裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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 カカシまさかの未登場回。
 でも何でも屋にとっては本当にワロエナイ事態が近付きつつある。

 20/03/04 本編最新話と初期の内容の矛盾を解消するため、本文を一部編集・追記。


-07-死刑宣告を受けてから処刑台に立つまでの気分ってのはさぞや最悪だろうなって思うだろ?その通りだよ

 

 

 

 ギルドを介した直々のご指名依頼という名の死刑宣告により、とうとう鉄血工造に年貢を納めなければならない時が来た。

 なんでいんのと聞いてもスケアクロウが答えてくれないとか、なんで助けてくれるのと聞いてもスケアクロウが答えてくれないとか、俺からすりゃどうしようもない理由はあったとしても鉄血側は知ったこっちゃない。

 

『自社の商品の機能を戦場で利用された』という確かな事実がある以上、鉄血工造にはスケアクロウの利用代金を俺に請求する権利があるわけだ。

 

 ついに俺の自由も終わる時が来た。

 何年掛けてローン返済しないといけないんだろう・・・。この後の未来を思うとホロリと泣けてくる。完全な自業自得だが。

 

 

 とはいえ、もしかしたら億が一にもスケアクロウの代金の請求がされない可能性があるかもしれない。

 本当に俺を戦力として指名しただけだった場合に備え、向こうが予定している護送作戦とやらの詳細を改めて確認しておくとしよう。

 

 

 この依頼が発行された背景としては、鉄血工造は数ヶ月前、新たなハイエンドモデルを生産するプロジェクトを立ち上げたらしい。その記念すべき試作機、型式名『SP235 Ouroboros』と呼ばれるボディが先日完成し、コイツを上層部役員へのお目見えのために本社の方に運ぶんだそう。

 

 ところが、以前別の工場でスケアクロウが掻っ攫われたこともあり、クライアントは今まで人形を輸送していた時と同じ警備レベルではさすがに不味いという認識を持ったようだ。さらにウロボロスは単純な戦闘能力であればスケアクロウよりもよりもずっと高性能なモデルなんだそう。

 詳しいパーツの具体的な内訳はさすがに載ってないが、内部に使われている様々な部品や電子機器の世代からしてそもそもスケアクロウとは違うので、万が一にもこの前みたいな強奪事件が起ころうものなら今度こそ責任者達の首が”物理的に”飛ぶかもしれない。もちろん、まんまとパクられたら工場の人間だけでなく鉄血の未来も今度こそどん底に落ちる。

 

 ということで、以前スケアクロウを取り戻した実績がある俺に指名を頂けたと言う訳だ。という訳だよね? そうだよね? 頼むからそう言って欲しい。

 

 

 ちなみに本作戦。護衛対象として研究員達は何人か同行するが、戦闘要員として参加する”人間”は俺一人らしい。じゃあ他の戦力はと言えば、鉄血自前の戦術人形達が武装して護衛をするのだ。基本はRipperやVespidのような前衛要員が護送車を囲み、護送車には俺や狙撃が主任務のJaegerが詰めて敵と遭遇した際の防衛を行う。

 一応社外秘の極秘プロジェクトらしいので、スケアクロウの一件がなかったら俺も呼ばれてなかっただろう。

 

 

 ただ、鉄血製の人形は戦闘を効率的に進める事を前提に設計されている仕様上、特に下級人形は殺す技能に関しては高いレベルで纏まっているものの、自分で考え動くと言った事が苦手なのだ。戦術人形のコンセプト自体が人の代わりに前衛で出張って戦うというものだから当たり前なんだが、つまるところ下級人形のAIは自発的に動くのではなく、指揮官から指示を受けてその通りに進軍する方がより高い戦果をあげられるように設計されている。

 

 そうなってる理由は単純、コスト削減のため。自発的に動くという事は、あらゆる状況を想定して思考するという複雑な演算を常に行い続ける事を意味している。当然それをこなすには演算モジュールやAIのプログラム自体の仕様を高いグレードに仕上げてかなきゃならないが、そうすると今度は製造コストが高くなるわけで。販売価格というのも製造時に計算に入れなきゃいけない量産型故の宿命、どうしても切り捨てなきゃならない部分が出てくるわけだ。

 

 じゃあそんな鉄血の人形に指示を下すのは誰がやるのかと言われたら、多分俺にその役目が回ってくる。

 唯一の人間であり、加えてこの手の戦闘ってのも何度か経験はある。流石にE.L.I.Dやテロ組織相手に日々殺し合いをしてる本職の軍人達には負けるけどな。そして、スケアクロウを無傷で救ったこと。鉄血側が指揮者に任せる理由としちゃこんなところか。

 

 

 なおこの作戦にはハイエンドモデルシリーズの一人、『SP5NANO Destroyer』の型番を持ったチミっ子も重火力要員で参加するそうだが、彼女は見た目通り搭載しているAIも幼い少女をモデルに構成されているため、周りに指示を出しながら常に戦況を把握し続ける仕事は少々荷が重いだろう。

 

 デストロイヤーの名前の通り、そもそもが敵を圧倒的火力で薙ぎはらう事にコンセプトを見出している人形なので、そこは適材適所というかもう仕方のないこと。不得手な奴に指揮を任せたら本当に死人が出るわけで、そして慣れてない奴に一から教えて実戦で使えるように仕込むなんて時間もない。

 俺自身も指揮を執りつつ戦うのは得意というほどじゃないが、他に適任もいない以上任せられたらやるしかないな。

 

 

 とにかく、今回の仕事も成功させれば、鉄血に対して切れる交渉のカードが一つ増える。

 ギャラは金じゃなくてスケアクロウの代金の請求券を放棄してくれって頼むとかね・・・いやスマン。あんだけ彼女に助けられておいて代金踏み倒すのは流石にクズ過ぎるわ。

 

 ・・・よし! 腹を括ろう。

 自分のケツは自分で拭かないといかん。

 

 

 覚悟を決め、オンボロを鉄血の工場に走らせる事数刻。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とうとう着いちゃった。

 あ〜あ・・・。

 

 

 




 さあ。
 審判の時間だよ(ドゲス顏)

P90に名前を付けるとしたら?

  • そのまま『P90』でいんじゃね?
  • 『ナインティ』でいんじゃない?
  • ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
  • いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
  • 良いアイデアがあるから感想に書くぜ
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