星と楓の異世界戦記(旧 2019年打ち切り)   作:ミュラ

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初めましてミュラです。
今回は日本国召喚の二次創作として『星と楓の異世界戦記』を執筆しました。
本作はいかなる国家や民族、集団、個人その他一切を貶める意図はありません政治的、宗教的意図もありません。
感想でもマナーのある内容で送って頂くようよろしくお願い致します。

この作品は仮投稿ですので、大凡30話ほど投稿し、皆さんの反応に様子見つつ修正・書き直しも考えています。


ではでは、今作の方よろしくお願い致します。


1超大国と異世界との接触

 ある日突如、当たり前のように使っているインターネットや回線、通信が全て消失するなんて想像したことがあるだろうか?

 

 世界中から発信される電波や信号、インターネット回線が全て消失するなど、強力な太陽嵐による地球規模で発生した磁場か、核兵器による第三次世界大戦が勃発した時くらいだろう。

 

 だが、全ての電波や信号、回線は消えることは必ず前兆が起きるが、前兆もない。

ましてや国家間で使用されるホットラインや軍事通信も同時に消えるということは繋がっている『相手』が存在しないか、だ。

そんな非日常的なことは起こるはずもない出来事が発生し、突如として起きた、それは星条旗を掲げる超大国を中心とする北米大陸国家群

 

『アメリカ合衆国』と『カナダ連邦』であった

 

 

 

 

某所

『こちら防空管制センター!全ての衛星からの信号が消えた!』

『こちら海軍司令部!世界中に展開している駐留軍およびNATO同盟国からの信号途絶!!!』

『こちらジョンソン宇宙センター、ISSの信号が消えた!』

 

 

 アメリカ各地から届くホワイトハウスでは鳴り止まない電話とトラブルで大混乱になっていた。

突如、世界中からの信号や衛星からの回線、ホットラインすら切れてしまった上、民間企業にも証券・金融・通信・航空関係・船舶関係・電話などにも影響が大きく、アメリカ中が大パニックとなっていた。

 

「どうなっているんだ、世界中からの信号が消え、衛星からも何も反応がないなんて…」

 

「わからねえ…民間企業や民間人が使用する通信や回線だけじゃなくて軍部や宇宙センターにまで同時に消えるなんてあり得ないはずだ…」

 

「ま、まさか!ロシアか中国の新型兵器か!それかサイバー攻撃か」

 

「いや、それもあり得ない。いくらロシアや中国のサイバーチームが優秀でも世界中の通信や回線、ホットラインまで遮断することはアメリカ合衆国でも不可能だ。」

 

「じ、じゃあ、太陽嵐とかか?ほら、太陽フレヤとかあるだろ」

 

「それもあり得ない、そもそも太陽フレヤが発生する兆候が必ずあるし、それは数年太陽活動に何も報告には上がっていない……だが、もしかすると」

 

「な、なんだ?」

 

「これはあくまで推測だが…そもそも通信や回線そのものが消えるということは今、受信しているカナダ以外の国家が消滅したと言った方が正しいのかもしれない」

 

「おいおい…やめてくれよ…エイプリルフールはまだだぜ…?」

 

「ならば、この事態をどう説明する?」

 

 オペレーターが黙る、誰もが理解していないのは当たり前だから、それを調査しているのが現状であった。

 

未曾有の出来事にアメリカ政府や国内は大混乱になりながらも何とか対応していた。

突如として通信や信号、ホットラインすら消失し、ニューヨークのウォール街では金融・証券関係の企業も突如の通信途絶に混乱状態となった。

ロサンゼルス・シカゴ・ボストンなどの大都市では混乱に乗じて火事泥棒によって少なくない被害も出ていた。

 

唯一カナダ連邦とデンマーク領グリーランドとハワイ諸島しか連絡がつかなかった。

カナダ連邦でも同様、混乱状態となっていた。

 

 

 

 更にアメリカ合衆国の政府関係者と軍関係者を恐怖のどん底へ陥れたのは世界中に駐留していたアメリカ軍とアメリカNATO軍、他国へ派遣していた戦力が全て消失したことだ。

消失した戦力は総兵力39%、海軍力35%、陸軍力32%、空軍力12%という決して少なくない戦力が消失した。

消失した戦力は痛いが、主力部隊や精鋭部隊がアメリカに居たため一緒に転移したことがまだ救いだとしても、この出来事にアメリカ軍関係者は卒倒した。

特に4個空母打撃群や複数の戦略潜水艦を失うことが痛手であった。

 

 

 

 

 アメリカ政府は未曾有の騒動に急遽危機管理委員会を開き、調査部隊を編成した。

 

未曾有の転移に対応するために国内の混乱を治めるために直ちに州軍が出動し、暴徒化する市民や経済打撃と混乱、あらゆる面で制御が難しい状態であった。

更にアメリカ・カナダは転移したが、本来存在するはずのメキシコやキューバも消失し、元のメキシコやキューバには海しかなかった。

国境付近のアメリカ軍兵士も驚愕した、目の前に普通に存在していたメキシコ領土に濃霧が発生したと思えば綺麗さっぱりなくなったからだ。

 

その風景は決して自然が作り出すことができない光景が広がり、まさしくメキシコの国境線で綺麗に切られ、断層が海底まで見えるというのだから。

 

その影響でかつて存在していた地層が消失することで、小規模であるが、国境付近で地滑りや土砂崩れが発生した。

 アメリカ政府は急遽、南アメリカへ偵察機や潜水艦で調査するがその場所にも南米は存在せず、更なる調査を進めるために調査部隊へ早期警戒機や哨戒機なども組み込み、発信させるので合った。

とにかく事態の収拾に情報が集めることが先決だ。

事態を重く見た政府は西方、日本国へ向けて調査隊の範囲を広げるのであった。

 

 

青く広い上空を飛ぶ大型飛行機、灰色の機体に星のマークが付いた主翼、胴体の上には黒い円盤のレーダーが一定の速度で回る。

アメリカ空軍が発進した早期警戒機「E-7」だ。

西方方面にはE-7の他にも潜水艦、哨戒機なども動員して捜索され、その中でもコードネーム『ランドワン』は本来であれば日本領海小笠原諸島上空を通過する予定であったが、一向に離島や陸地、小島さえ発見できずにいた。

早期警戒機「Eー7」は2027年アメリカ空軍で開発された新型早期警戒機

 

 本来であれば日本領海へ侵入したら日本国か自衛隊が通信してくるはずが、全く無音であった。

これに搭乗員や調査員は不安を隠せず、緊張した表情で目の前の海を眺めていた。

 

早期警戒機「E-7」

「HQ、こちらランドワン一番機、指定された海域を調査しているが、陸地は見えず、何もない」

 

『HQよりランドワン、了解、その辺りを旋回した後、基地へ帰投せよ』

 

「了解、通信アウト」

 

「全く大陸は見えないですね…本当ならヨーロッパ大陸が見えるはずなのに、何もない…」

 

「ああ…いったいどうなってやがる?同盟国や海外へ派兵した味方との信号や衛星からも通信が切れちまったし、大陸は消えるわ、わけがわからねえよ」

 

「…とにかく、この海域もあと少し飛行して、基地へ帰ったら、飲みましょうよ」

 

「ああ、バーボンか、ウイスキーあたりあればいいだがな…」

 

「ええ」

 

と機長と副機長が話していたとき、調査員から通信が入った

「レーダーに反応があり!これは…陸地……陸地です!陸地がありました!!!!」

 

「!それは本当か!」

 

「はい、そのまま飛行してください!HQへはこちらで伝えておきます!」

 

「よし、フルスロットで行くぞ!エンジン全開!」

 

 E-7はジェットエンジン特有の高音をあげながら目的地へ飛行する。

 

 

 

ロデニウス大陸北東部

 

空に浮かぶ雲が晴れる頃、目の前に広がる緑と茶色の陸地、それも広大であった。

そんな光景に思わず搭乗員や調査員は歓喜した。

  

「見えた…見えたぞ!陸地だ!やったぞ!」

 

「こちらランドワン、HQ陸地を発見した、陸地を発見した!」

 

『こちらHQ、それは本当か?誤認ではないな?』

 

「間違いない、それもかなり大きい」

 

『了解、ランドワンはそのまま大陸の上空を飛行し、調査せよ』

 

「ランドワン、了解」

 

 E-7は陸地へ真っ直ぐ飛行するとレーダーに小さな反応が出た。

 

「!12時の方向に飛行物体を発見!IFF反応なし!これは…飛行機なのか?」

 

「どうした?まさかスーパーマンでも出たわけでは無いだろ?」

 

「いや、違う、速度200キロ以上で飛行中、真っ直ぐ本機へ向かっています!」

 

「200キロ?プロペラ機かヘリコプターなのか?民間機の農薬散布機でも飛行しているのか」

 

「いや、わからない。レーダーにははっきり映ってはいるのですが、あまりの小型に照合する機種がありません…」

 

「なるほど…よし、近づいてみよう、それでわかるだろう」

 

 レーダーに映る目標が映るまで飛行すると徐々に視認可能圏内となった、目標の全貌が映ってきた。

それはアメリカ…現実世界では決して見ることができない架空の生物

大きな恐竜を連想させる主翼にトカゲのような尻尾、そして胴体周りには人工物の鎧を身にまとっていた。

 

「!目標、目視しました!あれは………!?」

 

「……嘘だろう、なぜ、ファンタジーに出てくるドラゴンがいるだよ!」

 

「目標ドラゴンに人も乗っているようです!」

 

「大方ドラゴンライダーってやつか?」

 

「まるでお伽の世界だな…」

 

「通信は?」

 

「いや、ドラゴンに通信機器やIFFがありますかね…」

 

『通信・IFFにも反応なし!』

 

「・・・機長、流石にドラゴンライダーに通信機があるようには見えませんが…」

 

「うるさい!目標を横切った後、陸地の方も観察するぞ」

 

「し、しかし、それでは領空侵犯になりませんか?」

 

「今回の任務は海域の調査、陸地を発見次第相手に文明があるのか、どうかを調査することが任務だ、陸地の内部まで見ないと相手のこともわからない。情報を持ち帰ることが合衆国にとって今後の生命に直結する事態かもしれない。燃料も長時間飛行したせいで、それほど長くは滞空することはできない。できる限り情報を持ち帰る」

 

「了解」

 

 E-7はジェットエンジンを鳴らしつつ速度を上げ、ドラゴンを横切った後、陸地へまっすぐ飛行する。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

快晴な空が広がる中、一匹の竜が飛んでいた。

その竜の背中には竜騎士と呼ばれる兵士が乗っており、竜騎士の名前はマールパティア、クワトイネ公国軍ワイバーン部隊に所属する

マールパティアは公国北東部付近の警戒任務に就いていた。

クワトイネはロウリア王国とクイラ王国以外海で囲まれており、国家は存在しない。

四方海ばかりで、幾多の冒険者や航海者が東方面へ新天地を求めて旅立ったが、誰一人として戻ってきた人はいない。

 

近年、ロウリア王国との情勢悪化の影響で国家との関係が冷え切っている状態だ。

情勢悪化と共にクワトイネ公国とロウリア王国は非常に緊張とした状態が続いている。

万一、ロウリア軍の侵攻・奇襲する艦隊を発見した場合、早期に探知し、対策を取ることになっていた。

彼はこの先で未知との遭遇になるとはこの時想像すらしていなかった。

 

 

 

 気持ちよく空を飛行していると視界に何か小さな黒い点が出た。

 

「―――――――?」

 

彼は何かを見つけた。

 

「なんだ、あれは?」

 

 自分以外にいるはずの無い空に、何かが見える。通常、味方のワイバーン以外に考えられない。ロウリアからここまで、ワイバーンでは航続距離が絶対的に不足している。

それに何か聞こえてくる

おかしい…ここは海上だ、飛んできた飛行騎の方角からロウリア王国はあり得ない、クイラ王国とも違う。

ならば、あれは一体なんだ?

三大文明圏には、竜母と呼ばれる正規竜母艦があるらしいが、この文明圏から外れた地にあるはずがない。

 粒のように見えた飛行物体は、どんどんこちらに進んで来た。

 それが近づくにつれ、聞こえてくる音が大きくなり、シルエットが少しずつ見えてきた。

 とりあえず味方のワイバーンでは無いことを確信する。

 

「羽ばたいていない?」

 

彼は、すぐに通信用魔法具を用いて司令部に報告する。

 

「我マールパティア、未確認騎を確認、これより要撃し、確認を行う。現在地……!?」

 

目の前で見えている未確認騎は信じられない速度で接近したと思うと、一瞬ですれ違う。

高度差はほとんど無い。彼は一度すれ違ってから、距離を詰めるつもりだった。

 

しかし、未確認騎は強烈な風と騒音を生み出してから通り過ぎる。

 

「な、なんという速さ!!!!!」

 

 その物体は、彼の認識によれば、とてつもなく大きかった。羽ばたいておらず、翼に付い4つ筒状の中で何かがぐるぐる回っていた。

胴体と翼の先端がピカピカ点滅し、光り輝いている。

胴体の上には黒い円盤状のものがくるくると回っている。

機体は灰色、胴体と翼に白い星マークが描かれていた。

 

彼は、反転して、愛騎を羽ばたかせる。風圧が重くのしかかり、飛ばされそうになる。一気に距離を詰める…つもりだったが、全く追いつけない。ワイバーンの最高速度時速235km。生物の中では、ほぼ最強の速度を誇り、馬より速く、機動性に富んだ空の覇者(三大文明圏にはさらに品種改良を加えた上位種が存在するらしいが)が全く追いつけない。

速い…!?あれは飛行機械なのか!? 

相手は、生物なのか何なのかも全く解らない。

 

「くっっっ!!なんだ、あいつは!!」

 

早く司令部に連絡しないと!!!

 

「司令部!!司令部!!!!我、飛行騎を確認しようとするも、速度が違いすぎる。追いつけない。飛行騎は本土マイハーク方向へ進行、繰り返す!マイハーク方向へ進行した!!!」

 

 

 

 報告を受けた司令部では、蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。

ワイバーンでも追いつけない未確認騎がよりによって、クワトイネ公国の経済の中枢都市マイハークに向かって飛んで来ると言う。

万が一攻撃を受けたら、軍の威信に関わる。

機は速度からしておそらくすでに本土領空へ進入しているはず。

通信魔法で、指令が流れる。

「第六飛龍隊は全騎発進セヨ、未確認騎がマイハークへ接近中、領空へ進入したと思われる。発見次第撃墜セヨ、繰り返す発見次第撃墜セヨ!これは訓練ではない!」

 滑走路から、どんどんワイバーンが発進する。その数12騎、全力出撃である。

かれらは透き通るような青い空に向かい、目標を撃墜するために舞い上がっていった。

 

 

 第六飛龍隊は、運良く未確認騎の正面に正対した。報告に寄れば、相手は超高速飛行が可能な者のようだ。

 相手が速すぎる場合、チャンスはすれ違う一瞬のみ。

飛龍隊12騎が横一線に並び、口を開ける。

火炎弾の一斉射撃。これが当たれば、落ちない飛龍はいない。

口の中に徐々に火球が形成されていく。その時、未確認騎が上昇を始めた。すでにワイバーンの最大高度4000mを飛んでいた彼らにとって、それは想定外の事態であった。

しかも未確認騎の加速能力や速度は明らかにワイバーンを超えていた。

すさまじい上昇能力でぐんぐん高度が上がっていく。

第六飛龍隊は、未確認騎をその射程にとらえる事無く、引き離された。

 

 ば、バカな!ワイバーンが追いつかないだと!?

 

「な、なんという速さ!?あれは本当にワイバーンなのか!

 我、未確認騎を発見、攻撃態勢に入るも、未確認騎は上昇し、超高々度でマイハーク方向へ進行した。繰り返すー…‥・

 

 マイハーク防衛騎士団、団長イーネは、第六飛龍隊からの報告を受け、上空を見上げた。

一般的に、飛龍から地上への攻撃方法は、口から吐く火炎弾である。矢を放つか、岩を落とす方法も過去には検討されたが、空を飛ぶ生き物は重たい物を運ぶ事が出来ない。

単騎で来るなら、攻撃されても大した被害は出ない。おそらく敵の目的は偵察と思慮される。

しかし、いったいなんなのだろうか?

飛龍でも追いつけない正体不明の物。1飛龍の上昇限度を超えて飛行していく恐るべき物、それがまもなく経済都市マイハーク上空に現れる。

団長イーネは、空を睨んでいた。

 

 遠くの方から音が聞こえ始めた。キューンといった聞き慣れない音、しばらくして、それはマイハーク上空に現れた。

飛龍隊は撃墜すべく速度を上げるが、その飛行物体は飛龍隊を避けるように進路を向けて、飛行し、飛龍隊へ攻撃する暇もなく、通り過ぎた。

「!?は、速い!早く他の飛龍隊も奴に追いつくのだ!」

 

『だ、ダメだ!速すぎてこれ以上速度を出せない!』

 

『な、なんて速度と機動力だ…ワイバーン以上だ…』

 

「く!」

イーネは悔しげに飛行物体へ険しい表情しがら視線を向ける。

 

物体は高度を落とし、上空を旋回した。

奇妙異な物体、大きくて灰色機体、羽ばたかない翼、怪奇な音、胴体の上には黒い円盤状がくるくると回り、翼と胴体に白い星が描かれている。

明らかな領空侵犯、しかし、飛龍は遙か遠くからこちらへ向かっている最中、攻撃手段はあることにはあるが、今回は接近が速すぎて、何も準備が出来ていない。

事実上現時点では無い。

物体は、マイハーク上空を何度も旋回し、北東方向へ飛び去った。

 

 謎の物体がマイハークに轟音を鳴らしながら接近したことで街は大混乱となった。

  

 

 

E-7早期警戒機

 

 E-7はクワトイネ公国へ侵入後、経済都市マイハーク上空を高度3000mほどで飛行し、観察した。

そこには自分たちの知っているような近代都市ではなく、古代都市のようなヨーロッパの古い街光景が広がっていた。

岩をくりぬいて敵からの侵入を防ぐことを目的とされたのか、人工的な建物が並ぶ岩山、緑溢れる低い建物ばかりが並ぶ中心街

上空には架空の生物が連携して組織的行動を行う。

などこれらだけでも驚愕としか表せない。 

 

 

「おい、見たか?」

 

「はい、ドラゴンの編隊や都市部は形成されていましたが、近代的な建造物は一切ありませんでしたね、むしろヨーロッパのような旧市街地のようでした。」

 

「ああ、それに街を防空していると思われるドラゴンがさらに12匹が連携して、こちらへ攻撃するとはな」

 

「さすがに迂闊すぎましたかね?」

 

「いや……ドラゴンとはいい、ここはヨーロッパなのか?」

 

「あり得ません、そもそも現在飛行している場所は本当なら日本国九州に位置するはずです、日本にはヨーロッパの旧市街地はありませんし、そもそもドラゴンもいませんよ。

 それにあの岩山をくりぬいた要塞は中東の古代遺跡を連想しますね」

 

「わけがわからないことになったものだ…」

 

「はい、これは本部でも報告が多くなりそうですね」

 

「はあ~こんな訳がわからないことを考えるより酒でも飲みたい…」

 

「…今日の酒はお預けですね、帰ったら報告書作成や更なる調査任務が待っていますし」

 

「……………は!?」

 

その日、機長はシクシクと酒はお預けとなり、報告書を作成したのであった。

アメリカ・カナダ政府はランドワンや他の調査隊からの報告を見ると驚愕の一言しか出なかった。

・中世のヨーロッパのような建物や港湾設備を多数発見

・架空生物と呼ぶドラゴンの遭遇

・ドラゴンの搭乗員が組織的な連携とした攻撃をする。

・ 港湾設備には帆船など近代的な建物や船舶は一切見られず

 

 

沿岸警備隊からも東海岸海域で首長竜と思われる生物の発見

 

両国は謎の国家へ接触するか、議会の中でも賛成派と反対派で別れたが、カナダはともかくアメリカは一カ国で自給自足が可能とはいえ、経済や国内の問題を早く解決するためには自国のみで解決するには時間がかかりすぎた。

第一に経済や貿易に関しては相手がいなければ何も意味はなく、ゆっくりと国内の衰退することを危惧した両国はクワトイネ公国側へ外交団を派遣することが決定した。

賛成派の中でも国民や企業の資本家たちなどの後押しが大きく一番他国へスムーズに接触できたこともあってクワトイネ側にはすぐに外交団を派遣した。

 

 

 

 

 

 

 

クワトイネ公国 政治部会

 

 国の代表が集まるこの会議で、首相のカナタは悩んでいた。昨日の事、クワトイネ公国の防衛、軍務を司る軍務郷から、正体不明の物体が、マイハークに空から進入し、町上空を旋回して去っていったとの報告が上がる。

 空の飛龍が全く追いつけないほどの高速、高空を侵攻してきたという。

 国籍は全く不明、機体に白い星が書いてあったとの事であったが、白い星だけの国旗を持つ国など、この世界には存在しない。

 

カナタは発言する。

 

「皆のもの、この報告について、どう思う、どう解釈する」

 

情報分析部が手を挙げ、発言する

 

 

「情報分析部によれば、同物体は、三大文明圏の一つ、西方第2文明圏の大国、ムーが開発している飛行機械に酷似しているとのことです。しかし、ムーにおいて開発されている飛行機械は、最新の物でも最高速力が時速350kmとの事、今回の飛行物体は、推定800kmを超えています。ただ…。」

 

!!!!!!!!!!

 

は、800だと!?

なんだその速度は…

 

「ただ、なんだ?」

 

「はい、ムーの遙か西、文明圏から外れた西の果てに新興国家が出現し、付近の国家を配下に置き、暴れ回っているとの報告があります。かれらは、自らを第八帝国と名乗り、第2文明圏の大陸国家群連合に対して、宣戦を布告したと、昨日諜報部に情報が入っています。彼らの武器については、全く不明です。」

 

 会場にわずかな笑いが巻き起こる。文明圏から外れた新興国家が、3大文明圏5列強国のうち2列強国が存在する第2文明圏のすべてを敵に回して宣戦布告したという事実。

無謀にも程がある。

 

「しかし、第八帝国は、ムーから遙か西にあるとの事、ムーまでの距離でさえ、我が国から2万km以上離れています。今回の物体が、それであることは考えにくいのです」

 

会議は振り出しに戻る、結局解らないのだ。

ただでさえ、ロウリア王国との緊張状態が続き、準有事体制のこの状態で、頭の痛いこの情報は、首脳部を悩ませた。

味方なら、接触してくれば良いだけの話、わざわざ領空侵犯といった敵対行為を行うという事自体敵である可能性が高い

 

その時、政治部会に、外交部の若手幹部が息を切らせて入ってきた。

通常は考えられない。明らかに緊急時であった。

 

「何事か!!!」

 

外務郷が声を張り上げる。

 

 

「報告します!!」

 

若手幹部が報告を始める。要約すると、下記の内容になる。

 本日朝、クワトイネ公国の北側海上に、長さ300mクラス、200mクラスの巨大船の艦隊が現れた。

海軍により、臨検を行ったところ、アメリカ合衆国という国の特使がおり、敵対の意思は無い旨伝えてきた。

捜査を行ったところ、下記の事項が判明した。なお、発言は本人の申し立てである。

 ・ アメリカという国は、突如としてこの世界に転移してきた。

 ・ 元の世界との全てが断絶されたため、哨戒機により、付近の哨戒を行っていた。その際、陸地があることを発見した。

   哨戒活動の一環として、貴国に進入しており、その際領空を侵犯したことについては、深く謝罪する。

 ・ クワトイネ公国と会談を行いたい。

 

 突拍子もない話、政治部会の誰もが、信じられない思いでいた。

 そもそもアメリカという国なんて聞いたこともないし、そんな国文明圏にも存在しない

 300mや200mの艦隊で来るということは砲艦外交なのか?

 しかし、昨日都市上空にあっさり進入されたのは事実であり、信じられないことに300mという規格外の大きさの船も、報告に上がってきている。

 国ごと転移などは、神話には登場することはあるが、現実にはありえないと思っている。

 しかし、そのアメリカという国の力は本物なので、まずは特使と会うこととした。

 

 超大国と異世界国家との接触し、アメリカやカナダは戦乱を巻き起こす世界へ転移したのであった。

 

 

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