英霊と未来人   作:マガガマオウ

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人類史の修復作戦[グランドオーダー]が始動したその日、長年の心労とこの所の寝不足が原因で若干テンションがハイになっていた私オルガマリーはレイシフトしたマスター候補者達を送り出した筈がって、ここホントに何処~⁉


youは何しに冬木市へ?

私には、マスター適性が無いこのこと自体は魔術師としては問題はない……筈よ。

うん、確かにレイシフトに耐性はないからグランドオーダーへの参加は無理だけどね……それでも!必死になって、頑張ったのよ!世界中から適正もってそうな人片っ端から審査して厳選して……漸く48人集まってこれからだったのよ!

なのに!なのに何で、レイシフトしてきたのがこの居眠り野郎だけなのよ!って言うか、貴方部屋から出さなかったかしら?私追い出したと思うんだけど?

全員とはいかなくとも、まともな人員が転送されてないかと期待していざ合流したら居たのがコイツだけって……。

補欠の採用枠で登用した藤丸立香だったかしら?緊張感ないし、危機的状況なのに自覚無し……不安しかないわ。

 

「あの……そんなに睨まないで下さい。」

 

居心地悪そうな顔しても顔立ち整ってるから絵になるわねコイツ……。

私もこんな状況じゃなければコロッと落とされてたかも……ハァ。

溜息しか出ないわ~正直、何で私もこっちに来てるのかとかも気になるちゃなるんだけど、それよりもこれからどうしよう?

 

「あの所長!Drロマ二から通信が来てます。」

 

あぁ貴女も来てたわねマシュ、でも何故デミサーヴァントになってるのかしら?

マシュ・キリエライトは、ある意味で私達魔術に携わる者の被害者だ人の欲望が彼女を作ったと言ってもいいのかもしれないわ、私が言えた義理ではないけど償えるなら償いたい。

 

「所長?」

「……何でもないわ、繋いで頂戴。私たちの事もそうだけど、カルデアの状況も気になるわ。」

「分かりました。」

「大丈夫かな?彼女と話している時、少し辛そうに見えたんだけど?」

「大丈夫です……。」

 

マシュが専用デバイスを捜査してカルデアからの受信を始めた時に、今まで静かにしていた竜也さんが話しかけてきたのを素っ気なく返してしまった、こんな時でも素直になれない自分が嫌になるわ。

この人、浅見竜也は未来戦隊タイムレンジャーの一人だったのよね?私も当時は幼かったからよく覚えてないけど、その頃にも2000年より先の未来が壊滅していたかも知れない大きな事件があったらしいわ、当然カルデアも文明の保全の為に手を打とうとしたのよ、でもロンダーズファミリーっていう未来から来たギャングに魔術は余りにも非力だった、未来には如何やら対魔術用の技術もあったみたいで対策を立てても成果は芳しくなかったみたい、で打つ手なしと思っていたら同じく未来から来た捜査官の四人と竜也さんが如何にかしてくれて、今まで人類は存続できていたってわけよ。

私達からしてみれば人類救済の先輩にあたる人なわけ、そんな人物ではあるけども私は敢えて聞きたいYOUは何しに冬木市へ?

失礼ですけど、貴方は存命の方ですよね?

 

「良かった!無事だったんですね所長!」

「えぇ、何故かこっちに飛ばされちゃってるけどね。そっちはどうなってる?」

「こっちも、芳しくありません。この通信も、急ピッチで復旧させて漸くですから。」

「そう……。」

 

ロマ二・アーキマン、カルデアでは医療チームのチーフをしている人間よ、彼を一言で表すならムードメイカーねレフ程ではないにしてもカルデアではなくてはならない精神的主柱よ。

その彼の説明によると、レイシフト直前に私たちが居た転送ルームから大きな爆発音がして施設内が壊滅状態になったらしいの。

……ていうか、爆発⁉ちょ、ちょっと待て!私あの部屋のほぼ中心に居たわよね⁉あれ?じゃあ今私がここに居るのって……これ以上このことを考えるのはやめましょう……私の体、残ってるかな?

 

「ところで藤丸君、君たちの近くに別の二つの反応があるんだけど?」

「あぁ、それは……。」

「ちょっと待ってロマ二、今反応が二つって言った?」

「はい。それで、一つは分かったのですが。」

「……俺の事だよな。」

「?貴方は一体?」

「それで、もう一つはアレの事か……そしてもう一人も。」

 

ロマ二が何か気になる事を言ったので、思わず聞き返していると竜也さんが近くの河川敷に目を向けたので追って視線を送ってみたの。

 

「あら?気付かれていましたか。」

 

明らかに生気の無い白い肌、常軌を逸脱した眼光、そこに居るだけで放たれる威圧感、今最も遭遇したくない存在だったわ。

それと、もう一人?

 

「この私にも気付いていたか……。」

 

暗がりから体の細長い、この世のものとは思えない妖気を発生させてる男が現れた。

 

「サーヴァント……!」

「所長、マスター、それからえぇっと兎角!私の後ろへってあの前に出ないでください!」

「俺は大丈夫!それより二人をしっかり守るんだ。クロノチェンジャー!」

「なっ?」

「ダブルベクター!」

 

嘗て人類史に名を遺した英霊たちを霊核で作った依り代に魂を憑依させた使役魔……最悪よ何もかもが最悪よ!

覚悟が足りないマスターに成り立ての新米若葉マークデミサーヴァントいくら何でもこちらの戦力が不安でしかない!

泣いていいかしら?

不安要素満載で対敵してしまい泣くしかないこの状況で、竜也さんだけだ覚悟を決めていた。

私達の前でタイムレッドに変身すると、長短一対の双剣ダブルベクターを取り出しサーヴァント二体と対峙したわ。

確かに未来の技術で作られたあのスーツなら、あわよくばサーヴァント一人ぐらいなら押さえられるかも知れないでも相手は二人よ、どうするつもり?

 

「ふむ、我らを前にして怯えぬから常人ではないと踏んだが……。」

「しかし、私達は二人協力するつもりありませんが、それでも数の上ではこちらの優位に変わりありませんよ?」

「不利は承知だよ、それでもここであの子の後ろで隠れてるなんて選択肢はないんでね……行くぞ!」

 

覚悟が言葉に現れて気迫となって彼の体を突き動かしていたのを会話の中で察せたわ、経歴がどうあれ彼も人よ怖くないわけないじゃない!

同じ男としてあそこまで度胸を見せられて、貴方はまだか弱い一般人でいるつもり藤丸?

どうあっても、貴方は今マシュのマスターなのよ、オドオドするな敵を見据えろ!目の前で、私達を守って戦ってくれてる彼をこのまま一人で戦わせておくつもり⁉

 

「……マシュ、行ってくれ。俺は大丈夫だから……。」

「マスター⁉でも!」

「あの人は俺達の分まで戦ってくれてる……本来なら俺たち自身がやらなければならなければいけな事を自分の分も含めて引き受けてくれてる。」

「私たちの戦いは、私達で片づけなければいけない……分かりました。」

 

何よ、いい目をするじゃない……でも覚悟を決めるのが遅すぎよ。

竜也さん、大分押されてる……このままじゃ!マシュも、頑張ってはいるでもやはり動きが鈍いから近づけないし。

 

「へぇ~やるねぇ、兄ちゃん達手ぇ貸してやろうか?」

 

突然、明後日の方向からの声はチャラくはあっても貫録を感じて、敵も含め攻撃の手を止めて声の方を見たの。

フードを目深くかぶり視線だけが覗く、大柄な体つきの魔術師風の男、この男もサーヴァントね。

でも敵意は感じない、取り敢えずは味方と取っていいかもしれないわ。

 

「……彼女の援護を頼めるか?」

「おう!任せろ!」

 

全体としても楽観は出来ないけど、少なくともこの一戦だけは希望が持てそうね……良かった~!

一先ずは、か細い糸が繋がったわね……。

 

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