タツマキとの初めての実戦訓練!アシナキュンは同化を使用してどっこいどっこいの勝負をしてタツマキをいい所まで追い詰める!しかし。同化のタイムリミットが来てしまい、激しい吐き気に襲われて胃の中の物を全て出してしまう。悲鳴をあげるタツマキ、吐き続けるアシナ。タツマキ一体どうするのか?
はい少しだけふざけました…あらすじも汚ぇ。結局飛ばさせた意味ねぇじゃねぇか…。あぁ今回はタツマキ視点になっております。戦闘中の心境ではないよ!やったね作者めんどくさくないよ!
あいつがゲロ吐いてから私はあいつを超能力で浮かせて運んでる。
「うっうげぇオブゥ」
あいつの青い顔がさらに青くなっている。
さっきの戦い…あいつが倒れなければ、もしかしたら私は負けていたのかもしれない。あいつの幻なんちゃらかんちゃらだって、かなりの威力を出していた。吹き飛ばすのだって少し辛かったぐらいだ…それに最後のあの明確な死のビジョン…こんな感覚は久しぶり…いや初めてかもしれない。負けそうになる、少し新鮮な感覚だった。
試合に勝って勝負に負けるとはこの事ね。
「はぁーまぁ勝ちは勝ちだし。こいつが回復したらなんか菓子類でも奢って貰おうかしら。」
何がいいかしら。ケーキ?それともクッキー?和菓子なんかもいいわね。あぁ楽しみね。
私の頭の中はもうお菓子の事でいっぱいだった。早く協会の方へ言ってこいつを下ろしたいが協会まではまだまだありそうだ…
「あー本当に面倒ね!」
こいつが気持ち悪くならないようになるべく速度を落として飛行している。だから協会までが物凄く長く感じられる。何時もだったら、最大出力でドーンと飛んできちゃうのに…そう言えばこの前あいつ私の事怪人と変わらないだのなんだの言ってたけど、結局なんだったのかしら。後で問い詰めないと。
「ごっごうもりぃ、慈悲の刀出してー」
?あいつ…自分の刀に話しかけてるの?痛いやつじゃない!
は?あいつの手元にさっきまでなかった小さな刀が出現したんだけど。どういうマジックよ!?
あいつはその刀を自らに突き刺しだす
はぁー!?!?!?
「ちょっちょちょ何やってるのよ!やめなさいよ!そんな事したって酔い止めには…」
「あっあぁ大丈夫ですよ…この刀には回復効果があるんで切ったり刺したりすると体が回復してくんですよ。便利でしょう?」
いや…便利でしょう?じゃないでしょ。確かにさっきよりだいぶマシになってきた気がするけど…さっきなんて青通り越して蒼って感じだったし。今は何時もの生気のない青白って感じだし。
「タツマキさん…ご迷惑おかけしました。下ろして貰って構いませんよ。」
「いいわよ、別に。このまま協会まで運んであげるわ。」
私は考える事を辞めてスピードを上げた。
やっと協会まで着いたわ。長かった…
「ほら!アシナ!何処か連れてきなさい!」
「ん?そんな約束してましたっけ?」
「はぁ?運んで上げたのにお礼の1つも無いわけ???」
「あぁ。分かりました配慮不足でしたね。では何処に行きますか?」
「んーお菓子のバイキング行きましょ!食べ放題のバイキング!」
疲れた脳を癒すには糖分が1番よ!バイキングなら和菓子とかもあるかもだし。
「分かりましたでは行きましょう」
「さぁ!思う存分食べるわよ!」
「2名でお願いします」
「はっはい!かっかかかしこまりましたぁ!」
店員がずいぶん慌てた様子で席へ案内する。まぁS級2人…しかも上位の名前を知らない人のが少ないでしょうね。顔も割れてるだろうし。慌てようも納得が行くと言う物だ
。店のルールを一通り聞いて私はケーキと紅茶を持って席に戻る。
「あんたはコーヒーだけでいいの?」
「ええまぁ甘い物は2・3個食べればいいかなぁと」
「ふーんまぁいいわ。いただきまーす………んー美味しぃ」
持ってきたイチゴのケーキもモンブランも程よく甘くて癒される。口直しの紅茶もほんのりと苦味があって菓子類とよく会う。
「そう言えばあんた。この前私のこと怪人呼ばわり下じゃない?あれはどういうことよ?」
ケーキを食べながら先程疑問に思ったことを聞く。
「タツマキさん……ヒーローと怪人の境界ってなんだと思います?」
「ヒーローと怪人の境?人に害をもたらす力をもった人ならざるもの達じゃないの?」
おかしな事を聞いてくるものだ。
「確かにそれもそうですね。でもそれに当てはまるのなら俺もタツマキさんも、シルバーファングさんもS級の方々全員人に仇なす事のできる力を持った怪人になってしまいます。」
確かにそうだ。
「じゃあ悪の心を持った者たちとか?」
「悪ってなんでしょうね?」
「悪とは何か?そんなもの人を殺そうとか。イケナイ事をしようとか言う奴らの事じゃないの。」
悪とは何か…少し難しい質問だ。私はそれに曖昧な答えしか出すことが出来ない。
「悪なんて早々ありませんよ。そう言った人達は外道や下衆とか言う言葉が相応しいです。悪なんてないんです。我々人間が怪人と呼ぶ生き物は悪や怪人などではなく強大な力を人間に奮うだけのただの動物です。」
ふむ…強大な力を人に使う…か
「戦いとはどこかの誰かが言ってましたが。正義と正義のぶつかり合いです。それぞれにそれぞれの意思があり正儀がありますその意志をそして正儀を邪魔する物がいるから戦いが起こるのです。我々が怪人と呼んでいるそれらも自らの意思をもって暴れ、力を奮います。彼らを止めるのが同じく力を持った我々ヒーローと呼ばれる存在です。」
己の正義のぶつかり合い…
「我々ヒーローは力だけで言えばそこら辺の怪人と変わりません。その力を何かを守るために使うか否かで怪人かどうかが決まると思ってます。昨日タツマキさんはサイタマさんやジェノス君にその力を奮いました。守るためではなく…破壊するために。」
「うっ」
耳が痛い…確かにあの時はあいつらを殺そうとまでは行かずとも痛めつけようとはした…
「だから俺は怪人達と変わらないと言ったんです。守るものを無くした破壊するためだけに暴れる怪人。」
「なら…あんたは何を守ってるの?何のために…誰のためにその力をあの異形達に奮うのよ。」
「俺の話をする前に一つだけ言っておきます。」
「なによ?質問に答えなさいよ。」
「俺は種族的に言えば怪人に値します。」
……はぁ?アシナが…怪人?
「今もありますよ?破壊衝動。ここで暴れて辺りを血溜まりに染め上げたいという怪人らしい暴力的な思考が…」
…ッ!?
私はアシナだけを押さえつける。騒ぎを起こさないように全方向からその場に静止させるように。
「どういう…ことよ…」
「でも俺は他の異形と違って自らを律することができます。衝動を抑えて。こうやってタツマキさんと仲良くお茶もしてます。種族的にも怪人だし、今の心の在り方的にも怪人。ですが、その力を奮う目的が他の怪人を潰すため。まぁ同族殺しの性癖を持った唯のサイコパスですよ。」
「はぁ?何よそれ?」
バカバカしくなって拘束を解く
「うおっとぉ。さて先程の質問の回答ですが…俺は自分を守っています。この力を自らの為だけに使う。その結果たまたま人を助ける事に繋がるだけであって。ですが俺だって元人間。感謝されれば人並みに喜びますし誹謗中傷されれば傷ついてしまいます。」
アシナはおよよよっと言った風に服の袖を手で掴んで目元に持ってくる。
「くだらない。」
おっと言葉に出てしまった。
「奴らと違って人としての感情と喜怒哀楽だけは捨てないようにしてます。まぁ、タツマキさんの質問の、なぜ昨日怪人呼ばわりしたか、に大しての回答はこんな感じになりますね。満足ですか?」
「まぁまぁね」
腑に落ちない部分もあるけど。まぁどうでもいいわ。こいつが私達の敵にならなければどうでもいいし。
「あんたが…」
「はい?」
「もしもあんたが人としての心や気持ちを忘れて衝動のままに暴れる怪人になったなら。」
「なったのなら?」
「私が細切れにし続けてあんたが正気に戻るまで助けてあげるわ。でも!その代わり、私がもし怪人にやられそうになったら。あんたが私の事を助けてくれるかしら?」
私らしくもないけどこいつには少し…ほんの少し友愛と言う感情を持ったって良いのかもしれない…『いざと言う時誰かが助けに来てくれるとは思わない方が良い』私がヒーロー目指すきっかけになった人の言葉。でもこいつなら…不死身でそこそこ強いこいつならば私がピンチの時は助けてくれるのかもしれない。
「そうですねでしたらこれを渡しておきますね。」
変な紅い石を渡された、凄く綺麗だ。透き通るような紅色で向こう側が見えそうだ。
「俺の瞬間移動能力の断片を分離させたものです。それに声をかけてくれればいつでもどこでも向かいます。だからそれを肌身離さず持っていて下さい。」
「へぇー分かったわお守りにでもしといてあげるわ。」
「さてバイキングの続きを楽しみましょう。俺も少しなんか食べます。」
「私も食べるわ。」
その後は2人でワイワイと楽しんだ。この石が使う時が思いの外早く来ることになろうとはまだこの時は知るはずも無かった。
今回なっっっっが!!!!!まぁこれでガロウ編に入るでしょう。ガロウ編かぁできるだけ長めに描きたいよねぇ。
感想等お待ちしてます!