星と楓の異世界戦記(旧 2019年打ち切り)   作:ミュラ

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10クワトイネ救助作戦

 

ロデニウス沖大海戦以降アメリカ・カナダ軍はロウリア軍が占領した地域制圧のために部隊の展開を開始

クワトイネへ侵攻するロウリア軍の威力偵察部隊や先遣隊への攻撃を積極的に行った。

 

陸上戦力をアメリカ級強襲揚陸艦からLCAC-1級エア・クッション型揚陸艇で揚陸させた後に揚陸艦からヘリ部隊がロウリア軍の掃討を行なっていた。

ロウリア軍はギム侵攻後、そのままギムを中心とするソルトラーテ地方を制圧し、村人を虐殺する光景が広がった。

これに対しアメリカ軍はロウリア軍撃滅とクワトイネ国民救助を目的に活動していた。

 

 

 

 

そして、ある地域でも、村人がロウリア軍の侵略軍から逃れるために、疎開していた村人の集団があった。

ギムの東へ約20km、ある名も無き小さなエルフの村、外界からの交流は少なく、ギムの大虐殺の報が来るのが遅れた。

村人全員が疎開を開始したが、付近にクワトイネ軍はすでに無く、ロウリアの勢力圏での生死をかけた疎開活動になった。

現在の位置、村から東へ10km

 

長の短い緑の草原が広がる大地、小鳥は歌い、野生の牛は草原で美味しそうに草を食べている。

どこまでも長閑な光景。

進みやすいが、遮蔽物が少なく、見つかりやすいため、風景とは裏腹に、本人達にとっては、生死を賭けた行進、その数200名。

 

少年は、妹の手を引いて東へ向かっていた。

少年の母は、病気で早期に他界し、父と3人暮らしだったが、ロウリア侵攻によって父は、予備役招集の軍務に着いた。

「パルンよ、アーシャを頼んだぞ。お兄ちゃん何だからな…」

父は笑って、全てを少年に託して家を出て行った。

 

疎開集団の速度はなかなか速くならない。

若者が、集団の後方警戒をしている。

軍の召集で残された数少ない若者たち、10名

 

あと25km、あと25km東へ進めば、クワトイネ軍の前線基地がある。

 

突如として、集団の後方で、叫び声が聞こえた。

 

「ロウリアの騎馬隊だ!!!」

 

少年が振り返ると、ロウリアの騎兵隊100人が、約3km後方から、こちらに向かってくる。

亜人の殲滅をとなえるロウリア王国、その軍隊が向かってくる。

村人たちは、悲鳴をあげ、東へ走る。しかし、騎兵の足には遥かに及ばす、軍はどんどん近づく。

 

 

 

 

ロウリアのホーク騎士団所属、第15騎馬隊隊長、赤目のジョーヴは、目の前の獲物に舌なめずりをした。

 

「獲物…発見」

 

200名くらいの、女、子供が草原を東へ歩いて向かっていた。3kmくらいはなれているが、遮蔽物が無く、余裕で見通せる。

ギムでは良い思いをした。嬲って良い、好きにしろという上からの命令は最高だった。

ギムにいた猫耳の亜人を思い出す。

親が娘を必死に殺さないでくれと、懇願していたが、娘と母親を父親の前で集団強姦し、犯し尽くしたところで娘を魔獣の餌に食わせた。

猫耳の亜人は、わめき散らかして泣いていたが、その悲鳴がたまらなかった。

特に娘が無残にも内臓や肉片を撒き散らしながら食われる光景に絶望した表情で、ゆっくりとすぐに殺さないように仲間とどこまで死なないか、賭け事までして殺した時は最高だった。

 

赤目のジョーヴは獲物を見てどす黒い感情が駆け巡る。

ロウリア王国東部諸侯団所属の中でも精鋭と言われ、一騎当千を謳われるホーク騎士団、その中の第15騎馬隊は荒くれ者の集まりと言われている。

山賊、海賊がロウリア王国拡大期に活躍し、爵位を賜り、貴族となった者達。

隊長、赤目のジョーヴは、その中でも特に残虐な性格だった。彼は気に入らないと、戦場において部下を殺し、戦死扱いする。

 

「さてと…狩るか」

 

「おい!あの亜人どもを、皆殺しにするぞ!!獲物だ!突撃!!」

 

「ひゃっはーーー!!!」

 

第15騎馬隊は奇声を発し、エルフの集団に向かって走り出した。

 

 

少年、パルンは、妹アーシャの手を引いて走った。

 

「大丈夫、お兄ちゃんが必ず守ってやるからな!心配するなよ!」

 

「うん」

 

必死で走る。

ずっと村を出てから休まず歩いたため、足が重かった。

 

 

自分たちを本気で殺しにくる悪魔の集団。僕たちが何か悪いことをしたのか?神様は助けてくれないのか?

なんとかしなきゃ!なんとか…。

せめて、アーシャだけでも守らなきゃ…

 

パルンは思い出していた。お母さんの暖かさ、包み込まれるような愛、そういえば、お母さんはこんなことを聞かせてくれた事があった。

 

その昔、国という概念が存在しないほどの遠い昔、エルフ族が魔族と戦っていた時代、魔族はエルフの神が住む神森の殲滅に乗り出した。

多くのエルフが殺され、歴戦の戦士たちが散った。

生き残りのエルフはエルフの神へ祈りを捧げた。

エルフの神(緑の神)は、自分たちの創造主であり、最高神である創造神に祈った。

創造神は、エルフの神(緑の神)に対し、星の戦士をこの世に降臨させる。

星の戦士たちは、多くの空を飛ぶ神の船や、鋼鉄の地竜を使い、雷鳴のような轟きと共に大地を焼く強大な魔導、圧倒的物量をもって、魔族を焼き払った。

主力軍を焼き払われた魔族は、神森より撤退した。

エルフ達は、助けてもらったお礼に、金銀財宝を、星の戦士に渡そうとしたが、決して受け取らずに、神の船に乗って去っていった。

エルフ族は救われ、この世界に広がっていった。

数多くあった神の船や鋼鉄の地竜などは、そのうち何個かは故障し、この地に残された。

残った神の船、鋼鉄の地竜、鋼鉄の海獣などが時空遅延式保管魔法をかけられ、クワ・トイネ公国内の聖地リーン・ノウの森の祠の中に大切に保管されているという。

特にその中で鋼鉄の海獣は圧倒的な雷鳴のような轟きと共に大地を焼く強大な魔導を放つことができ、星の戦士の中で中心的な船だったと伝説にはあった。

その船もどういうわけか、星の戦士が消えたが、その船は残った。

巨大な船体に大砲を多く積んで、中の状態もそのままであった。

エルフ達は恩人であり、英雄であり、力の象徴であった船にも時空遅延式保管魔法がかけられ、その船の『時間』が止まって朽ちることもなく保管されているという…

 

星の戦士が乗るものには白い星マークが刻まれていた。

 

 

お母さんは、本当にあった話だと言った。

 

パルンは、走りながら祈る。

 

神様、神様!創造神!!星の戦士!本当にいるのなら、今助けてください!!!

僕は生贄になっても良い。どうか…妹を助けたいのです。

 

神様、僕たちを殺そうとしているロウリア軍の魔の手から、僕たちを救い出して下さい。

 

・・・・何も起きない。

 

ロウリア兵が迫る。

 

声も聞こえるようになってきた。

 

まだ、見渡す限り草原であり、絶対に間に合わない。

 

戦って勝つか、虐殺されるか…。しかし、武器は対獣用の弓くらいのもので、あとは農機具のみ。

 

村人の中には、諦めてへたり込む者たちも出てきた。

 

距離は500mを切る。

 

誰もが諦めた。

 

パルンは天を向いて叫ぶ。

 

「カミサマァァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあお願い!!!助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

少年の上空を光が通り過ぎた。

 

 

蛮族たちとの距離は500mを切った。

彼らの顔は恐怖に引きつり、必死に逃げている。

剣を抜く、これより殺戮の宴が始まる。ギムの再来、良い女も混じって逃げている。今から始まる悲劇の未来を想像し、赤目のジョーヴの顔がにやける。

 

「突撃ぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!」

 

うおぉぉぉぉぉぉーーーーーー!!!

 

騎士団は歓声をあげ、馬の走る影響で大量の土埃を撒き散らし、駆け寄っていった。

 

「隊長!何か光が前方の空から向かってきます!!!」

 

不意に隊で一番目の良い部下が、空を指差し、叫ぶ。

 

ジョーヴは空を見上げた。

 

「な……なんだ!?ありゃ?」

 

光の槍がまっすぐこちらに向かって飛んでくる。本能的に危険を察知する。

 

速い!

 

「逃げろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」

 

ロウリア王国クワトイネ征伐軍先遣隊東部諸侯団所属、ホーク騎士団第15騎馬隊に、避ける間もなく、光の槍が突き刺さった。

 

 

パルンは夢を見ているようだった。

 

神様にお願いした時、彼の上空を光の槍が飛んでいった。

 

光が弾ける

 

!!!???

 

直後に耳を劈く轟音

 

!!!!!

 

大地が噴火したかのような煙に包まれ、ロウリア軍を包み込む。

 

さらに、光の槍は降ってくる。

 

閃光が走り、雷鳴が轟く。

 

轟音――

 

さらに、光の槍が断続的に降り注ぎ、大地が焼き尽くされた。

 

「ろ、ロウリア軍の騎馬隊のほとんどが消滅しただと!?」

 

誰かが叫ぶ。

 

ロウリア兵は、恐れ慄き、撤退を開始する。

 

今度は、光の雨がロウリアを襲う。

 

光の雨が敵兵に当たると、馬もろともバラバラに吹き飛ぶ。

 

エルフを襲おうとしていたロウリア兵は全滅した。

 

やがて、東の空に、空を飛ぶ船が多数。

 

バタバタバタバタ

 

恐怖をそそる音を響かせ、大地を焼いた強大な魔導を放ったそれらは、村人の上空を通り過ぎる。

 

パルンはそれを見上げる。

 

様々な形を持った特殊な箱舟、目を奪われる。

 

それは色んな何種類か、居たけどロウリア軍を倒した空の船は灰色で上と後ろの横に何か回っている…

体の横には何か筒をぶら下げて、前の下の部分にも細長い筒があった…

そして、体の横には白い星が描かれていた。

 

「!!!星!!!星のシンボルが書いてある!!創造神の星の戦士が本当に着てくれたんだ!!」

 

やがて、村人の前に多数、空の船が舞い降りる。

 

中から、灰色の服を着た異形の者たちが降り立つ。

 

恐怖―――

 

「お怪我のある方はおられませんか?」

 

拡声器を使っているため、エルフにとっては人間とは思えないほどの声で、1人の指揮官らしき人物が声を張り上げる。

 

村人たちは、恐怖で何もいえない。

恐怖のロウリアの騎馬隊を一瞬で消滅させるほどの強大な魔導を持った者たち。

怪我をした役にたたない労働力は、強大な魔導を放つ魔獣の生贄にでもされるのであろうか?

更に上空ではバタバタと音を鳴らせながら旋回する空の船

 

パルンが進み出る。

 

「助けてくれてありがとう。おじちゃん達は、星の戦士ですか?」

 

「(?星の戦士?アメリカ軍なのか?を聞かれているのか?確かに星条旗には星マークがあるし、兵士をこちらでは騎士や戦士と呼ぶのだったな)ああ、そうだが…」

 

どよどよどよ

 

場がどよめく。

 

突如、村人たちが、大地にひれ伏す。

 

救助に来た米軍は、村人全員にひれ伏され、説明にさらに時間を要することになる。

 

 

 

 

現ロウリア軍占領下シュリアナート市

 

「おい、そろそろ交代の時間だ。ご苦労だったな」

 

「うん?ああ、そろそろか、最近は動物すら出てこないから静かで不気味だぜ…」

 

「まあ、そんな時は女遊びでもしていればいいさ、どうせ新しく入って来るだからな」

 

「へへへ、そうだな、ありがとうよ」

 

「ああ、さっさと寝てこい」

とロウリア兵が親指を横に向けながら言う

 

カラン、カラララ・・・

 

とその時、近くから何かが落ちるような音がした

 

「うん?なんだこの音は?」

 

「ちょっと確認して来る、猫か?」

と警備室を出るが、何もそこにはなく、いつもの静かな風景が写っていた。

「・・・気のせい、か、おーい!大丈夫だ、お前はさっさと『グシュ!!』ゴフッ!」

仲間に声をかけている途中で言葉が出なかった。気道が何かに遮られて空気が通らなくなったからだ。

一瞬で自分の首を掴み、差し込まれた強烈な痛みと共に襲って来る恐怖心

意識も途切れ途切れになり、視線を下へ向けると鋭利なナイフの先端が胸から突き出ている様子が視界に映り、そのナイフは真っ赤に染まっていた。

そこで兵士の意識が切れた。

 

 

ドサッ

 

兵士の死体をそのまま放し、床に倒れる。

別の兵士は口を塞がれ、身動きを取れぬまま目の前の状況に恐怖していた。

いきなり斑模様の服装に見たことのないヘルメット、銃、そして手慣れた様子で仲間の首を刺した。

 

「ん!んんっーー!!!!!」

兵士は恐怖心から必死で抵抗するが、関節を決められた状態で兵士にできることはなかった。

すると仲間を殺した斑模様の男性が話しかけて来た。

 

「命を助けて欲しければ質問に答えろ、騒げばお前も仲間のようになる、いいな?一回しか言わないぞ?」

兵士は涙目で何度も頷く

 

「わ、わかった、質問に答えるから命は助けてくれ!」

 

「騒ぐな、お前たちが捕まえたクワトイネ民間人はどこに収容している?」

 

「れ、連中は町の一番大きい貿易商の建物に収容されている、た、頼む!命だけは」

 

「分かった。暫く眠てろ。」

 

「はあ!?ど、どういうこ」

と斑模様の男性はすぐに麻酔銃を兵士に撃ち込むと兵士はそのまま倒れるように眠った。

「フォックスよりHQ、民間人の収容されている建物が特定できた、そっちでも確認してくれ

一番大きい貿易商の建物だ。」

 

『HQよりフォックス、確認した。各部隊は敵部隊を無力化しつつ、収容所の民間人を救出せよ』

 

「アルファ了解」

と無線を切る。

兵士たちを襲撃したのはアメリカ軍海兵隊所属第12部隊だ。

海兵隊や陸軍はロウリア軍が占領した地域を徐々に解放しながら進撃しており、その進軍速度も常識的に考えれば凄まじく早い

それも海兵隊は町や村へ侵入した後警備の薄い場所から襲撃し、浸透戦術によって民間人も解放されていた。

 

今回もシュリアナート市は住民数十万ほどの規模があったため、いきなり戦車部隊や歩兵大隊を突入させるのではなく、生き残りの民間人の救出とロウリア軍を他の部隊へ知らせる伝令を出す暇を与えずに撃滅していた。

 

「よし、みんな聞いたな?プレゼントは一番大きい建物だ、各部隊と10分後に合流する」

 

「「「了解」」」

と部隊は前方を警戒しながら、町の中心街へ到着し、遭遇した敵兵士は全てサプレッサーで仕留める。

「な、なんだ!?」バシュ

 

「!!!!てき」バシュ

 

「こいつらどこから湧いて来T」バシュ

と兵士の叫び声を全てを聞かず、容赦なくサプレッサーを備えたハンドガンやアサルトライフルで制圧する

中心街を突っ切ると、そこには報告のあった建物が見えた。

建物の周囲には死体となった兵士ばかりで既にドアの前には別の部隊がいた

 

「こっちだ」

 

「海兵隊第2海兵師団所属第12部隊から来たフォックス部隊だ」

 

「ああ、海兵隊第2海兵師団所属14部隊のウイスキー部隊だ、今から突入を行う。」

 

「分かった、やけに見張りが多かったが…まさかバレたか?」

 

「それはない。でなければあんなに宴の準備をしないからな」

 

「・・・よし、目的地は見つかった。突入するぞ」

 

「了解です」

 

「よし、爆薬を設置しろ」

隊員はどこか手慣れた様子で爆薬を設置する。

 

「よし、合図するぞ」

 

「了解」

 

「爆破!」

 

ピッ!ドオオオオオン!!!!!!!

ドアは爆発のエネルギーに耐えられず、粉砕された。

突入した部隊は一瞬で中にいたロウリア兵士たちを射殺する。

アルファ部隊はそのまま部屋の真ん中で女性に跨っている男性に銃を向けた

 

「な、なんだ、お前たちは!我々をロウリア軍と知っての上か!」

 

「うるさい」

とアルファ部隊隊長は貴族と思われる半分裸状態の男性を蹴飛ばし、女性から遠ざけた。

女性は耳に獣人族の特徴である耳と尻尾があり、怯えた状態で隊長を見上げていた

 

「怪我はないか?助けに来た」

 

と隊長が言いながら手を差し出す

獣人族の女性は何度も手とラミネスの顔を相互に見た後、実感が湧いたのか、泣いていた

『こちらウイスキー部隊、地下室から多数の民間人を救助した』

 

「フォックス了解、こちらも一階フロアを制圧した。」

 

「あ、あなたたちは一体」

 

「我々はアメリカ軍です。」

 

「あ、アメリカ軍…聞いたことのない国ね…」

 

「詳しい話は後だ、君の名前はなんて言うのだ?」

 

「エルモン・リリシアと申します。この度は助けてくれてありがとうございました…」

 

「礼には及ばん、他の階でも既に民間人は保護している。とりあえず…これでも羽織ってくれないか?ちょっとな」

とリリシアは何を意味するのか、理解が遅れたが、すぐに状況を理解した。

リリシアはまさしく犯される寸前であったのだ。

つまり服は破られ、大きな胸を曝け出し、スカートはギリギリ保っているか、保っていないか、だ。

すぐにラミネスは話ながらその辺に脱ぎ捨てられた上着を彼女に渡す

彼女も顔を赤面させながら着る

「あ、ありがとうございます…」

 

「いや、無事ならよかった」

後ろで蹴飛ばされた後、隊員に拘束されている小太り中年貴族に目を向ける

「おい、貴様がここの総督だな?この建物以外に民間人はどこへ隠している?吐かないなら吐かせるまでだ」

 

「ま、待ってくれ!わかった!亜人族は奴隷としてロウリアへ輸送中だ!他の民間人はいない!た、頼む!命だけは助けてくれ!わ、私はロウリアの貴族だ!金なら用意できる!うっ」ガン!

 

「わかった。もう黙っていろ。」(見事な手の平返しだな…)

アサルトライフルのストックで後頭部を打ち付け、気絶させる。

 

『HQよりフォックス及びウイスキーへ、他の部隊はシュリアナート市周辺に展開しているロウリア軍を完全無力化したとのことだ。そちらはどうだ?』

 

「こちら隊長のラミネス、民間人を確保、ついでに敵の総督も確保した。」

 

『了解、今日はどうやらアルファ部隊とフォックス部隊が金星を飾ったようだな、ご苦労だった。

こちらからヘリコプター部隊を派遣したから引き続き、民間人の保護と総督を護衛せよ、アウト』

 

「フォックス了解」

 

異世界軍とは初めて戦ったが、ここまで連中ははっきり言えば中世の軍事力と同じ程度で魔法の脅威も一切なかった。

ロウリア王国は列強国でもないのだから、当たり前かもしれないが、国際法のない戦争

しかも中世と同じく虐殺やレイプ、強姦、虐待なんて当たり前の時代

合衆国軍はここまで幾多の村や町を解放したが、必ず目にするのが、死体の山だ。

解放後、軍は死体を埋める、焼くなどして疫病の蔓延を防いでいるが、はっきり言えば気持ちがいいものではないし、異世界軍は地球にいたアフリカや中国軍、中東のテロリストよりも残酷で狂っている。

逆に異世界からすれば俺たちの常識が異常と言えるのかもしれない。

だが、俺たちは、合衆国はそんな常識になんて飲み込まれてたまるか…

この先も更なる試練が待ち受けるだろう。

後少しでロウリア軍は要塞都市エジェイを侵攻すると司令部は予想している。

エジェイには第一騎兵師団が派遣されていたな…

 

 

と、アメリカ軍よるクワトイネ民間人や捕虜の解放は順調に進んでいた。

敵の貴族や高官、軍人の戦争犯罪者となった人々は後に合衆国とクワトイネで逮捕され、クワトイネによって処刑されることとなる。

 

 

 




カナダ「・・・・・・・」

アメリカ「どうしたんだい?カナダちゃん、随分不満そうな表情だけど」

カナダ「私の軍隊は!?出番は!?」

アメリカ「ああ…まあ、ほら、君…海軍力は自国の領海を守るだけで精一杯でしょ?最近グリーランドもタナトス対策に艦隊を派遣しないといけないだから…」

カナダ「じゃあ、陸軍は!?」

アメリカ「一応…陸軍第38カナダ旅団群が来ているから…ほら、あと君にはメープルがあるでしょ?」

カナダ「メープルでどうやって敵国と戦うのよ…」

アメリカ「う〜ん…メープルシロップを燃料とした戦車でひたすらメープルシロップ入り砲弾で戦うとか」

カナダ「す、すごい戦場が甘い匂いで充満しそう…メープルしかないじゃない…」







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