裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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 安定のカカシ無双4話目。

 どうでもいいことっちゃどうでもいい(いや、どうでもよくねぇな...)事なんですけどね? 
 マイページの感想通知見たら、ロリバア拳銃と女性指揮官の話を300話以上書き続けてる方から感想を頂いておりましてね?
 おいおいおいおいマジかよぬっふぇ!?っと心の中でびっくりしました。
 他の方々含め、皆さま感想どうもありがとうございます。

 20/03/04 本編最新話と初期の内容の矛盾を解消するため、本文を一部編集・追記。


-04-人を舐めて掛かると痛い目見るのは自分なんだぜ?

 

 

 

 生き物の声一つですらも聞こえない、不気味なまでの静けさに支配された暗く深い森。

 崩壊寸前の地球とはいえ、森林くらいにはまだしぶとく生き残ってる生き物もいそうなものだが、まるで最初から森に生き物などいなかったかの様な静寂だ。

 

 

 こんな深い森に足を踏み入れている理由はもちろんお仕事のためだ。

 

 人目にはとても付かなそうなこの森に、よりによって薬物を扱う裏組織が目を付け、ブツを取り置くための拠点兼倉庫を作りやがったのだ。

 文明崩壊以前から薬物ってのは裏に生きる組織団体にとって大きな資金源となるものだったが、今みたいな救いの無い世界となりゃ現実逃避目当てにヤクを欲する大バカが増える。結果、やはり以前と変わらず有力な資金源として機能してしまうのだ。

 

 俺は人様の生き方にどうこう言いたかぁ無いが、悪いが薬物に関してだけは話は別。アレは本当に人間としての全てをズタズタにする代物だからな。そんなものを扱って金を得ようと商売する奴はクズの極みだろう。

 

 とはいえ俺は善人じゃないし、ギルドに加盟してるとはいえ実質は個人事業主みたいなもの。自分のポリシーというか考え方を押し付けるがごとく、敵さんに馬鹿正直に突っ込んだりはしない。人っ子一人の力なんてたかが知れてるし、突撃して顔バレしたらそれこそその後の人生が常に命を狙われ続けることになるだろうから。

 

 善悪の価値観のあり方を履き違えた偽善者にはなりたくないものよ。

 

 

 話は逸れたが、今日の依頼の内容は『ヤクを押収して倉庫を破壊する』こと。例によって依頼人は正規軍・・・ではなく、”一応”この辺りの領土を管理する『某ヨーロッパの国』の政府である。ほとんど国としての体裁なんて無きに等しいがな。お役人たちはさぞや日々を絶望しながら働いてるんだろう。何でこんなことに・・・ってな。

 

 

 ちなみに今回は軍等の武装組織の協力は得られない、完全なソロミッションである。聞かせて頂いた理由を要約すると、辛うじて領土として維持できている地域の治安維持のために忙しいとの事。その代わり達成した暁に振り込まれる報酬額は美味しい。お前はバホ(誤字じゃないぞ)なのか。

 

 俺も死にたくないし、報酬の額が下がってもいいから援軍を出すようギリギリまで粘ったが、相手は確約する事は出来ないの一点張り。バホなのか。

 

 

 ヤクを扱うなんて組織ほっ放っといたら不味い事になるって分かりきってるにも関わらず、拠点の破壊のために送り込む人員が俺一人で良いはずは無いんだがな。まあつまり、国は本気で薬物組織の拠点を破壊するつもりは無いって事だ。だからこそ、俺に出来るはずが無いと高を括ってるから報酬も美味しい額を提示してきているのだ。二重の意味で胸糞悪いね。

 

 

 大人としては未熟なのも承知の上だが、向こうの舐めた態度にムカムカするのを消化しきれないままあれこれ準備してる間になんと仕事の時間になっちまった。

 さぁてどうやって蹴りを付けてやろうかと思案していると、気が付くと『ガスマスクをつけた美人が逆さにフヨフヨしながら』超至近距離で俺をじっと覗き込んでいた。鼻と鼻・・・いや鼻とガスマスクの頂点が付くまであと5センチかな?? 顔が近い。

 

 

「・・・いつも毎度思うんだけど、なんでいんのよ? あと顔が近い」

 

「それは私ですから当然でしょう? あと私はマスクをしておりますのでどうぞお気遣いは無用ですわ」

 

「何がどうしてここにいるのが当然なのかの理由が全く説明されてねえんだけど!? それとお気遣いってナニ・・・いや、もうこの際戦力が一人増えたからツッコまねえようにしよう」

 

「・・・?」

 

 

 スケアクロウ、逆さに浮いたまま首をコテんと傾げる。ほっぺに指を当てるのも忘れない。

 ところでどうでもいい事だが、頭が下に来てると人工血液とか逆流しないの? 大丈夫なの?

 

 

「とりあえず、浮いてたらエネルギー無駄に食うんだから普通に立ちなさい」

 

「立つよりも浮いている方が省エネでしてよ?」

 

「なにッ?」

 

「真実と書いてマジと読みます」

 

 

 驚愕なスケアクロウの新たな生態・・・そもそもアンドロイドだから生態じゃなくて性能か?が明らかになったぞオイ。どういう仕組みでそんな省エネ仕様になってんだわよ・・・んなこと考えてる場合じゃねえ。

 

 

「まあいい。それはそうと、キミが来てくれたおかげで今回の仕事もなんとかなりそうだ。ここには俺に協力するつもりで来てくれたんだろ?」

 

「もちろん。私の総力を持って戦闘に参加させて頂きますわ」

 

「ありがたい。それじゃ、作戦開始前のブリーフィングといこうか」

 

 

 今回の仕事の状況がいかに不利なものなのかを出来るだけ客観的に彼女に伝える。彼女は頭の回転が速く、俺が考えてるプランを一回の説明で理解してくれるのでまあなんだ、仕事のパートナーとしてはとてつもなく優秀で助かる。そして仕事が始まったらまた助けられるんだろうな。

 

 ・・・いよいよ妻に養われるヒモ夫みたいな構図になってきてる気がするのは俺だけ? ウン考えたら辛くなるから止めよう。

 

 

「そういうわけで、今回もまた俺とキミのコンビで敵さんに襲撃を掛ける。頼むぜ?」

 

「大船に乗ったつもりでいて下さいな」

 

「流石だね・・・。んじゃ行こう」

 

 

 作戦開始だ。

 巫山戯た代物を扱ったことを地獄で後悔させてやる。

 

 

 

 -----

 

 

 

「ま、まさか、本当に制圧してしまわれるとは・・・。いやはや恐れ入りましたな、はは、はははは・・・」

 

 

 構成員の口封じを皮切りに連携して素早く制圧した後、俺の唯一の荷物運びも兼ねたサイドカーを近くまで手押しで・・・持って来ようとするために一旦現場を離れたが、目的を察したスケアクロウが『なら見張りは貴方が、私がここまで持って来ますわ』と言って、フヨフヨパワーで近くまで持ってきてくれたのだ。

 おかげで作業は順調に進み、倉庫に眠っていたヤク数百kgに加えて連中が残したヤク取引の証拠を丸々掻っ払って持ち帰ってきた。

 

 そして俺は依頼達成の報告と報酬の請求のため、スケアクロウと集めたブツの一部と取引の証拠を担当の役人に叩きつけている。

 やはり依頼を受けた時の対応から見えたように、ハナから俺に拠点の制圧と組織の破壊ができるとは思っていなかったらしい。

 

 大方俺が依頼を失敗するという前提で、報酬を支払うどころか逆に違約金と称して持ってる様々な物やら金を巻き上げるつもりで書類の手続きとかも済ませておいたんだろうが・・・。

 

 

「ええ。こちらにある書類と正真正銘本物の違法薬物、これらが敵組織の倉庫を制圧した事を語る重大な証拠となりうるかと。あぁもちろん、これらの書類に関しては全てコピーを取ってありますので、その辺りもご理解の上、今回ご依頼いただいた”仕事”への報酬のご相談をさせて頂きたく存じますが・・・」

 

 

 俺(とスケアクロウ)の仕事ぶりによって、その大前提が完全に崩壊したのが政府にとっては一番の大誤算であろう。

 そして政府が一番やっちまった大失敗というのは、俺と依頼の契約を結ぶ時に契約内容を記載した紙のチョイス。なにせ”国書”にも使う様な様々な意味で”特別”な紙を契約書にしたのだ。

 

 つまり『この契約書に書かれた条項を国は絶対に遵守する』事をアピールしてることに他ならない。ちなみにこの紙、公に流出したら政権に大打撃じゃ済まねえ大スキャンダルになるのも言うまでもない。

 

 と、いうわけで。

 政府は払う気の一切無かった多額の報酬金を俺に振り込まなければならない。なぜなら俺は依頼された仕事をきっちり果たしたから。今度は貴方が約束を守る番ですよ。ざまあみやがれ。

 

 

「わ、わかりました。報酬額についてはこのくらいで如何でしょうか・・・?」

 

 

 さっきから冷や汗が止まらない担当者を一瞥しつつ、電卓に表示された額を見て顔をしかめる。最初に提示された額よりもずっと少ないからだ。

 

 

「・・・なるほど。貴国は契約を違える事がよくない行いである事を認識しておられない様だ。あれほど自信満々にこれよりも高い額を提示してきた筈が、私が依頼を達成して報告に来た途端にこの額ですか。まさか、最初から払えない額を提示していたのでは?」

 

「い、いえいえいえ!! そんなことは決してありません、ありませんとも! すみません、桁を間違えてしまった様でして、正しくはこちらの金額でどうでしょうか!?」

 

 

 俺の冷めた態度に大慌ての担当者。一度は机に置いた電卓をひったくる様に取ると再度数を打ち込み直してまた置く。

 先ほどの額に0を二つ付けただけ。それでも、この手の依頼としてはまあ相場レベルの額にはなった。正直舐めて掛かられた事といい納得できない所は多々あるが、ここらが落とし所だと判断して話を進める事にする。ちょっとした嫌味を刺すのも忘れずに・・・。

 

 

「仮にも国の代表として私と相対している貴方が桁を間違える? だとするなら貴国の官僚の教育には問題がある様ですね。これが国相手の交渉ごとであっても、打ち込んだ内容を大した確認もせずに、相手国に間違った内容の書類をそのまま出すのですか?」

 

「うぐっ・・・」

 

「ですが、このくらいの額をお支払いいただけるのであれば、私としては報酬に対しての文句はありません。今回はこの額でお振込の方をお願いいたします」

 

「か、かしこまりました。で、ではすぐに、手続きの方に入らせて頂きます・・・」

 

 

 正直もっと交渉は難航するかと思ったが、予想よりは早く手続きが進む。

 確実に金を振り込む事を確約させた俺は、胸糞悪い対応をしてくれた政府の庁舎を足早に立ち去る。

 

 オンボロのエンジンをぶん回して疾走し、市街地を抜けると街の外で待ち受けていたスケアクロウがフヨフヨまた近付いてくる。っていうか、わざわざ待っててくれたのね。ありがとさん。

 

 

「どうやら吹っ掛けは終わったようですわね」

 

「正当な相場の額を出すよう申しつけただけだ」

 

「相手方は相当緊張してらしたのでは?」

 

「まあな。でもそれも自業自得だよ」

 

 

 彼女がこうしてわざわざ待ってくれていたという事は、つまりはアレをしたいって事だな。

 いつもの様に、握り拳を作った左腕をまっすぐ伸ばす。彼女もそれに答えて拳を当ててくる。

 

 スケアクロウは俺をチラリと一瞬一瞥すると、またいつもの様に俺の見知らぬ何処かへと飛び去っていく。

 さて、俺も寝ぐらに戻るか!

 

 

 景気よくアクセル吹かして疾走するオンボロのサイドカー。今日の調子はご機嫌らしい。これなら寝ぐらまでは拗ねないで済むかな。

 

 

 




 4話目の正式なタイトル↓

『人を舐めて掛かると痛い目見るのは自分なんだぜ?(実際は俺一人じゃもしかしなくても詰んでたけど)』


 カカシだったら四輪車はともかく、サイドカー付きのバイクならなんとかギリギリ持って来れそうとかいう勝手な妄想。
 そして着々と沼へと落ちてゆく何でも屋。果たしてきゃつの運命は如何に?

「You何言っちゃってんの?」

P90に名前を付けるとしたら?

  • そのまま『P90』でいんじゃね?
  • 『ナインティ』でいんじゃない?
  • ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
  • いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
  • 良いアイデアがあるから感想に書くぜ
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