ありふれた能力世界最強   作:コロンKY

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金色で中央に星印があるトマト

ドパンッ!!

 

 乾いた破裂音と共に空を切り裂き駆け抜けた一条の閃光は、カクっと慣性を無視して進路を変えた魔石を、まるで磁石が引き合うように、あるいは魔石そのものが自ら当たりにいったかのように寸分違わず撃ち抜いた。

 

レールガンの衝撃と熱量によって魔石は一瞬で消滅し、同時にオアシスバチュラムを構成していた水も力を失ってただの水へと戻った。ドザァー! と大量の水が降り注ぐ音を響かせながら、激しく波立つオアシスを見つめるランズィ達。

 

「……終わったのかね?」

「ああ、もう、オアシスに魔力反応はねぇよ。原因を排除した事がイコール浄化と言えるのかは分からないが」

 

 ハジメの言葉に、自分達アンカジを存亡の危機に陥れた元凶が、あっさり撃退されたことに、まるで狐につままれたような気分になるランズィ達。それでも、元凶が目の前で消滅したことは確かなので、慌ててランズィの部下の一人が水質の鑑定を行った。

 

「……どうだ?」

「……いえ、汚染されたままです」

 

 

 

「まぁ、そう気を落とすでない。元凶がいなくなった以上、これ以上汚染が進むことはない。新鮮な水は地下水脈からいくらでも湧き出るのじゃから、上手く汚染水を排出してやれば、そう遠くないうちに元のオアシスを取り戻せよう」

 

メタナイト「ちなみにウォーターカービィなら無限に水を作り出すことができるぞ。」

 

「言うのが遅い。」

1発メタナイトに発砲する。メタナイトはそれを華麗に回避する。

 

「……しかし、あのバチュラムらしき魔物は一体なんだったのか……新種の魔物が地下水脈から流れ込みでもしたのだろうか?」

 

 気を取り直したランズィが首を傾げてオアシスを眺める。それに答えたのはハジメだった。

 

「おそらくだが……魔人族の仕業じゃないか?」

「!? 魔人族だと? ハジメ殿、貴殿がそう言うからには思い当たる事があるのだな?」

 

ハジメの言葉に驚いた表情を見せたランズィは、しかし、すぐさま冷静さを取り戻し、ハジメに続きを促した。水の確保と元凶の排除を成し遂げたハジメに、ランズィは敬意と信頼を寄せているようで、最初の、胡乱な眼差しはもはや微塵もない。

 

 

 ハジメは、オアシスバチュラムが、魔人族の神代魔法による新たな魔物だと推測していた。それはオアシスバチュラムの特異性もそうだが、ウルの町で愛子を狙い、オルクスで勇者一行を狙ったという事実があるからだ。

 

おそらく、魔人族の魔物の軍備は整いつつあるのだろう。そして、いざ戦争となる前に、危険や不確定要素、北大陸の要所に対する調査と打撃を行っているのだ。愛子という食料供給を一変させかねない存在と、聖教教会が魔人族の魔物に対抗するため異世界から喚んだ勇者を狙ったのがいい証拠だ。

 

 

 

 そして、アンカジは、エリセンから海産系食料供給の中継点であり、果物やその他食料の供給も多大であることから食料関係において間違いなく要所であると言える。しかも、襲撃した場合、大砂漠のど真ん中という地理から、救援も呼びにくい。魔人族が狙うのもおかしな話ではないのだ。

 

 その辺りのことを、ランズィに話すと、彼は低く唸り声を上げ苦い表情を見せた。

 

「魔物のことは聞き及んでいる。こちらでも独自に調査はしていたが……よもや、あんなものまで使役できるようになっているとは……見通しが甘かったか」

「まぁ、仕方ないんじゃないか? 王都でも、おそらく新種の魔物なんて情報は掴んでいないだろうし。なにせ、勇者一行が襲われたのも、つい最近だ。今頃、あちこちで大騒ぎだろうよ」

「いよいよ、本格的に動き出したということか……ハジメ殿……貴殿は冒険者と名乗っていたが……そのアーティファクトといい、強さといい、やはり香織殿と同じ……」

 

 

「……ハジメ殿一行、アンカジ公国領主ランズィ・フォウワード・ゼンゲンは、国を代表して礼をいう。この国は貴殿等に救われた」

 

そう言うと、ランズィを含め彼等の部下達も深々と頭を下げた。

そんな彼等に、ハジメはニッコリと満面の笑みを見せる。そして、

 

「ああ、たっぷり感謝してくれ。そして、決してこの巨大な恩を忘れないようにな」

 

 思いっきり恩に着せた。それはもう、清々しいまでに。ランズィは、てっきり「いや、気にしないでくれ。人として当然のことをしたまでだ」等と謙遜しつつ、さり気なく下心でも出してくるかと思っていたので、思わずキョトンとした表情をしてしまう。

 

それでも構わなかったのだが、まさか、ここまでど直球に来るとは予想外だった。

 

 ハジメとしては、香織の頼みでもあったし、ミュウを預けなければならない以上、アンカジの安全確保は必要なことだったので、それほど感謝される程の事でもなかった。

 

 

 だが、せっかく感謝してくれているし、いざという時味方をしてくれる人は多いに越したことはないだろうと、しっかり恩を売っておくことにしたのだ。ランズィなら、その辺の対応は誠実だろうとは思ったが、彼も政治家である以上、言質は取っておこうというわけである

 

「あ、ああ。もちろんだ。末代まで覚えているとも……だが、アンカジには未だ苦しんでいる患者達が大勢いる……それも、頼めるかね?」

 

 政治家として、あるいは貴族として、腹の探り合いが日常とかしているランズィは、ド直球なハジメの言葉に少し戸惑った様子だったが、やがて何かに納得したのか苦笑いをして頷いた。そして、感染者たちを救うため〝静因石〟の採取を改めて依頼した。

 

「もともと、【グリューエン大火山】に用があって来たんだ。そっちも問題ない。ただ、どれくらい採取する必要があるんだ?」

 

 

現在医療院では、効率が悪いと思ったカービィはコピー能力クリエイト『ヒールドクター、アーティスト』でマキシムトマトを書きまくって物凄いスピードで回復している。そして患者から魔力を一斉に抜き取っては魔晶石にストックし、半径十メートル以内に集めた患者の病の進行を一斉に遅らせ、同時に衰弱を回復させるよう回復魔法も行使する。

 

シアは、動けない患者達を、その剛力をもって一気に運んでいた。馬車を走らせるのではなく、馬車に詰めた患者達を馬車ごと持ち上げて、建物の上をピョンピョン飛び跳ねながら他の施設を行ったり来たりしている。緊急性の高い患者は、香織が各施設を移動するより、集めて一気に処置した方が効率的だからだ。

 

 もっとも、この方法、非力なはずのウサミミ少女の有り得ない光景に、それを見た者は自分も病気にかかって幻覚を見始めたのだと絶望して医療院に駆け込むという姿が多々見られたので、余計に医療院が混乱するという弊害もあったのだが。

 

 医療院の職員達は、上級魔法を連発したり、複数の回復魔法を当たり前のように同時行使する香織の姿に、驚愕を通り越すと深い尊敬の念を抱いたようで、今や、全員が香織の指示のもと患者達の治療に当たっていた。

 

 そんなカービィと香織を中心とした彼等の元に、ハジメ達がやって来る。そして、共にいたランズィより水の確保と元凶の排除がなされた事が大声で伝えられると、一斉に歓声が上がった。多くの人が亡くなり、砂漠の真ん中で安全な水も確保できず、絶望に包まれていた人達が笑顔を取り戻し始める。

 

「香織、これから【グリューエン大火山】に挑む。どれくらい持ちそうだ?」

「ハジメくん……」

 

 

 歓声に包まれる医療院において、なお、治療の手を休めない香織にハジメが歩み寄り尋ねた。

 

 香織は、ハジメの姿を見て嬉しそうに頬を綻ばせるが、直ぐに真剣な表情となって虚空を見つめた。そして、計算を終えたのか、ハジメを見つめ返して〝二日〟と答えた。それが、魔力的にも患者の体力的にも、持たせられる限界だと判断したのだろう。

 

 

「ハジメくん。私は、ここに残って患者さん達の治療をするね。静因石をお願い。貴重な鉱物らしいけど……大量に必要だからハジメくんじゃなきゃだめなの。ごめんね……ハジメくんがこの世界の事に関心がないのは分かっているけど……」

 

カービィ「それなら大丈夫だよっ!」

 

ハジメ、香織「「へっ!?」」

 

「コピー能力アーティスト!」

 

カービィは金色で中央に星印があるトマトを描いた。

このトマトは以前バンダナワドルディが見つけたトマトでカービィと半分こにして食べたのだが、回復量がマキシムトマトを超えている気がしたのだ。

マキシムトマトでは状態異常は治せなかったけど、このトマトなら直せるかもしれないと思ったのだ。

 

カービィが金色で中央に星印があるトマト、『ふっかつトマト』を描き終えて1人に食べさせる。

するとみるみる状態が良くなり完治した。

 

それをカービィはコピー能力クリエイト『アーティスト、アーティスト、アーティスト、アーティスト』で能力をフル活用して大量のふっかつトマトを描いた。その量は1秒に10個のふっかつトマトを生産している。

 

そしてだいたい5分後。

 

「ふぅ。これでだいじょーぶだね!」

 

あまりの衝撃にハジメたちは固まっていたのだった。

 

 




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