第2文明圏 列強国 ムー帝国
ムー帝国は第2文明圏を代表する列強国。
この世界で唯一魔法に頼らない産業革命を成功させた機械文明国家。
ムーは神聖ミリシアル帝国に続く世界第2位というポジションを獲得した。
魔法に依存せず、科学のみで発展させた結果、魔法文明国家神聖ミリシアル帝国の次に続く国力、軍事力、技術力を持った。
その技術によって神聖ミリシアル帝国以外であれば圧倒的優位性を持っているムーは列強国の中でも強国であった。
そのムーに国交を開設したい、技術提供を申しこむ国が後を絶たず、ムーは外交で有利に事を進めていた。
しかし、ある日ムーの元へ国交締結のため入国した二カ国の外交官を乗せた艦隊が歴史上仰天する出来事となろうとはムーの誰もが予想も付かなかった。
数週間前
アメリカ合衆国 ワシントンDC ホワイトハウス
会議室
「では、機械文明国家ムー帝国について会議を始めよう。まずは国防総省から報告を聞くとしようか。」
「はい、この世界は魔法文明国家が中心に構成されているということはご存知だと思われますが、中央世界より西へ進んだ大陸に機械文明が存在することが衛星により明らかになりました。こちらの衛星写真をご覧ください。」
カリートはスクリーンを操作し、写真へ切り替えるとそこには120年前以上に存在していた旧式戦艦が写っていた。
「こ、これは!」
「そうです、画像から照合した結果、旧大日本帝国海軍所属戦艦三笠クラスに非常に酷似しており、重工業地帯や航空機、車なども確認しました。
画像からも分かる通り、彼の国は蒸気機関を運用していることから産業革命以降のイギリス程度の技術力と国力を持っていると思われます。
ムーについても調査した結果、魔法文明国家の中で唯一の機械文明国家であり、第2文明圏を代表する列強国と報告結果が出ました。」
「なるほど、魔法が主流としているこの世界で唯一機械文明国家ということが気になるが、それほどの技術があるのならば我が国の商品もいくつか売ることができるだろう。ぜひとも国交を締結したいものだ。」
「同じ科学文明国家としてはヨーロッパのような位置付けもいいかもしれんな」
「しかし、この中世の世界でこれほどの技術差があるのも少々不自然ですね…かの国は機械文明を持つというならば我が国としては警戒すべき国ではないでしょうか?これほどの文明力であれば数十年で『原子爆弾』も実現する可能性もある。」
!!!!!!
現在、合衆国のみ持っている戦略兵器、『核兵器』。
実は原子力爆弾は原子力エネルギーを研究する論文や実験自体1940年代以前から行われており、ムー帝国が1910年代の文明を持つということなら数十年で実現する可能性もあるのだ。
核兵器を他国が保有したことでロシア、北朝鮮、中国での核兵器問題で結局有効な解決策がなかった。
さらにこの世界では唯一核兵器を持っているアメリカは異世界国家へ大きなアドバンテージとなる。
現在核兵器に変わるクリーンな戦略兵器開発も再開しているが、配備にまだ時間がかかる。
「だが、かの国はまだ産業革命を実現したばかりの国家だ。長期的に見て侮れない国家であるが、現状で過度な警戒もすべきではない。
それに我が国にとって最も国交を締結し、通商も結びたいところだ。」
「はい、ムー帝国には衛星画像から見る通り重化学工業や石油コンビナートなどはあまり規模が大きくなく、大量生産システムも黎明期かと思われます。これに我が国の企業が開発に乗り出せば将来的に莫大な貿易額になると予想されます。」
「うむ…将来的にも我が国のライバルとなる可能性も高いのだな、是非ともNATOにも加盟して欲しいものだ。」
転移からすでに1年以上は経っており、クワトイネ公国・クイラ王国・グラミラート王国、フェン王国、トーパ王国など諸外国との交流は順調であり、貿易も黒字となっている。
だが、かつて地球に居たほど黒字にはなっておらず、成長を回復させるにはもっと大量消費社会を形成させなければ到底市場として規模が小さすぎる。
しかし、どの国も中世近世レベルの文明しか存在せず、インフラ関係や日用品、書物、船舶関係、重工業系、農業生産、軍事産業などは潤いを見せてきた。
特に軍事産業は転移によって失った戦力を回復させるために例年よりも20兆円以上予算を増額し、戦闘機・艦艇・戦車・装備など新規開発を見せて居た。
転移直後、軍事産業は一時停止の事態にも追い込まれたが、皮肉なことにロウリア王国戦をきっかけにフェン王国沖海戦など、北米大陸周辺地域は地球よりも脅威が多く存在し、議会や民衆に認知されたことで予算が増額された。
さらにギムでの虐殺が特に大々的に報道されたことで国民を中心に強い危機感を抱かせた。
地球に居た頃では周囲に敵国は海を隔てた先のずっと遠い場所であった。
しかし、転移したことで貨物船や客船などが海賊、他国の武装勢力、竜による旧太平洋を中心とする北東部で襲撃に合うようになった。
これによってアメリカ・カナダは損失した戦力の補充と軍拡に向かっていた。
これは潤沢な軍事予算、豊富な資源、国力を持つ超大国アメリカだからできることで、日本やヨーロッパなどとても大陸国でない国家は厳しい。
だが、問題もある。当然IT企業や工業系の企業は不況であった。
確かに国内や一部地域では電子機器を中心とする現代品は売れるようになったが、他国には売れない。
また、技術流出防止のために売ることができないという点が正しい。
当たり前であるが、現代に作られている自動車・船舶・電車・飛行機・電化製品・携帯などにはコンピューター技術など高度な技術が使われている。
それらを大量輸出することで、結果的に外国への技術促進に繋がり、中国のような非常に不安定な技術成長をさせることとなる。
もちろん、全く販売しないことはアメリカやカナダの経済を活性化させるために不可能であった。
さらに電気・ガス・水道すら通っていない地域、国家に電子機器を売ったとしても宝の持ち腐れであり、発電所・電波塔・修理専門店・その国の教育レベルの低さ、そもそも産業革命すら起こしていないのだから当たり前だ。
銃器産業でもメンテナンスが非常に簡単な壊れにくい銃を販売することしかできないくらいだ。
そこで産業革命を起こし、それなりに発展している国ならば話は別だ。
だから、アメリカやカナダ政府は資本家たちから経済活性化のために輸出制限を下げて欲しいと言う。
最も難関な点としては現代の私たちが使用しているコンピューターや携帯電話、インターネットは全て軍事技術から流用された技術だ。
つまり安易に電子機器やコンピューター関係のシステムを他国に売ることは技術流出となり、将来軍事技術に転用されるだろう。
今の所アメリカ・カナダが主導となって行っているインフラ関係や工場は両国が徹底的に管理しているため大した技術流出には繋がっていない。
兵器開発の歴史においても民間技術から軍事技術へ、軍事技術から民間技術へ転用されることは意外とよくある話だ。
例えばノーベル博士が作り出したダイナマイトはもともと鉱山開発のために作られたはずが、軍事へと転用したことが有名だ。
もちろん、技術は過剰に制限を掛けたところで流出を完全に防ぐことは人の交流・物流がある限り不可能である。
完全に制限するとなると鎖国し、入国する者を徹底排除すればできるのかもしれない。
だが、それは極端なやり方で実行すればアメリカやカナダに異世界で数十年後、異世界国家が連合となって北米大陸へ攻め込むかもしれない。
ならばこちらから友好的に接することが平和への解決だろうということで、過剰なまでに徹底した技術流出防止策はしていない。
国交締結した各国には代価を貰いながら、基礎工作機械や研修制の受け入れ、インフラの整備など手広くやっている。
「列強国とはコンタクトを早くとっておきたかったが、ヘンリー外交官からの様子はどうだ?」
「依然、パーパルティアからの返答は思わしくないようです。」
「そうか…あの国と国交は無理か…」
「・・・大統領、それは不可能かと、あの国は我が国籍の船舶や同盟国フェン王国にも宣戦布告もなしに何度も攻めてきています。
いずれ白黒はっきりとつけなければなりません。」
「そうかもしれないな…だが、すぐというのは困るぞ?我が軍はあいにく再建で忙しいのだ。ロウリア王国でも少ない戦力で戦えたが、パーパルティア皇国を滅ぼせば周辺地域の影響が計り知れない。」
一応第3文明圏の中でもトップクラスの国力と軍事力を保有するが、そんなことはアメリカ側からすれば早い話「で?だからなんだ?」という話である。
しかし、軍需産業は実戦データを欲しがっていた。
転移したことで確かにアメリカ軍は3割ほどの戦力を失ったが、海兵隊・海軍・空軍・陸軍・特殊部隊には精鋭部隊が残っている。
精鋭部隊が残っていれば人員を育成するのも苦労はしない。
しかし、実戦はどうしても竜や中世の兵士では相手にならないため、できるだけ大国で長期的に戦える国家が望ましいだろう。
「はあ…パーパルティア皇国についてはいずれ白黒はっきりさせなければならないことは分かる。
だが、当面合衆国は再建のために時間を必要とするためできる限り引き延ばす方針だ。」
この方針に若干不満を持つ者もいるが、話は進む
「ムーへ送る外交官も決まっているな?」
「はい、今回はフェン王国でも安定し始めたので、グラミラート王国・フェン王国でも外交を成功させたセオドア外交官に行かせようか、と」
「うむ、彼は確かに優秀だし、問題ないだろう…そうえば彼はグラミラート王国で貴族娘に好意を持たれているらしいじゃないか?」
大統領が微笑しながら言うと他の関係者も苦笑気味になる。
「はい、現在では文通を続けており、内容も熱烈なメッセージだったとCIAやDIYから報告が上がっています。」
なお、これはプライバシー侵害であるが、外交官と他国の貴族の文通や電話でも国内の機密関係の情報を話す可能性があるため秘密裏にCIAやDIYが監視していた。
「いずれセオドア外交官が口説かれるかもな」
「これは猛烈なアタックされるのも時間の問題なのかもしれませんな」
「セオドア外交官も優秀だからこそ立場をわかっているとは思うが、貴族や王族の婚姻話には気をつけなければならない。
セオドア外交官にアタックしている貴族娘は分からぬが、異世界人と我々も向き合わないといけない。
我々はこの世界で生きていくのだからな」
「そうですが、まだ異世界人に関する法律も整備が不完全なため、入国は難しいですが」
「それは仕方がない。なんせ黒人・白人・黄色人種以外でも人間種以外の種族が現れたからな。種族の把握すらできていない状況で法律を整備するなんてほぼ不可能な話だからな」
「はい」
「相手は機械文明国家だ。くれぐれも粗相の無いように気をつけるのだぞ」
「お任せください、国務省がしっかりと国交を締結します。」
「うむ、それと編成する艦隊だが、我が国の最新鋭空母を旗艦としよう」
「!ミルドレッド・バスカムですか!」
ミルドレッド・バスカムとはアメリカ軍ジェラルド・R・フォード級5番艦で、転移した直後まで完成間近だったのだ。
それが慣熟訓練も含めてつい最近ようやく就役した実質的にこの世界での最新鋭空母であった。
4番艦までジェラルド・R・フォード級1番艦は設計図通りであったが、対中戦争により改良が加えられた結果
5番艦のミルドレッド・ガスカムは別名ミルドレッド・ガスカム級原子力空母という名前もある。
ちなみにミルドレッド・ガスカムは2028年に当選した大統領の名前で対中戦争に大きな貢献をしたと言われている。
「ムー帝国は我が国の軍事同盟となるかもしれない。ならば我が国の力を見せておけば、我がアメリカ合衆国の力という物を理解してもらえるだろう。」
「わかりました、では護衛艦として第二艦隊からビアトリクス級駆逐艦をいくつか編成の中へ入れておきます。」
「うむ、頼むぞ?ムー帝国はこの世界で第2位の技術力と国力、軍事力を持つ国だからな。」
「はい、神聖ミリシアル帝国に関しても魔法文明国家でありますが、ムー以上の技術力を持っていることは確実です。ムーとは違い、機械文明国家ではありませんが、今後を考慮すると国交を締結すべきと思われます。」
「それは分かっている。魔法文明だけで一切科学を頼らず文明を発展させたことは驚いたが、世界1位ならば北米大陸条約機構の影響力を高めるために是非とも近づきたいものだ。」
「わかりました、CIAやDIYにはさらに二カ国について調査するようお伝えしておきます。」
それを聞いた大統領は、満足そうにコーヒーを飲むと、そばに居たCAI長官が更に近付く。
「大統領、それとお耳に入れておきたいことなのですが」
「どうした?他にも何か分かったのか?」
「西方より新しく入った情報でありますが、グラミラート王国やトーパ王国からの情報で、第8帝国と名乗る国が第2文明圏で列強国レイフォルへ侵攻し、滅ぼしたということです。現在でも第2文明圏内で暴れているということです。」
「第8帝国?他国へ無差別に侵攻しているというのか、まるで第3帝国ドイツみたいな国家だな」
「今後でも調査は続いておりますが、何分にも北米大陸から遠い地域ですのでなかなか調査員もそこまで手が行き届いていない状況でして…
さらなる調査のために第4軍事衛星と第9偵察衛星の優先使用権をこちらへ融通してもらえないでしょうか?」
現在、アメリカ合衆国は合計20基ほど打ち上げられ、7割が軍事衛星、3割は民間企業の衛星となっている。
しかし、まだまだ衛星自体は星が大きいため数が足りず、今後も打ち上げを予定している。
なので、衛星の優先権が各組織で争うように使っているのが現状である。
「分かった、第8帝国については調査せよ」
「は!」
会議はこれで終わったが、政府関係者は部屋を出るように大統領へ促されたため、退出した。が、軍事関係者と空軍大将が残っていた。
「さて、そちらの『例の大陸調査』はどうなっているかね?」
「はい、現在でも衛星や偵察機、潜水艦による調査を続けておりますが、一つ気になる情報があります。」
「ほう、それは何かね?」
「はい、大陸の魔獣についてです。」
「何か分かったかね?あそこには魔獣と呼ばれるモンスターのせいでとても人が住めない大陸となっているそうじゃないか」
「はい、偵察機や衛星による調査の結果、魔獣の姿はあまり見られませんでしたが、熱源探知による反応では多数の魔獣を確認しました。
魔獣は大陸の南部、トーパ王国国境付近に活発的な動きが見られましたが、現在まで変わった動きはありませんでした。
未だ一部では常に雲が掛かっている場所もあるため、調査中です。」
「そうか、「グラメウス」大陸はどの国にも所属しない大陸らしいが、あそこの魔獣を殲滅し、領有化することは可能か?」
軍事関係者や大将は額に垂れる汗をハンカチで拭きながら、あまり乗り気じゃない表情で言う。
「できる、できないで言えば可能ではありますが、かなりの戦力が必要となります。ICBMやSLBMを使用すれば殲滅は可能ではあります。ですが、これでは放射能や放射線により永遠に住めない大陸へと変貌いたしますので、現在の開発中の兵器を使っても殲滅は厳しいかと…」
「そうか、まだ、我がアメリカ合衆国はかつての地球に居た頃よりも弱まっている。これをまず回復させてから殲滅に乗り出すのが、賢明か」
「恐れながらグラメウス大陸には魔獣の他にも危険生物が多く存在し、隔離する方が妥当ではないか、と思われます。」
「なるほど、確かに唯一繋がっているのがトーパ王国だけとは言え、炎龍や神龍も生息するなら、アメリカ軍でも只では済まないかもしれないな」
「はい…」
「分かった。グラメウス大陸については今後も調査を頼むぞ、必要な人員や機材や全て手配しよう。
なるべく情報を集めてくれ」
「は、はい、大統領。」
アメリカ合衆国は偶然にも偵察衛星がグラメウス大陸を数ヶ月ほどの前から捉えた時から他国に潜入させている諜報員にグラメウス大陸について調査するよう指令を出していた。
大陸には多くの魔獣やドラゴン、他の危険種族も生息している情報は助かった。
もし、後1ヶ月でも遅れたらアメリカは『どこの国も領有していない大陸』を得るために調査隊を送る予定だった。
これが分かったアメリカは人員を送るのをやめ、衛星や航空機による観測に切り替えた。
グラメウス大陸にはステルス偵察機RQ−45ブラックバードやF-22F型、F-35C、E-7、などを積極的に使った。
これによって大陸の詳細なデータが揃いつつある。
魔獣やドラゴンは非常に厄介な生物でワイバーンやワイバーンロードなど赤ちゃんに思えるほどの能力差だ。
まずドラゴンに関しては複数の古龍や炎龍が生息しているらしく、1度RQ-45が撃墜されたことがあった。
それ以降撃墜されることはなかったが、状況的にRQ-45はマッハ2ほどの速度で15000ほどの高度で飛行していたのに関わらず、レーダーに反応し、回避しようと思えばその物体はマッハ2以上の速度で飛行していた。
明らかにおかしい数値で飛ぶ飛行物体に無人機から撃墜直前に撮影した画像で炎龍が確認された。
つまり、炎龍の能力は
・高度15000でも飛行可能。
・マッハ2程度の速度を持つ。
・生物にして恐ろしいほどの加速度がある。
つまり炎龍は今まで他の大陸には確認されなかったが、グラメウス大陸には生息していると言うことだ。
これが現在アメリカ異世界調査部隊を悩ましているものの一つだ。
もちろん、撃墜自体は可能であるが、これだけの能力を持つ生物が存在することなど、とても信じがたいものであった。
大陸のまだ4割程度は濃い雲が掛かっていて、衛星ではもちろん、航空機も寄せ付けないほどの嵐が常に発生している地域も存在し、調査が思うように進まなかった。
アメリカ異世界調査部隊の調査は今後も続く。
グラメウス大陸南部上空
F-35Cが調査のために飛行していた。
現在のところでは地表に反応がないため、低空飛行で調査していた。
通常低空飛行は危険な行為だが、F-35Cには自衛用として対空ミサイル6基搭載、バルカン砲もある。
これだけの装備であれば自衛用としては十分である。
「こちらラーモット2番機、グラメウス大陸南部の森林地帯を現在飛行中、魔獣反応はなし。」
『こちらHQ、了解。そのまま調査を続行せよ』
「こちらラーモット2番機了解…ふう、不気味なくらい生気を感じない森だな」
パイロットは眼下に見える真っ赤に染まった森を見て吹く
「さあて、早いとこ終わらせて行きますか~…ん?」
少し欠伸をしながら何気ない山を見ていると何かが光ったような気がしたのだ。
「光った?何かいるのか?」
とF-35Cは近くまで飛行するが、何も反応はない
「うん?何かいたような気がするが、まあいいか」
と機体はそのまま山から遠ざかるのであった。
その山の麓から人型の生物が複数出てきた
「行ったか」
「はい、星の戦士の神の船は去りました。」
「おのれ…人間どもめ、ここまで我の邪魔をするとは…おかげで魔帝様の汎用2足歩行型陸戦兵器エンシェントカイザーゴーレム作成に成功し、トーパ王国から攻め滅ぼしてやる計画が白紙になった。」
「星の戦士がまさか、再び召喚されているとは思いもしませんでした・」
「うむ、あの忌まわしい人間どもを滅ぼす前に星の戦士を真っ先に滅ぼしてから支配してやる…」
「はい、例の兵器についても順調にできております」
「そうか…あれらが完成すれば星の戦士とはいえ、神の船や鉄像が出たとしても蹴散らせる。あいつらは?」
「まだ、捕獲に成功しておりませんが、もう少しで捕獲が可能です。グラメウス大陸で最強種のアレらが従属させれれば無敵でございます。」
「星の戦士については何か情報は出たか?」
「はい、旅人やワイバーンの兵士などを捕まえては尋問しておりますが、どうやら最近アメリカ合衆国やカナダ連邦という国が新興国家として登場したらしいのですが」
「アメリカ?聞いたこともないな、そいつらが星の戦士か?」
「可能性としては大きいかと思われます。今後としては彼らを真っ先に攻め立てるのがいいかと」
「そうだな…引き続き、情報を頼むぞ、我はこれから少し出かけてくる」
「それは、『ヴァンピーア』でございますか?」
「そうだ、あの屑どもにもそろそろ役に立ってもらわなければならないからな」
「ふふふ…全ては魔帝様のために…」
二人はニヤリと不気味な微笑みを浮かべながらF-35Cが去った後の上空を見るのだった。