裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件) 作:chaosraven
アニメが終わる前に完結したいとか言っときながらこの体たらく・・・もうじきワンクール終わるやんけ()。
なんか思った以上にアニメの戦闘行動の描写がテケトーで笑う他なかった(苦笑)。あと、茅野女史演じるキャラクターを徹底的に排除してるのもなんだかなぁという感じで・・・。
ようやくレイ達が戦場へ向かいます。
10000字超えなのでお手隙のタイミングでどうぞー。
「マッチポンプの可能性があるぅ?」
別働隊として地区を移動していた404小隊。
爆発から程なく入ったナビゲーターの連絡で、
報酬に直結するため
齎された情報は突飛な内容で、一瞬呆けた顔を浮かべてしまったUMP45。
『ええ。レイさん方の集めた状況証拠を見る限りでは。今の時点では黒に近いグレーと見て良いかと』
顔を顰めつつ返す45。
「証拠とやらを見てないからなんとも言えないけど、要は自分をアピールしたいが為に今回の事を起こしたってワケ?」
『恐らくはその可能性が高いと思われます。付け加えますとフォスター指揮官は爆発のあと、所属人形達を講堂に集め、ヘリアントス氏の救出を命じようとしました。
内地勤めで優先度が分からなかったとしても、事が起こってからも
・・・とりあえずは証拠となるデータをお送りします。ご覧頂ければ分かりますよ』
「うーわ・・・メンドくさいのに巻き込まれちゃったわねぇ私たち」
それなりに稼げそうと思ってた矢先報酬の支払人が拉致されて、しかも爆発でインフラがダウンして、おまけにその裏で味方が手を引いてるかもしれないという。
端から見てる分にはご愁傷様の一言で終わるところだが、巻き込まれた当事者としてはたまったもんじゃない。
とそこへナビゲーターから、小隊全員にレイ一行が発見した状況証拠がデータリンクされる。
どんなもんが出てくるのやらと内心呆れつつ受信したファイルを開いて、近いどころかほぼ真っ黒じゃねえかと45は思った。
つまるところ、これから自分たちは下らない私利私欲が起こした
その事を再認識した彼女は表情に黒い影を纏わせ・・・キレモードに入った。
「・・・・・・はぁーあっ。分かったわ。それで? 私らはどうする?」
『それについてはレイさんからの
「あらそうなの? 早速聞かせてくれる?」
45に数MB程の音声データがリンクされる。
早速45は3人とコネクトした状態でデータを開き、彼のオーダーに耳を傾ける。
『あー、本来ならブリッツが指示すべき場面なんだろうが、時間も無いし俺から
確かに問題は無いが、どことなくテキトーな緩い感じを受けてクスリと微笑む45。
しかし、続くレイの言葉はスイッチが切り替わっていた。
『敵拠点捜索を頼まれてたと思うが状況が変わった。それよりもやってほしい事があるんで、キミ達にゃそっちを任せる。
404小隊はこれから二手に分かれて動いて欲しい。ナビゲーターから共有されたと思うが、どこぞのヤク汚職指揮官みたく内輪で粛清するならともかく、スポンサーの息子を後腐れ無く排除するにゃもうひと働きする必要がある』
その証拠を集める為に動けるのは誰か? レイ達か、自分達しかいない。
そして続く
『つうわけでだ、45はナインと一緒に基地に入ってサーバーを洗ってくれ。ナビゲーターはブリッツ達のサポートがあって、ハッキングに余計な
やはり。基地に入ってハッキングしろと彼は言った。
電子戦に優れた45ならば、システムの中に入り込んで必要なデータを引っ張り出すなど簡単な事だ。
・・・レイの言い回しに引っ掛かる部分もあったが、まだ話は続いてるので一先ず横に置いておく。
『それと指揮官が使う端末の通話記録、地区内の電波履歴を照らし合わせてくれ。ここまで派手に暴れさせてんだから、何かしらの打ち合わせはしてる筈だ。片っ端から探し出せ。
それさえ分かりゃ敵の正体、及び拠点の疑いがある地点を割り出すのがかなり容易になる。このバカ騒ぎを起こすのに拠点が無いなんてあり得ない。必ず何処かにホットスポットがある。キミのスペックでやれない訳ぁ無い、見つけ出せ。
最後に、もし可能ならばホログラフィックメモリーの関連機材も調べてほしい。ああいう手合いが自分の足でゲートに細工するとは思えん。人形にやらせた後、その記憶を改竄した可能性もある。出来るなら当たってくれ』
・・・前言撤回。受け取ったデータからやり取りしてたであろう大凡の日付は割り出せるが、そのたった数日間の中にあの居住区でどれだけ電波が飛び交ってるか。
1つ目の指示は簡単だが、2つ目に関しては脳味噌の一切のリソースを割かなければ遂行出来るかも怪しい。兎にも角にもデータ量が多過ぎるし、そこに加えてホログラフィックメモリー用の解析機まで回るのは大きな手間が掛かる。普段なら文句の一つどころか2つ3つ言ってやりたくなるくらい。
しかし、不思議と45の顔にはニタリといった感じの微笑みが浮かんでいた。
膨大な母数から目的のデータを探し出すのは手間が掛かりそうだが、これをやり切れば、報酬の支払人に手出してくれたバカ野郎にデカい仕返しができるというもの。
下らない事件に巻き込まれた怒りもあり、彼女のモチベーションは高かった。
『416と
メッセージが終わり、殺る気に満ちた面持ちで45は口を開く。
「おっけー。やる事も多いし、早速私達も動くわ。ところでさ」
『なんでしょう?』
「肝心の当人は何処で何やってらっしゃるワケ?」
『あぁ、御三方でしたら————』
「誰にも見つからない暗〜い道を走ってるってね」
電気が死に、真っ暗闇になったR20地区居住区。突如起きた爆発と共に燃え盛る炎が、黒塗りの空に灯りを灯す。
電源も、通信網も、あまつさえグリフィンの駐在所も全て、計画された周到な破壊工作により機能不全となった今。街は襲撃者達の蹂躪を待つばかり・・・。
「やれやれ。スラム側の入口が使えて先ずは順調な走り出しってトコだな」
「ごごごごごしゅじ〜〜ん! なんでこんな真っ暗闇を爆速で走れるのsい゛っだぁ゛ッ!?」
「舌噛むぞ」
「おっそいよ!!!」
しかし、後手に回ったグリフィン側もタダでやられるつもりは無く、その一派であるレイ達3人は、ナビゲーターの案内により誰の目にも付かない道・・・即ちR20地区の地下全域に張り巡らされた下水道を平均85km/hの猛スピードで走っていた。
ストレージに仕舞っておいた、スーパースポーツと呼ばれるタイプのバイクに乗って。
R20地区の下水道は一部を除き、円状のトンネルの片側半分を下水路が、もう半分を2m弱高さを嵩増ししたコンクリートの道で構成した造りとなっている。
元々この地区はコーラップス直前まで大規模な新都市開発が行われていた経緯があり、水質検査等の利便性向上、大雨が降った時もトンネル全体を排水管にする事で都市洪水を防ぐために、ほぼ全域の下水路がこの様な広く移動しやすい構造で整備されていた。都市開発に伴う建設バブル特有の無駄遣いとも言えるが。
ともかく、彼らはそんな環境を居住区の地下に向けてかなりのスピードで走り抜けている。
当然だが、今日停電する遥か昔にスラム直下にあたる下水道内の電灯は死んでいるので、バイクはハイビームで前方を照らして進んでいる。
が、長く使われてない道は所々ヒビ割れたりコンクリの破片が落ちていたり、元々舗装路で走り抜ける前提のこのバイクに向いた状態ではない。
にもかかわらず、ハンドルを握るレイは落ち着いて・・・いや、口元にいつ転けるかも分からないスリルを愉しむ笑みを浮かべながら走る。
常人なら何があるか分からない状況で絶対ここまでスロットルを回さないだろう。彼の後ろにくっ付くティナもその感覚の為、せめてもうちょっとゆっくり行かないかと言おうとした途端バイクが段差に乗り上げ、振動で思いっ切り舌を噛んだ。
余談だが、スケアクロウはレイと密着するティナを横目に微妙にムッスリしながら、バイクの左後方を飛んでいる。
ちなみに電灯と同様、地上の街が生きていた頃はともかく今は無線中継用のアンテナ類も漏れなく死んでいるので、地下を駆け抜ける彼らは文字通り自分達の目だけで行く先を見据えている。
コンクリートで囲われた空間であり、電波環境は最悪と言って良い。流石のナビゲーターも地下にいる彼らをリアルタイムでサポートする事は出来ないため、彼女から提供された下水道の図面とスラムエリアの地図をスケアクロウが解析。速度に合わせて常に位置情報を演算する事で、レイは正確な居場所を捉える事が出来ていた。
横を飛ぶスケアクロウが、風に髪を靡かせつつ口を開いた。
「この地下水道は最終的に数キロ離れた下水処理場を経て、側を流れる川に水を流すようになっているそうですわ。
・・・空気が滞留しがちなのは変わりなくとも、完全な密閉空間とまではならなかったのは幸いでしたわね」
「ああ。下水が流れてる時点でただでさえ細菌やら何やらが湧きやすい環境だ。空気の循環が止まってりゃ、ここはとっくにそいつらが吐き出した毒ガスに満ちてたろうよ」
微生物や細菌、バクテリアといった生物の中には、有機物を分解する時などに化学反応で毒ガスを発する場合がある。
スラム街から地下に流入する水路はもう使われていないが、居住区そのものは今も水道が生きているため、そこから出た下水はスラム直下に残る水道を通って処理場へと流れて行っている。しかもかつての名残で水路が広範囲に分岐して行くため、居住区という地区の狭い部分で生まれた下水はこの地下水道を満たすには遠く及ばない。
つまり、スラムに近付けば近付くほど水路を流れる下水の流れは緩慢となっていき、下手すると途中で止まってしまう様な有様だ。そんな状況では、発生した微生物らの生命活動で有毒ガスが生じる可能性がある。となれば、人間であるレイが一番最初に地下へ入るのはリスクが伴う。
それを察したティナが我先にと入り口のマンホールを持ち上げ、中に入って空気の状態をチェックした。
結果は問題なし。強烈な匂いこそあれど、生命活動に支障が出る問題は無し。若干だが空気がちゃんと流れているのも確認できたため、酸素不足によるエンジンの燃焼不良も起こりにくいだろうと判断。
梯子を降りた先でバイクを取り出すと、ティナを後ろに乗っけてレイはスロットルを大きく回したのだった。
「自分でルート提案しといてどうしたもんかと思ってたが、ティナが体張って調べてくれて助かったよ。ありがとな」
「感謝するならもうちょいゆっくり走ってくれないかな!?」
「ムリ」
「なんでよ!!?」
割と切なるティナのお願いは呆気なく拒否され、むしろレイはさらにスロットルを
当然バイクは更に加速・・・ティナの叫び声がトンネル中に響き渡ることになった。
「つーんだ。ご主人なんかキライだもん」
「分かったから口動かさないで手と足動かせ」
「・・・おざなりですわね」
「むぅっ!」
足元からティナの拗ねた声がコンクリの筒に響く。その声だけでも口尖らせてむっすりしてる様が目に浮かぶ。
最初言われた時にはもちろん宥めもしたが、宥めても一定間隔登るごとにこのセリフが出てくるためもうスルーすることにした。今ので五回目だ。
時間との勝負をしてる中、出せるのにスピードを抑える理由が無い。ティナにとっては恐かったのかもしれないが、今は彼女の感覚に合わせてる状況にない。
もちろん気持ちは分かるが、それに構ってやるのは仕事が終わってから。というか、いつまでも拗ねてねえで意識を切り替えてくれと思う。こう言っちゃなんだが、下らない事に頭のリソース割いて敵の発見が遅れようもんなら、最悪大惨事になる可能性だってあるのだ。
・・・まぁ、人間より遥かに地頭が優れた戦術人形には、俺が考えてる様なことは無用の心配なのかもしれないが。
俺たちはバイクを仕舞ったあと、下水道と地上を結ぶ連絡路を一生懸命梯子を登っていた。俺とティナは梯子を、スケアクロウはふよふよ浮いて俺の真後ろを一緒に上昇中。まぁつまり、マンホールから出て行こうとしてるワケである。
無駄に金が掛かった豪勢な下水道。地上とを結ぶ道も大体が金の掛かった作りをしており、基本的にほぼ全ての連絡路が地下道の様に階段で行き来するタイプとなっている。とはいえ、全てのルートが階段で拵えられてるかというと流石にそんなことはない。
入り口になる階段と、不用意に侵入されるのを防ぐための建屋を建てられない場所もあり、そういったところでは相変わらず道路などのマンホールがその役目を果たしている。
俺たちが入った場所も出る場所も、地権とか単に建てる場所が無いとかそんな理由でマンホールで行き来するスタイルが採用されたらしい。閑話休題。
さてと、梯子のテッペンまで来たのでマンホールの蓋を開けなきゃいけないんだが、その前に手作りの危険察知ツールを使って外の様子を見てみる。
俺は梯子に左腕で抱え込むように腕を通すと、バッグから細長いワイヤーっぽい物を取り出す。
後端には基部が着いており、軸が垂直線上に交わる二つのダイヤルが備わる。一方先端にはレンズと小ちゃいLEDライト。
そう、いわゆる内視鏡を改造したモノだ。
コイツの目玉をマンホールに開いた穴からちょこんと出してっと、二軸のダイヤルをくるくる回すことでワイヤーの向きをコントロールする。ぱっと見にはちょっとでかい芋虫が穴から顔を覗かせてる様に見えるだろう。いきなり蓋を開けると、運が悪いと敵に見つかる可能性もあるため、先ずはコレで調べる。
余談だが、こいつのカメラ系は俺のバイザーと同等のスペックを持っており、通常光学モードと暗視モードの切り替え、そしてセンサーで受光した画を直接俺のバイザーに転送することも出来る。実は地味に使い勝手の良いアイテムだ。ここんところほとんど使い所が無かったが・・・。
「・・・内視鏡、ですの?」
俺の肩越しに見たスケアクロウが首を傾げる。
そういやこの子の前でもこれ使ったことなかったっけか。
「ああ。いきなり蓋開けるんじゃなくて、こうやって穴に通してみれば安全だろ? 使い所は限られるが、こういう忍んで動く時にゃあると便利な道具さ」
「ふむふむ・・・おっきなミミズを出したのかと思いましたわ」
「見た目だけならな。ダイヤルの動かし方次第じゃそれっぽくも動かせるが・・・とりあえず敵影は無し。よし、すまんが蓋持ち上げてくれ」
「分かりましたの」
スケアクロウは俺より上に登っていき、蓋へ触れるとゆっくり持ち上げていく。
・・・その時彼女のスカートが俺の後頭部を掠めたが、今は突っつく場面じゃないので捨て置く。
ガードが固いんだか緩いんだか、それともわざとか? ・・・どうでも良いな。さっさと地上に上がろう。
地上に出ると直ぐ近くの物陰に身を潜める。そう遠くないところから街全体に反響する様に、互いに撃ち合う銃声や爆発音、それとバラバラと空を掻き分けるローター音がしていたからだ。
周囲の見える範囲に敵影は無し。しかしすぐ側に敵が控えていても可笑しくない。直ちにナビゲーターへ無線を繋ぐ。
「ナビゲーター、指定のポイントに着いた。戦況はどうだ?」
『現在、MAG及びR20地区部隊は、爆発の後出現した敵部隊と市街地戦を繰り広げています。しかし暗所での行動のため、非戦闘員の避難誘導に大きな遅れが生じています。
MAGは土地勘が無いこと、R20部隊は練度不足が災いして、敵部隊が仕掛けるゲリラ戦に苦戦を強いられている状況です』
チッ・・・嬉しくない事態になってやがる。
電源を潰されて周りが見えない所に、まるでモグラみたいに暗闇から出てこられては奇襲を受けてるってか。
ナビゲーターの言い分を鑑みるに、地元部隊は完全に浮き足立って敵の良い的になってる様だ。これではMAGが人質捜索に専念できる訳も無い。
「・・・つまり、地元連中に避難誘導を任せようにも任せられないってことか?」
やれやれ。トンネルに入る前の時点では、確か現地部隊には非戦闘員の誘導を、MAGは敵に攻撃された地点の制圧と人質の捜索をするって事だったんだが。
端末に改めて戦略図を表示する。・・・MAGも含め、G&Kサイドのほぼ全部隊の動きは大凡順調とは言い難い。その周囲に映っては消える赤点は、データリンクを介してナビゲーターが観測できた敵兵か。
ゲリラ戦法で苦戦しているとのことなので、最初敵の攻撃で吹っ飛んだ地点へ向かってたところ、奇襲を受けその場に釘付けにされた様である。
ナビゲーターがカウントしてくれている、部隊ごとの損耗率を示すリストを開く。やはり、R20部隊とMAGの比率は対照的だ。
MAGは消耗自体は少ないものの、これはブリッツらが幾度も実戦を生きてきたからこの程度に収まってると見るべきだろう。それでも中々前に進めてない状況を察するに、恐らくは敵の事前調査が綿密だった故の不利な戦況を強いられている。
幸い、S10基地から来たという味方のヘリ部隊が展開しており、適宜支援攻撃が入る事でなんとか膠着状態に陥る事なく前に進めているといった具合らしい。
・・・にしちゃヘリ部隊の動きが妙だな。要請があればサポートするが、本命の仕事は別にあると言わんばかりの挙動だ。はて、気になってヘリのアイコンをタップすると、遂行中のタスク一覧の中に『ドールズジャマーの捜索及び破壊』の文字が入ってるのに気付く。
ジャマー・・・確かにコレが動けばコッチは瞬間的に戦線が壊滅する。
ヘンブリーが運んでいたジャマーは、強過ぎて戦術人形だけでなく近くの電子機器までぶっ壊しかねない程の出力。仮にそれと同等のモノが既に運び入れられているとすれば、いざという時には起動して一気に形勢逆転を図れるだろう。
最も、それだけの出力を電源が喪失した中でどうやって発揮するのか気になる所だが・・・。こんだけの騒ぎ起こした上であの性能のジャマーを持ち込む、考えてみるとその動き自体に少々の矛盾を孕んでいる。案外、デカいジャマーは実はアジトだけにしか設置してないなんて事もあるかもしれん。勿論、低スペックの代わりに低電力、携行式の発電機で稼働可能なジャマーを仕込んでる可能性もある。油断は出来ない。
現段階では見つける為の手掛かりが乏しい状況だろうが、見付け出して破壊出来れば、人形部隊が一斉に崩される危険は大きく低減出来る。俺達には地上の対空火器をなんとかする位しか出来ないが、彼らがなんとか見付け出してくれる事を祈ろう。
一方R20部隊は全体的に大きく損耗している。テロ発生後基地から出撃した部隊もまた、MAGと同様敵の足止めを受けている様だ。しかしMAGと決定的に違うのは、部隊には圧倒的に練度が足りていない点。既に多くのダミーを投じて戦線維持をしようと試みている様だが、こちらもまた敵の方が地理を上手く利用して攻撃を仕掛けている様に見える。
今すぐ手を入れてやらないと、そう長くないうちにR20部隊は全滅しかねない。そうなれば、現地部隊を足止めしていた戦力もMAGに集中する。その先にあるのは悲惨な事態だ。考えうる限り最悪の展開になる。
敵は、本気でこの地区に展開するG&K部隊を潰そうとしていると嫌でも思い知らされる。
戦略図に居住区の地形図を重ね、さらに建物などの写真が載った航空俯瞰図も重ねて見て、思う。敵の動きは洗練されている。まさに
・・・もしや、相手は大手PMCの特殊部隊?
そう思える程に敵はやり手である。土地勘が無いとはいえ、ブリッツ達が不利に立たされる敵の実力。・・・イヤな感じだ。
『そうなります。訓練自体は熟していた様ですが、実戦経験の少なさが仇になり実力を出しきれてないといった所です。任せきりにすると犠牲が増えると判断し、なんとか敵の奇襲を捌きながらブリッツ指揮官が束ねている形になります』
・・・なに?
「はぁ? さっきも図面見てて思ってたが、ボンボン指揮官はどうした? 碌に指示も出しちゃいねえのか?」
『いえ、指揮を取ってはいますが、その・・・』
そこで口籠ってしまったナビゲーター。
単に仕事せず別のことしてるのか、指揮が下手くそすぎて言いづらいのか。
まあいい、役に立たないならその情報を仕入れる価値もない。
「良い良い。役に立たねえなら構いやしねえ。邪魔さえされなきゃどうだって良いんだそんなことは」
端末に視線を移し、俺たちの現在地から一番近いG&K部隊を探す。
近くにいるのは『R20地区所属C小隊』という名称の部隊らしい。ライフルの戦術人形二人にハンドガンの戦術人形三人+ダミーで構成されたチームのようだが・・・どう考えても武装、というか銃種ごとの人形のチョイスを間違ってる。
視界が効かない真っ暗闇でゲリラ戦仕掛けて来てるってのに、主力火器がライフルでは取り回しが悪過ぎる。相手はアサルトライフルだの即応性に優れた武器で来てるだろうに、敵を見つけ出すのも難しい状況でライフル持った人形など格好のカモだ。
っていうかしかも、なんでハンドガン人形を三人も入れてるんだ? 何か戦術人形の機能を利用したフォーメーションなのか、それとも単に考え無しで編成したのをそのまま送り込んだのか。
「一先ず、一番近いC小隊とやらに救援に向かうが・・・この銃種の編成は何か意味あるのか? 例えば、人形が持つ何かしらの戦闘機能を優位に活かせるとか」
そうであってくれたらなと、僅かな期待を込めて聞いてみるが・・・
『いえ、基地内の編成履歴を参照した限り、居住区の定期巡回メンバーをそのまま派兵しただけの様です・・・』
「・・・・・・ほんっと戦略戦術のせの字も無えな」
目元がヒクついて来た。
バカがトップに立つとつくづく碌な事にならない、その典型例。せめて部隊編成くらいは頭捻って考えて欲しかった所である。
『ともかく、御三方にはまずR20部隊の支援をお願いします。必要であれば
「
『お願いします。逐次データリンクを共有しますので、何かあれば何時でも連絡を』
「OK。んじゃまた後でな」
通信終了。
二人に向き直る。
「・・・はーあ。頭の痛い話だ」
「でもやらなきゃお金貰えないよ?」
「さぁ、指示を貰えますこと?」
「分かってる。ボヤいただけだ」
流石に戦況を聞けば二人ともスイッチが切り替わり、戦う者の顔つきになっている。
俺はストレージにアクセスし、取り出した迷彩マント、それと俺の予備のバイザーをスケアクロウに手渡す。
「やるこたぁ単純だ。敵を見つけぶっ殺す、それだけだ。
スケアクロウはマント羽織って空から監視。ビットは1機だけ俺達に追従させて、残りの2機で監視と自衛を兼ねて動いてくれ。敵の動きを鑑みると気付かれて狙われる可能性もある、くれぐれも地上の動きには気を付けてほしい。そのバイザーなら暗視モードにすりゃ、多少は地上の動きを追える筈だ。有効に使え」
「分かりましたわ」
「ティナは俺と一緒にひたすら地上の掃除。出せる限りのスピードで現場を転戦しつつ、味方を足止めしてる敵を始末する。状況に応じて狙撃と突撃を切り替えるから、頑張って付いてこいよ」
「りょーかいっ」
二人の顔を見渡し、俺は一つ頷く。
「・・・よし。こんな仕事、とっとと終わらせて早く帰ろう。いい加減シャワーと寝床が恋しくなってきたトコだ」
俺はP90をストレージに仕舞い、代わりにL96 AWMを取り出し背中に背負う。ここからの近接戦時の迎撃は主にティナと、追従させるスケアクロウのビット1機になる。
P90とL96を同時に出して移動するのは、俺の体力面でも動きやすさの面でも効率が悪い。どちらかに専念するスタンスで行く方が結果的に効率は良い。まぁ、使う武器と攻め方は時と場合でチェンジしていくが。
「行動開始」
「「了解」」
ドルフロwikiに載ってた鉄血ハイエンドの型番がどれもこれも全然違うんだけれども(震え)。
あと、ボロスさんと2回遭遇して通所捕獲を試みたら2回とも逃げられた(出番増やせとお怒りですか?)。
次回、無茶苦茶やります()。