アメリカ合衆国航空宇宙局『NASA』
「一体この星はどうなっている!?物理法則というものがないのか!!!!!!」
一人研究所で叫んでいたのは宇宙科学部門の科学者パールス・ホーキングは机に両手を拳で叩きながら叫ぶ。
アメリカ合衆国は多くの分野で転移騒動から様々な研究機関が頭を悩ませていた。
その中でも既に20基以上の人工衛星を宇宙へ送り、観測は始まっていた。
次々と送られるデータは驚愕の一言でしかない。
この星は地球の2倍ほどの大きさがあるのに関わらず重力加速後は9.8065m/s^2、気圧も平均1015hpa、自転の速さが地球のほぼ2倍の速さのせいか、24時間という時間の流れもほぼ変わらず、恐らく変わっても1年が365.5日と0.5日くらいの差で若干地球の公転周期より長い。
しかも観測グループからのデータでは太陽の大きさもほぼ同じだといい、太陽とこの惑星との距離は地球の時と同じ1.5億kmだ。
どうなっている?地球の2倍ほどであれば質量はもっとあるはずなのに、この星の内部はスカスカなのか!?
通常地球より2倍サイズの星が2倍で自転するなら何かしらの影響が地上の生命にも出てもおかしくないのにそれが全くない。
さらに現在確認されている大陸で第1、第2、第3文明圏、南洋大陸、グラメウス大陸、その周辺の諸島以外で大陸の存在も確認されている。
アメリカ合衆国から東に1万キロ以上先にも大陸の存在は確認され、衛星からの情報では人工物の存在も発見されている。
本当であれば東海岸からも東へ進出したいところだが、タナトスのせいで全く進出できないでいた。
この惑星だけでも驚愕の一言でしかないが、その惑星に住む生物たちの多様性や種族についても驚愕でしかない。
例えば獣人族という動物から人間へと進化したと思われる種族のDNAを調査したところ何と99%は人間と似た遺伝子構造で、残り1%は動物の遺伝子が存在していることが発見された。
ということは人間の遺伝子に動物の遺伝子も合わさるということなのだろうか?
それぞれの種族によって特性が存在することも重要な課題となっている。
例えばゴブリンと呼ばれる生物は、知能こそ低いが片言ながら会話が可能で、意思疎通も可能だという。
しかし、動物的本能が強いのか、非常に凶暴であり、議会でもかなり扱いが慎重となっている。
既にサンプルとなるゴブリン数体は新しく領土となったバートニア州の研究所に送られている。
研究所もまだ完成していないが、開発が進んでいるバートニア州ならあと数ヶ月もすれば形になるだろう
ゴブリンだけではなくオークも厄介だ。
オークは知能が全くなく、その身体能力は異常に高い。
その力は装甲車を軽く体当たりで吹き飛ばすほどであり、分厚い皮膚のせいで銃弾が貫通しにくく、動物専用の特殊ライフルを使用しないと貫通しない。
今までのオークはほとんどオスが多いため、蜂や蟻のような組織的な社会構造でメスの比率は少ないのでは?と当初仮説が立てられるが、それはすぐに否定された。
それはクワトイネ公国からの情報ではオークの生態系として基本的にメスの絶対数は少なく、多くの場合他の種族の女性を使って繁殖するという。
生まれる子供は種族の遺伝子関係なくオークの子供が生まれるらしく、オークの遺伝子はかなり強力な遺伝子なのかも知れない。
遺伝子というのは常に優性遺伝子が多く受け継がれるが、異世界では種族ごとの遺伝子にあまり遺伝子学は通用しないことが多い。
先週ほどバートニア州に訪れた種族の中でエルフや獣人族も多かったが、ドワーフと呼ばれる種族も興味深い。
身体の構造はほとんど人間と変わらないのに関わらず、身体的能力が高いのに身長が平均120㎝と低い。
ドワーフは社会構造の中で建造物や木造製品など製造業を好み、ついこの間もアメリカの建築会社にドワーフの集団が押し寄せたと聞いたことがある。
そして、エルフ。
こちらも身体の構造は人間と変わらないはずなのに長寿で200歳まで生きるという。
長寿という意味ではグラミラート王国の姫も数百年は生きる妖狐族らしいが彼らの遺伝子は一体どうなっているというのだ!?
さらに翼人族
こちらも鳥類が人間へと進化した種族らしく、背中に羽が生えているのと種類によって能力が異なるらしい。
アメリカやカナダには来ていないが、他にも種族が多くいるらしく、まさしく異世界だと心の中から思った。
そして、もう一つ驚くべきなことはこれらの種族が例え異なっても人間と結婚し、子供を産むことも可能だという
遺伝子上ほとんど人間と同じであれば可能なのかもしれないが、両親によって生まれる子供も異なるらしい。
妖狐族の女性と人間の男性から子供を産んだ場合、高い確率で獣人族の子供が生まれるらしい。
遺伝子学に言えば獣人族の遺伝性は強いということだ。
両国は人間以外の種族について法的取扱をどうするか、議論している。
人種差別ではないが、人間以外の種族には必ずそれぞれの特性や能力を持つ
司法省でも人間以外の種族を人間と同じく人権を認めているが、細かな法的処置に対してどうするか、議論になっている。
「どうなっているんだ、ある意味面白い星ではあるが、物理が通用しない世界なんてあるのか!」
とコーヒーを一気飲みする。
そして、パールスはもう一つのデータをパソコンから呼び出す
それは先月から開始されている魔法実験だ。
実験といってもロウリア軍戦争犯罪を犯した魔導師に協力してもらい、魔法を使って、それをあらゆる機器で観測、魔導師の身体を調べるなどしているが全くと言って良いほど結果が出ない。
そもそも魔法とは何か?それは科学で実現・説明・解釈・定義ができないことを示す言葉と言える。
まさしくアメリカやカナダの両国の科学研究機関の前に立つ難関の問題であった。
エルフ族の話によれば魔法とは地表や空気中に存在する魔素と呼ばれるものが魔法の原理らしく、それらを統制しているのが精霊という。
実際、アメリカの研究機関が最新鋭の観測システムで観測しても何もデータが得られない。
仮説として未知の物質が存在し、現代の科学では解明できない何かがあるというもの、近いもので言えば炭素が酸素に反応し発火するような現象なのではないか?と言われている
つまり、空気中にある酸素が魔素だとすれば炭素を生み出すものがこの世界の種族に秘密がある可能性がある。
旧ロウリア王国から徴収した魔法書関係など解析を急がせているが、どうやら魔法は魔術という儀式を行うことで使用することができるらしく、以前クワトイネ公国使節団が使用した魔法は水系魔法と治癒魔法というもので、呪文を発することで魔法を扱うことができるらしい。
魔法も誰にでも扱えるというわけではなく、それぞれの素質や能力が差を分けるという。
魔素というのは一種のエネルギーのようなもので、そのエネルギーを蓄積することができる器が魔導師なのだろう。
魔導師は魔素を魔術によって引き出すことで魔法を生み出すことができる。
現在確認されているだけで攻撃系魔法・治癒魔法・防御系魔法・諜報魔法などそれぞれの属性ごとの魔法などがあり、この前クワトイネ公国へ送った調査団がクワトイネ公国に星の戦士に関する情報があったらしく、歓喜していたな…
アメリカでは様々な分野が魔法について興味を抱いていた。
例えば
攻撃系魔法は人工的に生み出すことができれば強力な兵器を作ることが可能だろう。
治癒魔法は医療業界が歓喜することになるだろうが、同時に利権問題も存在する。魔法で外傷に薬品を全く使わず、治癒魔法のみで完治可能だとすれば将来、魔法は人類史の中でも最も優れている力が利権問題でかなり揉めるだろう。
防御系魔法は警察機関や沿岸警備隊を中心に先手を打たれても防ぐことができればこれほど便利なものはないだろう。
そして、諜報魔法
これがCAIやDYIで注目されている力
魔法の精度自体は現代科学分野に劣るが、安価で即日行動が可能という点において非常に便利性の高い力であり、機械を使わないとなると道具を持ち込まないため、組織の内部や厳重な施設などに有効だろう。
今の簡単に言ったものでもっと他に有効活用できないか、と研究されている。
現在のところ研究では火属性魔法最大攻撃である『ファイガ』を旧式M1戦車に攻撃したところ装甲を焦がす程度で装甲車でも同じだった。
普通乗用車や航空機は爆発し、大破した。
基本的に魔法攻撃を迎撃することは出来ず、ほとんどの魔法に物理攻撃が通用しないため、避けるか、攻撃される前に術者を殺害及び無力化することが推奨されている。
そして、文明や技術格差
地球でも歴史の中で登場するシュメール人は当時としては謎に包まれた製鉄や建築技法などどこから生まれたのか、謎に包まれている。
この異世界では中央世界と呼ばれる中心では情報ではアメリカやカナダが持っている艦船と似たような艦艇や飛行機、蒸気機関を発明しているなど文明圏外との差は下手すれば200年以上ほどの差がある。
中央世界ではどれほどの文明が発展しているのか、未だ不明であるが、衛星からの情報では200mを超える艦艇や夜でも明るく照らす電気技術も発達しているのかもしれない。
現時点ではアメリカ合衆国やカナダ連邦を超える文明や科学力を持つ国家は存在しない。
元々転移や魔法、ドラゴン、海獣、多種族という非科学的なものばかりが登場する世界で全てにおいて科学が通用しないのかもしれない。
ある意味それを解明することも科学の発展へ繋がる課題となるだろう。
本当に面白いものだ…この星は…
と彼はコーヒーを飲みつつ外の景色を見るのであった。
ワシントンDC ホワイトハウス
「大統領、これは直ちに規制をかけるべきです。」
ホワイトハウスの会議室にアメリカ国防省と司法省、大統領が集まりアメリカ国内で起きている麻薬組織による抗争にアメリカで初めて異世界生物が兵器として使われたということだ。
北米大陸の周囲に大陸や島はほとんどなく、西方方面にほぼユーラシア大陸と位置する第3文明圏、グラメウス大陸、ハワイ諸島沖南西のグラミラート王国があるくらいだ。
しかし、海洋生物の生態系の変化や飛行生物で初めてアメリカアラスカ州でドラゴンが目撃されるようになった。
ドラゴンはグラメウス大陸から飛来しているものと考えられ、ドラゴンの生態系にも把握していないことが多い。
ドラゴンの種類も一種類だけではなく何十と今まで確認され、その中でも穏やかで性格が落ち着いている草食系のドラゴンもいれば、ワイバーンのような肉食の凶暴なドラゴンも存在する。
アメリカ合衆国カルフォルニア州で見られた麻薬組織による紛争は小規模であったものの、初めて調教されたドラゴンが武器として使われた。
ドラゴンは小型から大型まで存在し、今回使用されたドラゴンは肉食系であるものの小型で人間でも調教が可能な種らしい。
外来生物に対し厳しい法律の規制が掛かっているアメリカだが、異世界生物に対しても基本的に持ち込みは禁止されているが、『自然で発生する現象』に対して対処が求められていた。
異世界対策の法律は法案が徐々に整備されつつあるが、まだまだ穴が多い。
そして、ロウリア王国戦争で領土となったバートニア州は異世界の領土であるため生態系や地理などの調査
インフラ、都市開発
バートニア州にやってくる異世界人
そこでアメリカ合衆国はバートニア州の法律を異世界に合わせたバートニア州独自の法律を次々と可決した。
アメリカは州ごとに法律の内容は変わっており、例えばネバダ州では同性愛は法的に認められているが、他の州では認めていなかったりする。
ただし、例え同じアメリカ領土だったとしても異世界の領土から無闇に植物・動物などの持ち込みを厳しく罰していた。
さらに頭を悩ますのは宗教だ。
アメリカはあらゆる人種がいるため多民族国家であるものの、宗教は非常に厄介な問題点と言える。
当然ながら宗教にも過激派も存在し、それらをどうやって対処するか、だ。
ついこの間ではバートニア州を訪れた文明圏から来た宗教関係者が人族以外の種族を差別し、殲滅すると発言しながら魔法攻撃する事件も発生した。
それはすぐに州軍が駆けつけ取り押さえたが、一歩間違えれば大惨事となっていた。
今週だけで司法省で10人ほどが過労で倒れた。
「そうだな…議会の方でも回して置こう。麻薬組織についてはどうなっている?」
「はい、連邦捜査局が全力を挙げて捜査していますので、もう少ししたら報告が来ると思います。」
「わかった。できる限り不安の種である麻薬や犯罪組織は撲滅しておきたい。頼むぞ」
「はい、お任せを」
「そうか、バートニア州の法律も次々と可決し、開発も順調だな?」
「はい、港湾施設も徐々にではありますが、開発が進み、これでアメリカと異世界との貿易も円滑に進みます。」
「ああ…多少出費は嵩むが、せめて異世界各国が我が国へ船を派遣できるほどまで技術を挙げてもらわないとな」
北米大陸が転移してから既に1年以上経つがアメリカ本土へ訪れる外国人は非常に少ない。
一年でアメリカ・カナダは第3文明圏を中心に貿易を行っているが、アメリカ・カナダ側の輸出は順調だが、輸入も両国が行なっている状態だ。
本土へ訪れる人も政府が直接船を派遣しなければ渡航すらできないのだ。
理由としては北米大陸の周辺海域は決して安定しているわけではなく東海岸ではタナトスなど筆頭に害獣被害
西海岸は安定しているもののハワイ沖などグラミラート王国へ航海する間の海域は天候が荒れ、アメリカ・カナダの船ならば十分航海できてもガレオン船や戦列艦などでは渡航できるような場所ではない。
異世界側も天候や海域、害獣などに左右されなければ渡航自体は可能だ。
中世、大航海時代のヨーロッパは世界各地広い範囲で植民地を求めてアジア、アフリカ、北アメリカと勢力を伸ばしたが、船の上で生鮮食品を十分に保存する体制がなかったヨーロッパは次々と壊血病へかかり、一時は船乗りがかかる病気だとも言われた。
しかし、異世界は冷蔵庫並みではないが、生鮮食品を保存する方法を魔法によって確立されているためか、大航海時代よりは壊血病等による死者数は圧倒的に少ない。
異世界の各国は比較的にそれぞれの大陸ごとの距離が近いせいか、それほど補給物資を積まない。
それは大陸ごとに文明圏の国家が存在し、補給するための港湾が存在するからだ。
だが、北米大陸となれば話は別で例えそれほど広大な海を航海するだけの力を持っている国は中央世界か、第2文明圏くらいだろう。
アメリカ側としても異世界との貿易を円滑に進めるために異世界大陸側に拠点を置けないか、と考えられていた矢先にロウリア王国戦争である。
これに一部の人間は歓喜した。
異世界大陸側に領土を得ることができれば、そこで拠点を作ることも可能だからだ。
その戦争で得られたのがバートニア州。
これによってアメリカやカナダはバートニア州を主軸に貿易を進めるのであった。
開発は当然時間がかかってしまうが、それ以上に得られる利益が大きい。
バートニア州が位置する場所はロデニウス大陸とフィルアデス大陸との海峡であり、その一帯を抑えることで海運の確保、潜在的敵国家、パーパルティア皇国へ牽制する意味も持つ。
バートニア州には多くの移民が集まり、現在確認されているだけで80万人以上の異世界人が登録されている。
登録の際は厳密な選別によりスパイ対策も徹底されての80万なのだから、この数値がどれほど異常なのか、わかる。
国籍に関しては非常に厳しい審査を通過しなければ獲得できず、道のりも長かった。
「そうか、順調なら問題ない。今後もあらゆる移民問題を想定して開発を進めるように頼むぞ」
「わかっております。」
「派遣艦隊に関してはどうだ?」
「はい、今年から配備される第5艦隊と第2艦隊から創設した艦隊が駐留する予定です。」
「ふむ…」
と大統領は手元の資料を見ながら唸る
第2艦隊はともかく第5艦隊は新設された新造艦で埋められた艦隊であり、練度も訓練によって徐々に上がっているが、それでも戦闘経験者の数が少ないな…と思いながらデータを見る。
「グラミラート王国やクワトイネ公国、クイラ王国、ムー帝国などへの輸出はどうだ?」
「はい、商務省国際貿易局からは全体的に黒字であり、特にムー帝国との貿易は今まで輸出できなかった電化製品やIT分野においてブラックボックス化できた製品を大量に輸出することができて、かなり経済的にも回復しているとのことです。
各国に現在NATO同盟国の工業化では基礎工作機械(旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、歯切り盤、研削盤、プレス機など)は非常に好評で、工場建設や店舗の進出などかなり広い範囲で進められています。同盟国限定でバートニア州に留学する学生も増加の一方、バートニア州での開発がまだ完全にはできていないので対応できない部分があります。
国内の産業も最新機器を輸出できないので、どうしても成長が緩やかになってしまいますが、大量の受注に数年先まで埋まっています。」
「なるほど、各国の工業化も順調であれば、彼らが独り立ちするまでそう時間は掛からないだろう。
軌道に乗れば数年で、我が国の商品を売りやすくなるだろう。
我が国も同盟国へ全面的なサポート体制をしっかり行うように」
「はい、わかりました…それと大統領、もう一つお耳に入れたいことが」
「ほう…なんだね?」
「新型攻撃システムの打ち上げが近々行われることが決定しました。」
「!それは本当かね?」
「はい、まだ試作段階のものが多いものの、既に実戦に耐えられるだけの性能を保持しているとのことです。」
「!そうか、わかった。」
と大統領はほくそ笑みながらコーヒーを喉へ通す。
パーパルティア皇国
とある交易商
「おい、聞いたか?ボスタニア商会で文明圏外からの受注が激減して、かなり経営が危ないらしい」
「ああ、あそこは高品質な鉄製品を作っていたんだがな…ここ最近交易していた相手から交易の取り消しが相次いでいるらしい」
「それは俺も同じだ。綿花を売ろうとしたら、新しく進出した企業に良い製品が出たらしく、そこへ取引を変えた、クソ!あれでどれだけの損失が出たか…」
第3文明圏で交易する商人たちは基本的に国家によって立場が違う。
列強国の商人は文明圏・文明圏外の国家へ通常の何倍もの価格で販売し、富を吸い上げている。
対して文明圏や文明圏外の国家は列強国よりも技術や国力の差というものが開いているため、自国での産業によって列強国より高品質な商品を作ることが至難の技だった。
列強国の特権を使って交易する商人たちはここ最近での取引先が別の交易相手に変更し、こちらへ見向きもしなくなったということだ。
今まで高品質で大量生産を可能とする列強国でしか商売する相手がいなかった蛮族たちがこちらに対し高圧的態度になってきたというのが印象であった。
既に現時点で大損害を負っている商人もいるほど、この1年で大打撃となっていた。
商人たちも新しく交易する相手がアメリカ・カナダということは分かったが、具体的にどういった国なのか、は未知数であった。
当然、自分たちも調査に乗り出し、バートニア州という場所で盛んに貿易が行われていることを知ると、早速部下や諜報員を派遣するが、アメリカやカナダの同盟国及び国交締結した国以外は一切入国することができず、試しに買収しようとしたが、逆にその買収しようした部下や諜報員が捕まるという事態になった。
焦る商人や軍閥は何とかアメリカやカナダの情報を得ようとするが、なかなか情報を入手できずにいた。
「これもアメリカ合衆国やカナダ連邦とか言う国のせいか…
他国で購入した製品を調査させたが、高品質だ…
しかもどれもこれもが一流の職人が作り上げたような作りだ…」
「俺も聞いたことがある、製品一つ一つが高品質で文明圏でも複製することがほぼ不可能。
しかも我が国も技術集団へ持っていたところ再現することは不可能と言われた。皇国のお抱え技術集団がダメだと靴を投げたらしいじゃないか」
「ああ…くそ!このままだと今月の交易はどこも赤字になってしまう!」
「皇国との繋がりにアメリカやカナダという国はない、俺たちでも調べる必要があるようだな…」
「…それに最近のクワトイネ公国やクイラ王国、グラミラート王国はおかしい、つなぎ目のない道路や夜でも明るく照らす灯、第1文明や第2文明圏で見られる列強国の魔導車が見るようになったし、見たことのない工業施設や建築物もここ1年で爆発的に建設している。
我が国でも見たこのない超大型船や港湾施設の発展具合も急成長しているらしいじゃないか」
「ああ、はっきり言ってその3カ国を中心とする発展具合が異常だ。
もしかすると第1、第2文明圏の商人が第3文明圏に展開したのか?」
「いや、それはない、商人もいなかったからな、逆に見たことのない集団が見られるようになった。」
「分かった、俺の方でもっと調査してみよう」
ここ最近での売り上げ減少に危機感を抱いた商人たちが東方の各国へ本格的に調査することになったが、それはパーパルティア皇国を中心に文明圏の商人も同じだった。
アメリカやカナダによって第3文明圏の経済は変わりつつあった。
今まで文明圏や文明圏外から富を吸い上げていた財閥や商人は間接的にアメリカやカナダの経済力に押し出されつつあった。
ここまで読んで下さった読者の皆様
本作を愛読して頂き有難うございます。
本作は明日の投稿でストックを切らすことになります。
その先投稿するか、は予定としては今の所ありません。
なぜなら本作はお試し内容みたいなものですので、本作を基に書いている新作で継続する予定ですので、本作の意見や欠典、批評があれば受け付けますので、よろしくお願い致します。