力になります!
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現在、カービィ達は【オルクス大迷宮】の正面入口がある広場に集まっていた。
「これがオルクス大迷宮かぁ〜美味しい魔物はいるかなぁ〜」
とカービィはコピー能力コックで敵を料理することを考えてワクワクしていた。
まるで博物館の入場ゲートのようなしっかりした入口があり、受付窓口まであった。制服を着た人間さんが笑顔で迷宮への出入りをチェックしている。
なんでも、ここでステータスプレートをチェックし出入りを記録することで死亡者数を正確に把握するのだとか。
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迷宮内はわりと明るくボクのコピー能力ライトも必要がないぐらいだった。
その時、物珍しげに辺りを見渡している一行の前に、壁の隙間という隙間から灰色の毛玉が湧き出てきた。
「よし、光輝やカービィ達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行け!」
その言葉通り、ラットマンと呼ばれた魔物が結構な速度で飛びかかってきた。
灰色の体毛に赤黒い目が不気味に光る。ラットマンという名称に相応しく外見はねずみっぽいが……二足歩行で上半身がムキムキだった。八つに割れた腹筋と膨れあがった胸筋の部分だけ毛がない。まるで見せびらかすように。ボクはデデデ大王も結構ムキムキなイメージがあるけどね。
ボクも攻撃しなくちゃね
「コピー能力ミックス!ストーンボム」
「「「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――〝螺炎〟」」」
人間達の炎がダイナマイトに当たり着火した。
ほぼ同時に大爆発が起こった。
気がつけば、広間のラットマンは全滅していた。他の生徒の出番はなしである。どうやら、光輝達召喚組の(主にカービィの)戦力では一階層の敵は弱すぎるらしい。
「ああ~、うん、よくやったぞ! 次はお前等にもやってもらうからな、気を緩めるなよ!」
勇者の優秀さに苦笑いしながら気を抜かないよう注意するメルド団長。しかし、初めての迷宮の魔物討伐にテンションが上がるのは止められない。頬が緩む生徒達に「しょうがねぇな」とメルド団長は肩を竦めた。
「それとな……今回は訓練だからいいが、魔石の回収も念頭に置いておけよ。明らかにオーバーキルだからな?」
そうだね。バーニングボム(ダイナマイト)はやりすぎたかも。
そこからは特に問題もなく交代しながら戦闘を繰り返し、順調よく階層を下げて行った。
そして、一流の冒険者か否かを分けると言われている二十階層にたどり着いた。
現在の迷宮最高到達階層は六十五階層らしい。
「よし、お前達。ここから先は一種類の魔物だけでなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくる。今までが楽勝だったからと言ってくれぐれも油断するなよ! 今日はこの二十階層で訓練して終了だ! 気合入れろ!」
メルド団長のかけ声がよく響く。
ハジメは特に何もしていない。一応、騎士団員が相手をして弱った魔物を相手に訓練したり、地面を錬成して落とし穴にはめて串刺しにしたりして、一匹だけ犬のような魔物を倒したが、それだけ。ボクはハジメは強いと思うけどなぁ〜。
一行は二十階層を探索する。
先頭を行く光輝達やメルド団長が立ち止まった。訝しそうなクラスメイトを尻目に戦闘態勢に入る。どうやら魔物のようだ。
「擬態しているぞ! 周りをよ~く注意しておけ!」
メルド団長の忠告が飛ぶ。
その直後、前方でせり出していた壁が突如変色しながら起き上がった。壁と同化していた体は、今は褐色となり、二本足で立ち上がる。そして胸を叩きドラミングを始めた。どうやらカメレオンのような擬態能力を持ったゴリラの魔物のようだ。
「ロックマウントだ! 二本の腕に注意しろ! 豪腕だぞ!」
メルド団長の声が響く。光輝達が相手をするようだ。飛びかかってきたロックマウントの豪腕を龍太郎が拳で弾き返す。光輝と雫が取り囲もうとするが、鍾乳洞的な地形のせいで足場が悪く思うように囲むことができない。
龍太郎の人壁を抜けられないと感じたのか、ロックマウントは後ろに下がり仰け反りながら大きく息を吸った。
直後、
「グゥガガガァァァァアアアアーーーー!!」
部屋全体を震動させるような強烈な咆哮が発せられた。
「ぐっ!?」
「うわっ!?」
「きゃあ!?」
カービィはしっかりとカードしていた為なんとかなったが、ほかのメンバーが体をビリビリと衝撃が走り、ダメージ自体はないものの硬直してしまう。ロックマウントの固有魔法“威圧の咆哮”だ。魔力を乗せた咆哮で一時的に相手を麻痺させる。
まんまと食らってしまった光輝達前衛組が一瞬硬直してしまった。
ロックマウントはその隙に突撃するかと思えばサイドステップし、傍らにあった岩を持ち上げ香織達後衛組に向かって投げつけた。見事な砲丸投げのフォームで! 咄嗟に動けない前衛組の頭上を越えて、岩が香織達へと迫る。
ボクは流石に料理できなさそうだからコピー能力で対応する。
「属性ミックス!サンダーソード!はああぁソードビーム!」
カービィはソードビームに魔力を乗せ放った。
その斬撃は僅かな抵抗も許さずロックマウントを縦に両断し、更に奥の壁を破壊し尽くしてようやく止まった。
パラパラと部屋の壁から破片が落ちる。
もう大丈夫だよ! と声を掛けようとして、笑顔で迫っていたメルド団長の拳骨を食らった。
「ぽよぉ!?」
「この馬鹿者が。気持ちはわかるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが! 崩落でもしたらどうすんだ!」
「ご、ごめんなさい。」
その時、ふと香織が崩れた壁の方に視線を向けた。
「……あれ、何かな? キラキラしてる……」
その言葉に、全員が香織の指差す方へ目を向けた。
そこには青白く発光する鉱物が花咲くように壁から生えていた。まるでインディコライトが内包された水晶のようである。香織を含め女子達は夢見るように、その美しい姿にうっとりした表情になった。
「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい」
「素敵……」
香織が、頬を染めながら更にうっとりとする。そして、誰にも気づかれない程度にチラリとハジメに視線を向けた。もっとも、雫ともう一人だけは気がついていたが……
「だったら俺らで回収しようぜ!」
そう言って唐突に動き出したのは檜山だった。グランツ鉱石に向けてヒョイヒョイと崩れた壁を登っていく。それに慌てたのはメルド団長だ。
「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」
しかし、檜山は聞こえないふりをして、とうとう鉱石の場所に辿り着いてしまった。
メルド団長は、止めようと檜山を追いかける。同時に騎士団員の一人がフェアスコープで鉱石の辺りを確認する。そして、一気に青褪めた。
「団長! トラップです!」
「ッ!?」
しかし、メルド団長も、騎士団員の警告も一歩遅かった。
檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間、鉱石を中心に魔法陣が広がる。グランツ鉱石の輝きに魅せられて不用意に触れた者へのトラップだ。美味しい話には裏がある。世の常である。
魔法陣は瞬く間に部屋全体に広がり、輝きを増していった。まるで、召喚されたあの日の再現だ。
「くっ、撤退だ! 早くこの部屋から出ろ!」
メルド団長の言葉に生徒達が急いで部屋の外に向かうが……間に合わなかった。
部屋の中に光が満ち、カービィ達の視界を白一色に染めると同時に一瞬の浮遊感に包まれる。
カービィ達は光が収まったことを感じた。次いで、ドスンという音と共に地面に叩きつけられた。
転移した場所は、巨大な石造りの橋の上だった。ざっと百メートルはありそうだ。天井も高く二十メートルはあるだろう。橋の下は川などなく、全く何も見えない深淵の如き闇が広がっていた。まさに落ちれば奈落の底といった様子。
「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」
雷の如く轟いた号令に、わたわたと動き出す生徒達。
「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」
雷の如く轟いた号令に、わたわたと動き出す生徒達。
しかし、迷宮のトラップがこの程度で済むわけもなく、撤退は叶わなかった。階段側の橋の入口に現れた魔法陣から大量の魔物が出現したからだ。更に、通路側にも魔法陣は出現し、そちらからは一体の巨大な魔物が……
その時、現れた巨大な魔物を呆然と見つめるメルド団長の呻く様な呟きがやけに明瞭に響いた。
「まさか……ベヒモス……なのか……」
橋の両サイドに現れた赤黒い光を放つ魔法陣。通路側の魔法陣は十メートル近くあり、階段側の魔法陣は一メートル位の大きさだが、その数がおびただしい。
小さな無数の魔法陣からは、骨格だけの体に剣を携えた魔物〝トラウムソルジャー〟が溢れるように出現した。空洞の眼窩からは魔法陣と同じ赤黒い光が煌々と輝き目玉の様にギョロギョロと辺りを見回している。その数は、既に百体近くに上っておりまだ増え続けているよう。
メルド団長が呟いた〝ベヒモス〟という魔物は、大きく息を吸うと凄まじい咆哮を上げた。
「グルァァァァァアアアアア!!」
「ッ!?」
「アラン! 生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ! カイル、イヴァン、ベイル! 全力で障壁を張れ! ヤツを食い止めるぞ! 光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」
「ボクもやるよ!」
「俺達もやります! あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう! 俺達も……」
「馬鹿野郎! あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ! ヤツは六十五階層の魔物。かつて、“最強”と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ! さっさと行け! 私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」
メルド団長の鬼気迫る表情に一瞬怯むも、「見捨ててなど行けない!」と踏み止まる光輝とカービィ。
どうにか撤退させようと、再度メルドが光輝に話そうとした瞬間、ベヒモスが咆哮を上げながら突進してきた。このままでは、撤退中の生徒達を全員轢殺してしまうだろう。
そうはさせるかと、ハイリヒ王国最高戦力が全力の多重障壁を張る。
「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さず――〝聖絶〟」」」
二メートル四方の最高級の紙に描かれた魔法陣と四節からなる詠唱、さらに三人同時発動。一回こっきり一分だけの防御であるが、何物にも破らせない絶対の守りが顕現する。純白に輝く半球状の障壁がベヒモスの突進を防ぐ!
さらにハジメは錬成でヘビモスを足止めする。
夜空を流れる流星の如く、色とりどりの魔法がベヒモスを打ち据える。ダメージはやはり無いようだが、しっかりと足止めになっている。
「ボクだってスーパー能力!ウルトラソード!」
カービィは通常のコピー能力より比べられないほど強力なコピー能力、スーパー能力を使う。
しかしスーパー能力は魔力負担が大きい。魔力を乗せてないウルトラソードでも一振りで魔力を100消費する。
「はあ!」
それによってヘビモスは倒される。
ハジメは 思わず、頬が緩む。
しかし、その直後、ハジメの表情は凍りついた。
無数に飛び交う魔法の中で、一つの火球がクイッと軌道を僅かに曲げたのだ。
……ハジメの方に向かって。
明らかにハジメを狙い誘導されたものだ。
(ああ、ダメだ……)
そう思いながら対岸のクラスメイト達の方へ視線を向けると、香織が飛び出そうとして雫や光輝に羽交い締めにされているのが見えた。他のクラスメイトは青褪めたり、目や口元を手で覆ったりしている。メルド達騎士団の面々も悔しそうな表情でハジメを見ていた。
そして、ハジメの足場も完全に崩壊し、ハジメは仰向けになりながら奈落へと落ちていった。徐々に小さくなる光に手を伸ばしながら……
その手をカービィは掴む。
カービィまで落ちてしまったがなんとかホバリングで飛ぶが、
予想外の重さにカービィごと落ちてしまった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ザァーと水の流れる音がする。
冷たい微風が頬を撫で、冷え切った体が身震いした。頬に当たる硬い感触と下半身の刺すような冷たい感触に「うっ」と呻き声を上げてハジメは目を覚ました。
ザァーと水の流れる音がする。
冷たい微風が頬を撫で、冷え切った体が身震いした。頬に当たる硬い感触と下半身の刺すような冷たい感触に「うっ」と呻き声を上げてハジメは目を覚ました。
ボーとする頭、ズキズキと痛む全身に眉根を寄せながら両腕に力を入れて上体を起こす。
「痛っ~、ここは……僕は確か……」
ふらつく頭を片手で押さえながら、記憶を辿りつつ辺りを見回すすると、声がかかる。
「大丈夫?」
カービィだ。
好評だったり、続けて欲しいと、いう声があれば確実に続きます!