UNDERTALE   作:白蜜

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#2 Ruins

「新しい家へようこそ、我が子よ。ルインズの歩き方を教えてあげるわね。」

地面に、規則的に置かれた6つのボタンがある。トリエルがそのうちの4つを押して壁にあるボタンを押すと、ガシャンと奥の扉が開いた。

「ルインズにはパズルが沢山あるの。昔ながらの気晴らしと鍵の合わせ技ね。部屋を進むにはパズルを解かないといけないの。よく見て慣れていってね。」

壁には張り紙があり、『恐れを知らない者だけが進める。賢い者も、愚かな者も。どちらも中道は歩かない。』と書かれている。どうやらパズルのヒントのようだ。

トリエルに連れられ次の部屋へ入った。

 

「ここを進むには、いくつかスイッチを押すのよ。心配しないで、私がスイッチに印を付けておいたわ。」

『道の上を通るべし。』という張り紙の通りに道を進んでいくと、壁にいくつもの矢印で強調されたスイッチを見つけた。よく見ると『このスイッチを押してね ートリエル』と書かれてある。

スイッチを押して奥に進むと、また同じようなスイッチの横に『このスイッチも押してね。 ートリエル』などとご丁寧に書いてある。2つのスイッチを押すと、奥の扉が開いた。

「よく出来ました!お利口さんね、我が子よ。」

「へへ…」

「さあ、次の部屋へ行きましょうか。」

 

今度はマネキンが一体置いてある部屋のようだ。

「モンスターたちは人間を見つけると、襲ってくることもあるわ。その時のために準備をしておかないとね。」

「襲ってくるの?戦わないといけないの?」

「心配しないで!大丈夫よ。モンスターに遭遇すると戦闘が始まるの。戦闘が始まったら仲良くお話すればいいのよ。時間を稼いでくれたら私が仲裁するわ。このダミーで練習してみましょうか。」

どうやらダミーというマネキンと戦闘の練習をするようだ。ダミーに近づくと、ソウルが赤く光った。

 

 

※ダミーと遭遇した。

※ダミー ー ATK 0 DFS 0

※綿の心臓とボタンの眼

※目に入れても痛くない位可愛い

「………」

※ダミーは今にも倒れそうだ。

 

※あなたはダミーに話しかけた。

※…ちぐはぐな会話だ。

※トリエルはあなたを見て喜んでいる。

 

※あなたは勝利した!0 XPと0 goldを得た。

 

 

「わぁ、良いわね!よくできました。」

「これで、いいの?」

「ええ。次はこっちよ。」

本当にただ話しかけるだけでいいのか不安だったが、心底嬉しそうなトリエルを見て少し安心した。

「パズルはもう一つあるわ…解けるかしら?」

不安そうなトリエルの後ろを歩いていく。

 

 

※フロギーが襲ってきた!

※フロギー ー ATK 4 DFS 5

※この敵にとって人生とは難題そのものであるようだ。

※あなたはフロギーに話しかけた。

※前を歩いていたトリエルが振り向いてフロギーに睨みを効かせた。

※フロギーはすごすごと去っていった。

※あなたは勝利した!

※0 XPと0 goldを得た。

 

「その調子よ。」

先に進むと、下から針が出てとても歩けそうにない通路があった。

「これもパズルね、だけど…少しの間私の手を握っていてね。」

トリエルに手を引かれ針の上を歩くと、なぜかトリエルが進む先だけ針が引っ込んで怪我1つなく渡り切れた。

「これは今のあなたには少し危険すぎるわ。」

しばらくしたらここも1人で歩けるようになるのかなぁ、なんて考えてるうちに次の部屋に着いた。

 

「ここまで本当によくやってきたわ、我が子よ。けれど…ちょっと辛いことをしないといけないの。」

「辛いこと?」

「…この部屋は一人で進んで欲しいの。許してね。」

そういうと返事する間もなく足早に去っていった。

急展開にドキドキしながら未知の通路を進んでいく。冒険の始まりだ。

 

数十秒ほど進むと柱の影からトリエルが出てきた。

「心配しないで、我が子よ。大丈夫。そばに居たわ。」

あまりにも早いエンディングに拍子抜けしたが、トリエルは続ける。

「私を信じてくれてありがとう。」

「ちょっと大げさじゃないかな」

「このお稽古には大きな意味があるの。…あなたが一人でいられるかどうかテストするためよ。私は今から用事があるの、だからあなたは待ってないといけないわ。ここにいてちょうだい、一人で探索するのは危険だわ。」

「ここで待ってればいいんだね。」

「ええ。あ、そうだ。携帯電話を渡してあげましょう。もし何があったらいつでも電話してね。いい子にしてるのよ、わかった?」

「うん。わかった」

「いい子よ、我が子。」

そう言うとトリエルは去っていった。

 

※ダイヤル中…

「トリエルです。」

「トリエル、こんにちは」

「こんにちは、我が子。」

「………」

「………」

「………」

「ただ挨拶したかっただけなの?うふふ、こんにちは。満足したかしら?」

「うん、ありがとう!」

※ガチャン…

 

※ダイヤル中…

「トリエルです。」

「トリエルのこともっと教えてほしいな」

「私のこと?うーん、あまり話すようなことは無いけれど。私はただの、心配性のおばさんよ!」

※ガチャン…

 

※ダイヤル中…

「トリエルです。」

「こんにちは、ママ」

「えっ…?あなたいま、私のことをママと読んだの?」

「そうだよ、ママ」

「あらあら…えっと…私のことをママと呼ぶことであなたは満足するの?

「うん」

「それなら、お好きなように呼んでくださいな!」

※ガチャン…

 

※ダイヤル中…

「トリエルです。」

「こんにちは、ママ!」

「こんにちは。どうしたの?」

「………」

「一人にしてごめんね。退屈よね。もう少しだけ待っててくれる?」

「わかった…」

「急ぐからいい子にしててね、我が子。」

※ガチャン

 

彼は退屈に耐えきれず歩きだした。少しの罪悪感は、少年の冒険心には遠く及ばなかったようだ。

【戯けてカサカサと木の葉の上を通りあなたは決意で満たされた。】

 


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