教会に赴任してきた神父の評判がとても良いんだと。

 

 

 ◆

 

 

 なんやかんやあって、我らがフロリダ発祥の某ファストフード店にお茶会しに来た。ボクシングに自信がないわけじゃあないけど、一日でここまで関係が進むのかと、僕は内心仰天しているよ。

 テーブル席の向かいには金髪巨乳美女と、映画『ゴッドファーザーPART3』のヴィンセントに少し似たイタリア系アメリカ人と、アメフト部の首が太い青年がいる。

 

 ワクワクがノンストップである。

 

「…………」

 

 すると突然、僕の隣に見知らぬ黒人が一人、座ってきたではないか。おまけに筋骨隆々で高身長ときた、ああ恐ろしや。

 ここは選ばれし者だけが座れるテーブル席だぞ。この男は一体誰だ?

 

「………あんた、名前は?」

 

「…ん?………アレックス・ドナヒュー」

 

 人様の席で勝手に相席始めやがって。こいつは肌も性格も暗い、マナーがなってないヤツだ。僕を白人至上主義者にさせたいのか?

 

 二つ隣の席の女の子がなんか言ってるが、アレックスとかいう黒人の肩が邪魔で顔が見えないな。ホントに何なんだこいつは、ガツンと一発言ってやるか。

 

「あのさ、悪いけどどっか行ってんない?」

 

「…………君、『ゴッドファーザー』って映画好き?」

 

「え?」

 

「じゃあ……そうだな………『アイアンマン』?それとも『ダークナイト』?」

 

「いや………流行りものはあんまり……『ファイト・クラブ』とか『ロスト・ハイウェイ』………じゃなくて、何言ってんだ?俺が言ったことわかる?」

 

 思わず口汚くなるのも仕方ない。映画は大好きだけれど、失礼した見ず知らずの相手に聞くことなのかそれは。

 

「…オイ!オイってば!ボクシング野郎ッ!!」

 

 ヴィンセント似の男が急に大声を上げるもんで、怒られたような気がして驚いた。

 

「え……な、何?」

 

「…………」

 

 何を言うわけでもなく僕をじっと睨んでくる。

 

「あ……あぁ……」

 

 なーるほど、アレックスもクラスメートの一人か。早々にやらかしてしまったな。人種の壁を越えた友情を貶してしまった。これじゃあ僕がマジの白人至上主義者みたいじゃあないか。

 宣言しておくが、僕は博愛主義だ。誓って差別なんてしない。アレックスとは趣味が合うみたいだし、弁解しとかなくちゃあな。

 

 

 ◆

 

 

 表彰式から一週間が経った。

 

 「ポイント・ネモ」っていう、生物が少なく、陸地から最も遠い地点が南太平洋にあるらしい。一週間前まで僕はそこで浮上してた。

 だが今はどうだ?北アメリカの到達不能極にいるぞ。何が言いたいのかというと、最も陸から離れた海から最も海から離れた陸に来ただけってこと。

 

 ここはトイレ。もちろん男子トイレ。アレックスと連れションという名の男の友情を体験している真っ最中。

 

「まるで僕ら親友みたいだな」

 

「まるで?……既に親友じゃあないか、違うかい?」

 

「…えっ?そ、そぉ……?」

 

 僕はそういうのに慣れてないので、思わず顔の筋肉が綻んだ。本心からプラスの感情をさらけ出したのも数ヶ月ぶりな気がして、照れが止まらない。

 そこにいる見知らぬ生徒たちよ、悲しいとか可哀想とか、同情するのはよしてくれ。僕はこの高校ではちょっぴり有名だろうが、もうその有名な僕はいなくなったぞ。

 

 そんな、様々な感情を塞き止めてくれたのはアレックスだった。

 

「なあ………ピッタリあと10秒後。何が起こるが知ってるか?」

 

「え…………?」

 

「君は知らないが、これからこの高校に不審者が来るぞ。ナイフを持ってる。正面玄関から入ってくるぞ。死人が出るかもな」

 

 まるで未来を知っているかのような言い方でアレックスは語り始めた。堂々と、砕けた口調で粗筋をスラスラと口にすることで、僕の中での疑問を増やしていく。いや、疑問というよりかは、呆れに近い。面白味のないジョークだと思った。

 

 正面玄関といえばこのトイレの真横にある。アレックスの言う通りならば、今頃不審者は玄関の前にいるのだろう。

 

 が、仲良くなったばかりとはいえ、そんな根拠の無い話は僕には到底信じられなかった。もし真実なら、僕は共犯者と話しているということになる。それも踏まえて、信じたくなかった。

 

「結局、拳より文明の利器。州チャンピオンだかなんだか知らないが、一発喰らえば終わりのナイフの前じゃあボクシングなんて子猫も同じだ」

 

「…………」

 

 ちょっぴりカチンときた。

 

「………いいぜ。見に行こう、本当かどうか」

 

 この時の僕の顔、けっこうイケてたと思う。手洗いは30秒以上って昔誰かに言われたのを忘れ、手を濡らしただけの僕は飛び出すようにトイレの扉を開けた。

 

 目的はデマであることの証明、もしくは不審者に一発ブチ込むこと。とはいっても、後者の確率はないだろう。

 僕には素人を宙に浮かせる技術と自信がある。誰を浮かせるかは今後次第だけど、いずれにせよ州チャンピオンの座は揺るがないのさ。

 

「…………」

 

 並んだ錆びたロッカーを横目に流し、正面玄関から外を見て、室内の廊下や階段に視線をやっても無人だった。とても暗く、寂しかった。

 ともかくこれでデマということが証明された。

 

「妙なウソで遊んだな。体調でも悪いのか?なんか変だぞ、今日の……君は」

 

「……うむ」

 

「うむって………らしくないじゃあないか」

 

 アレックスは夜半の風のように語る。

 

「…………確かにウソかもしれないな。ただ、それは10秒後に不審者がやってくるという事に関してだ。確認できなかったからな。現時点で23秒後……どこに隠れているかわからない」

 

「……何だって?……隠れて…いる…?」

 

 どうも僕には、その含みのあるアレックスの話が悪足掻きに聞こえなかった。脳に直接語りかけてくるような真剣な口と絶妙な間がそれを実現し、沸騰しすぎた信憑性は一周回って疑念すら抱かせた。

 僕はこの時、不審者が高校に来るよと言われて信じるようなアホに進化していた。

 

 そして、アレックスの言う犯罪の予知が、「リアリティがある」から「リアル」に変貌するのにそう時間は要さなかった。

 

「!」

 

 現状、底から沸き上がってきた恐怖を捉えるのは思いの外難しく、いつまでも、視界に映る一人の不審者がそれを邪魔している。

 

 僕らの前方、廊下の奥。空を支配する暴風のように、薄汚れた黒いコートを羽織った男が立っていた。髭は不揃いで浮浪者にしか見えないけど、目はギラギラと輝いていた。

 手には一本のナイフを握っており、切っ先を上下させながら、白銀の刃の存在を頻りに強めている。

 

 なんてことだ。怖くてたまらないじゃあないか。

 「これが起こったらこうする」「俺だったらこうしてやる」っていう風に、まだ見ぬ非常事態に対して、人は生き抜く己の姿をポジティブにイメージするだろう。でも、実際の本番で自分がどう行動するかなんて、誰にもわからないのだ。

 

「おっ…」

 

「へ……………?」

 

「いいねえ……無用心な生徒さんもいたもんだぜ。今よ、すこぶる調子が良いんだ……こんなことァ初めてすんのにな……………なんだかよくわかんねーけどよォー…」

 

「………!」

 

 マジかよ。その一言に尽きる。

 

「…よくわかんねェけどよオオオオオ!!!」

 

 不審者がナイフを向けて突っ込んでくる。あまりに唐突すぎるせいで急に背中がヒンヤリして、それが僕の猫背を矯正し、最後には神経が逆撫でされた気がした。

 やらなきゃやられる、とでも言おうか。急激に沸騰した恐怖が逆に意識を研ぎ澄まし、状況を呑み込ませ、目の前の悪に立ち向かう勇気を授けてくれた。

 

 いくつものカードを重ね、ポーカーの役のように、今の僕は完成されていた。とはいっても、それは根拠なき勝機による、人生最大の無謀だ。

 気づけば、本能を理由に拳を繰り出していた。

 

「ワウオオオアアーーーッ!!!!」

 

 全身全霊の叫びは失敗に終わった。

 一方、拳のほうはというと

 

「オゴッ…………!!」

 

「あ」

 

 チャンピオンの名は伊達じゃない。

 

 

 ◆

 

 

 僕はまた、表彰を受けている。

 場所は警察署の署長室の中。中央奥にデスクがあって、応接用の家具があったりはするものの、全体的に飾り気が無い。堅実で広い部屋だ。

 受け取った感謝状の内容はたった一人での不審者の撃退。勇気ある高校生に拍手を。といった感じで、無数のレンズと、市警のお偉いさんや校長が僕の顔を眺めている。大の大人に怯えず立ち向かった事が素晴らしいのだと。

 

 あのとき僕は、一直線で突っ込んでくる不審者の顔面にカウンターを食らわせてやったのだ。刃物のことを忘れていたのかは当時の僕に訊ねないとわからないけど、あの行動は阿呆にも程があった。対して説教も注意もしない警察は、無謀と勇気を履き違えているのではないかと思う。

 そうやって深く考えていると、世界が狭まっていくようで、なんだか退屈になった。

 

 気づけば、記者は過ぎ去る嵐のように消えた。談笑する権力者たちの傍らで一人、僕は掛け時計の時刻を確認し、家につくのは何分頃かと大雑把に計算すると、生暖かい息を静かに吐いた。

 

 そういえば、何故あの時アレックスは犯罪を予言できたのか。当時の僕の考えを引っ張りだしてみて思いつくものといえば……アレックスは共犯者だけど僕に本当の友情を抱いていて、僕だけ助けたかった、とか?そうなると、僕をわざわざ挑発してきた点が腑に落ちない。逆効果じゃないか。

 

 すると突然、気怠そうに若い警官が顔を近づけてきた。

 

「君……教会の神父様が特別にいらっしゃっている。珍しいことではあるが、挨拶を」

 

 そう言う市警の黒目の先には、一人の神父が悠然と佇んでいた。

 スラッとした無駄のない体に、無感情なのか穏やかなのか判別しづらい目つき。白人だが色黒で、シルバーブロンドの髪は見事に整っている。

 

 何故こんな所に神父が?とは一瞬思っても、数歩以内に待ち構えているものだから、疑問に関して深く思考を巡らせることはできなかった。

 

 僕は、まるでご機嫌取りに向かう気持ちで歩み寄り、恐る恐る笑みを浮かべる。

 

「………『言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅ぶ』…………ルカによる福音書13章の3節」

 

 と、いきなり神父の男は言い放ち、続けて言う。

 

「私は君を見たことがない。つまり初めまして…だ」

 

「え…………は、はあ」

 

「殴り飛ばされた犯人……実は、彼も神父でね。何、気にすることはない…元から、特に最近は目に見えて様子がおかしかった。人は過ちを犯す生き物…………彼には正しく反省してほしいものだ」

 

 神父の第一印象は柔らかく、何だか神秘的。聖職者なのだから当たり前か。懐疑的になるのはよしておこう。

 

「なんか……すいません」

 

「……いや…………こちらこそすまない」

 

 表情を変えずに神父は謝った。その様は機械みたいというか、ひたすらに形式的というか……愛想が悪い。

 教会に行った記憶は無いし、熱心なキリスト教信者でもないので、聖職者というものを僕はよく知らない。ただ、癒される、とは程遠い風格をこの人からは感じる。加えて、ふと共通点を感じた。

 同類だ……けど、神父は躊躇いなく仲間を喰う獰猛な種族だ。ここまできて、僕は自分の考えをを閉ざした。

 

「神の御慈悲は平等に授けられる……だからといって惰眠を貪ってはならない。人にはそれぞれの行うべき『使命』があるからだ。人生の指標にも近い。「人類の救済」……私の使命はそれだ。出来うる限り…で、あるがな」

 

「へ、へぇ……すごいですね」

 

「芽は素早く摘み取らねばならん……成熟してしまう前に…………『悪魔の萌芽』…を」

 

 なんか………深いことを喋っている。

 

「「無自覚」…………君は自らの発芽を知らない。食われ、踏まれ、命が絶えた事実があろうとも、それに気づけないほどに……まだ幼く、君は無知だ。しかしこのままでは……雑草よりも執拗に、根よりも静かに………君の芽は肥大化し、この世に蔓延るだろう。人々を太古の野蛮な人類に戻す……「厄災」と化すのだ」

 

「……………………」

 

「だが……無自覚なのは君だけであって、もう一人の君……とも呼べる「彼」は………知っている。それはつまり、君は確かに知っている………精神の奥底に閉じ込めているという……証だ」

 

 眠い。なにも考えられない。

 

「一つ……目を背けているのは何故か?…………わからない」

 

 神父は円く…光沢のある物体を持っている。円盤のような物体だ。なんだろう。

 

「………………『衝動を後押しするスタンド』……これを扱えるかどうかは重要ではない。『正しい場所』に立てるかどうかが……君の選択肢だ」

 

 

 ◆

 

 

 私という君自身を失った君は、今までの君でいられるだろうか。もしこれからの君が、私と出会うの前の君、もしくは私と共に過ごしていたときのような君なら、問題ではないのかもしれない。

 現実、脳とは非情。私にはわかる。私を失った君はもう、原型すら覚えていない、壊れたガラクタであると。

 

 それから、遅すぎるが警告しよう。

 種から育ったものが全て果実になるわけではない。知らずに撒いたとすれば尚更だ。いつの日か己の撒いたものが突然、己を蝕む、猛毒となりうるのだ。

 

「ン……君はたしか…」

 

 ほら、警官が気づいたぞ。柔らかい物腰の男だ。贈呈式のことは知っているらしい。彼は一人で部屋から出てきた君に違和感を覚えている。

 今の君が受け答えをするのは不可能だ。離れたほうがいい。

 

「だ、大丈夫か…?酷くやつれているように……見える…が…………気分が悪いのなら力を貸そう」

 

「…………………」

 

「…………本当に気分が悪いのか……?ならここで待っているといい。薬を持ってこよう」

 

 ライオンなどの肉食動物は、補食対象が背を向けると襲いかかる習性があるという。精神の大半を盗られた君に与えられた道は限られているぞ。時間も無い。

 力強く、彼を殺せ。

 

「…………あぐッ……!……?」

 

 君はチャンピオンだ。相手は訓練された警官とはいえ、猛獣のような荒さで殴ることで倒れる。馬乗りになれ。追撃を怠るな。

 

「なッ…ぶぐっ…………!そ、そこの……!…彼を引き剥がせッ…………!彼はッ……混乱している!」

 

 しぶとく冷静な男だ。全力で殴っているのに未だ意識を保っている。そして、偶然署長室から出てきた若い警官に応援を頼むとは。だが君の拳は血に濡れ、警官の顔面は歪んでいる。いずれ糸は切れるはず。

 

「!?…………」

 

 若い警官は君のことを見知っているから、非常に困惑しているようだ。急な出来事でもある。チャンスはこの時、この場にしかない。隙が無くなる前に警官を殺せ。でなければ、殺されるのは君だ。

 ただし、逃げることは許されない。

 

「あ~、なるほど…………………感謝状を渡された高校生がいきなり発狂して、不意打ちを食らったと………」

 

「おい!……クソッ…!………何を…しているッ!」

 

「ここら一帯は平和だ……あなたはそう思いますか?」

 

「は……!?」

 

「他の署と違ってウチは件数が少なすぎる。神父が優しいだか魅力的だか…………みーんな、『平和ボケ』しているんだ。苦痛無く生きるのが当たり前だと思い込んでやがる……」

 

 ギリギリと歯を軋め、若い警官のボルテージは急上昇していた。怒っているようだ。それもそのはず。スデに彼の脳内は毒に蝕まれているのだから。

 

 針の振り切れた人間に敵う者はいない。理性が欲望に上塗りされ、あらゆる能力を最大限に発揮できてしまう。もちろん、振り切るには()()が必要。現状でのそれは君だ。

 きっかけを生み、与えてしまったのは君なのだ。

 

「一度、本気で使ってみたかったんです。人に向けて撃つのは初めてですが……成績はトップでした。無駄な延命はしません……」

 

 若い警官は黒光りする金属物体を構えた。

 

「お、おい……!?ここは署内だぞッ!しかも相手は無防備な青年だ!!銃を下ろせッ!!」

 

「無防備だって…?この平和ボケ患者がッ!!拳が武器になるってこと知らねぇのかァーーッ!?しっかも相手はボクサーだってのによオオオオオオ!!!!」

 

 彼が引き金を引くと、もう耳が張り裂けそうだよ。

 やがて意識が遠のいてい

 

 

 

 

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