裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件) 作:chaosraven
拗ねたカカシをご機嫌にするにはいろいろ大変そう(他人事)
20/03/04 本編最新話と初期の内容の矛盾を解消するため、本文を一部編集・追記。
あれからスケアクロウのご機嫌回復に尽力し続けたものの、彼女は一度拗ねるとまずは時間を置かないと解決しようがないタイプらしい。なんとまあ最近の人形の擬似人格も随分人間味あふれる女の子してるもんで、つまりスケアクロウとの和解に失敗した。
私拗ねてますアピールをこれでもかとやられて大人気ないのは承知の上だが、彼女のリアクションもアレすぎて流石にちょっとカチンときた。以下実際のやり取りの一部を抜粋。
「なあ、どうしても止めないとダメ?」
「・・・つーん」
「どうしても?」
「つーん」
「・・・本当の本当にどうしても??」
「つーんっ!!」
会話が成立しねえ。
っていうか、拗ねてるからって『つーん』って本当に口で言うやつ生まれて初めて会ったよ。
ここまで来ちゃうと今この人に何を言っても伝わらないなっていうのは、人間社会で生きてく中で一度や二度はあるんじゃないだろうか。
今のスケアクロウはまさにそんな感じ。あからさまに出てくるタイプじゃないがその分胸の内で静かに燃え盛るタイプなので、つまるところ一度バーニングすると鎮火が面倒くさい・・・ということを今日知った。
そうこうしてる間にメンテに出してたオンボロの回収時刻になっちまったので、止むなく彼女と別れて工場へ向かい回収。
うーんやっぱり大人気無かったかなぁとか考え事しながらアクセル吹かしてると、ふとした途端にオンボロの重心バランスが若干変わった。具体的に言うと、荷物が元々乗ってるサイドカーにさらに平均的な体格の大人一人が乗った様な。
まさかと思ってチラリと見ると、案の定拗ねたまんまのスケアクロウがサイドカーに乗っていた。いつもはフヨフヨモードで付いてくるのに、今日は珍しくサイドカーに全体重を乗っけてる。
あぁ、気不味いしこれからの対処に難儀しそうな気がする。っていうかそうなる予感しかない。
とはいえ、多少は時間が経って少しは思考回路も冷静になってくれただろうか。そんな淡い希望を持って彼女へ和解交渉を試みる。
「なぁスケアクロウ」
「・・・なんでしょう」
反応をまともな返事で返すってことはとりあえず取りつく島はあるな。
「そんなに俺がタバコ吸うの、イヤ?」
「ええ」
即答。
しかも間髪入れずに素早い反応。よっぽどイヤなのね・・・。
「俺がタバコ無いと生きてくのが辛いといっても、イヤ?」
「本来人間の構造上、ニコチンとタールは生命活動に不要な筈ですが?」
・・・前言撤回。まだまだ怒りは収まってないご様子。
なんで分かるかって? 言葉のチョイスにトゲがあるだろ? こうなんていうの、怒ると言葉のナイフがバリクソ鋭くなるタイプだよこの子。
「つってもなぁ、ガキの頃から吸ってるもんを取り上げられたら俺は廃人ルートまっしぐらだぜ? それでもイヤ?」
「そんな返しをされてイヤと返さない理由は尚更ありませんわね」
「・・・ごもっともで」
要するにニコチン依存をすでに発症してるっつうことなんだよなぁ。
だからタバコを取り上げられたらイライラはヤバイレベルになるぞ。多分仕事してる時も落ち着きが無くなって集中力を欠いて、その結果敵にヌッ殺されてチーンってなる可能性が高い。俺にとっての死活問題である。
もし俺に禁煙して欲しいなら、そんなバッドエンドを迎えないための方策をご提示いただきたい所である。煙が嫌とかニオイが嫌とか、吸わない人がそう感じて嫌う事に理解は示すが、それとこれとは話は別だ。
荷物もあって手狭なサイドカーの中で、体育座りしながら思いっきり拗ねまくってる彼女。ていうかその座り方をするんならちゃんとケツの下の服も抱えなさいな。おかげでスカートの中の白い身がミラー越しに見えるんだけど。
思わずため息の一つもつきたくなる空気のなか、彼女自身で気持ちの整理をつけたのか、一度大きなため息をつかれた。
「・・・はぁ。仕方ありませんわね。そんな貴方には、ニコチンを含有したタブレット錠剤を服用することを勧めますわ」
「そんな文明崩壊前みたいな禁煙法出来るのか? っていうかそもそも、そういう禁煙用の薬剤ってまだ手に入れられるもんなのか?」
「ちゃんとした薬を”まともに製造出来る”機関はまだ残ってますもの。無論コーラップス以前とは状況が違いますから、一般的な傷病者用の薬物と比べて幾分か割高にはなりますが。少なくとも肺を汚して体の機能を衰えさせるよりはよっぽどマシだと思いますわ?」
「・・・ふぅ、そこがお互いの妥協点か」
「これ以上は譲れなくてよ? いずれは錠剤自体の服用も止めてもらいますのでそのつもりで」
「やっぱり目的はニコチン摂取の完全断絶か・・・」
やれやれ、これで和解が成立しそうだ。
最初のタバコ取り上げからの拗ねモードにはイラッときたが、それも俺の健康を心配しての振る舞いだと思えば可愛く見えるものだ。
確かにタバコってのは体に快楽物質を送り込む事でのリラックス効果以外には本当にデメリットしかねえから、スケアクロウの言い分も分かるっちゃ分かる。
さて、お互いの機嫌が良好に落ち着いてきたところなんだが、スケアクロウが俺に対してパンツ丸見え状態になってるのを果たして言うべきか否か。
・・・言ったら言ったでまた機嫌が悪くなって面倒くさそうだなぁ。どうすっか・・・。
「・・・えっち」
「ぶはっ」
さすが拗ねてても鉄血特製のハイエンドモデル。人の視線の動きには敏感なようで、後方確認の際にミラー越しに視界に入れてしまった事をばっちり見抜いてらっしゃった。
チラ見程度とはいえ、見ちまった事は事実なのでそこは素直に詫びる。
「悪かったよ。というか、気付いてたんならケツの下の布もちゃんと抱えなさいな」
「・・・つーん」
「えー・・・」
せっかく機嫌が治りかけてたのにまたスケアクロウさんが拗ねちまったよ。さっきと違って、表情こそ真顔でも耳真っ赤っかだけど。
そりゃ野郎にパンツ見られたら恥ずかしいわな。女心を理解してないってか? 気遣い足りずに指摘しちゃってスマンよ。
結局スケアクロウ、拗ねたままフヨフヨどっかに飛んで行っちまった。
女の考える事ってよく分かんねえな・・・端末に着信? 誰だ?
一旦オンボロを止めて電話に出てみると、相手はウチのギルド事務員の『アインス』という女性。
一体何用で俺に電話してきたかと問えば、鉄血工造より俺を指名した護送作戦への参加依頼が届いているとのこと。
依頼人が鉄血という時点で嫌の予感がプンプンするんだが、さらに依頼人へ直接つながる番号を教わると戦慄が走った。
この番号、初めてスケアクロウと会った依頼で『回収したスケアクロウを送り届けた工場』の番号じゃねえか。
そんなところが護送作戦への参加に俺を指名?
・・・思わず端末をボトリと落っことした。
年貢の納め時ってやつか??
さあ、今までカカシの『戦闘能力』をフル活用した分のツケを払う時が来ましたよ(ゲス顏)
P90に名前を付けるとしたら?
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そのまま『P90』でいんじゃね?
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『ナインティ』でいんじゃない?
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ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
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いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
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良いアイデアがあるから感想に書くぜ