昆虫皇side
タツマキが起き上がってイビル天然水をはじき飛ばした。僕も生きて帰りたいからあまり危ない事はしたくないんだけど...タツマキ位は無力化しても...いやめんどくさいからやめておこう。まだこの体に慣れていないんだろうか?だるいと言うかなんと言うか...黒い精子も危ないんだろうか...多細胞精子になってる。
「おい!お前も見てねーで手伝いやがれ!」
ご指名だね動こうかな?
「りょーかいっ 」
「久しぶりだねぇタツマキちゃん。元気してたァ?」
「害虫めが...あんたなんてもう怖くないわよ。」
「あっはっはっ!イキがるねぇ?何も出来なくなっちゃう癖に。それに頼みのアシナきゅんは未だ伸びてるし。アシナきゅんの武器だって戦力外さ!」
タツマキの口が弧を描く。不気味だななにかあるのか?
「武器が...どうした?」
はぁ?
声のした方を振り向くと侍が僕の顔目掛けて刀を振り下ろす直前だった。
「血流技『岩砕き』!!!」
ッ!?
僕は咄嗟に腕でその技を受けてしまった。それが良くなかった腕は仮面と共に砕かれてしまった。
血を滴らせながら彼の者を睨む。
「ギザマァ!!!何故もう動ける!?」
「ふむ...素顔は人と大して変わらぬようだな。何故動けるのか、という問いに対しては我の耐久が貴様の毒を上回ったとしか言いようがないのでなぁ?」
は?ふざけるなよ全力の毒を2回だぞ...企画外過ぎんか?やってられるかよ逃げよう...勝てない、死ねない!
「おい?何処へ行こうとしている?」
「イギィ!?」
羽を切られ飛ぶことも出来なくなる...あぁここが僕の墓場になるのか...ごめんよ皆...
蝙蝠side
取り敢えず害虫の羽はもいだからもう逃げる事も出来まい。ふむ...トドメを指しておこう。
「なぁ...死ぬのか?僕...」
「そうだ。貴様は死ぬ」
「再生も間に合わない...もう一思いに殺ってくれ。」
あまり受けたくない頼みだが獲物で遊ぶ趣味はないのだよ、我は。
「承知した。」
手を立てながら片手で害虫の首に刀を突き刺して命を絶つ。
「御免。」
血を吸い継承を開始する。
さて...小娘の方は上手くやっているらしいが、脳へのダメージもでかいだろう。人情だ手を貸してやろう。
「小娘、助太刀させてもらう。」
「あぁ生きてたのね。まぁあんたなら足でまといにならずに済みそう...いいわ手を貸して」
「足でまといにならぬかというと厳しいやもしれぬ...まだ完全に毒を克服し切れておらぬからな...」
「そう...じゃあなんで来たの?引っ込んでなさいよ。てかそれよりアシナは無事そうなの?」
「主は既に死んでいる...魂ごと葬らない限りはこの世に留まり続けるだろう。」
「あぁ死んでるってそう言う。」
「おい...目の前の俺を目前に呑気に喋ってる暇があるのかよ?」
目の前の雑魚がほざいている、ふっ貴様らなどあの不意打ちエスパーさえいなければ遅れをとる相手では無いのだ...それに加えこちらには不意打ちができるエスパーがいる!負ける要素無しだ...
「へっへっへ余裕を見せていられるのも今のうちだぜぇ?」
ほう?ここから先の打開策が何かあるとでも?
鍔に指を掛けて居合の構えを取る。ここからやつが分裂しないように燃やし斬るなど容易い。
「おいおい動いてみろよ人質のいのちがねぇぜぇ!!!」
人質だと?そんなものどこから
「おーいこっちだ!こっちー!」
振り向くとそこには不細工なガキと黒い奴がいた。人質とはあの餓鬼か...厄介だな。
「ひっとじちーひっとじちー」
「はぁ...切るか。」
「待ちなさい、一市民を巻き込む気なの!?」
「コラテラルダメージという物を知らぬのか?1の救済より10の救済のが尊いであろう。彼には悪いが犠牲となってもらおう...」
「さいってい!信じらんない!」
「おっと御託はそこまでだ。俺はあくまで100の集合体!お前の相手はそこの10兆分の俺だ。」
ギョミミミミミ
「1度細胞分裂するとなぁ二度とは元に戻らねぇ。ひとつの肉の中で10兆の俺の自我の奪い合いだ。たった一つの生命の誕生にも多くの犠牲が伴う。だから尊い!だから美しい!今!おれは深い悲しみに満ちている...9兆9999億9999万9999の俺が...何処かへ逝こうとしている...反面喜びにも溢れている!10兆合体!本当の俺の...誕生だ。」
黄金精子!爆 誕
うるさい奴だな、ペラペラと真面目に聞いた我を褒めて欲しい。黄金精子とやらに目を向けるがあんまり変化はないように感じられる。
「我は大差ないように感じるが...なにか変わったか?」
「舐めていますね?あなた。」
「舐めてはいないさ。唯変化が分からないってだけ...?」
ガイィン
ほら大差ない、力が少し上がっただけだ。
「貴方...何者ですか?超越した怪人である私の攻撃を防ぐとは。」
「ただのしがない刀だよ。」
あぁあああああ!!!
叫び声が聞こえる、人質の方だ。そちらを向くと未だ倒れてる筈の我が主が立っていた。
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