怪人を狩る怪人   作:成金ヤック

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高揚

蝙蝠side

昨晩は取り敢えず寝て回復する事に務めた。アシナ殿が心配だ、先程から貧乏揺すりが止まらない。待ち合わせた公園に予定より早く着いてしまったからか誰も来る気配がない。

 

「あら...あんた、早いわね」

 

小娘が空から声をかけながら降りてきて、隣に腰掛ける。

 

「小娘か...自らの主が心配なのだ...いっそ1人で行ってしまいたいものだよ...」

 

「でも私たちじゃ太刀打ちすら難しい...」

 

小娘の言うことに何も言えない。実際その通りだ...昨晩まで8本ではあったものの今何本まで増えてしまっているかなど...検討もつかない。

 

「全く...ため息しかでてこぬ」

 

「そうね...」

 

指定した時間まではもうしばし待たねばならない。

その間も膨れる不安を拭うことなど出来なかった。

 

暫くして集合時間になり皆集まりだした。

来たものは、サイタマ殿、サイボーグ、小娘、ガロウ、バング、人型ロボットの4名である。我も合わせて5人か...まぁこれぐらいでいいだろう。

 

「話は無しだ...行くぞ。」

 

皆それぞれ頷き我の後に続く。

 

「おいお前首切りがどこにいるのか分かってんのか?」

 

ガロウが問い詰めて来る。

 

「案ずるな分かっておる。」

 

暫く歩くと森に辿り着く、何の変哲もないただの森。

 

「この奥で獣は眠っておるはずだ...気を引き締めて行け。」

 

森の中を暫く進むと赤い糸と泥がそこら中に撒き散らされた状態が伺える。やつが巣を展開しており侵入者を足止めするものであるという事を理解するのに時間はかからなかった。

 

「どわっ!?なんだこれ?ネチョネチョしやがる!?」

 

「先生、大丈夫ですか!」

 

サイボーグが子気味いい音を立てて赤いドロを燃やす。

 

「にしてもマジで気持ちわりぃなこれ、歩き辛ぇにも程があるぜ。」

 

「ふむ...誠異形な技であるな...アシナ君の技とは思えん。」

 

しかしこれもアシナ殿の技だ。

 

『アアァァァァアアアァァァァアアア!!!!』

 

起きたか

 

「来るわよ...あんた達気を引き締めなさい。」

 

それぞれがそれぞれの構えをとる

 

バギん!

 

最初にやられたのは人型ロボットであった気づいた時には既に足だけとなっていた。

 

カサカサカサカサカサカサ...シュババババ

 

獣は木を利用しながらあっちへこっちへ飛び回る、そして飛び回る事に速さが増していく。奴の狩りが始まった。

 

「ちっ目で追えねぇ!」

 

「馬鹿者!目で追おうとするから見えぬのじゃ!感じるのじゃよ...ホレッ!」

 

バングが疾走中の獣に足蹴を喰らわせようとしたが獣は手で交わして回転しながら木にしがみつく。

 

やはり尾が10本に増えている、一筋縄では行かぬか。

 

「ケキャキャキャ?ウキャ?ッ...」

 

「耳を塞げ!」

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!アッ?」

 

「マシンガンブロー!!!」

 

ガガガゴン!

 

サイボーグがバインドボイスが効かないのを利用して獣に拳を叩き込むが全て止められ流されて反撃を喰らい後方に吹き飛ばされる。

 

「ジェノス!?」

 

サイボーグは後方の木に衝突して再び立ち上がろうとした所を10本の尾と2本の腕から繰り出される連撃で再起不能に追いやられる。

 

「少しだけ止めて上げる!」

 

小娘が超能力で獣の行動を制限する。

 

「ゲキョォ?」

バングとガロウが獣に向かっていきそれぞれ構えを取る

 

「合わせろよジジイ!...コォォォォォ」

 

「ふっ...ワシを誰だとおもっちょる。コォォォォォ」

 

「怪害神殺拳!!!」

 

「流水岩砕拳!!!」

 

「キ?」

 

恐ろしい猛撃が獣を襲うがその全てを尻尾で力を流されている。

 

「ガロウ!グゥ押されかけておるぞ!」

 

「こっちは攻撃が4本相手は10本だぞ!無理がある!」

 

「キキキ...ううういあんあいえん!!」

 

ズババ!ズンベゴォドゴォベギィ

 

バングやガロウの拳を掻い潜り重たい一撃を何発も2人に打ち込む。

 

「火炎血流!!!」

 

ズバッ!!

 

「血流技『龍這い!』」

 

この間主が見せた泣き声の血液バージョンを打つ。威力は上場であるが些か厳しい物がある。

 

「...し...ね」

 

バズォン

 

「グッ...ゴフゥ」

 

木に叩きつけられ血を吐き出す。

 

「なんで...止めてるのに...動けるのよ!!!ギギギギギァ!」

 

小娘が歯を軋ませながら獣を止めようとしているが本体のみ静止しているだけで尻尾はバンバン動いている。

 

サイタマ殿が間合いを詰めて目にも止まらぬ速さで殴り掛かる。

 

連続普通のパンチ

 

しかしその全てを獣に流されている。

 

「あっちょっ...まっ!」

 

小娘が前のめりつんのめりそれと同時に獣が動きだす。

 

「ギッ!」

 

バズン!!!ベゴォ

 

サイタマ殿の後頭部に尻尾での空中回転打ちが入る。地面にクレーターが出来上がりサイタマ殿が沈み込む

 

「いってぇっ...?」

 

サイタマside

化け物になったアシナに殴られて痛みを感じた。久しく感じなかった痛みを...血は出ていないものの俺が痛みを感じたのだ。

 

口角が少し上がるのを感じた。

 

俺は今笑っている...久しく忘れていた戦いの高揚感...そして自らがまともに...本気で戦える可能性のある生物。やべぇ...ワクワクが止まんねぇ。

 

「ゥゥゥゥゥ...グルルルルルガルルルルル」

 

土から飛び出てアシナと対峙する、そのままアシナと一緒に横に掛ける。

 

無骨なラッシュ、それは全てに置いていなされ逆にカウンターを貰う、やはり少し痛い。

 

殴ってもいなされ殴られる。偶に当たるラッキーパンチでも相手は引かないし向かってくる。

 

後ろ向きに歩いて様子を伺う。そこにすかさずラッシュを当ててくるから腕をクロスさせて防いで行く

 

普通の頭突き

 

「ンギィ!?!?」

 

尻尾で受けられたが不意打ちには成功した。そのまま相手に極限まで近づく。

 

「必殺マジシリーズ『マジ蹴り』!!」

 

足を振りかぶってアシナを全力で蹴りぬく。

 

「ギャギャギィ!?!?」

 

バズォォォ!!!

 

アシナ諸共辺りの木が吹き飛び遠くの方の山まで抉れている。

 

しまった...殺しち待ったか?久しぶりにまともにやりあえたからマジシリーズ出しちゃった..

 

「ギャギィオォォォォ!!!!」

 

ズドン!!!

 

まだ終わってなんて無かった。

 

 




眠い眠い眠い
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