〜if〜 いつかまた、この場所で。   作:ガイア#闇

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3週間(迫真)
ごめんなさい。ってなんかいっつも言ってますね。
忙しすぎて疲労やばくてなかなか手が付きませんでした(言い訳)
またガッツリ空くかもしれないんですけど許してください。

ポピパ結成まではほんとにアニメ1期に沿って進みます。あ、細かいとこの時系列は場合によっては多少前後するかもです。

今回こそ"あのシーン"です。どうぞ。



夢と枷

「沙綾ちゃん、バンドやってたんだ。」

「中学の頃から…。凄いね。」

 

僕たちは、沙綾のことについて夏希から話を聞いていた。

 

「ねぇ、夏希。ライブは…。」

「ライブは…結局、できなかった。」

「なんで?」

「理由は、色々あるんだけどね。…沙綾、何も言ってくれないから。1人で悩んで、全部1人で決めちゃって。何も言ってくれなくて。……戸山さんたちのチラシ見て、嬉しかったんだ。」

 

夏希はそう話してくれた。…辛かったろうに。

…。

 

「…夏希。話、しよう。」

「え…?うん…。」

「みんなはここで待ってて。」

 

そう言い、僕は夏希と外へ。

 

「色々、聞きたいことはあるんだけどさ。…夏希は、どうして香澄たちのチラシで"嬉しい"と思ったの?」

「戸山さんたちが沙綾を勧誘してるの、見て。これなら沙綾も楽しくバンドやってくれるんじゃないかな…って。」

「夏希は…さ。沙綾に、戻ってきてほしいって思わないの?」

「そんなことないけど…今の沙綾が輝けるのは、うちじゃないよなぁ…って。」

「そうか…。」

「私たちに気を遣わせたくないからって沙綾は辞めちゃったんだ…。気を遣わせてたのは私たちの方だったんだよ…。」

 

これが夏希の本心だろう。これを沙綾に言い出せずにいたのではないかと推測した。

すると、夏希が僕に言った。

 

「ねぇ、零哉。お願いがあるんだけど。」

「ん?僕にできることなら言ってよ。」

「沙綾を…助けてあげて……」

「!………わかった。善処するよ」

「…ふふっ。信用ならない。」

「酷いなぁ…」

 

ともかく、夏希からの願いは承った。沙綾を助けよう。夏希や、香澄たちのためにも…。

 

◇◇◇

 

 

夏希との会話を終えた僕は店内へと戻った。ちなみに夏希は随分とスッキリした顔で帰っていった。

 

「戻ったよ。だいぶ日が落ちてきたけど………沙綾のところ、行くんでしょ?」

「すごい!零哉、超能力者?」

「やっぱりアタリか。」

「レイ君も来るよね?」

「もちろん行くよ。」

 

そんな会話をし、僕たちはやまぶきベーカリーへと足を運んだ。

 

 

 

◆◆◆

 

ーやまぶきベーカリー前ー

 

 

沙綾と香澄が話している。

沙綾のバンドのことを言ったみたいだ。

 

「さて、どうなるかな…」

「別に、どっちでも良いし。」

「有咲、顔が不安そうだよ?」

「う、うるせぇな…!!」

 

おたえ、ツンデレキラーすぎる(確信)

 

すると、香澄と話していた沙綾は店の中へ。

それを見た香澄は、僕を見て手招きした。…来いということだろうか。……仕方ない。

 

「ちょっと呼ばれた、行ってくるね。」

「零哉くん…!」

「頼んだぞ、零哉。」

 

 

◇◇◇

 

ー沙綾の部屋ー

 

「零哉も来たんだ。」

「一応CHiSPAとは関わりがあるからね。」

「え……?」

「そうか。沙綾には言ってなかったね。実は僕もバンドやっててさ。CHiSPAとはその時に仲良くなったんだ。…もっとも、その時には沙綾は居なかったけどね。」

「そっか。そうだったんだ…。」

「ねぇ沙綾。………夏希が、全部話してくれたよ。」

「…ナツから聞いたんだ。」

「でも、今本当に話すべきは僕じゃないよね?」

 

そう言い、香澄を見る。香澄は察したようで、話を進めた。

 

 

◇◇

 

……なるほど。なんとなくわかったかもしれない。

沙綾がここまでバンドに加入するのを拒むのは、大きく分けて2つ。"今入っても練習不足で足手まといになるから" というのと、"家族を優先してバンドを疎かにしてしまうから"。

沙綾も、過去の経験で思うところがいくつもあったんだろう。

2人の話はまだ続く。

 

「だから今入ったって、迷惑かけるから…」

「私もかけた!」

「それは別に、迷惑だなんて…。」

「私も思わない!」

「一緒にやろ?お店忙しかったら手伝う!じゅんじゅんたちとも一緒に遊ぶ!宿題も見る!放課後ダメなら昼休みにやろう?」

 

…よく言った、香澄。

さて、沙綾はなんて返すだろうか。

 

「ダメだよ…。」

「ダメじゃない!」

 

香澄は沙綾の手を取る。

あくまで"ダメ"か。

…すると沙綾は、香澄に掴まれていた手を…解いた。

 

「…なんでダメなの…?」

「……バンド、嫌いになっちゃったの…?」

 

その言葉を聞いた沙綾は、途端に大声を出した。

 

「…!!そんな訳ないじゃん!!」

 

沙綾…そんなに思い詰めてたのか…

バンドに対する情熱、というか…それはまだ残ってるみたいだ。

…だったら、まだ遅くないはずだ。

だが…

 

「さーや?」

「香澄にはわかんない!ライブめちゃくちゃにして、みんな気遣って!自分のことより私のことばっか!それで楽しいの!?」

 

(……おい。)

 

「ナツもマユもフミカも、それで楽しいの!?私だけ楽しんでいいの!?良い訳ないじゃん!!」

「…あ……。」

 

(…やめろ。)

 

「一緒にやっても全然練習行けない!SPACE‪でライブしたいんでしょ!?もっと練習しなきゃ無理だよ!足手まといになるだけじゃん!!それでまたみんな気遣う…!"大丈夫だよ"って!大丈夫な訳ないじゃん…!楽しくできる訳ない!っていうかどんな顔して出ればいいの!!」

 

(…やめるんだ……!!)

 

「私の代わりに…誰かが損して……。だから辞めたのに……今更、できる訳ないじゃん…!」

 

(……っ!!)

 

「できるよ!!」

「できない!!」

「できる!!」

「できないってば!!」

 

僕の中で、何かが切れる音がした。

 

「…もうやめろ!!!」

「「え……?」」

「香澄には分かる訳ない?全部お前が1人で決めてるんじゃないのか…!?勝手に決めつけて、周りが気遣うからって自分が傷ついて!お前はそれでいいのか!?自分が傷つけば、周りが救われるとでも思ってるのか!?いい加減にしろ!!」

「ぁ……。」

「レイ君!やめて…」

 

血が上っていた僕は、制止する香澄を押しのけ沙綾に詰め寄った。

すると沙綾も負けじと噛み付いてくる。

 

「……っ!零哉に…零哉に私の何が分かるの!!ライブをめちゃくちゃにして、周りに迷惑かけることの辛さも分からない癖に!!」

「分からないさ、沙綾の考えてることなんて!!でも、夏希は言ってたよ、 "私たちに気を遣わせたくないから沙綾は辞めちゃった、気を遣わせてたのは私たちの方だ" って。沙綾は辞めて良かったかもしれない!でも、沙綾が居なくなった後のメンバーの気持ちを1回でも考えたことはあるのか!?」

「それは…私がいると、また迷惑かけちゃうから…」

「…なら訊くよ。他のメンバーから "迷惑だ" なんて、一言でも聞いたか…?」

「それは…っ。」

「もう、誰かが傷つくのは見たくないんだ…。解ってくれ……。」

 

僕はありったけの感情を、沙綾が変わってくれると信じて全てぶつけた。

すると、子供の泣き喚く声が聞こえた。

 

「うわぁぁぁん!!喧嘩しちゃだめぇぇ…!」

 

恐らく沙綾の妹だろうが…。号泣している。一部始終を見られていたのか…?

だとすれば、怖い思いをさせてしまったな。

 

僕はその子のもとに行こうとしたが、僕より先に香澄が彼女のもとへ駆けつけた。

必死であやしてくれている。…こういうところで機転が利くな、香澄は。

 

 

◇◇◇

 

とりあえず、ということで下に降りることにした僕ら。降りると、有咲から声がかかった。

 

「…おつかれ。」

「あ…。なんで?」

 

どうやら香澄は皆が居ることを不思議に思ったらしい。

 

「香澄が、零哉連れて先行っちゃったから。」

「声、下まで聞こえてたぞー。」

「純くん、びっくりしてお店のほうに逃げちゃった。」

「零哉の声聞いて泣きそうになってたよね。」

「ウソだろ……。」

 

そんな怖い…?

 

「…さて。私達は帰るか。そんな状態じゃ、話できないだろ。」

 

と有咲。3人ともすぐに出ていくと思ったが、僕にとって予想外の言葉が有咲たちから発せられた。

 

「……まぁ、ライブはどうでもいいんだけど。…知らない人よりかは、山吹さんのほうが…私は。」

「私も、沙綾ちゃんとできたらすごく嬉しい。」

「曲のデータ、送った。」

 

3人ともそう残し、帰っていった。

…いい奴らじゃん。

 

「…無理だってば。」

「…待ってる。待ってるから!!」

 

香澄もそう言い、出て行った。

 

「…。僕も待ってるよ。沙綾の、本当の笑顔が見られるのを。」

 

僕もそう残し、家を出た。…まぁ、連絡入れておいたんだけどね。"話がしたい"って。…言い過ぎたこと、謝らないと。

 

 

◇◇◇

 

 

〜沙綾side〜

 

「っ…!」

「おねーちゃん…」

 

紗南が心配そうに私を見ているので、そっと抱き締めてあげた。

 

「大丈夫だから…。…ごめんね?」

 

無理なのに…。今の私にバンドなんて……。

すると、私の携帯が着信を知らせた。

…零哉からだ。

 

"話がしたい。近くの公園まで来て欲しい。"

至ってシンプルな内容だ。でも今の私を決意させるのには充分すぎる内容だった。

 

「行かないと…。」

 

紗南は母さんたちに任せよう。

 

「紗南。おねーちゃん、ちょっとお散歩してくるね。母さんたちに言っといて貰える?」

「うん!わかった!」

「よし!偉い偉い!…じゃあよろしくね、紗南。」

「はーい!」

 

…零哉に強く当たったこと、謝らなきゃ。

 

 

◆◆◆

 

 

ー公園ー

 

〜零哉side〜

 

僕は公園のベンチに座って沙綾を待っていた。…連絡してから数分経つが、来る気配はない。仕方ないと帰ろうとしたその時、

 

「零哉!!」

 

と僕を呼ぶ声がした。沙綾だ。

すごい息切れしてる

 

「沙綾。走ってきたの?」

「うん。すぐ行かなきゃって思って…。」

「そっか。」

「……。」

「……。」

 

そこから少し沈黙が続いた。それを先に破ったのは僕、と思ったのだが。

 

「「ごめん!!」」

 

沙綾も同じことを考えていたらしく、 "2人同時に頭を下げて謝る" という傍から見るとなかなかに面白い状態が出来上がった。

 

「…ふ。」

「……はは。」

「あはははは!!おっかしー!零哉も同じこと考えてたんだね。」

「ははははっ!そうみたいだね。…少し、歩きながら話そうよ。」

「うん、いいよ。」

 

僕たちは公園近くの道路を並んで歩く。

 

「さっきはあんなこと言ったりして、ごめん。僕もバンドやってたから、"誰かの代わりに自分が"っていう沙綾の考えがたまらなく辛そうに見えて、つい。」

「…なんだ、心配してくれてたんじゃん。ありがと。…私も最初は"零哉にも香澄にも分かる訳ない"って思ってたけど……。零哉に説教された時、気づいたんだ。私、独りよがりだったんだな…って。だから…さ。気づかせてくれてホントに感謝してる。」

「そっか。それは良かったよ。…それで、なんだけど。」

「?」

「香澄たちとバンドをする決心がついたのか、教えて欲しいんだ。」

 

僕はそう訊いた。沙綾が今どう思っているのか、それが気になっていた。

 

「……まだ、決めてない。」

「そっか。…そうだよね。」

 

ダメだったかに思えたが、沙綾は続けた。

 

「でも、やってもいいかも…って、思ってる。」

「本当に…?」

「でもまだ決心しきってないからさ…明日、教えるね。」

 

すると、軽トラックが僕たちの方へ猛スピードで走ってきた。

 

「…っ!!」

 

このままでは危ないと思った僕は、咄嗟に沙綾を抱き寄せて端に寄った。

 

「あっぶな…。なんだよあの軽トラ。」

 

その時僕は沙綾を抱きかかえたままだったことに気づいた。

あと色々当たっt((

 

「零哉…?///」

「うおぉぉごめんっ!!恥ずかしかったよねっ!!」

「えーと…まだこのままでもいいって言うか…

 

沙綾が何が言ったっぽいが良く聞こえなかった。

 

「? ごめん、良く聞こえなかった。何て言ったの?」

「なっ、なんでもない!!とにかく明日ね!」

 

そう言って風のように去っていった。

 

「…女子ってわかんないなぁ……。」

 

しかし、沙綾を見送ってから僕は気付く。

明日が花女の学校祭ということに。




次でよーやっとポピパ結成でござる!それが終わったらどんどん零哉にフォーカス当ててオリジナル展開とか作っていくんでよろです!
次の更新は未定ですがなるべく早めに更新できるよう頑張ります。

あと今の章を1章→ 0章に変更しました。よろしくお願いします。
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