隊長とアクトレスたちとの日々   作:Blueクラーケン

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真理さんとの偽装カップル生活1日目

突然母親が来るため隊長に彼氏として紹介させることになってしまった21歳(願望)。親が来るまでの間に慣れておけばなんとなると早速デートに行く準備するのだが

 

 

~成子坂・屋上~

屋上は基本的には誰でも行って良いのだが、大体が整備の人たちと隊長である俺も使っている。

だからなのか自然と愚痴であったり悩みを各々溢す。それを人生の先輩である磐田さんが解決する相談室となっていた。

 

(何で…こうなってしまったのだろう?)

設置している自動販売機から気分でものを購入。

取り出し口から出たブラックの缶コーヒーを飲みながら夕陽を眺めていた。

苦味が口に広がるのを味わいつつ、デートの時間まで過ごそうと来た。だが、さっきから時計を見てもちょっとしか経っていない。

「俺よりも適任が居るだろうに…」

今まで女性とは無縁の人生を過ごしていたからかこの手をどうしたらいいのか解らなかった。やっぱり男性である俺がリードするべきなんだろうなぁ。

悩んでいると後ろから声がかかってきた。

「おお、隊長。今日はまた難儀な事が起きたらしいじゃねぇか。…相談にのってやる」

「は、はんだしゃん!」

磐田さんなら真理さんとの付き合いも長い、デートをよりよくするためには必要だ。

なので俺はデートに至るまでの経緯と悩みを打ち明けた。

 

 

 

「偽装とは言え、あの嬢ちゃんが母親に彼氏を紹介するとはねぇ。長生きはするもんだわなぁ」

「…でも、俺。今までそういった経験がなくて、世の中ではデートは男性がリードするって言うじゃないですか?困っているですよ。偽装とはいえ、ちゃんと彼氏役を出来るかどうか」

不本意ながらも、そう考えてしまっていた。それを聞いて磐田さんは俺の背中を叩いて言う

「良いねぇ若いって言うのは初々しいくて。一つ気づいてないかもしれないけどな、あいつが母親に彼氏の顔を拝ませてなんて今に始まったことじゃねぇんだ。」

(まあ本人は21なんて言っているけど、もう31歳にだから初めてではないのだろうけど)

よく理解していないのを察知したのか、磐田さんは呆れた顔をしていた。

「今までのらりくらりはぐらかしていたのに今回こんなことになった。満更隊長の事を男として認めているってこったぁ」

「そうだったのか…」

今まで色んなアクトレスと仲良くなるのであの子達にそんな意識をしてこなった。

「なるほど、真理さんがね…」

それは嬉しい。好意なのは自分にとっても嬉しいことだからね。

「知っていると分かっていると思うが、あいつは、女の幸せよりもチームメイトだった凪の行方のために日々を過ごしてきた」

その発端がこの製作所なのではないかと負い目を磐田さんは感じていた。

「あいつがここを離れてあっちこっち回っては情報収集をしているのを聞いて俺は悟った。『あいつに女の幸せは訪れることはない』と、もう何年も探している時点で望みが薄かったからな」

それほどメリーバニーが好きだったんだと思う。

「悲しいですね、必死に追い求めても答えにすら辿り着けないなんて」

「だが、隊長が赴任してあいつがうちに戻ってきた。

未だに凪の事を忘れていないようだが、ここで楽しそうにしていたのも知っている。全て隊長さんよ。あんたのお陰なんだ、ありがとうよ」

俺にお辞儀して、あわてふためいてしまった。

「いや、俺は大したことは…」

どんな言葉を言えばいいのか考えても出ない

「せめてあいつにも、いやアクトレスという仕事をしている奴等に人並みの幸せってもんをつかんで欲しいんだ」

…アクトレスという選ばれた女の子(又は女性)達の平均結婚率は低い、それよりも事故で亡くなってしまう確率の方が上回っているのが現状だ。

 その為か世の男性は偶像、アイドルとして見ているもの多くで結婚したいと思う人は少ないのだそう。

とある新婚さんはいつ死ぬかわからない以上結婚した数日後に旦那さんに遺書を渡した家庭もあるそうだ。

 

華やかで人類を守るという大義を持つアクトレスという仕事。エミッション能力を持ってしまったため儚くも散ってしまう者達の装備を修理又は製作する立場上、無事に帰ってくるのを祈る事しか出来ないのだ。

 

「いやだなぁ。折角面白い事になるのに陰気臭い会話になるですもん」

「あ、なんだ有人か。ちっす」

気さくな挨拶をかわす

「あれ?一応ここでは先輩なんですけど…」

「それなら有人よ。お主が真理さんの(非)合法写真に月2の周期で買っているのを下にいるアクトレスにばらすぞ( ´Д`)=3」

だってあの写真のアングルを提供(脅迫)したの俺だもん。

「はい。僕は成子坂の最下層ヒエラルキーのゴミ虫です。呼び捨てなどDONと来いです。」

「おめぇに人間の誇りはねぇのか有人」

「弱味を握られたら人権もくそもないっすよ」

涙目になりながら、炭酸飲料を口に含んだ。

「それより聞きましたよ隊長。真理先生とデートしに行くんですって!」

「急に元気になったよこの男」

有人の目には祝うと言うより、リア充は滅べと目で訴えているのがよくわかる。

「こいつは出会いがないかって彼岸でんのさ。合コンとか行っても下心が丸見えで女が寄ってこないだそうだ」

まあ、有人だからね

「くぅ。男性は僕以外滅べばいいんだ」

夕陽に向かって『ハカヤロー』と叫ぶ有人。妙に様になっていたのは口に出さないでおこう。

「あ、隊長と磐田さんに…ここにいたんですね」

整備部の中で『天使』と評されているリタ・ヘンシェルが手に自作のロボットと共に屋上にやって来た。

「もう名前すら、呼ばれないんすね」

有人は落胆していたが、購入歴にリタさんの写真があったのも知っているから自業自得だろう。

「リタさんはどうして此処へ?」

「自作したロボットの試運転しに屋上へ来たんだ。普段人が来るなんて珍し」

嬉しいそうに自作のロボを見せてくれる。形はビデオカメラに手足と頭部を搭載している。脚は小型のタイヤが複数備わっていて悪路でも進むことを考えても設計されているのがわかる。

「AIも搭載してて表情もカメラの部分で確認できるよ!」

そう言い手元スマホでロボを操作して見せてくれた。

「お、片足で手を振っ…倒れちゃった」

「無理な動作を組み込んでいるな。ま、当たり前の結果だ」

磐田さんの指摘通り、無理にバランスを保とうしたのが原因だった。しかしリタさんは小型のパソコンをロボに接続し、プログラムの改善と脚のフレームの改修を始めた。

「やっぱり実際に操縦してみないと解らない事があるから動かして正解だった」

「あのロボットになりたい(ほんと熱心すよね)」

有人はどうやら本音と建前が出てしまっていた。

「おめぇももう少し真面目な性格になってくれりゃあ、ちっとはモテるとだがな」

鋭い指摘である。

「駄目っす!人生己の性欲に忠実に従ってこそじゃないですか!?」

だからモテないんだよ有人。

「いいか、少しは自重すれば隊長の様に真理等にデートに誘われることだってあるんだぞ」

流石は最年長、言葉に重みを感じる。

だが、有人は少し考えた後笑い始めた。

「えぇ~自重すれば最初に来るのが真理さんっすか~ 勘弁して下さいよ。需要ないっすよ」 

神様という者がいるというなら俺は信じよう。

有人が言い終わった瞬間、「ぐへぇ」と袋の様な物が有人へとぶつかった。

「あ~!!もう駄目ですよ杏奈さん。お米はもっと大切にしないと」

「大丈夫です。ちゃーんと狙って投げましたので…ほら米袋には傷一つ付いてませんよ」

「いや、あの。1人確実に傷ついているですが…」

近くにいたから解る「ペキッ」って腰から音鳴ったもん。

「乙女の悪口は万死に当たるんですよ隊長。覚えてて欲しいなぁ、私隊長に危害加えたくないですし」

「はい、生涯言いません。ここに誓います!」

まさか杏奈さんの笑顔から冷や汗を掻くなんて思ってませんでした。…てか、あれ笑顔かなぁ?だって目が笑ってねぇもん、怖いよ。

「こ、腰がベキッて、ベキッて」

腰を摩る有人。

「大丈夫だ有人!傷は………」

取り敢えず合掌をしておこう。ナ~ム~

「せ、せめて何か言って!」

だってしょうがないじゃないか。

手で診断して背骨が多分、折れかけているなぁ。

腰に整備道具を巻いていなければやばかったぞ。

「まあ、気にすんな乙女心って奴を踏みにじった有人が悪い」

「俺もかみさんによくやっちまったもんでなぁ」

と苦笑しながら磐田さんが言う。

(たまに出勤したときに顔に傷があるあったのはそれか)

…まあ。喧嘩するほど仲が良いて言うしね。

さて、それよりも杏奈さんが来たということは

「杏奈さん、準備は終わったのかな?」

「はい!真理ちゃんが洋服に気を使う事なんてなかったものですから、気合い入れてコーディネートしてきました」

満面の笑みで言うのならよっぽどだろう。服は盟華から

まだ世に出ていない新作の服を送ってもらった。試着してもらって改善点を探すとの事らしい。

『ここはマジ、殺風景な事務所だけど。デルモの宝庫だから、そこんところ上手くシェアしょっ!』

とどうやら定期的に持ってきてくれるそうだ。

確かに試着といえど、流行の先取りと言うやつか?華の乙女(消費期限延長も何人か)いるわけだし、色んな物に興味を持ってくれると嬉しい。

「まあ動機はあれですけど、隊長さん!真理ちゃんをよろしくお願いします」

杏奈さんが深々と頭を下げ、俺に真理さんを託す。

…俺…一度も承諾した覚えないのだけれど……

もう逃げられないように外堀が埋められている気がする。

後、地面に踞っていた有人が笑いを堪えつつ十字架を刻んでいた。…一発蹴りを入れよう。

「フンッ」

「む、胸から背中にまで衝撃が貫通してきた。くそっ」

悪は滅びた。

「あ~磐田さん。すみませんが有人のことおねがいします。多分2日位は休暇が必要そうなので」

「お、おう。任せとけ」

ぐったりしているもん、なんでかはしらんけど。

「それじゃあ、まあ行ってきます」

「頑張ってください」

「明日のために赤飯炊いときますね」

「健闘を祈る」

「よしっ。片足で自立できた!?」

1人は洒落にならないことになってしまうからやめてね。あとリタさんは自分の世界に入っているなぁ。

まあ気にせず皆を後にし、屋上から真理さんが待っているエントランスへと向かうのだった。

 




久しぶりに投稿します。なんやかんや半年前になってしまったのは時の流れを感じますねぇ。
それよりもその小説の落ち所が検討つかないのは悩みっす。助けて…
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