蝙蝠side
時は昼間、我は今主の枕元にたっている。理由は一つ我が主の体を魂ごと喰らうためだ...血に酔い、溺れ、暴れ、嗤うこやつを既に主と見なしていないのが悲しきことだ...
「フッ」
鼻笑いが自然と出る。我は元と言えど主の剣詰まるところ主など歯牙にかけるほどでは無い。さしたる障害では無いのだ...我は主を吸収して完全な我となる。主の道具でも半身でも無く我自身として!我がアシナになるのだ!
「済まぬな...主よ...我とひとつになられよ...御免!」
刃の切っ先を魂の上に持っていき突き刺す。しかし刃は手に捕まれ勢いが止まる。
「ヒトツニナルノハ、キサマノホウダ」
主から主でない声と煙が飛び出し、刀を構える間もなく体が包まれる。
「ぐっ!?なんだこれは!離れろ!離れ!はな...」
これが...野心に飲まれ主を暗殺しようとした者の末路か...
蝙蝠の意識は途絶え、後に残ったのは黒色に変色した蝙蝠の抜け殻の刀のみであった。
アシナside
「腹減った...飯食いいくか」
日がな寝て過ごし今日も狩りに出かける。今日はどこに食べに行こう...怪人が人を襲ってる時が良いな...綺麗に助けて感謝された所を喉にブスリ...堪らねぇヨダレが出る...人は絶望した直後の血が1番濃厚で味わい深い味をしているのだ、目をひん剥いて何故って顔してるのを摘みに血肉を啜り喰らう、かぁーー堪んねぇなぁ。俺はグルメなのだ、美味い味を求めて何が悪いのだ。
「蝙蝠出るぞ...って、ん?」
蝙蝠を呼ぶが返事は無く足元には別の黒い鞘の刀が無造作に置かれていた。
刀を抜いて刀身を見てみる。蝙蝠とは違い普通の鉄のような金属で作られており、The刀と言う印象を受けた。しかしその刀にも蝙蝠同様美しさと芯がありその輝きに魅入られてしまう位には心が動かされた。名前が気になるとふと思った。刃の根元に目を向けていくと鍔の周辺に『夜影』と掘られていた。その名を見て認識した途端夜影の蝙蝠を飲み込んだという記憶が流れてきた。
そうか...お前は俺を守ってくれたんだな?
刀は何も言わない、動かない。しかし肯定しているように感じた。
「お前は...人になって喋れるか?」
「肯定します...なんなりとご命令を...主よ。」
髪は白色で西洋人形のように整った顔に黒色の着物を羽織っており、女性を思わせる発達した胸部に病的なまでに白い肌。人並の感覚器官が備わっていたとしてもそれを穢すなど、考えられない位整っており刀の見た目通り芸術品をイメージさせる外見となり目の前に現れた。人になれるなら最初からなってくれよ..
「お前が夜影なのか?」
試しに問いかける、意思の疎通ができるか分からないからな。
「肯定します。」
どうやらできるらしい。ならば蝙蝠についての正確な答えを聞こう
「お前は蝙蝠より強いのか?蝙蝠をどうした?」
「先ず蝙蝠より強いと言う質問ですが肯定します。先程までの私ならまともに戦えば粉微塵にされておりました。しかし今の私はかの刀を凌ぎます。そして2つ目の質問の回答です。私はやつを喰らいました。私はかの刀の能力は一通り継承しておりますのでご安心下さいませ。」
「おっおぉ...分かった理解した。まぁいいや刀に戻ってくれ。」
「仰せの通りに。」
刀に戻り俺の手に収まる夜影。どこのなろう主人公だよ...美少女擬人化刀が相棒とか...まぁいいや飯食ってから悶えよ...
俺はベランダから外へ出て夜の闇へとその身を溶かした。
まぁ番外は流血についての表現やや多めとなっておりますので悪しからず...
コメント等お待ちしております。