俺の親友は前世は男だったけど、今は幼女になった 異世界カルテット 作:ボルメテウスさん
「いらっしゃいませ」
店番を行っていると、誰かが来たので挨拶をしてみると、そこに来ていたのは見覚えのある人物だった。
「ほぅ、まさかあなたがこのような場所で会えるとは」
「・・・デミウルゴスか」
目の前に立っているスーツ姿の人物はこの前のアインズと会う時にいた人物であるデミウルゴスだった。
何やら守護者という役目を持っている人物なのは、本人が自己紹介をした時に聞いたので知っているが、それ以外は謎の多い人物であり、尖った耳などを見る限りだと、あの集団と同様に人外の存在だと思われる。
「ここに珍しい物があるとは聞きましたが、まさか珍しい者だとはね」
「そうかな?
俺以外にも店長などは大変凄い方ですよ。
良かったら、会ってみます?」
「遠慮しておきます。
本日は噂も気になり、アインズ様に無理を言って町の偵察をしていた所だから」
「ふぅん」
アインズから聞いた話だと、元々はゲームキャラの一人だったらしいが、転移をした影響で本物になったと聞いたが、どうやら話を聞いている限りは本当らしい。
アウラ達も、当初は俺を警戒していたようだけど、向こうの話を聞いたり、杖などをぶつけようとした時に叱ったりすると、なぜか不思議な顔をしていたが
「時に聞きたい事がありますが、あなたは一体何者なんですか?」
「何者って、俺はただの人間だ」
「ただの人間がアインズ様と同等に話せる訳がありません」
「そうか?」
アインズから聞いた話だけでも、守護者はアインズの事を絶対的な存在として崇めているので、そういう人物だと思い込んでいるらしい。
「話してみると、色々と知っているよ」
「そのような知ったかぶりな事を?」
「それはこっちのセリフだよ」
「なんですって?」
何やら冷静を保てない様子のデミウルゴスに対して、俺はとりあえず聖水を取り出す。
「デミウルゴスさん。
俺も人の事は言えないけど、どんな物だって意外な所がある。
聖水というのは知っているよね」
「えぇ様々な用途で使われている物です。
我々にとっては厄介な存在ですが」
「そうだね、だけど人間達にとって聖水は悪魔に対して使う物としか考えている人もいる。
だけど聖水は本当は人間にとっても厄介な物なんだよ」
「なぜですか?」
「聖水が主に置かれている場所は教会などが多いけど、不衛生な場所に置かれている為に清潔な状態を保てなくなり、病の元になる可能性がある。
そういう事もあって、人間にとっても天敵になる可能性があるんだ」
「なるほど」
その話を聞き、面白い事を聞いたばかりに笑みを浮かべる。
「確かに素晴らしくもあるけど、一つの側面だけを見て考えていると、その人の本当の意味での素晴らしさが分からない事もある」
「様々な側面での考察ですか」
そう言い、デミウルゴスは眼鏡をかけなおしていた。
「確かに私はこれまでアインズ様を絶対的な至高の存在だと考えていましたが、一つだけ弱点だと思われる所はあります」
「へぇ」
「まぁそれを教える訳ではありませんがね。
ですが、あなたの考えは確かに面白い」
それだけ言うと、デミウルゴスは一通りの商品を持ってきたので、会計を済ました。
「まぁ確かに悩む事はあるけど、暇だったら話をしよう。
まぁ、そんなに話せる事は多くないと思うけどな」
「・・・」
「んっ?」
俺は最後に皮肉を言ったつもりなのだが、なぜかデミウルゴスは少し呆然とした表情で俺を見つめた後、少し笑みを浮かべた。
「なんだ?」
「いえ、少しだけ思い出しただけですよ、私にとって、大切な方を」
「んっ?
そう言えば、アウラとマーレもそんな事を言ったな?」
「そうですか。
なるほど」
なにやら納得したようだけど、一体なんだ?
「あの二人があなたの事を気に入った理由ですよ。
人間相手にと最初は思いましたが、確かにアインズ様も気に入る訳です」
「いや、難しい話をされても困るんだが」
大体、何に似ているというんだ?
「気分が良くなったので、一つお礼をしましょう」
そう言い、デミウルゴスが取り出したのは何かのアイテムのようだが
「鍵?」
「えぇ、これは余りにも使い道のないアイテムでしたが、今のあなたには使えるでしょう」
そう言うと、手錠にある鍵穴に入れると俺の手錠の鍵が開いた。
「うわぁ、それ、万能だな」
「えぇある程度までは解けるアイテムなのですが、私達の間では不要な物ですがね」
「しかしどうするかねぇ、俺は一応は捕虜だから、こういうのは」
「それはあなたの世界での話でしょう。
この世界においてはそれがない以上何も問題はありません。
それに、もしもの時は私達の所へ来ればよい」
「なんか気持ち悪いな、お前、そんなキャラだったのか?」
「ふっ、さぁ。
まぁ入る場合は人間ではなくなりますがね」
そう言い、デミウルゴスは今度こそ立ち去っていった。
「一体なんだったんだ?」
「かつての主人を思い出したのさ」
「うわぁ、店長何時の間に!!」
デミウルゴスが何を思っていたのか、分からずにいたが、後ろから突然立っていた店長に驚いて、俺は思わず振り向いた。
「なに、吾輩程の悪魔になれば、あの程度は読めるぞ」
「はぁ、それで一体何が原因で?」
「吾輩はそういうのは余り話さないが、奴はお前にかつての主人の面影を重ねたのだろう」
「面影?」
何を言っているんだ?
「まぁそれ程気にする事ではない。
それよりも、他の客が来たぞ」
「あっいらっしゃい!!」
「よぉ、しろがね。
お前こんな所でバイトしていたのか」
「おぉ、ターニャか、見てくれよ」
「んっ手錠か?
それが・・・」
「いやぁ、さっきデミウルゴスが手錠を外してくれたんだ。
まぁ元の世界に戻ったら、また繋げないといけないと思うけど、この世界にいる間はこれで一安心だけど、あれ?」
「そっそうか、それは良かったな。
(なんていう事だ!!いや、確かに喜ばしい事だよ。生活に支障は出るからそういう事では確かに外して欲しいと思ったが同時に外れたくないと思っていた。
だって、手錠があるから私達は同じ部屋で寝れたし、着替えの時にセクハラのような事をして「あっすまない手が滑った」と言っても誤魔化す事ができた。
だけど、それがなくなった以上、私はこれ以上の干渉はできない!!
くっデミウルゴスという奴め、今度会ったらどうしてくれようか)
まっまぁ、今更外れても、今の生活はあまり変わらないだろうな」
「まぁな、料理は手伝えるし、着替えもターニャに苦労をかけなくなるから、少しは良くなるかもな。
よし、今日は俺が腕を振るって作るぞ」
「あっあぁ楽しみにしているぞ(これも存在Xの仕業か!!まさか、奴が!!)」
「ぷっくくく!!」
「どうしたんですか、店長」
「いや、吾輩としては、これ程面白い関係はなくてな」
何やら店長が震えているようだけど、どうしたんだろうか?
「なんだ、この仮面の怪しい人物は」
「この店の店長のバニルさんだよ。
悪魔らしいんだ」
「よろしく頼むよ、ターニャ君」
「あぁ」
そう言い、握手すると、同時にターニャが何やら震えた。
「どっどうしたんだ!!」
「なんでもないっ!!」
何やら衝撃的な事を知って、驚愕な表情で見つめていた。
「お客様、こちらなどいかがでしょうか?」
「・・・買った」
そう言い、何やら買ったが
「何を買ったんだ?」
「なっなんでもない。とにかく、また家でな」
そう言い、何やら慌てた様子で店を出ていったが
「どうしたんだろう?」
「さぁな」
終始、笑いを堪えているようだが、何があったんだ?