怪人を狩る怪人   作:成金ヤック

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奇跡

蝙蝠side

やつは既に虫の息...仕留めるのなら今しか無い...主の魂を解き。介錯する

 

「ちょっとあんた!!これ!アシナ!?えぇ!?」

 

「騒ぐな!それは抜け殻だ。主は未だあれに捕らわれたまま...」

 

「意味わかんない!」

 

分からない方が良いこともあるのだ。

 

「ギィギギギ」

 

目を瞑り、ゆっくりと開く。覚悟を決めた...主人を救う覚悟を。

 

「参る...」

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

 

バインドボイスをものともせずに獣に切りかかるが、奴の尻尾にそらされてしまう。

 

「ギア!」

 

体制を素早く建て直して奴の連撃を刀で逸らし体制の崩れた所に1発ずつ叩き込む。

 

これが...怨門の力か。恐ろしい力だ

 

1発切っていく度に獣の力が徐々に弱まっていく。怨門は怨嗟の器...器の中に戻していけばやつは小さくなっていくものだ。元々サイタマ殿のお陰で尻尾の本数が激減していたのもあって我でも対象できるであろう6本まで減っている。

 

「諦めろ...年貢の収め時だ」

 

獣は呻き、歯をガチガチと震わせ威嚇する。

 

「ぎゃああああァァァァァ!!」

 

両腕で掴みかかってきたので中に潜り込み口に突き刺しを入れる。

 

「あっあが...ガァガ...グッギャア」

 

ズブズブと奥まで突き刺し後頭部から刀が突き出た状態になっている。そのまま負のエネルギーを吸収して沈めて行く。奴の腕が垂れたのを確認して刀を抜き取り追い討ちで胸に突き刺す。アシナ殿の黒くなってしまった魂が刀によって押し出される。やはり侵食の具合が酷い...だが...主が助かるのであれば迷う必要などは無い。

 

仕上げだ。右手で押し出した刀を持ち。左手で慈愛刀を顕現させる。

 

「獣よ...御免!」

 

慈愛刀を顎下から頭頂部にかけて貫き、怨門に力を込めて獣に馬乗りになり浄化する。

 

「アガァ!?ガッガッ...イ...ヤ...ダ」

 

手を立て合わせ刀を引き抜く。獣はその場で灰となりその姿を消滅させた。我は迫り出した魂を掴み、浄化しながらアシナ殿の抜け殻へと歩んだ。

 

タツマキside

何が起こったのか全然分からなかった。残念侍が物凄い勢いで打ち合いを始め金属同士が撃ち合う音が辺りに響く。てかアイツらよりアシナのことよ!

 

「起きなさい!アシナ!あんたどういうつもりよ!ちょっと!」

 

返事など返って来ない。元々こいつに脈なんて無かったから生死の判別なんて意味をなさない...私にできるのは、先日アシナが手の甲に描いてくれた線に祈ることぐらい...

 

「おい...タツマキ屈んで泣いてる場合じゃねぇだろ!」

 

「泣いてなんか無いわよ!!!」

 

泣いてなんか...無い!

 

「このまま目を覚まさなかったら骨折り損のくたびれ儲けだぞ!何が方法を...いって!?」

 

「よさんか...ガロウ...」

 

わかんないわよ...アシナを助ける方法なんて!!分かったらとっくにやってるわよ!体に外傷は見られず綺麗なまんま...一体どうすれば...

 

「どけ貴様ら、邪魔だ。」

 

残念侍がアシナの元へと近寄りなにかをしている。

 

「やはり足りぬか...主が助かるならこの身など惜しくはないが...む?ッ!?小娘!その手をみせろ!!」

 

残念侍が声を荒らげて私の腕を乱暴に掴みあげる。ものすごく痛い。

 

「ちょっ...ヤメッ...痛いってば!!」

 

「すっ済まない。しかしでかしたぞ小娘!小娘がまだそれを使ってなかったとは!主は...主は助かるぞ!」

 

それはとても有難い話だった。

 

蝙蝠side

小娘がなんと!アシナ殿の召喚印を保有していた!それもアシナ殿自身の!アシナ殿の抜け殻の中に入れようとしてた魂を持ってくる。それは食い潰されており酷く弱っており今にも消えてしまいそうなほど小さい。本来は我が自害してその魂を主のと併合して元のひとつに戻り、主を甦らせる予定だった。しかし小娘は主の血を使っていなかった!その召喚印の血の量は主の魂を補填しうる思いを多く含んでいる!魂と血は密接な関係にある。血は記憶を持ち魂は思いを持つ、心は魂であり感情だ、だからアシナ殿が小娘を救いたい寄り添いってあげていたい、助けたい等の思いが詰まった召喚印なら!主を再び甦らせることができる!しかしこれは賭けだ...失敗した時など想像も付かん。

 

「小娘...召喚印を剥がす、こちらへ来い。」

 

「えっえぇ、分かったわ」

 

小娘が我の横に座り手を差し出す。主の血を血流技で操作して剥がす。剥がした物を弱りかけた魂に吸わせる。

 

魂は勢いを取り戻し、主の赤い綺麗な魂へと変貌した。しかしまだ足りない...後は我の力を少し分ければ...!

 

何とか...出来た...次は魂を器に戻す。

 

「アシナ殿!起きてくだされ!修行の時間ですぞ!!」

 

返事は無い...ダメか?

 

「んっくぅ...起きるから待って...ッ!?わぁ!?」

 

小娘が感極まったのかアシナ殿に抱きついた。

 

「アシナァ!!よかっだァァァ!!」

 

本当に本当に良かった。

 

「おう!アシナ起きたか!飯でも食いいこうぜ!」

 

「全く世話のかかった弟子じゃぞい!意思の弱さは課題のひとつじゃ!ガロウと共に鍛え直してやるわい!」

 

「はぁなんで俺がまだジジイの門下生扱いなんだよ!俺はなぁ!?」

 

「俺確か怪人協会と戦って...てかなんでガロウいるの!?えぇえ!?」

 

全く能天気な主人だな...

 

 

 

数日後

 

 

腰に2振りの刀を携えたヒーローが1人...S級6位の首切り彼は今日も街を駆け怪人を狩る。

 

彼は間違い...過ち...失敗する、そんな人間らしさを残したおかしな怪人。彼の終わらない戦いはこの先も続いて行くことだろう。

 

HappyEND(帰還)

 

 

 




ENDはあと2つ程ありますが一応これにて本編は終了とさせて頂きます!番外編の方と併用して残りのENDと手がけて行きます!次回作何にするかは決めてないんだよなぁ...
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