頭が痛い…耳障りな羽音が鳴り響く。超能力が使えない。その状況で相手を殺そうなどと言うのは不可能に等しいものだった。
「君と長期戦になれば僕は確実に負けていただろう。いずれ心の迷いから首を捻り飛ばされてね…だけど僕の羽音が君に効いて良かった。これで君をじっくりと嬲れるね。」
奴がゆっくりと近づいてくる。立ち向かう?無謀だ、逃げる?どうやって。それにそんなことはプライドが許さない…
「あぁあああああ!!!」
叫びながら超能力を使おうとする。ダメだ全然集中出来ない…
「そうだね良いものを上げるよ。」
ガシッ。
腕を掴まれて持ち上げられる。
「はっ離しなさい!!このっこのっ!!」
今の自分にできる精一杯の抵抗である、蹴りを放つが効いている気がしない。
ニュグニュグニュグ…プスッ
奴の尻の部分からサソリのような尾が生えて来て私を軽く指す。
ビグッ
体が大きく反応して力すら入らなくなった。
「あっあっあ…」
呼吸はできるが…声が…出ない?何だ?これ。
「これはねぇ強力な神経毒だよ。思いっきり刺せば致死量に至るけど軽く触れるようにしたから死には至らないよ。良かったね。君は面白いからねこのまま巣に連れてって同胞にゆっくりと爪先から食べて貰うことにするよ。」
え?嫌だ………いやだいやだいやだいやだいやだ!!!!!
「知ってるかい戦慄のタツマキィ。人の子は虫で遊ぶ時に触覚からちぎって遊ぶんだ。一通り反応を見て飽きたら次はね、足を1本ずつちぎり始めるんだ……綺麗に捥げたら最後は足でぐしゃっとね。今言った事を君にしてあげよう…楽しみだよ!」
奴の笑い声が辺りに木霊する…そんなの…そんなのって…いやだそんな死に方絶対嫌だ。先程から超能力を使おうとしてるが、あの羽音がどうしても邪魔をする。
舌を噛み切ろうにも口にすら力が入らないのではどうしようもない。
『いざと言う時誰かが助けに来てくれるなんて思わない方が良い。』
あぁそうだ。今はいざと言う時だ誰も助けになんかこな…そうだ彼がいる。あの時約束したのだ…今が使いどきよ…お願い来てよ…。
私は糸にも縋る思いで彼のくれた石に意識だけ向ける。
助けて…助けて…助けてよ…アシナァ…
「何をしようとしてるのかな?目に光が宿り始めたからね…じゃあその希望を潰そうかな?一体何に縋っているのかな?おっ?これか?」
奴は私を持ち上げて首に掛けてた紅い石を取り上げる。
「この気配は…へぇ?6位の首切りが…奴も粋なものを渡す。」
「あー!あー!うーーー!!!!」
返せ!!それは。それはぁ!
パキョッ
「残念無駄でしたァ」
紅い石は奴の手で粉々に砕け散る。
あぁ。もう…ダメなの?彼は嘘を着いたの?来てくれるって言ったのに…どうして…どうしてどうしてどうして
「おや?泣いているのかい?クックックッやっと人間実が出たらしいねぇ。その感情を持ち続けると良いよ戦慄のタツマキ。それが絶望だよ。黒く暗く何も無い。」
1度決壊したダムは留まる事を知らない…初めてかもしれない。物心着いた時から泣いたことなんて無かったでも、もう…無理だ。最後の希望も砕かれて。自慢の力も通用せず…唯嬲られるだけの弱者。考えれば考えるだけネガティブな思考で埋め尽くされる。
だいたい…こいつを誰かが倒せたとしてこいつはまだ下っ端らしいこいつより上の者が少なくとも存在する…ダメだ勝てるわけがない…
「さて…残りは巣で楽しむ事にしよう…さぁ行こうか怪人協会に…」
もう…どうにでも…
ズパッ
突然私を掴んでた怪人腕が切れる。私は誰かに抱えられて奴の手の残骸から解放される。その腕はとても冷たくまるで生きてないようだったがとても…心地の良いものだった
「おいおいおい。少し遅れただけなのにもう諦めてるんですか?タツマキさん。らしくないですよ。」
え?う…そ?あ…しな?来てくれた…来てくれたのだ。彼がちゃんと!
「まだまだこれからですよ。蝙蝠タツマキさんの看病よろしく。俺はまぁ夕日でちゃちゃっとあの羽虫倒しちゃうんで。」
「御意」
侍風の男が私を抱えて別の離れた位置に移動する。
「あーあーあー運がないよ…全く。」
「さて昆虫王と言ったか?貴様を殺す。」
反省は物凄くしてる!後悔もある!まじですまんかった。
感想等はどしどしお願いします!待ってマース!