俺の親友は前世は男だったけど、今は幼女になった 異世界カルテット   作:ボルメテウスさん

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異世界かるてっと⑩

「最終競技になった訳ですが、このバランスは酷いだろ!」

 

思わず私は叫びたくなったが、だってそうだろうが!!

 

未だにくじを引いていない私だが、この戦力差はひどすぎるぞ!!

 

アインズグループはなんかよく分からないがドラゴンのような巨大な生き物。

 

スバルグループはなぜか乗り気になっている先生。

 

カズマグループに至っては戦闘機だぁ。

 

「こんなの勝てるか!!」

 

「そもそも俺達はどうやって操縦するんだよ!!」

 

「かぁずまさぁん!!」

 

「泣くな、泣きたいのはこっちの方だ!!」

 

後ろで何やら騒いでいるようだが、下手な乗り物を当てると、確実に負けてしまう、ここはしろがねの運に任せるしか

 

「しろがね?」

 

くじを引いた瞬間から、何やら固まっているようだが、大丈夫か?

 

心配になって、私はしろがねを見てみると

 

「ぎひ」

 

「やばい」

 

この表情がどういう意味をしているのか即時理解した私はふと後ろから出てきたトランクに目を向けると、まさに予想通りの代物があった。

 

「トランクケース?

おい、まさか魔法のトランクケースなのか?」

 

「魔法の?

それって、どういうんだい?」

 

「あぁこう空を飛ぶ事ができる不思議なケースだ。

そういう感じだと思うが」

 

「当たっているようで、全然違う、私の予想が正しければ、やばいぞ」

 

普段は鳴りを潜めているが、しろがねが一番好きな物がここにあるという事は

 

「えっと、しろがね」

 

そう言っている間にしろがねは無言でトランクケースを開けると、中から出てきたかぼちゃを見ると、顔は三日月の笑みを浮かべていた。

 

「かぼちゃですか?」

 

「ふむ、色々と気になるが、一番は」

 

「「「「「「しろがねがやばい顔になっている」」」」」」

 

「しろがね、やばい、その顔はやばい!!」

 

普段は私の方がこういう役割を持っているが、しろがねはこういう事になるとかなり危険だ!!

 

「行くぜ、ターニャ!!

これがあれば無敵だぜ!!」

 

「あぁ、もう無理だった!!」

 

既に暴走状態になっているしろがねを止める事は出来ず、諦めて私はしろがねの後ろに乗る。

 

するとまるで今までも使っていたように手慣れた動きでかぼちゃの頭に手を入れ、そこから糸を取り出した。

 

「さぁ行くぜ、ジャコ!!」

 

その言葉と共にジャコは動き出した。

 

このジャコ、通称、ジャック・オー・ランターンはしろがねの原点ともいうべきからくりサーカスに出てくるからくりの一つであり、しろがねが最も気に入っているからくりだ。

 

「アニメの不満をここで晴らそうぜ!!」

 

「しろがね、何かとり憑かれていないか!!」

 

そうとしか思えないような声と共にしろがねはジャコを操作を行った。

 

それはもうかなり凄いレースが行われた。

 

おそらくだが小説で行うとしたら、まるまる一冊は行える程の大ボリュームの内容となっており、アインズの魔法、スバルの奇策、カズマの奇策、そしてしろがねの暴走といった数々の名場面が生まれた。

 

だが、その話を書いていると、とてもではないが作者の技量とやる気が続かないという非常に残念な事もあり

 

「優勝はターニャ&しろがねペア」

 

「やっしゃあああ!!」

 

そんな事もあって、無事に優勝を遂げた。

 

ついでにこの時のごく一部の観客には

 

「しろがねさんの暴走がやばかった。

まさか、あのかぼちゃがドラゴン相手にあんな事をするとは」

 

「なんか魔法とか関係なく斬っていたよ。

普通あり得なさすぎる」

 

「あぁ、あの糸で縛られながら、屈辱的な事があれば」

 

なお、一部は変態的な発言があったが、気にしないでくれ。

 

とにかく、しろがねのおかげで無事に優勝できた。

 

「優勝おめでとう。

優勝した君達には、今回のレースで使われたマシンをプレゼントしよう」

 

「はぁ!!」

 

その言葉を聞いて、私は思わず怒りで声を出してしまう。

 

なんで、あのバイク擬きに林檎が商品なんだ!!

 

「ついでにアクセル君は妻がいるという事で家に、エヴァは修理に出している」

 

「ならば、実質ジャコのみだな」

 

まぁジャコならば、多少は問題あるがしろがねが喜ぶから

 

「いやぁ、すげぇな、本物じゃないか!!」

 

未だに暴走を続けているしろがねに対して、どう接したら良いのか分からないが。


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