〜if〜 いつかまた、この場所で。   作:ガイア#闇

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初投稿になります。使い方とかあんまわかんなくて読みづらい部分あるかもですが、暖かい目で見て頂けると嬉しいです。では早速本編をどうぞ。


プロローグ 出会い
邂逅〜久賀零哉side〜


 

「______……あり………う…………」

 

 

「……嘘だ…………やめろ………やめるんだ……!やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

◆◆◆

 

 

「………ハッ!!…」

 

「ハァ……ハァ………何だ……?」

 

何かとんでもないものを見た気がする。

そんな気分で僕、久賀 零哉(くが れいや)は目を覚ました。

今までにないぐらいの量の汗を全身に帯びている。

悪夢、の類に入るのだろうか。生まれて初めて見た気がする。

 

「気分が悪いな……風呂にでも入るか」

 

身体中がベタベタで気持ち悪い為、着替えを持って風呂へ直行する。

風呂をパッと済ませ、家にあるもので適当に朝食を取ってから学校の準備をする。

 

「………」

 

さっき見た夢が頭に焼き付いて離れない。

夢であるため詳細は覚えてないが、何故か忘れてはいけない事のような気がしてずっと引っ掛かっているのだ。

殺風景な空間。無機質に響く僕の慟哭。白い服に血を染み込ませて倒れている…1人の少女。

 

「なんだろう……あれは本当に夢なのか?僕はあの風景を…。」

「……準備しよう。」

 

考えていても仕方がないので大人しく準備をして、いつでも家を出られる状態にしておく。

 

いい時間になってきたところで、ブレザーを羽織り、鞄を持って家を出る。

 

ちなみに僕は"東雲(しののめ)高等学校"という高校に通っている。通っていると言っても今日が入学式なのだが。女子高である"花咲川女子学園"の近所にあり、学祭シーズンはお互いに絡むことが多いそうだ。ちなみに花女も今日が入学式らしい。…まぁ、どこの学校もそうか。

 

 

商店街を歩いていると、制服を着た人がちらほらと見える。制服を見るにうちの高校ではなく、花咲川の生徒だろう。これからお世話になるんだろうか。

そんなことを考えた後、早く学校に着くべく歩く速度を上げようとしたときに僕は気づく。

 

昼 飯 が 無 い と。

 

そういえば朝はあの夢のことで頭がパンパンだったから、昼飯のことまで気が回らなかったのだろう。

仕方ない。

幸い財布は持っていたので、なんとなく目に付いたパン屋、

名前は…"やまぶきベーカリー"だそう。そこに入っていく。

 

鈴の音と共にパンのいい香りがする店内へ入ると、

 

「いらっしゃいませー!」

 

と、元気な女の子の声が聞こえる。ローズブラウンの髪の毛を、後ろで1つに縛っている女の子。どうやらこんな時間から店番をしているようだ。僕と同じぐらいの歳に見えるが…よくやるなぁ。

 

などと考えながら、パンを一瞥。

うん、全部美味しそう。どれを選べばいいかわからない。僕はこのお店どころか、パン屋にすら行ったことがないのだ。

店員さんに聞こうかとも思ったが、周りには客も沢山いるのでとりあえず適当に3つ選んでレジへ持っていく。

 

「これ、お願いします。」

「………あ、はい!合計で324円になります。ありがとうございました!またお越しください!」

「はい。ありがとうございます。……………。」

「あのー……?」

「ああ、すいません!ありがとうございましたっ!」

 

そんなやりとりを終えて店を出る。

 

「今の女の子にはビックリさせちゃったかな…次来ることがあれば気を付けなきゃな。」

「……でも、なんだろう。さっきの女の子、何故か既視感があるんだよな…朝の夢もそうだし。………まぁ、考えていても仕方がないか。」

 

そう思い、先程買ったクリームパンを歩きながら貪る。

 

「……美味しい………!」

 

 

やはり"ベーカリー"というだけあって、今まで食べてきたパンとは比にならないぐらい美味しかった。

 

 

帰りにも寄ろうかな。

などと考えている間に学校へと着いたようだ。

校門の前に人影が見える。

 

 

「あ、おーい!零哉ー!」

 

「あぁ、凜空か。おはよう。」

 

今僕の事を呼んだのは、小学校3年生からの親友である

月城 凜空(つきしろ りく)。アクティブな性格で、いつも元気だ。僕の家庭の事情を知っている為か、僕を気遣って同じ高校に進学してくれた。ちなみにこいつは中学時代かなりグレていたので、人よりは強かったりする。前に僕とバンドをしていた時は、ドラム担当だった。

 

「っはよ、零哉。クラス表貼り出されてるって。見に行くか!」

「うん。行こう。」

「…お前、"あの傷"、大丈夫か?」

「………まだ痛むけど、大丈夫だよ。」

「…すまん。悪ぃ事思い出させちまったな。ほら、クラス確認しとけ!」

「あ、うん。…えーっと、久賀…久賀………あった!A組の8番。凜空は?」

「お、俺もお前と一緒だな!」

「あ、ホントだ…」

「改めてこれからよろしくな!零哉!」

「はいはい。今更挨拶なんて要らないから。置いていくよ。」

「ちょちょちょっと待てよぉ!なんか冷たくねぇ!?」

 

そんな凜空との会話を終えて、教室へ向かう。

 

 

◆◆◆

 

 

ー東雲高等学校 1-A 教室ー

 

「俺の席は……ここか!…ふぅー!……なーんか落ち着かねぇな」

「凜空、挙動不審だよ。ちょっと落ち着いて。」

「そうは言ってもさぁ…」

 

と話していると、

 

「あれ、零哉と凜空だ。」

 

と女子。

こいつも凜空と同じく小学3年生からの知り合いである

音海 梓(おとみ あずさ)。梓は頭が良く、行こうとしていた高校は偏差値がバカ高い所だったのだが、「剣道部がない」という理由でここにしたそうだ。また、僕と一緒にバンドをしていた時はベース担当だった。こいつも僕の事を分かってくれている人物の1人で、僕が信用出来るのは凜空と梓だけと言っても過言ではないだろう。

 

「梓!先に来てたのか。…なーんかここまで来ると腐れ縁って感じがするよなぁ」

「「確かに。」」

 

そう。僕達3人は小学3年生から今に至るまでの6,7年間、ずっと同じクラスなのだ。昔一緒にバンドをしたりもして、もうずっと仲が良い。凜空の言うこともよく分かる。だからこそ信頼できるのだが。

 

 

◆◆◆

 

 

ー東雲高等学校 玄関前ー

 

「だぁあ〜つっかれた~~!俺入学式が1番嫌いかもしんねぇ」

「あ、それ分かる。アタシもああいう環境にずっと居るの無理かも。」

 

何があったかと言うと、入学式ということもあって張り切りすぎた校長の"ありがたいお話"を延々と聞かされていたのだ。しかも生徒の数が多い。人酔いしやすい人は1発アウトだっただろう。

 

「んで、今日は?この後なんかするか?」

「アタシは疲れたので帰りますー。」

「りょーかい。零哉は?」

 

どうしようか。このまま遊びに行ってもいいが、寄りたい所があったので断っておいた。

 

「ごめん。今日は遠慮しておくよ。僕も疲れたし、寄りたい所があるから。」

「分かった。じゃあまた明日な!」

 

そう言って凜空は先に帰った。

 

「ん、じゃあね。」

 

そう言って僕も帰ろうとすると、梓に呼び止められた。

 

「あ、待って、零哉!」

「ん?どうしたの、梓。」

「あのさ……前にも言ったけど…もっと、アタシ達を頼って欲しい。なんか今の零哉、すっごい無理してるように見えるから…」

「ありがと、梓。僕は大丈夫だよ。逆に心配かけてごめん。」

「そっか。分かった。でも、一人暮らしもしてるんだし、大変でしょ?本当に無理だけはしないでね?何かあったら連絡して。助けるから。」

 

すると、帰ったと思われた凜空も戻ってきて僕に言った。

 

「俺からも言わせてくれ。お前、"あの事件"があってからまだ少ししか経ってないんだ。すぐ切り替えられるのはお前の良い所だと思うが、今のお前は…梓も言ってた通り、ちっと無理しすぎてるように見える。せめて俺らの前では……」

「ははは。二人とも優しいな。でも、僕は大丈夫だよ。心配してくれてありがとね。じゃあ。」

「あ!……。零哉、大丈夫かな……」

「同感。心配だよな…。」

 

梓も言っていた通り、僕は過去の出来事が切っ掛けで一人暮らしをしている。何があったのかはまた今度話す事にしよう。まぁとりあえず今日は夜ご飯を作るのがめんどくさいので、朝にも寄ったやまぶきベーカリーでパンを買って、それで済まそうと思った為、やまぶきベーカリーへと向かう。

 

 

◆◆◆

 

 

ーやまぶきベーカリーー

 

 

「こんにちはー。」

 

あれ、誰もいない。もう閉店してたのか?

そんなことを考えていると

 

「すいません、こんにちは!」

 

と、この前の女の子が店の奥から出てきた。

 

「あれっ、キミ、もしかして東雲高校の1年生?」

「そうですけど…なんで分かったんですか?」

「今朝も来てくれてたし、制服で分かったよ。」

 

…あ、そっか。

 

「そうだ、僕は久賀零哉って言います。貴女ももしかして花女の生徒ですか?」

「お!良く分かったねー。私は山吹 沙綾(やまぶき さあや)。ここの看板娘で、花女の1年生!よろしくね、久賀君!…あ、お互い歳一緒なんだし、敬語は要らないからね!」

「わかりm……。わかったよ、山吹さん。」

「さん付けも無ーし!」

「………。分かった、よろしくね、沙綾。」

「ん、よろしい!」

「僕だけは不公平だから、やm…沙綾も僕の事、好きに呼んでくれて構わないよ。」

「わかったよ。零哉、でいいかな?」

「うん。改めてよろしくね。」

 

こうして沙綾と仲良くなった。山吹沙綾、か。覚えておこう。ここにはきっとこれからお世話になるし。

 

「前に初めて食べたんだけど、ここのパン、すごく美味しいね。」

「そう言ってくれると嬉しいなー。今後ともご贔屓に!」

 

何この眩しい笑顔。

 

「うん。きっと毎日のようにお世話になるよ。…何を買って行こうかな?」

「零哉、まだ1回しか来たことないよね? だったら、メロンパンがオススメだよ。」

「メロンパンか。いいね!それを貰おうかな。」

「毎度あり。1つで良かった?」

「夜ご飯も兼ねてるから、もう少し欲しいかもな…」

「だったら、ここにあるピザパンとかコロッケパンが良いよ。」

「なるほど…じゃあそれも貰うよ。はい、お代。」

「毎度どうも!……零哉、夜ご飯って言ってたけど、家には誰も居ないの?」

「うん。今一人暮らしをしてて。今日は珍しく夜ご飯を作るのが面倒だったから…」

「そっか…。大変だね。 会ったばっかりで信用して貰えないかもしれないけど、何かあったら助けになるよ。」

「うん…ありがとう、沙綾。」

 

………変だ。

"あの事件"があってから僕は、心を開いた人にしか信頼しないし助けも請わなくなったのだが…沙綾はなぜか、すぐに信用できた。

というか、信用できる。そんな気がした。

と不思議に感じつつも、仲良くなれたなら良かったと割り切って考えるのをやめた。

 

 

「ここのパン美味しいし、また来るよ。」

「気に入って貰えたならなによりだよ〜。」

 

友達、と呼べるのか?そういう存在が増えて……少し、嬉しいかもしれない。

 

「じゃあ美味しいパンも買えたし、僕はそろそろ帰るよ。またね、沙綾。」

「また来てねー!」

「もちろん!」

 

そう言って、やまぶきベーカリーを後にした。

 

 

◆◆◆

 

 

ー自宅前 路地ー

 

「なんか今日は充実してた気がするな。」

 

そんな事を呟きながら家へと向かう。まぁ実際友達と呼べる存在が凜空と梓以外にも増えた為、充実はしていたのだろう。

 

そうしているうちに自宅へと着いたので、鍵を開けて家へ入る。

 

「ただいまー。」

 

そう言って僕は家に入り、

 

 

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次はプロローグ沙綾side挟んでから話の本筋入ります!
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