キャスターが最強のSHINOBIを召喚したそうです   作:ざるそば@きよし

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ついに最初の脱落者が出たようです

 

「そうか。計画は失敗したか」

 

 自室で報告を聞いた葛木はさして残念そうでもない口調で言った。どんな事柄にも大きな感情を見せないのが、この男の特徴だった。

 それに失敗と言っても大きな痛手を負った訳ではない。初見だったアーチャーとセイバーの手の内が一つ知れた事を考えれば、むしろ大きな収穫があったと言っても良い程だ。

 だと言うのに、当人であるメディアは昨夜の失敗から来る落胆ですっかり縮こまっていた。

 

「申し訳ありません……」

 

 肩を落とした姿と同じように声にも全く覇気がない。成功すると確信していた作戦をしくじったという事実が、未だ受け止めきれていないようだ。

 そんな彼女を責めるでも慰めるでもなく彼は言う。

 

「失敗したのなら、また策を練ればいい。状況を見極めれば、自ずと打てる手はあるだろう」

 

 それだけ告げると、今日の仕事に向かうべく葛木が立ち上がった。

 てきぱきと身支度を済ませて玄関へと向かっていく彼の背中に、少しあってからキャスターが声をかける。

 

「あ、あの!」

 

 振り返ると布に包まれた箱と小さな巾着袋が突き出された。

 

「これは?」

 

「お寺の方に教わって作りました。その……お弁当です。お口に合うかは分かりませんけれど……」

 

 気恥ずしさと緊張が混ざった表情から察するに、決して完璧な自信作という訳ではないのだろう。それでも精一杯の勇気を出して手渡す様は、普段の尊大な態度とは雲泥の差だ。

 

「こちらは魔術を込めたお守りです。もし身の危険を感じたらそれに向かって呼びかけて下さい。どこでもすぐ迎えに行きます」

 

「分かった」

 

 頷いた葛木が護符を懐に入れ、弁当の包みを鞄に入れる。それで用は済んだと察したのか、再び玄関に向き直ると扉のガラス戸に手をかけた。

 

「では行ってくる」

 

 そっけない主人の言葉にもすっかり慣れた様子でキャスターは小さく頭を下げると、暖かい微笑みと共に彼の背中をじっと見送る。

 

「はい。行ってらっしゃいませ。宗一郎様」

 

 そこには既に長年付き添った夫婦のような妙な貫禄が漂っていた。

 

 ◇

 

 夜明け前に電話で叩き起こされた遠坂凛はひどく機嫌が悪かった。

 電話の主は衛宮士郎からで、内容は謝礼の言葉だった。聞けばキャスターの罠に嵌まった所を偶然居合わせたアーチャーに助けられたと言う。

 自分には全く心当たりがない事柄だったが、送られた言葉をとりあえず受け取ると、何食わぬ顔で家に戻っていた己のサーヴァントを問いつめた。

 

「その件か。衛宮士郎の言うようにただの偶然だ。街中を偵察していたら、サーヴァントも連れずに歩いていく小僧を見つけたのでな。不振に思って後を付けてみれば、まんまとキャスターの術中に引っかかっていたと言う訳だ」

 

 気に食わないほどの落ち着きぶりでアーチャーは事情を説明したが、話を聞いている間、凛はずっと別の事を考えていた。

 士郎が自分と同盟を結んでいる以上、パートナーである彼を助けることはそれほど不自然な行為ではない。むしろ気になったのは、何故アーチャーが自分に黙って街に出ていたのかという事だ。

 思えば出会った時からそうだった。彼は自分をマスターだと認識しながらも独自の目的で行動している節がある。それが完全に悪いと言う訳ではないが、明らかに自分の思惑とは違う方向に物事を運ぼうとしているのは確かだった。

 

 何かある。凛は心の中にある人物評のアーチャーの項目に“完全に信用してはならない奴”と書き加えると共に令呪を一画使用した。

 内容は『独自の判断での外出を禁ずる』――こうすれば彼が他の誰かと出会う事はなく、無用な画策を避けることが出来る。

 

 それで用は済んだものの、改めて寝直す気にもなれず、紅茶を飲んで夜が明けるのを待ってから学校に向かった。

 士郎とは今後の方針について話し合わなければならない。キャスターの事についても詳しい情報共有が必要だし、何より優先して倒すべき存在かどうかも検討の必要がある。

 そんな事を考えながら穂群原学園の校門を潜ると、意外な人物が自分を出迎えた。

 

「――よう。ご機嫌な朝だな。遠坂」

 

 ねっとりとした声で挨拶してきたのは同級生の間桐慎二だった。へらへらした軽薄な顔は相変わらずだが、どういう訳か今日の彼は一段とテンションが高い。こういう時の彼には注意が必要だと、彼女はかつての経験から何となく察していた。

 

「……私に何か用かしら間桐君。お付き合いの話なら、この前お断りしたはずだけれど?」

 

「そんなんじゃないさ。それよりももっと大切な話があるんだ。ちょっと来てくれないか?」

 

 横目で周囲を見渡すと、他の生徒たちが何だ何だとこちらに視線を向けて来ている。

 ――間桐慎二という人物はこう見えて学校の中では意外と評価が高い。特に見た目にうるさい女子連中には取り巻きが出来るほどだ。

 このまま放っておけば無用な人目を集めてしまう。どこに敵のマスターが居るか分からない以上、無闇に注目されるのは御免だった。

 

「……分かったわ。五分だけ時間をあげる」

 

 彼女の回答に満足した彼はくるりと背を向けると、学校のどこかへ向けて歩き出す。

 小さくため息を付いた凛は憮然とした態度のまま、黙ってそれに付いて行った。

 

 ◇ 

 

 やって来たのは校舎から少し離れた弓道場の裏だった。テスト期間である今は全ての部活動が禁止されていることもあり、朝練にやって来るような勤勉な生徒もいない。密談をするならばもってこいの場所だ。

 

「それで、話って何よ?」

 

 さっきとは打って変わってぶっきらぼうな口調で凛が尋ねた。二人きりならば、今さら体裁を取り繕う必要はない。

 加えてもしもの時に備えて小ぶりの宝石を二つばかり既に手の中に握り込んでいる。例え襲われても撃退するくらいの事は出来るだろう。

 すると、待ってましたとばかりに慎二が口を開いた。

 

「単刀直入に聞くけどさ、遠坂は僕と組む気はないかい?」

 

「なに? どういう事?」

 

 凛には言葉の意味が分からなかった。組むとは一体どういう意味なのか。

 

「実はさ、僕もマスターになったんだ」彼は見せびらかすように懐から一冊の本を取り出した。まるでそれがマスターの証だという風に。「でも一人じゃどうも心細くてねぇ。頼れる仲間が居てくれたらって思ったんだ。だから聖杯戦争が終わるまで僕とチームを組まないか? 僕と遠坂が組めば敵なしだと思うんだけど」

 

 ようやく合点がいった。彼は自分という戦力が欲しいのだ。

 “始まりの御三家”として冬木で名を轟かせてきた間桐家だが、その実体は既に魔術師としての道を閉ざされつつある没落家系だ。長男として家督を継ぐべき立場にあるはずの慎二が魔術師ではないという事実が、その何よりの証拠である。

 どうやってサーヴァントを召還したのかは知らないが、そんな彼が従えている英雄が強力であるとは思えない。だからこそ、彼は自分に同盟の話を持ちかけたのだろう。少しでも自分の負担を少なくするために。

 

「そう……そういうこと」

 

 腹が立った。舐められたような気さえした。このちっぽけなプライドを振りかざすしか能のない男が、何をする訳でもなく平然と自分の隣に立とうしている事が無性に我慢ならなかった。

 そして気が突けば、少年にとって最も冷たい言葉を言い放っていた。

 

「間桐君には悪いけど、私はいま衛宮君と協力関係にあるのよ。だからあなたとは組めないわ」

 

「なっ……!?」

 

 瞠目する慎二。まさか既に自分が他の誰かと組んでいるとは思わなかったのだろう。

 驚いたままの彼に向かって凛は更なる言葉を投げかけた。

 

「それに間桐家は魔術師としてはとっくに没落した家系のはず。どうやってマスターになったのかは知らないけど、あなたみたいな何の力も持たない人間を仲間にした所で、私には何のメリットもないのよ。殺されたくなかったら、精々大人しくしてる事ね。何もしないと誓うなら、こっちからは手を出さないでおいてあげるわ」

 

 最後の一言は警告のつもりだったが、彼が聞いている様子はなかった。暗い視線で地面を向き、ボソボソと呪詛のような呟きを漏らすばかりで、こちらのことを見ようともしていない。

 

「………どいつもこいつも衛宮、衛宮、衛宮……そんなにあいつの事が良いのかよ?」

 

 かろうじて聞き取れたのはそんな嫉妬にも似た恨み言だった。彼が士郎とそれなりに親しい事は知っていたが、どうも抱えている感情は単なる友情だけではないらしい。

 やがて慎二が下げていた顔を地面から凜の方へと向き直ると吐き出すように言った。

 

「まあいいさ。僕を除け者にしたことをせいぜい後悔するんだな」

 

 一方的に言い捨てると、不気味な笑い声と共にその場を去っていく。

 

「………一体なんなのよ、アイツ」

 

 壊れたように感情を上下させる慎二の態度にどこか薄ら寒いものを感じた凛だったが、予鈴のチャイムで登校中だった事を思い出すと、足早に自分の教室に向かって歩き出したのだった。

 

 ◇

 

 午前の授業を一通り終えて昼休みになり、葛木は渡された弁当を食べながらテストのための資料を作っていた。

 倫理と社会科では共通する部分とそうでない部分がある――社会という生活基盤が、人間が持つ倫理感の大よそを決めるからだ。

 治安や生活が安定している日本の中では、強盗や殺人は非日常的な行為であり、異常な出来事だ。しかし一歩外に出れば、それらが当たり前の光景となる国はいくらでもある。社会のルールが違えば、人の倫理観は180度変わるものだ。

 だとしたら人に倫理を説く事に、一体どれくらいの意味があるのだろうか?

 意味など無いことは十分過ぎるほど知っていたが、ふとそう思ってしまう瞬間がある。ましてや殺人者として育てられた自分が他人に倫理観を教えるなど、まさに狂笑の沙汰だ。

 そんな事をぼんやり考えていると横合いから女の声が飛んできた。

 

「あれ? 葛木先生、今日はお弁当なんですね」

 

 声の主は英語を担当している藤村大河だった。大きな作りの弁当箱を鞄から取り出しながら物珍しげにこちらの手元を見つめている。普段は食堂で昼を取っている自分がここに居るのが珍しいのだろう。

 

「ええ。今朝がた妻から手渡されまして」

 

 彼女とキャスターは以前、街中で会っている。相手の存在を知っている以上、下手に隠したり誤魔化す必要は無い。

 

「ああ、あの時の!」思い出したという風に大河は両手を叩いた。「愛妻弁当だなんて羨ましいです。私もしろ……家族に作ってもらってますけど、やっぱり一番好きな人が作ってくれるものには敵いませんから」

 

 家族。葛木は僅かにその言葉の意味を考え込んだ。

 夫婦ならば家族に違いないだろう。正式な契りを結んだわけではないが、対外的な宣誓にそもそも意味など無い。

 だが生まれてこの方、家族と言うものを持たなかった自分にとっては不思議な響きだった。

 

「家族……」

 

 その言葉を口にするたび、感動を失ったはずの心に仄かな暖かさが灯ってくる。凍てつき、錆びきった感情に僅かな情緒が戻ってくる。

 これは一体、何なのだろうか?

 

「結婚式には絶対呼んで下さいね! 私、這ってでも行きますから」

 

 感極まった大河が自分の両手を握る――血の通った暖かい手。彼女(メディア)の手も、握れば同じくらい暖かいのだろうか?

 

「ええ。必ず招待すると約束しましょう――」

 

 僅かに戸惑いながらも葛木がそう答えたその時、窓の外が不気味な光を放ったかと思うと、血のような真っ赤な空間が学校全体を覆い始めていた。

 

 ◇

 

「これは……」

 

 葛木は思わず言葉を失った。彼がそんな声を上げたのは、冬木に来てから実に始めてのことだった。

 外は異様な光景に包まれていた。まるで絵の具をそのまま塗りたくったような深紅色の空間が学校全体を覆っており、上空にはおぞましい目玉が一つ、全てを監視するすように浮かんでいた。

 こんな不条理な真似をするのは間違いなく人間ではない。敵のサーヴァントによる攻撃だ。

 不意に自分の手を握っていた暖かい感触が滑り落ちた。視線を戻すと、隣に座っていた大河が身体を崩し、床に倒れ込んでいた。

 

 急いで脈を取ると、まだ息はあった。しかしその顔色はどんどん悪くなり、鼓動も徐々に遅くなっている。

 見渡せば、他の同僚たちも似たような状態に陥っていった。ある者は机に突っ伏して白目を剥き、またある者は床に倒れて痙攣を繰り返している。

 そして葛木もまた、彼らと同じようになりつつあった。

 

 身体の中から力が抜け、ぐらりと身体が傾ぐ。まるで寄生生物が宿主から栄養を抜き取っていくように徐々に、しかし確実に体力が減っていく。

 

「……内部の人間を衰弱させるのか」

 

 犠牲を厭わないのであれば、これほど効率的なやり方はない。敵の逃げ道を丸ごと封じ、反撃する力を失わせながら、じっくりとなぶり殺しにする。まるで魔術で作られた蟻地獄だ。

 魔術師ではない葛木にこの状況を打開する手段はない。こうして床に這い蹲りながら静かに終わりの時を待つだけだ。

 

 そう、本来ならば。

 

 葛木はスーツの内ポケットに手を入れると、中から小さな巾着を取り出した。それは弁当と一緒にキャスターから手渡された護符だった。

 彼は事前に指示された通りに声をかけた。

 

「――来い。キャスター」

 

 変化はすぐに訪れた。独りでに宙に浮かび上がった護符は淡い光を瞬かせると、その中から創造主であるキャスターを呼び出してみせたのだ。

 

「宗一郎様! ご無事ですか!?」

 

 事態を把握していたキャスターは葛木に近寄ると、彼の身体に素早く活力を送り込んだ。おかげで脱け続けていた力が戻り、身体がすぐに言うことを聞くようになった。

 

「これは衛宮の仕業か?」

 

 復調した彼が尋ねると、彼女は少し考えてからかぶりを振った。

 

「私の知る限り、セイバーもあの少年も周囲への被害を嫌っています。恐らくは別のサーヴァントの仕業でしょう」

 

「脱出できるか?」

 

「ここは外の空間とは断絶されています。護符のおかげで入る事は出来ましたが、出るには結界を張ったサーヴァントを倒すしか無いかと」

 

「そうか」葛木は短くそう告げると、掛けていた眼鏡を外してポケットに入れた。それは彼が戦うと決めた紛れもない印だった。「付いて来い。敵のサーヴァントを倒しに行く」

 

 葛木の命令にキャスターは頷くと、淀みなく歩く彼の背中に音もなく付いていく。

 たとえどんな状況の中であっても、それが自分に課せられた使命だと言う風に。

 

 ◇

 

 葛木がキャスターを呼び出したのと同じ頃、マスターである士郎と凛もまた、迫り来る危機に対処しようと動き出していた。

 

「……甘く見てたわ。まさか慎二が他の生徒ごとあたし達を始末しようとするだなんて」

 

 倒れた生徒の安否を確認しながら苦々しい顔で凛が呟く。まさか同盟を拒否した途端に仕掛けてくるとは思っていなかったので、完全に不意を突かれた形となっていた。

 加えてサーヴァントで対抗しようにも今はアーチャーを連れて来ていない。裏切り防止の為に外出を禁止した事が、完全に裏目に出ていた。

 

「話はあとだ。まずは慎二を探してこの結界を止めさせるぞ」

 

 苛立ち混じりの声で士郎が言った。この状況に最も腹を立てているのは彼だと言うことを、凛は痛いほどよく分かっていた。

 生徒が全員生きている事を確認すると、続いて士郎は掃除道具の入ったロッカーからモップを取り出した。即席の武器にするためだ。

 魔術の光がモップを覆い、脆い材質を補強する――元が元だけに武器としては貧弱もいいところだったが、何も無いよりはましだろう。

 

「遠坂、奴がどこにいるか分かるか?」

 

「二階の隅の部屋……たぶん化学室だと思うわ」

 

 魔力の流れはそこに集中していた。ちょうど蟻地獄が巣の中央で落ちてくる得物を待ち構えているのと同じように、吸い取った魔力を結界の核となる術者に集約させているのだ。

 

「ならまずはそこに行こう。いいな」

 

 特に反対する理由はない。凛はスカートの中に入れておいた宝石をいつでも使える状態にすると、士郎と共に化学室を目指して走り出した。

 

 ◇

 

 間桐慎二は自らのサーヴァントが生み出した凄惨な状況と、それがもたらす残忍な結果にとても満足していた。

 ライダーの宝具である他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)は、内部に居る人間の生命力を魔力に変換して奪い取る。出口のない地獄の中で彼らは徐々に衰弱していき、最後には融解して跡形もなく消え去るだろう。

 結界の中には衛宮と遠坂も居るはずだが、ここまで来るのに相当の消耗を強いるはずだ。一方、大勢の人間からたっぷり力を奪い取ったライダーは万全の状態で迎え撃つことが出来る。たとえ二対一であっても引けを取るとは思わない。二人には自分を侮った報いを存分に受けてもらうとしよう。

 

 そう。これは復讐なのだ。自分を認めない者たちに対しての――魔術師というモノに対しての。

 

 生まれつき魔術回路を持たず、魔術師としての素養もなかった慎二は常に魔性の力を欲しながら生きてきた。他の才能ならば幾らでも発揮する事が出来たが、こと魔術の才能に関しては全くの皆無だったのだ。

 そのせいで家では随分と惨めな目に遭った。家長である祖父からはいつからか空気のような扱いを受け、頼りないと思っていた義妹からは逆に哀れまれる始末だった。

 屈辱だった。何もかもが許せなかった。一体どうしてこんな風に生まれてしまったのだろうか。

 気が付けば自分を憎み、他者を憎み、環境を憎んでいた――なんとしても自分こそが間桐の後継者だという事を証明しなければならないと、心の中でずっと思い続けていた。

 

 だから聖杯戦争の事を知った時は思わず大声で喜んだ。これで自分を見下す連中を見返してやれると。

 決心すれば後は早かった。義妹を使ってサーヴァントを召還させ、自分がマスターを代行した。戦いたがらない彼女は喜んでマスター役を譲り、祖父も反対しなかった。

 かくして間桐慎二はライダーのマスターとなり、今回の聖杯戦争に参戦したのだった。

 

「いいねいいねぇ……サーヴァントの戦いって言うのはこうでなくっちゃな」

 

 恍惚とした口調で慎二が呟く。サーヴァントという強大な力を手に入れ、他者を蹂躙する喜びを得た今の彼は、まさに目的の為に手段を選ばない残忍な魔術師に違いなかった。

 

「…………」

 

 そんな中、傍らに立っていたライダーが唐突に何者かの気配を察知した。得物である鎖付きの短剣を構え、入り口の扉に向かって油断の無い表情を向ける。

 

「……どうしたライダー?」

 

 サーヴァントが放つ戦闘の気配に彼も気が付いたようだった。少し遅れてから彼女と同じように扉の方を見つめる。

 果たして入り口の扉が勢いよく開かれたかと思うと、その中から彼にとって見知った顔の男が――葛木宗一郎が姿を現したのだった。

 

 ◇

 

「……あ?」

 

 慎二は思わず困惑の声を漏らした。そこに立っていたのが自分の予想と全く違う人物だったからだ。

 

 葛木宗一郎――二年A組の担任。倫理と社会科の教師。いけ好かない柳洞一成とは何故かツーカーの仲。無口で無表情で、何を考えているのか全く分からない奴。

 最初はマスターである衛宮か遠坂がやって来たのかと思った。結界を張っている自分を狙って。だがそうではなかった。何故この男はここに立っている?

 いや、それよりもまず……

 

「なんでだよ。なんでお前動けてるんだ……?」

 

 ライダーの結界は自分(マスター)を除いたあらゆる人間の生命力を吸収する。たとえ相手が魔術師だろうと長時間は持たないし、一般人ならばとっくに動けなくなっている筈だった。だと言うのに、目の前の男は全くもって平然としていた。

 

「間桐か」不気味なほど冷静な声で葛木が言った。普段と変わらない無機質で平坦な声。まるで登校途中に出くわした生徒と朝の挨拶でもするかのようだ。「なるほど。それがお前のサーヴァントという訳か」

 

「質問に答えろ! なんでアンタがここにいる!」

 

「察しが悪いな。普段のお前なら、私がここに来た時点ですぐに気が付くだろうに」

 

「……そうか。そう言うことか」彼の言葉で慎二はようやく状況を理解した。「葛木、お前もマスターだったんだな」

 

 一般人であればここまで来られる筈がない――逆に言えば、ここまで来た時点で彼は普通とは異なる存在だという事だ。

 その証拠に先程から彼の両拳に妖しげな気配が纏わりついている。種類は分からなかったが、何らかの魔術が付与されているに違いなかった。

 

「そうだ。そして他のマスターがここに来たという事がどういう意味を持っているか、分かるな?」

 

 彼の言葉に弾かれたように慎二は僕の名前を叫んだ。「ライダー!」

 

 ライダーの行動は早かった。手にしていた短剣を葛木に向けると、テーブルの合間を縫って凄まじい勢いで葛木へと迫っていく。狭い室内にも関わらず人間離れした速度を出せるのは、英霊だけがなせる技だ。

 黒色の風となったライダーはあっという間に葛木の身体を切り裂くと思われたが、そうはならなかった。なんと葛木は突進してくるライダーの身体を闘牛士のようにかわすとその手首を掴んで引き寄せ、体勢を崩した隙をついて右の拳を彼女の延髄に叩き込んだのだ。

 首を殴られたライダーが床を砕いてバウンドする。続いて同じ高さまで跳ね返った彼女の身体を、今度は無造作に掴んで放り投げた。

 鳴り響く轟音――ガシャガシャと凄まじい物音が部屋中から発せられ、部屋の備品が砕け散る。首筋を砕かれたせいなのか、壁にへばりついたライダーの身体はぴくりとも動かない。

 

「……は?」

 

 あまりに一瞬の出来事だったので、慎二は一連のやり取りが理解できなかった。彼の目に映ったのは、葛木の前から勢いよく壁に向かって吹き飛んだライダーの姿だけだった。

 

「お……おいライダー! 何遊んでんだよ! 相手はただの人間だぞ!? それがどうしてそうなるんだよ!!」

 

 苦しげな声で呻く女に向かってヒステリックに叫ぶ慎二――彼の予想では倒れているのは彼女ではなく葛木の筈だった。

 

「マスターが後方支援しか出来ないと考えるのは早計だったな。私のように前に出るしか脳のないマスターも、世の中には居ると言うことだ」

 

 “サーヴァントと素手で渡り合う”という途方もない偉業を成しながらも、彼の表情は普段と何も変わらなかった。まるで今まで何度もそうしてきたという風にさえ見えた。

 そうしている間にも壁にへばりついていたライダーが吸い取った魔力を使って身体の傷を修復した――怒りで満たされた女の表情は、目の前の男を殺し尽くすまで収まる様子はない。

 唖然とする慎二を前に葛木は再び拳を構えると、次に来るであろうライダーの攻撃に備えた。

 

 ◇

 

 葛木とライダーが戦闘を繰り広げている一方、士郎と凛は上階で奇妙な敵と出くわしていた。

 一言で表すならばそれは“歩く骸骨”であり、めいめいが自分の骨を削って作ったような粗末な作りの槍や剣で武装していた。

 動きも判断も緩慢で、戦闘力自体は大したことないそれらだったが、一番の問題はその数だった。倒しても倒しても何処からともなく新しい敵が補充され、二人の進路を悉く妨害していた。

 

「クソッ!……これじゃキリがないぞ!」襲い掛かる骸骨をモップで殴り倒しながら士郎が叫んだ。彼が倒した数だけでも既に十体を超えていた。

 

「慎二の奴、まさかこんなモノまで用意してたなんてッ!」拳銃のように構えた指先から魔術を発射し、凛が骸骨を吹き飛ばした。ガンドと呼ばれる北欧の古い魔術だ。「何が一人じゃ心細いよ! 完全に騙し討ちで殺す気だったんじゃない!」

 

 二人の力によって骸骨は次々と打ち砕かれていくが、倒される以上のスピードで新手が後ろからやって来る。体力を吸収する結界宝具も相まって、今では完全に手詰まりになっていた。

 

「遠坂!」士郎が言った。真っ二つに折れたモップを敵に叩きつけて距離を取る。「少しの間、時間を稼いでくれ!」

 

「何する気よ!」

 

 聞き返しながらも凛は素早くスカートのポケットから小振りなルビーとサファイアを新たに取り出すと、骸骨集団の方へとそれらを放り投げた。

 遠坂家が得意とする“転換”の魔術は、他の物体へと魔力を移す事が出来る。本来は保存できない筈の魔力を、バッテリーのように貯蔵する事ができるのだ。

 そうしてたっぷり魔力を含んだ二つの宝石は勢いよく飛んでいき、骸骨たちが立っている場所のちょうど真ん中で輝き、そして爆ぜた。

 蓄積された魔力が炸裂し、破壊のエネルギーを周囲に向かってまき散らす――僅かな時間だが、敵の侵攻に空白の時間が生まれる。

 

「セイバーを呼ぶ。昨日助けられた借りを返さなくちゃな」既に十分な距離を取った士郎が令呪が刻まれた左手を高々と腕を天に掲げ、思い切り叫んだ。「来い!セイバーッ!!!」

 

 次の瞬間、手の甲に刻まれていた刻印が輝きと共に消え、代わりに二人の目の前に白銀の鎧を纏った女騎士を――セイバーを呼び出して見せた。

 

「――ハァァ!!」

 

 裂帛した気合いの声と共にセイバーが骸骨の軍団を切り裂く。宝石の爆発などまるで比較にならないレベルで次々と敵を屠っていく。

 そうして廊下を占領していた敵の骸骨たちは数秒と経たずに元の塵へとかえっていった。

 

「シロウ! リン! 無事ですか?」

 

 目に付く全ての敵を片付け、後続が出現しない事を確認してからセイバーは改めて二人へと駆け寄った。数えきれないほどの戦場を生き抜いてきた戦士の振る舞い。

 

 士郎が頷きながら言った。「俺たちは大丈夫だ。それよりも急いで下に行こう。この結界を張ってるサーヴァントを倒すんだ」

 

 骸骨との戦いによって二人の体力も魔力もかなり消耗していた。これ以上戦いが長引けば、もう敵のサーヴァントを倒す事が出来なくなってしまう。

 彼らの様子をすぐに察したセイバーは頷くと、二人の前を素早い身のこなしで歩き始めた。

 

「分かりました。二人とも絶対に私から離れないで下さい」

 

 ◇

 

 異常な光景だった。

 サーヴァントと人間――圧倒的な差がある筈の二つの存在が、この時ばかりはその力関係をすっかり逆転させていた。

 

 葛木が放つ拳は面白いようにライダーの身体を捉えた。奇妙な動きをする左手が彼女の素早い動きを完全に封じ込め、反応が鈍った所を真っ直ぐ飛んでくる右の拳が打ちのめす――長い時間をかけて訓練された完璧なコンビネーションだった。

 

 対するライダーはマスターである慎二を庇いながら防戦するのに精一杯だった。時折身をよじって拳をかわし、短剣を盾にしながら応戦するが、それでもじりじりと確実に追い込まれていく。

 後ろで守られていた慎二も咄嗟に加勢しようとしたが、魔術師ではない彼に出来ることなどたかが知れていたし、何よりサーヴァント相手に平然と戦い抜く葛木に立ち向かう気になど、とてもなれなかった。

 

「ど、どうなってんだよ……お前はいったい何なんだよォ!!!」

 

 教室の隅から慎二が悲痛な金切り声を上げる。心の拠り所にしていたサーヴァントが人間相手に後れを取っているという事実が、彼にとってはたまらなく屈辱だった。

 

「知る必要はない」

 

 対する葛木の声は冷ややかだった。圧倒的に有利な立場にあるにも関わらず、一分の油断も驕りも見せてはいない。

 

 出し抜けに鞭のようにしなる左腕がライダーの首筋を掴んだ。人間とは思えない握力で女の首を握り締め、窒息させようと力を込める。

 酸欠にあえぎながらライダーが右手の短剣を鞭のように振った――鎖がしなり、葛木の身体に向かって巻き付こうと迫る。

 だが結局はそれもむなしい抵抗だった。彼は空いていた右手で飛んで来た鎖と掴むと、逆にそれをライダーの首へと素早く巻き付けた。

 鋼鉄が持ち主の首をがっちりと咬み、ギチギチと嫌な音を立てる。

 

 しばらくは手足をばたつかせ、抵抗の意志を見せていたライダーだったが、やがてその動きが弱まっていくと、力が抜けたように大人しくなった。

 それを終りの合図と見た葛木がさらに力を込めて鎖を引っ張ると、圧力に耐えきれなかったライダーの首が不格好にねじ切れ、ついにはその場にごろりと転がった。

 

「ら、ライダーぁぁ!!!!!!!」

 

 慎二が叫んだ。ほとんど絶叫に近い声だ。まるで自分の身体が引き裂かれたような痛々しい声だった。

 

「お前のサーヴァントは死んだ」倒れたライダーを見もせずに葛木が告げた。自分が遂げた成果にすら、まるで興味がないという風だ。「逃げるならば好きにしろ。私はお前の命に興味はない。だがもしお前が私の正体を他の者に喋るようなら、その時は必ず見つけ出して殺す。いいな?」

 

 冷徹な忠告にぶんぶんと音が鳴りそうなほど慎二が大きく首を振る。サーヴァントを失った今、相手の言う事に従う事が、彼の唯一の生きる道だった。

 

「――宗一郎様」

 

 不意に教室のどこかから声が聞こえた。続いて葛木の隣に小さな紫色の光が集まり、それはやがてローブを纏った一人の女となった。「敵のマスターが竜牙兵を突破してすぐ近くまで迫っています。脱出するならば今の内かと」

 

 士郎と凛が慎二の手駒だと思って戦っていた骸骨ーー竜牙兵と呼ばれる簡易的なゴーレムの一種だーーは、実はキャスターが用意したものだった。葛木が化学室に現れる少し前、彼は直接戦闘を苦手とするキャスターに二人の足止めと自身の強化を命じていたのだ。

 

「分かった」

 

 キャスターの言葉に彼は従うと、彼女の肩に己の手を回し、その身体をぐっと抱き寄せた。ちょうど恋人が肩を抱き合うような格好だ。

 ほんのわずかな間、彼女はその事で顔をほころばせたが、状況を思い出してすぐに真顔に戻ると、小さな呪文を幾つか呟く。そして次の瞬間には、二人の身体は光の中に消え、煙のように居なくなっていた。

 

「嘘だ……こんなの嘘だ……」

 

 最後にただ一人、惨めな敗北者としてその場に取り残された慎二は、絶望の呟きと共にその場にへたり込むしかなかった。

 

 ◇

 

 セイバーの到着によって骸骨の妨害は無いも同然となっていた。

 もともと単体なら大したことのない連中だ。それが多少集まったところで名だたる英霊を押さえつけられる訳もなく、三人は無人の野を進むように敵を蹴散らしながら真っ直ぐ化学室に辿り着くと、勢いよく扉を開け放った。

 

「慎二! 今すぐ結界を止めろ!」

 

 部屋に真っ先に飛び込んだのはセイバーと士郎だった。セイバーは宝具である見えない剣を、士郎は別の教室で新しく作った強化モップを手に、勇ましい声を上げながら部屋の中に陣取っているであろう敵の姿を探した。。

 中に入ればすぐに敵のサーヴァントが襲ってくる――つい先ほどまでそう信じて疑わなかった彼らだったが、大方の予想に反して化学室は既に異様な光景に包まれていた。

 

 既に何かとさんざん争った後のように部屋の中は滅茶苦茶に破壊され尽くされており、テーブルや備品の残骸があちらこちらに無惨な姿で散らばっている。

 おまけに部屋の中央にへたり込んだ慎二のすぐ傍には見覚えのある首無し死体と、奇妙な方向にねじ切られた女の首が転がっていた。

 

「これは……一体どういう事?」殿として後から入ってきた凛が怪訝な顔つきを浮かべた。「何でライダーが死んでるの? 私たちの他には慎二しか居ないはずなのに……」

 

 彼女の言葉から少し遅れて、ライダーの身体が虚空へと消え去った。身体に残留していた魔力が失われ、完全に消滅したのだ。

 

「僕の……僕のライダー……」

 

 消え去っていくサーヴァントの亡骸を見つめながら茫然とした声音で慎二が呟く。虚ろで乾ききった声はまさに廃人そのもので、入って来た士郎や凜にもまるで気付いていない。

 そんな彼に向かって士郎が近づいていくと、その胸倉を掴んで強引に立たせた。

 

「おい!聞いてるのか慎二! これは誰の仕業なんだ!」

 

「え、衛宮……」ようやく彼の存在を認識した慎二は逃げるように視線を彷徨わせた。「それは……」

 

 最初は口を開き掛けていたものの、急に思い出したように言い淀む。まるで誰かに決して喋るなと釘を刺されているかのように。

 いつまでたっても煮え切らない彼の態度に苛立ったのか、士郎から強引に慎二をひったくった凜がガンドを構えた指先を顔面に突きつけながら怒鳴った。

 

「さっさと喋りなさいよ! 羽虫のアンタに出来る事なんてそれくらいしかないんだから!」

 

「は、羽虫……? 僕が羽虫だって?」凜の容赦ない言葉に慎二の声が震える。

 

「害虫に例えなかっただけでもありがたく思いなさいよ。それで、誰がやったのよ?」

 

 彼女の言葉にしばらく愕然としていた慎二だったが、やがて顔一面に怒りの表情を纏わせて言った。

 

「……は、ハッ! 誰が教えてやるもんか!この間抜け!」胸倉を掴んでいた手を強引に払い、捨て台詞と共に部屋の出口に向かって駆けていく。「お前達もせいぜいアイツにやられればいいんだ!」

 

「あ!? ちょっと!待ちなさいよ!」

 

 逃げ出した慎二を追いかけようとセイバーと凜が出口へと殺到したが、士郎が二人を止めた。「やめろ二人とも。今はそれより皆を助ける方が先決だ。遠坂、こういう時はどこに連絡すればいいんだ?」

 

 彼の言葉に従うかどうか、凜はしばらく迷っていたが、やがて彼の言い分が正しいと自分を納得させるようにかぶりを振ってから告げた。

 

「……教会でいいわ。綺礼に連絡すれば、あとはアイツが全部やってくれるから」

 

「分かった。俺が電話してくるから、その間に二人は応急処置を頼む」

 

 そうして三人は各々に課せられた役割を正しく理解すると、すぐに取り掛かるべく化学室を後にした。

 

 ◇

 

「クソッ!クソッ!クソッ!! なんでこんな事に……! どうしていつもこうなんだ!」

 

 学校を離れた慎二はぶつぶつと呪詛の声を呟きながら、一直線に新都の教会を目指していた。

 聖杯戦争を監督している聖堂教会は、一種の中立地帯として扱われている。戦いを放棄したり、サーヴァントを失ったマスターを保護する役割を担っているためだ。

 もっとも、サーヴァントを失ったマスターが生き残ってここまで辿り着くことは極めて稀であり、大抵はサーヴァントの敗北と同時に殺されてしまうのが常だったが。

 それはともかくとして、他のマスターから運よく捨て置かれた事で無事に戦場を脱出を果たした慎二は、己の身の安全を確保するべく、全速力で街中を走っているという訳だった。

 時折、救急車のサイレンの音がすれ違い、慎二がやって来た道とは逆方向を目指して走っていくのが見えた。運転席に座っていた救助隊員が制服姿の慎二を怪訝な視線で見つめたが、今はそれどころではないと感じたのか、あえて車を止めて声を掛けようとはしなかった。

 息を切らしながら大橋を超え、新都の街並みを抜けていく。あとはこの緩やかな丘を登り切れば、教会はすぐそこだ。

 

 そう思った時、彼の太ももを急な激痛が襲い、そのまま不格好な姿勢で地面に勢いよく転がった。

 悪態をついた彼が急いで起き上がろうとするが出来なかった。少年の右足には携帯電話ほどの大きさの黒い刃物が深々と突き刺さり、傷口から真っ赤な鮮血を滲ませていた。

 突然の事で思わず絶叫をあげる慎二。すると、同時にどこからともなく声が聞こえてきた。

 

「――あれだけ派手にやって、まさか負けるとはな」

 

 届いた声が誰のものか理解した瞬間、慎二は受けたばかりの痛みも忘れて呻いた。退屈そうな、それでいて酷く残忍な男の声――それは間違いなく、かつて自分に同じ重傷を負わせた男のものに間違いなかった。

 

「お、お前は……」

 

 恐怖におののきながらも慎二が背後を振り返る。

 次の瞬間、彼はアサシンの左目から覗く不気味な輝きによって、あっという間に意識を刈り取られたのだった。

 




マダラ は ワカメ を 手に入れた!!

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