ありふれた能力世界最強   作:コロンKY

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再開

「は? 聞こえねぇよ。何だって?」

「……死んだって言ったんだ! メルド団長もアランさんも他の皆も! 迷宮に潜ってた騎士は皆死んだ! 俺を逃がすために! 俺のせいで! 死んだんだ! 死んだんだよぉ!」

「……そうか」

 

 癇癪を起こした子供のように、「死んだ」と繰り返す遠藤に、ハジメはただ一言、そう返した。

 

 

「で? 何があったんだ?」

「それは……」

 

 

「話の続きは、奥でしてもらおうか。そっちは、俺の客らしいしな」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「……魔人族……ね」

 

 冒険者ギルドホルアド支部の応接室にハジメの呟きが響く。対面のソファーにホルアド支部の支部長ロア・バワビスと遠藤浩介が座っており、遠藤の正面にハジメが、その両サイドにユエとシアがシアの隣にティオが座っている。ミュウは、ハジメの膝の上だ、カービィ一行はそこらへんにいる。

 

 

「つぅか! 何なんだよ! その子! 何で、菓子食わしてんの!? 状況理解してんの!? みんな、死ぬかもしれないんだぞ!」

「ひぅ!? パパぁ!」

 

 

当然、ハジメから吹き出す人外レベルの殺気。パパは娘の敵を許さない。

 

「てめぇ……何、ミュウに八つ当たりしてんだ、ア゛ァ゛? 殺すぞ?」

「ひぅ!?」

 

ミュウと同じような悲鳴を上げて浮かしていた腰を落とす遠藤。両隣から「……もう、すっかりパパ」とか「さっき、さり気なく〝家の子〟とか口走ってましたしね~」とか「果てさて、ご主人様はエリセンで子離れ出来るのかのぉ~」とか聞こえてくるが、ハジメは無視する。そんな事より、怯えてしまったミュウを宥める方が重要だ。

 

 

「さて、ハジメ。イルワからの手紙でお前の事は大体分かっている。随分と大暴れしたようだな?」

「まぁ、全部成り行きだけどな」

 

 

手紙には、お前たちの〝金〟ランクへの昇格に対する賛同要請と、できる限り便宜を図ってやって欲しいという内容が書かれていた。一応、事の概要くらいは俺も掴んではいるんだがな……たった数人?で六万近い魔物の殲滅、半日でフューレンに巣食う裏組織の壊滅……にわかには信じられんことばかりだが、イルワの奴が適当なことをわざわざ手紙まで寄越して伝えるとは思えん……もう、お前らが実は魔王だと言われても俺は不思議に思わんぞ」

 

 ロアの言葉に、遠藤が大きく目を見開いて驚愕をあらわにする。自力で【オルクス大迷宮】の深層から脱出したハジメの事を、それなりに強くなったのだろうとは思っていたが、それでも自分よりは弱いと考えていたのだ。

 

 

 

 

「バカ言わないでくれ……俺たちを魔王だなんて、そこまで弱くないつもりだぞ?」

「ふっ、魔王を雑魚扱いか? 随分な大言を吐くやつだ……だが、それが本当なら俺からの、冒険者ギルドホルアド支部長からの指名依頼を受けて欲しい」

「……勇者達の救出だな?」

 

 

「そ、そうだ! 南雲! 一緒に助けに行こう! お前がそんなに強いなら、きっとみんな助けられる!」

「……」

 

「ボクはいくよ!」

「カービィはお人好しじゃな」

「じゃあ私もいくですぅ」

 

「そ、そうだ! 南雲! 一緒に助けに行こう! お前らがそんなに強いなら、きっとみんな助けられる!」

「……」

 

 

 

「どうしたんだよ! 今、こうしている間にもアイツ等は死にかけているかもしれないんだぞ! 何を迷ってんだよ! 仲間だろ!」

「……仲間?」

 

 

「あ、ああ。仲間だろ! なら、助けに行くのはとうぜ……」

「勝手に、お前等の仲間にするな。はっきり言うが、俺がお前等にもっている認識は唯の〝同郷〟の人間程度であって、それ以上でもそれ以下でもない。他人と何ら変わらない」

「なっ!? そんな……何を言って……」

 

 

 

 

それに、ハジメは、あの月下の語らいを思い出していた。異世界に来て〝無能〟で〝最弱〟だったハジメに「私が、南雲君を守るよ」と、そう言った女の子。結局、彼女の感じた不安の通りに、ハジメは無茶をして奈落へと消えてしまった。彼女の不安を取り除くために〝守ってもらう〟と約束したのに、結局、その約束は果たされなかった。あの最後の瞬間、奈落へ落ち行くハジメに、壊れそうなほど悲痛な表情で手を伸ばす彼女の事を、何故か、この町に戻ってきてから頻繁に思い出すハジメ。

 

「白崎は……彼女はまだ、無事だったか?」

 

「あ、ああ。白崎さんは無事だ。っていうか、彼女がいなきゃ俺達が無事じゃなかった。最初の襲撃で重吾も八重樫さんも死んでたと思うし……白崎さん、マジですげぇんだ。回復魔法がとんでもないっていうか……あの日、お前が落ちたあの日から、何ていうか鬼気迫るっていうのかな? こっちが止めたくなるくらい訓練に打ち込んでいて……雰囲気も少し変わったかな? ちょっと大人っぽくなったっていうか、いつも何か考えてるみたいで、ぽわぽわした雰囲気がなくなったっていうか……」

「……そうか」

 

 

「……ハジメのしたいように。私は、どこでも付いて行く」

「……ユエ」

 

「わ、私も! どこまでも付いて行きますよ! ハジメさん!」

「ふむ、妾ももちろんついて行くぞ。ご主人様」

「ふぇ、えっと、えっと、ミュウもなの!」

 

 

対面で、愕然とした表情をしながら「え? 何このハーレム……」と呟いている遠藤を尻目に、ハジメは仲間に己の意志を伝えた。

 

「ありがとな、お前等。神に選ばれた勇者になんて、わざわざ自分から関わりたくはないし、お前達を関わらせるのも嫌なんだが……ちょっと義理を果たしたい相手がいるんだ。だから、ちょっくら助けに行こうかと思う。まぁ、あいつらの事だから、案外、自分達で何とかしそうな気もするがな」

 

「え、えっと、結局、一緒に行ってくれるんだよな?」

「ああ、ロア支部長。一応、対外的には依頼という事にしておきたいんだが……」

「上の連中に無条件で助けてくれると思われたくないからだな?」

「そうだ。それともう一つ。帰ってくるまでミュウのために部屋貸しといてくれ」

「ああ、それくらい構わねぇよ」

 

「おら、さっさと案内しやがれ、遠藤」

「うわっ、ケツを蹴るなよ! っていうかお前いろいろ変わりすぎだろ!」

「やかましい。さくっと行って、一日……いや半日で終わらせるぞ。仕方ないとは言え、ミュウを置いていくんだからな。早く帰らねぇと。一緒にいるのが変態というのも心配だし」

「……お前、本当に父親やってんのな……美少女ハーレムまで作ってるし……一体、何がどうなったら、あの南雲がこんなのになるんだよ……」

 

今回一緒に来てくれるカービィ一行はマルク、マホロア、タランザだ。

 

 

 迷宮深層に向かって疾走しながら、ハジメの態度や環境についてブツブツと納得いかなさそうに呟く遠藤。強力な助っ人がいるという状況に、少し心の余裕を取り戻したようだ。しゃべる暇があるならもっと速く走れとつつかれ、敏捷値の高さに関して持っていた自信を粉微塵に砕かれつつ、遠藤は親友達の無事を祈った。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

一方香織たちは追い詰められていた。

 

 

 

 今、まさに放たれようとしている死の鉄槌を目の前にして、香織の脳裏に様々な光景が過ぎっていく。「ああ、これが走馬灯なのかな?」と妙に落ち着いた気持ちで、思い出に浸っていた香織だが、最後に浮かんだ光景に心がざわついた。

 

 それは、月下のお茶会。二人っきりの語らいの思い出。自ら誓いを立てた夜のこと。困ったような笑みを浮かべる今はいない彼。いなくなって初めて〝好き〟だったのだと自覚した。生存を信じて追いかけた。

 

だが、それもここで終わる。「結局、また、誓いを破ってしまった」そんな思いが、気がつけば香織の頬に涙となって現れた。

 

 再会したら、まずは名前で呼び合いたいと思っていた。その想いのままに、せめて、最後に彼の名を……自然と紡ぐ。

 

「……ハジメくん」

 

 その瞬間だった。

 

ドォゴオオン!!

 

 そして、肩越しに振り返り背後で寄り添い合う香織と雫を見やった。

 

 振り返るその人物と目が合った瞬間、香織の体に電撃が走る。悲しみと共に冷え切っていた心が、いや、もしかしたら大切な人が消えたあの日から凍てついていた心が、突如、火を入れられたように熱を放ち、ドクンッドクンッと激しく脈打ち始めた。

 

「……相変わらず仲がいいな、お前等」

 

 苦笑いしながら、そんな事をいう彼に、考えるよりも早く香織の心が歓喜で満たされていく。

 

 髪の色が違う、纏う雰囲気が違う、口調が違う、目つきが違う。だが、わかる。彼だ。生存を信じて探し続けた彼だ。

 

 そう、

 

「ハジメくん!」

 

「へ? ハジメくん? って南雲くん? えっ? なに? どういうこと?」

 

 

「えっ? えっ? ホントに? ホントに南雲くんなの? えっ? なに? ホントどういうこと?」

「いや、落ち着けよ八重樫。お前の売りは冷静沈着さだろ?」

 

 

「な、南雲ぉ! おまっ! 余波でぶっ飛ばされただろ! ていうか今の何だよ! いきなり迷宮の地面ぶち抜くとか……」

 

 文句を言いながら周囲を見渡した遠藤は、そこに親友達と魔物の群れがいて、硬直しながら自分達を見ていることに気がつき「ぬおっ!」などと奇怪な悲鳴を上げた。そんな遠藤に、再会の喜びとなぜ戻ってきたのかという憤りを半分ずつ含めた声がかかる。

 

「「浩介!」」

「重吾! 健太郎! 助けを呼んできたぞ!」

 

 

 

「ユエ、悪いがあそこで固まっている奴等の守りを頼む。シア、向こうで倒れている騎士甲冑の男、容態を見てやってくれ」

「ん……任せて」

「了解ですぅ!」

 

 

「ハ、ハジメくん……」

 

 

 

 

 

 突然、虚空に現れた十字架型の浮遊する物体に、目を白黒させる香織と雫。そんな二人に背を向けると、ハジメは元凶たる魔人族の女に向かって傲慢とも言える提案をした。それは、魔人族の女が、まだハジメの敵ではないが故の慈悲であった。

 

「そこの赤毛の女。今すぐ去るなら追いはしない。死にたくなければ、さっさと消えろ」

「……何だって?」

 

「戦場での判断は迅速にな。死にたくなければ消えろと言ったんだ。わかったか?」

 

 改めて、聞き間違いではないとわかり、魔人族の女はスっと表情を消すと「殺れ」とハジメを指差し魔物に命令を下した。

 

 この時、あまりに突然の事態――――特に虎の子のアハトドが正体不明の攻撃により一撃死したことで流石に冷静さを欠いていた魔人族の女は、致命的な間違いを犯してしまった。

「なるほど。……〝敵〟って事でいいんだな?」

 

 

「いくぞ、カービィ、タランザ、マホロア、マルク」

「うん!」

タランザ「ワタシに命令していいのはセクトニア様だけなのね!でも協力してやるのね!」

マルク「仕方ないから協力するノサ」

マホロア「わかったヨォ!」

 

 

タランザは糸で動きを止めた。

「今なのね!」

 

ドパンッ! ドパンッ!

カービィ、マホロア「「ウルトラソード!!」」

マルク「ブラックホール」

あまりにあっさり殺られた魔物を見て唖然とする魔人族の女や、この世界にあるはずのない兵器に度肝を抜かれて立ち尽くしているクラスメイト達。そんな硬直する者達をおいて、魔物達は、魔人族の女の命令を忠実に実行するべく次々にハジメへと襲いかかった……が、しかし一瞬で消え去った。

 

 

「チッ……」

 

 ハジメの舌打ちに反応する余裕もなく、冷や汗を流しながらホッと安堵の息を吐く魔人族の女だったが、次の瞬間には凍りついた。

 

ドパァンッ!

 

 炸裂音が轟くと同時に右頬を衝撃と熱波が通り過ぎ、パッと白い何かが飛び散ったからだ。

 

 その何かは、先程まで魔人族の女の肩に止まっていた白鴉の魔物の残骸だった。思惑通りにいかなかったハジメが、腹いせにドンナーをアブソドに、シュラークを白鴉に向けて発砲したのである。

 

 アブソドは、音すら軽く置き去りにする超速の弾丸を避けることも耐えることも、それどころか認識することもできずに、開けっ放しだった口内から蹂躙され、意識を永遠の闇に落とした。

 

 

「何なんだ……彼らは一体、何者なんだ!?」

 

 光輝が動かない体を横たわらせながら、そんな事を呟く。今、周りにいる全員が思っていることだった。その答えをもたらしたのは、先に逃がし、けれど自らの意志で戻ってきた仲間、遠藤だった。

 

「はは、信じられないだろうけど……あいつは南雲だよ、あと後ろにいるのはカービィとその仲間?だ。」

「「「「「「は?」」」」」」

 

 遠藤の言葉に、光輝達が一斉に間の抜けた声を出す。遠藤を見て「頭大丈夫か、こいつ?」と思っているのが手に取るようにわかる。遠藤は、無理もないなぁ~と思いながらも、事実なんだから仕方ないと肩を竦めた。

 

 

「だから、南雲、南雲ハジメだよ。あの日、橋から落ちた南雲だ。迷宮の底で生き延びて、自力で這い上がってきたらしいぜ。ここに来るまでも、迷宮の魔物が完全に雑魚扱いだった。マジ有り得ねぇ! って俺も思うけど……事実だよ」

「南雲って、え? 南雲が生きていたのか!?」

 

 

 光輝が驚愕の声を漏らす。そして、他の皆も一斉に、現在進行形で殲滅戦を行っている化け物じみた強さの少年を見つめ直し……やはり一斉に否定した。「どこをどう見たら南雲なんだ?」と。そんな心情もやはり、手に取るようにわかる遠藤は、「いや、本当なんだって。めっちゃ変わってるけど、ステータスプレートも見たし」と乾いた笑みを浮かべながら、彼が南雲ハジメであることを再度伝える。

 

 皆が、信じられない思いで、ハジメの無双ぶりを茫然と眺めていると、ひどく狼狽した声で遠藤に喰ってかかる人物が現れた。

 

「う、うそだ。南雲は死んだんだ。そうだろ? みんな見てたじゃんか。生きてるわけない! 適当なこと言ってんじゃねぇよ!」

「うわっ、なんだよ! ステータスプレートも見たし、本人が認めてんだから間違いないだろ!」

「うそだ! 何か細工でもしたんだろ! それか、なりすまして何か企んでるんだ!」

「いや、何言ってんだよ? そんなことする意味、何にもないじゃないか」

 

 香織と雫が、混乱しつつも、とにかく迫り来る魔物に注意を戻すと、そこには頭部を爆砕させた魔物達の姿が……唖然としつつ、先程の金属音の元に視線を転じてその正体を確かめる。

 

「これって……薬莢?」

「薬莢って……銃の?」

 

 香織と雫が、馴染みのない知識を引っ張り出し顔を見合わせる。そして、ハジメが両手に銃をもって大暴れしている姿を見やって確信する。自分達を守るように浮遊する十字架は、どこぞのオールレンジ兵器なのだと。

 

「す、すごい……ハジメくんってファ○ネル使いだったんだ」

「彼、いつの間にニュー○イプになったのよ……」

 

 

「ホントに……なんなのさ」

 

 力なく、そんなことを呟いたのは魔人族の女だ。何をしようとも全てを力でねじ伏せられ粉砕される。そんな理不尽に、諦観の念が胸中を侵食していく。もはや、魔物の数もほとんど残っておらず、誰の目から見ても勝敗は明らかだ。

 

 魔人族の女は、最後の望み! と逃走のために温存しておいた魔法をハジメに向かって放ち、全力で四つある出口の一つに向かって走った。ハジメのいる場所に放たれたのは〝落牢〟だ。それが、ハジメの直ぐ傍で破裂し、石化の煙がハジメを包み込んだ。光輝達が息を飲み、香織と雫が悲鳴じみた声でハジメの名を呼ぶ。

 

 動揺する光輝達を尻目に、魔人族の女は、遂に出口の一つにたどり着いた。

 

 しかし……

 

「はは……既に詰みだったわけだ」

「その通り」

 

 魔人族の女の目の前、通路の奥に十字架が浮遊しておりその暗い銃口を標的へと向けていた。

 

 

 

「……この化け物め。上級魔法が意味をなさないなんて、あんた、本当に人間?」

「実は、自分でも結構疑わしいんだ。だが、化け物というのも存外悪くないもんだぞ?」

 

 

 

「さて、普通はこういう時、何か言い遺すことは? と聞くんだろうが……生憎、お前の遺言なんぞ聞く気はない。それより、魔人族がこんな場所で何をしていたのか……それと、あの魔物を何処で手に入れたのか……吐いてもらおうか?」

「あたしが話すと思うのかい? 人間族の有利になるかもしれないのに? バカにされたもんだね」

 

 嘲笑するように鼻を鳴らした魔人族の女に、ハジメは冷めた眼差しを返した。そして、何の躊躇いもなくドンナーを発砲し魔人族の女の両足を撃ち抜いた。

 

「あがぁあ!!」

 

 

「人間族だの魔人族だの、お前等の世界の事情なんざ知ったことか。俺は人間族として聞いているんじゃない。俺が知りたいから聞いているんだ。さっさと答えろ」

「……」

 

 痛みに歯を食いしばりながらも、ハジメを睨みつける魔人族の女。その瞳を見て、話すことはないだろうと悟ったハジメは、勝手に推測を話し始めた。

 

 「ま、大体の予想はつく。ここに来たのは、〝本当の大迷宮〟を攻略するためだろ?」

 

 魔人族の女が、ハジメの言葉に眉をピクリと動かした。その様子をつぶさに観察しながらハジメが言葉を続ける。

 

「あの魔物達は、神代魔法の産物……図星みたいだな。なるほど、魔人族側の変化は大迷宮攻略によって魔物の使役に関する神代魔法を手に入れたからか……とすると、魔人族側は勇者達の調査・勧誘と並行して大迷宮攻略に動いているわけか……」

「どうして……まさか……」

 

 

 

ハジメもまた大迷宮の攻略者であると推測した事に気がつき、視線で「正解」と伝えてやった。

 

「なるほどね。あの方と同じなら……化け物じみた強さも頷ける……もう、いいだろ? ひと思いに殺りなよ。あたしは、捕虜になるつもりはないからね……」

「あの方……ね。魔物は攻略者からの賜り物ってわけか……」

 

 

「いつか、あたしの恋人があんたを殺すよ」

 

 その言葉に、ハジメは口元を歪めて不敵な笑みを浮かべる。

 

「敵だと言うなら神だって殺す。その神に踊らされてる程度の奴じゃあ、俺には届かない」

 

 

「待て! 待つんだ、南雲! 彼女はもう戦えないんだぞ! 殺す必要はないだろ!」

「……」

 

 ハジメは、ドンナーの引き金に指をかけたまま、「何言ってんだ、アイツ?」と訝しそうな表情をして肩越しに振り返った。光輝は、フラフラしながらも少し回復したようで何とか立ち上がると、更に声を張り上げた。

 

「捕虜に、そうだ、捕虜にすればいい。無抵抗の人を殺すなんて、絶対ダメだ。俺は勇者だ。南雲も仲間なんだから、ここは俺に免じて引いてくれ」

 

 余りにツッコミどころ満載の言い分に、ハジメは聞く価値すらないと即行で切って捨てた。そして、無言のまま……引き金を引いたのだった。

 

 

 




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